~八幡side~
リーの高速攻撃、裏蓮華が当たる。その瞬間に我愛羅の砂のひょうたんが砂と化してクッションとなる。
「終わりか…」
砂に腕と足を潰され、止めを刺されかける。
「愛すべき俺の大切な部下だ」
救護班に運ばれるリー。
え?何故治しに行ってやらないかって?だって掌仙術は得意じゃないし、彼処まで粉々になってると俺じゃ無理。綱手さんでも完治はムズいだろう。
「次はチョウジね…勝ったら焼肉Qに連れてってあげるわ」
「よっしゃー!焼肉だーっ!」
まぁ結果は音の奴の一撃で沈んだが。
じいさんは、今回の予選通過者の前に立って、
「以前も話したように、本戦は諸君の戦いをみんなの前でさらすことになる。各々は各国の代表戦力として……それぞれの力をいかんなく発揮し見せつけて欲しい。よって本戦は…一か月後に開催される!」
「ここで今からやんじゃないの?」
「これは相応の準備期間と言うヤツじゃ…」
「どういうことだ?」
じいさんは一息つき、パイプを吸う。爺なんだから体を気遣って辞めればいいものを…
「つまりじゃ…各国の大名や忍頭に”予選”の終了を告げるとともに”本戦”への召集をかけるための準備期間…そしてこれは…お前たち受験生のための準備期間でもある」
「だから意味わかんねーじゃんよ!どういうことだ?」
砂の奴はじいさんの言い回しに気が立ってきたようだ。仕方ない…
「ったく…つまりはお前ら下忍は、今まで全く情報もなく戦ってきたハズだが…今回の予選により殆どの奴が種を明かしてしまっただろ。だから…その対策の期間でもあり、また……怪我をした予選通過者のための治療期間にもなる訳だ」
「そうじゃ…わしの説明を全部取りよってからに」
「あんたは遠回し過ぎてガキには理解できないんだよ」
「…ふぅむ……というわけでじゃ…そろそろ解散させてやりたいところなんじゃが…その前に一つ『本戦』のためにやっておかなきゃならん大切なことがある」
「なんだってばよ!」
「まぁそう焦らず…八幡の持っとる箱の中に紙が入っとるから、それを一人一枚とるのじゃ」
「さて…ズルはするなよ」
一人ずつ回りくじの結果、
①うずまきナルト
②日向ネジ
③我愛羅
④うちはサスケ
⑤カンクロウ
⑥油女シノ
⑦テマリ
⑧ドスキヌタ
⑨奈良シカマル
となった。
「では、それぞれ対策を練るなり休むなり、自由にするがよい。これで解散にするが何か最後に質問はあるか?」
「ちょっといいっスか?」
シカクさんの息子さんが挙手をする。やはりあの髪は遺伝か。
「うむ!」
「トーナメントってことは…優勝者は一人だけってことでしょう…つーことは中忍になれるのはたった一人だけってことっスか?」
「いや!そうではない…この本戦には審査員としてわしを含め、風影や任務を依頼する諸国の大名や忍頭が見ることになっておる。その審査員たちがトーナメントを通してお前たちに絶対評価をつけ…中忍としての資質が十分あると判断された者は…例え一回戦で負けていようとも…中忍になることができる」
「と言うことは……ここにいる全員が中忍になれる場合もあってことか?」
「うむ!じゃが逆に…一人も中忍になれん場合もある!……トーナメントで勝ち上がるということは…自分をアピールする回数が増えるという事じゃ。分かったかのぉ……シカマルくん」
「つまりシカマルは、最後まで勝ち上がれば四回アピールできるってことね…」
「そこだけ見たら有利だな」
「では御苦労じゃった!一月後まで解散じゃ!」
さて…一か月か。