プロのぼっちが火影候補なのは間違っている
~八幡side~
「じいさん、
「無論じゃ。それくらいはしてもらうぞ」
火影室にて、
「そう言われても、俺が火影なんて納得しないやつがいっぱい居るだろ」
「じゃから、次の担当上忍をせいと言うんじゃ」
そう、机の上には沢山の書類が並べられていて、それは今年
「はぁ……まぁ、火影をやるよりはマシか」
「…お主は本当に分からん奴じゃのう。火影はなりたくてもなれんものが多いというのに」
「自来也さんはその例に含まれない、だろ?」
幾つか技を教わった身としては、女湯を覗くのはやめてもらいたいが。
「…お主は奴に似たんかの?」
「失敬な!俺はアンタや
「なんじゃと!儂はエロ爺じゃない!」
「うそつけ!ミナト先生の子息の術に鼻血ブ―したこと、知ってるぞ!」
「誰じゃ!こやつに喋ったのは!」
「アンタの孫だ!」
「木ノ葉丸め!後で仕置きじゃあっ!」
閑話休題
「はぁはぁ……まぁつまり、俺は担当上忍をやればいいんだな?」
「はぁはぁ…うむ、それでじゃ。お主には血継限界を持つ班を担当してもらいたい」
書類を見る限り、今年は名家出身や血継限界持ちが沢山いるが、おそらく三大瞳術持ちのどちらかだろう。
「…今年はうずまきナルト、うちはサスケ、はるのサクラの第七班にははたけカカシが。奈良シカマル、山中いの、秋道チョウジの第十班には雪ノ下雪乃が。犬塚キバ、油女シノ、日向ヒナタの第八班には比企谷八幡、サポートとして由比ヶ浜結衣が配属される予定じゃ」
「…は?」
「何じゃ、何かおかしなところでもあったか?」
「いやおかしいだろ。何で第八班に上忍が二人いるんだ?」
それに雪ノ下に由比ヶ浜か…面倒だな。
「今回は特例じゃ。何せお主は火影直轄の暗部の中でも一番の実力者じゃ。完全に暗部を抜けると言う訳ではなく、兼任と言う形になるのじゃから、必然的に下忍の面倒を見る時間はなかろう」
「…じゃあ、ずっとついていなくていいんだな?」
「勿論じゃ。それに、お主が火影になるかもしれないしのぉ」
「ふざけるな。…まぁ理解した。もう帰っていい?」
「うむ。要件はそれだけじゃ」
当日、
「えっ、ヒッキー!?」
「あら、比企谷君じゃない。なぜここへ?」
担当上忍の顔合わせをさっさと済ませようとしたら、やはり絡まれた。
まぁ、元同じ班のメンバーだし当然なのか。
「俺は第八班の担当上忍になった。由比ヶ浜の上司ということだ」
「ええっ!アタシの上司になるエリートってヒッキーだったの!?」
エリートって…俺はそんなガラじゃないけどな。
昔は俺たちの担当上忍だった平塚静先生を笑えない、三十路に突入した俺たちだが、雪ノ下は昔よりも少し胸が出て美しいという言葉が似合う女性に、由比ヶ浜は見た目も中身も殆ど変わっていない。まぁ俺も他人のことは言えないが。
「それは置いといて…由比ヶ浜、何時上忍になったんだ?」
雪ノ下は大分前にじいさんから聞いたが、そもそもコイツが上忍になった話は聞かない。
「えっとねー、つい最近だよー」
「貴方は知らないでしょうけど、同期のみんなでお祝いもしたのよ」
「そりゃ知らねーよ。誘われてねーし」
おかしいな?同期の、しかも同班なのに誘われもしないなんて。まぁ別に行きたかったわけじゃないけど。
「えー、だってヒッキーのこと誰も知らないって言ってたし」
「私も色々聞きまわったけど、貴方の今を知ってる人がいなかったから、てっきり死んじゃったのかと思ってたわ」
「……まぁ、俺も色々あるんだよ」
「…そう、なら無理に聞かないわ。それよりもそろそろ時間よ」
「ん?…てことはカカシはまぁた遅刻か」
呟きながら、生徒のいる教室に歩き出す。