アニメしか見ていない人は知らないキャラが出てきます。
と言っても知らなくても大丈夫です。
高1
超研部にて
あらゆる研究の結果、俺は少し変わった能力を持っていることが分かった。
俺は魔女とキスすると相手の能力を奪うことができる。
そして二回目にキスすると能力が相手に戻る、と言うへんてこな能力だ。
あらゆる研究なんて言ったが飛鳥先輩と宮村先輩と俺の色々な組み合わせでキスしただけだ。
まぁ美人の二人とキスできたのだからだいぶ役得だろう。
ちなみに山崎先輩は何もしてない、俺と宮村先輩がキスするときはかなり不機嫌だったとだけ言っておこう。
「これはすごい発見だぞ!さすが私が勧誘した男だ!」
「そうだね、こんな事はノートに書いてなかったよ」
ノートとは超常現象研究部が書いた朱雀高校の七不思議について記されているノートの事だ。
「今までに見たことないケースだが、他にも比企谷のような奴がいる可能性があるな」
「これは研究のしがいがありそうだね」
二人はやたらテンションが上がっていて俺だけ取り残されてる。
もしかして俺の姿見えてないの?ちゃんと飛鳥先輩に能力返したはずなんだけど…。
「それで、これからはこの部活は何をするんですか?」
「とりあえずあと2人の魔女を見つけたいかな。もちろん魔女以外にも気になることがあればどんどん調べるよ」
「2人?魔女は全員で7人で今は4人分かっているから、後は3人じゃないんですか?」
「…まぁそうなんだけどね」
微妙な反応で答える山崎先輩。
何か変な事言ったか?
「いや、あと3人で合っているぞ。あと3人見つければこの部活は救われる」
「レオナ君、その話は前にしたじゃないか。
7人目の魔女は探してはいけないのは先代の先輩方から言われているだろ」
ふむ、話が全く分からんな。
「その話は比企谷を入れた3人でもう一度だ」
「はぁ~」
頭を押さえる山崎先輩。
それから今の超研部が廃部になりそうな事、山崎先輩が生徒会長を目指している事、7人目の魔女の事、そして
「魔女が7人そろえば何でも願い事が叶えることができる儀式を開けるんだ」
朱雀高校の禁忌を知る。
*
手芸部にて
「寧々ちゃん、ついにプリティーうさちゃんが完成しました」
「こ、これはウサギと言えるのかしら?」
今日は山田も潮君もナンシー?さんも来ていないから姫川さんと二人きりだ。
「なかなかの自信作なんですよ。…山田さんは褒めてくれるでしょうか?」
「…」
「黙り込まないでくださいよぉ~」
だってこれはなかなかのグロ動物よ。
まぁそれよりも、......山田か。
「ねえ。前から気になってたけれど、あなたって山田の事好きなの?」
思わずニヤッとして聞いてみたが
「なっ!何でそう思うんですか!?」
分かりやすいわね。
「見てたら誰でも分かるわよ。まさに恋する乙女って感じよ」
「そんな!絶対隠せてると思っていたのに」
真っ赤な顔に手を当てる仕草は何とも可愛らしい。
そう言う所を山田に見せたらいいんじゃないかしら?
「で、でも寧々ちゃんだって好きな人いるでしょ?」
「な、何の事かしら?」
一瞬動揺してしまったがここは余裕の表情を浮かべないと。
「私知っているんですよ。
…確か猫背で」
「さぁ?」
「髪はてっぺんがぴょこって飛び出てて」
「知らないね。」
「目が変で」
「変って…。」
「名前はひ「ちょっと!何で知ってるのよ!」
そんな!誰にも言ってないのに…。
「前に部室で携帯の画面眺めてたから何見てるのかなぁってちょっとのぞき込んだら男の人の写真が見えて…」
くっ、私としたことが
「それで数日後に寧々ちゃんと学校で話しているのを見かけたのでちょっとだけ調べました」
「はぁ~、完全にミスったわね」
顔にすごい熱を感じる。たぶん姫川さんみたいに赤くなっているのだろう。
「私はてっきり五十嵐さんが好きなんだと思っていました」
「確かに潮君はいい人ね」
顔を見られないように部屋の窓辺に向かい外の風にあたる。
「だけど…」
「だけど?」
熱い顔にはとても気持ちの良い風が吹く。
「何だか分からないけど、あいつのことを好きになっちゃったのよね」
きっと今の私の表情は誰にも見せてはいけないのだろう。
彼以外には
「寧々ちゃん…。」
こんな事を誰かに言うなんて考えてもみなかったけれど、言ってみたら案外スッキリするわね。
「私!寧々ちゃんの事応援します!」
「あら、それはありがと。私も応援してるわ」
彼女の方を見ると少し幼い表情でニッコリ笑っている。
癒されるスマイルね。
「寧々ちゃん大好き!」
「ちょ、ちょっと!」
前からぎゅっと抱き着かれた。
こうして姫川そらと私は前より少し仲良くなった。
「それで、どんな所が好きなんですか?」
「秘密よ!何も聞かないで」
「ええ~いいじゃないですか~」
…いや、仲良くなったというより懐かれた。
・・・
・・
・
高2
土曜日の朝10時
わざわざ土曜の朝から出かけないといけないなんてどんな罰ゲームだよっと思いながらもちゃんと指定された駅に来る俺はマジ紳士。
まぁぶっちゃけ行かなかったら飛鳥先輩が怖いから来ただけなんですけどね。
それにしても飛鳥先輩と出かけるとか3分で限界だわ。会話が続く気がしない。
3分なんてすぐだと思ってるそこの君、3分あったらでっかいヒーローが怪獣倒せるんだからね、勘違いしないでよね!
…何言ってんだ俺。
「飛鳥先輩遅いな、時間には厳しそうなイメージなんだが…」
まさかあれか、俺修羅で読んだことがある相手が何分待つか賭け事でもしてるんじゃねえのか?
トントン
くだらない事を考えていたら後ろから肩を叩かれた。
やっと来たか、飛鳥美琴よ。
「ごめん、遅くなった」
走って来たのか少し息が荒い。
「…いや、今来たところだ」
デートの決まり文句を言ってしまったが別にかっこつけたわけではない。
頭が少し混乱してついつい言ってしまっただけだ。
「そっか、それじゃあ早速行きましょうか」
約束通りに女の子は来てくれたが何かが違う。
「…なぁ一つ聞いてもいいか?」
何かというか人が違う。
「ん?」
俺の目の前にいたのは飛鳥美琴ではなく、
「小田切は何してんの?」
「それは…で、デートしに来てあげたのよ」
小田切寧々だった。