ー冬木市 間桐邸
「…お姉さま方…?」
「…うん、いい感じね私」
「そうね、私」
…あ、私、メデューサことアナです…。
姉様方、ちゃっかり現世に現れてます。…いえ、話は聞きましたが。
いえ、姉様方好きだからいいのです。ええ、本当に。
「ところで姉様方…?」
「…「なぁに?」」
「私の髪型をいじってどうしたのですか?」
「…ほら、今月、ツインテールの日、があるじゃない?私達はいつもツインテールだけど」
「そうですね。ツインテールの日関係ない、ですね。」
「そこでね」
「はい?」
「ツインテールで彼女、美綴さん、でしたっけ?彼女にあって欲しいのよ」
ツインテールで?
…いえ別にかまわないんですけれども。
「……ところで、今日私達、あの子を呼んだのよね、私」
「それはもちろん」
「えっ?!呼んだ?!間桐邸に?!どうやって?!」
あのクソワカメが居るのに?!
ちょ、ちょっとまってください。あのクソワカメをなんとかしなければ…
「あ、居た男は消えてもらった。あと、どうやって、は桜さんに「こないだのお礼が何かしたいので、一緒に料理をしませんか?」って手紙を書いてもらって」
「…消えてもらった?!後桜にどうやって?!」
「・・・まあ、懸賞を当ててもらってちょっと旅行に行ってもらってるだけだけどね。桜さんにたいしては、……夢のお告げってことにしておいたほうが身のためよ」
「…なるほど」
そう言えば、昨日から旅行へ行く、といって旅行へ行っていたんでしたっけ。
後ごめんなさい桜…。
でもそれなら、アヤコが来ても平気です。
というかどんとこいです。
「…ところで姉様方?」
「「なぁに?」」
「…姉様方はどうやって、召喚されたままでいるんですか?」
「…「企業秘密♪」」
「あ、はい」
姉様方がこういったときは触れると私…というか私が大きくなった姿が大抵痛い目を見るので、黙っているのです。
でも、黙っていても大抵痛い目に会うのです。
ごめんなさい、大きくなった私。
「…さて、そろそろ来る頃かしらね」
「私達、向こうで見てるわね!ねえ私」
「…そうね、私。ちゃんと頑張るのよ、アナ」
「…がんばり、ます」
ちゃんと姉様方を満足させるように。
それと、アヤコに可愛いと思ってもらえるように。
アナ、がんばり、ます。
そして、アヤコがやってきました。
「ーーーーいやあ、キッチン借りる事になって悪いね、間桐妹」
「いえ、こないだのお礼も兼ねてますし」
「…アヤコお姉ちゃん、いらっしゃい」
「お、お邪魔してます」
そういって、私の頭を撫でるアヤコ。
えへへ、幸せです。…いえ、幸せなのはいいのですが。
ちょっと髪を見せるように、と。
「あ、そうそう。今日アナちゃん髪型変えたのよね」
「(ナイスです、サクラ)」
「(あんまり、暴走しないようにね)」
「(わかっています。今の私はアナです。大丈夫です)」
「ん?そうなのか?」
「はい。…いえ、いつもはひとつ結びにしているんですが、今日はツインテールに」
「お。なるほど。…いいね、可愛くて似合ってるよ」
そう言って笑ったアヤコ。
……とてもかわいいです。本当に。この髪型にしてくださった姉様方に感謝します。
さて、料理、です。
「そうだなー…。まあ、私は大量生産料理が得意だからなー」
「あ、そう言えばスコーンとか作っていただきました」
「だろー?」
「あっ!…貰いました」
「お、どうだった?」
「とても美味しかったです!」
思わず力が入りました。
でも、本当に美味しかったので。美味しかったので!(大事なので二回いいました。)
…ということで、スコーンを一緒に作ることになりました。
私、冷静でいられるでしょうか。…いえ、アナですから!アナですから。
続く。