そして綾子視点は第一話ぶりとなります。
ー冬木市、神社。
友達、というか、腐れ縁になった陸上部三人娘と初詣にきた、私、美綴綾子。
そこで、アナちゃんというなついてくれてる幼女とその親戚である間桐桜とあった。
「「あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします」」
「あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。…いやあ、偉いなアナちゃん。ちゃんと挨拶できて」
そう言って、アナちゃんの頭を撫でてやる。
無表情なんだが、とても喜んでくれてる、と私は思っている。
いや、私が勝手に思ってるだけで、もしかしたら全然喜んでくれてないのかもしれないが。
「ありがとうございます、アヤコ」
「よしよし、お姉ちゃんがお年玉をやろう」
「いえ、先輩流石にそこまでは」
「いいんだ、間桐妹。私がやりたいから、やるんだ」
「…ありがとうございます」
そう言って、頭を下げる間桐妹。
に、と笑って財布を取り出し、買っておいたポチ袋に五千円をいれ、アナちゃんに渡す。
そして、その姿を。
「おやおやぁ、美綴嬢」
「んだよ、氷室」
やっかいな氷室鐘に見られた。
ほら、凄いニヤニヤしてらっしゃる。
「いや、なに。美綴嬢はそういう趣味がお有りなのかな、と思ってな」
「何言ってるんだお前」
「…………そうですよね………」
アナちゃんが何か、ダメージを受けた顔をしている?!
間切妹の方を見ると、困ったように笑っていた。あれ?なんか私やっちゃった?!
とりあえず、ダメージを受けたような顔をしているアナちゃんの頭をなでつつ。
「まあ、あれだよ。アナちゃんにはいい人がすぐ出来るよ」
「………はい………」
さらに、何かこう、ダメージが深くなったようなきがする。
どうしよう、私が何か出来ることはあるのだろうか。
困っているとアナちゃんが手を繋いでほしそうに手を伸ばして。
「あの…もしよろしければ、私と一緒にお店周りませんか…?」
「お、喜んで」
そう言って、私はアナちゃんが伸ばした手を空いてる自分の手に握らせ、その繋いだ手を自分が着ているジャンパーに入れる。
それをやったらアナちゃんのテンションが突然上がったような気がした。
というか、確実にテンションを上がって居ると思うわ。
「いやあ、美綴嬢はイケメンですなあ」
「流石、恋人にしたい女性一位だな」
「鐘ちゃん、楓ちゃん、よくないよ」
というか、そうだ、三人娘が居たんだった。
というか、氷室とマキジがヤケに調子乗って煽ってくるだけで、三枝はいい子なんだった。なんで、こんないい子が氷室達と一緒にいるんだか。
まあ、同じ部活だから、と言われてしまえば、その通りなんだけれど。
………いや、私もマキジと氷室と友達だし、友達になる理由なんてどうでもいいか。
とりあえず、三人娘とアナちゃんと一緒に初詣を楽しんだ。
三人娘の氷室とマキジにお年玉を強請られたがとりあえず断っておいた。