私と綾子と   作:のゔぇんぶれ

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前回の題名と違う?
よくあるよくある


私とアヤコとーうなぎのひー

冬木市、衛宮家。

私、美綴綾子は衛宮に「美味しい鰻が入ったから家にこいよ」と誘われて衛宮宅へお邪魔してる。

いやあ、鰻楽しみだなー。

 

「綾子って割とちょろいわよね」

「ちょろいってなんだよ…」

「いやあ、だってねえ」

 

くすくすと笑う遠坂。

うわ何だこいつなぐりてぇ、みたいな顔で私は見ていた。

 

「ちょっと、何よ?」

「いや、先に色々言ってたのは遠坂だろうに」

「だって事実じゃない」

「事実ってなんだよぉ」

 

なんてやり取りをしていると、アナちゃんが顔を出してきた。

 

「アヤコお姉さん…」

「お、アナちゃん。こっちおいでー」

 

ぽんぽん、と私が座ってる席の横を叩く。

そこにとことこ、っとやってきて座るアナちゃん。

可愛い。やはり可愛い。

 

「おやおや、美綴さん、ロリコンでしたか」

「うっせ。妹がほしかったんだよ妹が」

「妹…」

「妹ねえ…。いや、まあ、いいものよ妹は」

「だよなあ。可愛いし」

「そうよ、可愛いわ」

「…凛お姉ちゃんはそんなこと思ってたんですか?」

 

そう言って、ちょっと驚いた顔をするアナちゃん。

はて、間桐と遠坂ってそんなに仲悪かったか?なんて思いながら。

 

「いやあ、ほら、私達もいろいろとあるのよ」

「そうですね…」

 

アナちゃんはどうやらその色々を知っている様子。

まあ…これ以上踏み込むと私と遠坂の仲にひびが入りそうだから、これ以上突っ込まないことにしておく。

…いや、あとこれ以上つっこんだら私いけない気がするし。何が、とは言わないけれども。

しっかしそうかー、いろいろとあるんだなー。

 

「ところで、遠坂は手伝わなくていいのか?」

「あー、桜と衛宮君の手際をみてたら手伝う気にはならないわ」

「そうなのか」

 

ちょっと見てみたい気もするが、きっと心折られそうである。

いや、私だってそれなりに料理するから手際いいと思うし遠坂は中華料理を作らせたら冬木市では右に出るものは居ないと私は思っているのだが。

その遠坂がそういうなら、きっと間桐妹も衛宮も凄い手際で凄い美味しいうなぎを食べさせてくれるんだろう。あの二人の料理の凄さは私知ってるわけだしな。美味しいからな。

私はワクワクしている。凄いワクワクしている。

 

「アヤコお姉さん、…なんかこう、嬉しいことでもあった?」

「いや、これからその嬉しいことが起こるんじゃないか、って思ってる」

 

だって、あの遠坂が舌を巻くレベルの手際なんだぜ?

そりゃあ美味しい鰻が出てくると思うじゃん。期待しちゃうよ。

 

「…でもアヤコお姉さん…、そんなにハードルを上げるとがっかりしちゃうんじゃ…?」

「がっかり、したら衛宮を殴るさ。ボッコボコにな」

「ちょっとそれもみてみたいなー」

 

まあ、衛宮の事だから、多分ハードルをだいぶ超える鰻を食べさせてくれるんだろうけれども。

やっぱ夏は鰻だな!

 

 

 

ということで出てきたひつまぶしは美味しかった。

やっぱり夏は鰻だった!!!!!!やっぱ衛宮は天才だわ。

 


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