私と綾子と   作:のゔぇんぶれ

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書きたかったんです…許してください…


私と綾子と

冬木市 某所

 

「…なるほど、これで、姉様達みたく…」

 

「なれるかどうかはわかりませんが、若返りはできますよ」

 

「ありがとうございます。ふふっ…待っていてくださいアヤコ…」

 

「(誰だか知らないけれど、逃げきってください)」

 

 

某所での会合より30分後 わくわくざぶーん内

 

「いやー、たまには来るもんだな」

 

あたし、美綴綾子はそう一緒に来た衛宮士郎、遠坂凛の二名に話しかけた。

 

「何?綾子久しぶりなの?」

「なんだよ、その口ぶり。なんだぁ?デートで何度も来たってか?」

「まあ…それは…」

「うっそだろ衛宮!?」

 

冗談のつもりだったのに、本当の事だったらしく何かもじもじするお二人。

そーかそーか、畜生!友達だと思ってたのに!

 

「あ、そうだ、綾子。あの時の”賭け”覚えてるわよね?」

「・・・おう」

「ほーらほーら、私と士郎が恋人同士になったんだから、ちゃんと払ってよねー」

「…………仕方ないな。出来るだけ遠慮はしてくれよ。あたし今、金欠気味なんだ」

「なあ、遠坂。”賭け”ってなんだ?」

 

そう、遠坂に聞いた衛宮。

 

「そうね、貴方にも…セイバーにも聞いてもらったほうがいいわね」

「なんですか、凛」

 

突然外人の女性が沸いた。

まあ、知っているが。セイバーさん、とか言ったっけな。

どうやって現れたか、は分からないが、まあ、あたしが見えなかっただけで初めから居たんだろう。

 

「ふっふっふー、セイバー、何食べたい?今ならこの綾子が何でも奢ってくれるわよ」

「本当ですか!本当になんでも食べて良いんですか、リン!アヤコ!」

「お、おう」

 

突然食いついてきたセイバーさんに多少引き気味になりながらあたしは頷いた。

そしてそれが、地獄の始まりだった。

 

 

「…なんてこった…あたしのお小遣いが…」

 

たった5分で轟沈レベルである。まずい、非常にまずい。

とりあえず、この”たこやき”で当分腹を満たしてもらって…、なんて考えていると誰かとぶつかってしまった。

 

「あ、すみません」

「いえ、こちらこそ」

 

ぶつかったのは、とても可愛らしい幼女。

真っ黒いフード付きの水着を来て、長い髪を三つ編みにしている。

 

「…?」

「どうしました?」

「あ、ごめん。知り合いに似ていたから」

 

それにしては逃げ出したくならないが。

逃げ出したくない…?いやまあ、いいか。

 

「そうですか。…その方は、どんな感じですか?」

「どんな感じかあ…。………こわい、かな」

「こわい?!」

「こわい」

 

とてもとてもこわい。

 

「そうですか…、なんかその、すみませんでした…」

「いやいや、君が謝ることじゃないさ」

「そうですか…」

 

なんかすごくがっかりしている。

どうしたものか、と考えていると。

 

「そうだ、これ、食べる?」

「これ?」

「これ。”たこ焼き”って言うんだけどー…分かる?」

「なるほど、これが姉様達の言っていた”たこやき”。わたし、初めて食べます」

「そうかー、食べてみな。美味しいよ?」

 

正直セイバーさんに渡すとすぐ無くなりそうだし、ここであげても良い気がする。

とりあえず、入ってる船皿を渡し。

 

「どうやって、たべる、のですか?」

「あー、食べ方知らないかー。じゃあちょっと持ってて」

 

きょとん、としている。

 

「口開けて。食べさせてあげるよ」

 

そう言って、たこ焼きに爪楊枝を刺し、口元に持っていく。

初めはやっぱりきょとん、としていたが口を開けてくれた少女。

そして、私はそこにたこ焼きを入れて。

 

「おおおおおおおおおおおおお」

 

感動する幼女を見てにっこりと笑った。

 

「美味しい?」

「ほいしいです(美味しいです)」

「そう、よかった。いっぱいあるし、もっと食べる?」

「食べたい、ですが…お姉さんの分は?」

「あー、いや。大丈夫だ。どうせ私のじゃないし」

 

セイバーさんはきっと許してくれる。

衛宮と遠坂は知らない。…どうせわたしが居ないほうがラブラブしてるだろうしな。

畜生。

 

「じゃ、じゃあ…もっと…」

「よし、分かった。じゃあ、ほい」

 

そう言って、残りのたこ焼きも少女の口に入れていく。

そして、最後の一個になった時。

 

 

 

 

 

ぽんっ

 

 

 

 

 

 

という音とともにちょっとした煙が立って。

そしてー、それが晴れた時、そこに居たのは。

 

 

「ららっらららららららららららら」

「ホラお姉さんはや………あら?」

「らぁいだぁさあああああああああああああああああああああああんん_?!」

 

 

そこに居たのは私が苦手なライダーさんがそこにはいた。

あれ?幼女は?とは思ったが、私の本能が逃げろ、と言っている。

 

「やああああああああああああああああああだあああああああああああああああああああ、助けて衛宮あああああああああああああああああああああああ」

「あ、ちょっと待ってくださいアヤコ!アヤコ!」

「わたしは、普通の恋愛が、したいんだーーーーー!!」

 

あたしの逃走劇は今、始まったばかりだ!

 




おかしい…ロリメデューサさんとイチャイチャする話だったはずなのに…
まあ、メデューサさんだから仕方ないですね!

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