この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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おまたせ


奥義93 ナゾ呼ぶナゾな大クイズ!!

「オレたちに弱点だと?バカめ!そんなものはない!」

 

カズマの宣言を聞いた床屋さんは嘲笑うが、それを『ブラック・マジシャン』のカードを手に持って、毅然とした態度で返す

 

「それはどうかな?」

 

ハジメが

 

(お前が言うの!!?なんで!?

 

一部始終を見ていたヘッポコ丸は内心突っ込む

 

そんな中、勝利を確信したカズマが啖呵を切る

 

「流浪の床屋!!お前たちに本当のチームワークってヤツを見せてやるぜ!!!」

 

シュコシュコシュコシュコ!

 

「ムグググググググ!!!!」

「きゃあああ!!!」

 

するとカズマとハジメは、ポンプを使って天の助の口から空気をパンパンになるまで送り込み始めた

 

「あと頼むわ」

「オッケー」チャキ

「むー!むー!」

 

教室の半分ほどの体積になった天の助に対しハジメはステキ銃“ドンナー”を突きつけ、引き金を引く

 

パァーーーン!!!

 

そして破裂した天の助が全員の視界を覆うと…次の瞬間、教室は不思議な空間を変わった

 

『ハジケ流究極奥義「スーパーウルトラハジケクイズ」!!!!』

「な、なんだここは!?」

『バルーンメンびっくり!!』

 

明らかに現実とは違う摩訶不思議な場所に移動したことに床屋さんとバルーンメンは激しく狼狽する

 

「ここはあらゆる「ナゾ」が具現化する世界!!心してかかれ!!独りでは決して解けない「ナゾ」がキサマたちを襲うぜ!!!」

 

最初にカズマを中心に広大な砂漠が広がり、背後にスフィンクス像が浮上する

 

「まず第一問!!「朝は4本、昼は2本、夜は3本」、それは一体なんだ!!?」

「バカめ!!こんな有名なクイズ、ガキでも知ってるぜ!!」

 

それを聞いた床屋さんは自信満々に答える

 

「答えは「人」だ!!朝は赤ん坊が手足の4本で、昼は大人が両足の2本で、夜は老いぼれが足と杖の3本で歩くからだ!!!」

 

ブー!

 

「残念!!ハズレだ!!」

「バカな!?答えは間違いなく「人」のはずだ!」

「では答え合わせ!!!」

 

カズマの近くのホワイトボード、そこにはある絵が描かれていた…!

 

四つん這いで借金に苦しむタコ

         ↓

しかし異世界転移したタコはチートでチヤホヤされて仁王立ちする

         ↓

そして魔王を相手に剣を杖に立ち上がるタコ

 

「答えは「勇者オクトパスの道筋」だ!!!」

「分かるかーーーーー!!!!」

 

あまりに関連性がなさすぎるメチャクチャな答えに床屋さんは青筋を浮かべてキレた

 

「不正解者には罰ゲーム!「スフィンクスの裁き」!!!」

『ネコもおだてりゃ木に登る』ボオオオオ!

「アチャアアアアアアアア!!!!」

 

スフィンクスの方から放たれた火炎放射が床屋さんとバルーンメンをこんがり焼く

 

「失敗すれば大ダメージ必死の罰ゲーム発生だ!!キチンと解かねーと死ぬぜ!!!」

 

しかし理不尽なクイズはまだ始まったばかりだ。砂漠が消え、次に凍土のような場所に現れる

 

「続いて第二問だ!!ペンギンのヒレは何のためにある!?」

 

すると先ほどとは違い3つの看板が出てくる。3択クイズだ

 

「①天敵を倒すため!②水の中を泳ぐため!③宇宙戦争を勝ち抜くため!さあどれだ!?」

「なんか壮大な選択肢があるんだけど!!?」

 

ビュティのツッコミが響き渡る。言うまでもなく③番の答えだろう

 

「よし、3択問題なら間違えようもない!ここは…」

『お待ちください隊長!!』

 

しかし、ここでバルーンメンが床屋さんに対してストップをかける

 

『普通に答えても先ほどのように間違えるかも!ここは③番を選びます!!』

 

「③!!」とデカデカと書かれたプラカードを提示するバルーンメン。果たして正解は…?

 

ピンポーン!

 

「正解〜!!なぜならペンギンは黒いから!!」

「おお!!理由はよく分からんが問題を解けたぞ!!よくやった副隊長!」

『感謝の極み』

 

まさかを正解を引き当てる2人。思わぬ展開に喜ぶ中、カズマはくす玉をパカッと開き…

 

「ペンギン爆弾♪」と書かれた弾幕が垂れる

 

「ごほうびにペンギンさんをプレゼント!!!」

『シューティング・ザ・ペンギン!!!!』ドゴーン!ドゴーン!ドゴーン!

「ぎゃあああああああ!!!!」

「空から大量のペンギンが降ってきたー!!!!」

 

すると天空からペンギンが流星群のごとく降り注ぎ、敵2人に大ダメージを与えた

 

ヒューーーーー

 

「よく見たら天の助くんも落ちてきてる!!!」

 

ビュティの言うように、ペンギンの群れの中には直立不動の姿勢で落下するところてんの姿もあった

 

「不発弾発見!!!」ドカーン!

「ぎゃあああ!!!」

「天の助くーーーーーーん!!!」

 

そして不発弾認定された天の助は、カズマが放ったバズーカで空のモクズとなった

 

「キタネーぞテメー!!!問題を解けば攻撃しないんじゃなかったのか!!!」

「クイズをなめるな」

 

あまりに不条理な状況に床屋さんは抗議するが、カズマは悪いのはそっちと言わんばかりだ

 

「さあ第三問目だ!!!次のテーマは海だ!!!」

 

フィールドは海へと変わり、新たな問題が登場

 

「海の広さは地球の何%か!?」

「くっ…どう答えればヤツの攻撃を防げる…?考えろ!考えろ!考え…!」

 

必死に思考を巡らせていると、カズマの近くにいたぷっちんが雷の上級魔法を唱える姿が見えた

 

「うおおっ!!?」

「闇色の雷撃よ、我が敵を撃ち貫け!!《カースド・ライトニング》!!」バチバチ

 

黒い雷が杖から地面に放たれると、海辺にいた床屋さんとバルーンメンと天の助の3人を感電させた

 

「ハイ時間切れー!!!」ブッブー!

「ぎゃあああああ答えるスキもねーーー!!!」バリバリバリ

 

言うまでもなく不正解とされた

 

「(こいつ絶対殺す…!)ぐは!」

「次は第四問目だ。よく聞いてくれよ」

 

そしてカズマは口を開く…とても小さく

 

「〜〜〜〜〜、〜〜〜〜〜〜〜」ボソボソボソボソ

「聞き取れるかーー!!!」

 

とうとう問題自体聞き取らせない暴挙に床屋さんは大声で怒鳴った

 

「さぁ、回答時間は3秒だ」

「えっ!?」

「3」

 

急なカウントダウンに戸惑うもカズマは止まらない

 

「2」

「うぬ…ぬ…!」

「1」

 

そして床屋さんが出した答えが…

 

「フロリダ?」

 

ゴオ!

 

「真面目に答えろー!!!」ボン!

「んなムチャなーーーー!!!!」

 

激怒したカズマの右ストレートが床屋さんの骨をコナゴナに砕いた様子を見て、ビュティは絶叫した

 

「第六問…お前たちに突きつけられるのは究極の2択だ」

「何!!!」

 

そしてフィールドが変わると…そこはトロッコが設置された2本に別れたレール、そのうちの2つ目のレールの上に2人はいた

 

「これは!!」

「そう、これはかの有名な「トロッコ問題」」

 

「トロッコ問題」。レールを切り替えるレバーが回答者の目の前にあり、レールを切り替えなければ5人、切り替えれば1人がトロッコにひかれてしまう

 

見なかったフリをして5人を見捨てるか、自分で動いて1人を犠牲にするか、それ以外の選択が許されない究極の2択であった

 

「レールを動かさなければ、この里の外で戦ってる多くの部下に向かってトロッコは突撃することになる!!!さあどうする!!!」

 

部下の命か、自分たちの命か…最初から流浪の床屋さんの答えは決まっていた

 

「ハッハッハー!!!見捨てるに決まってるだろう!!!!有象無象のザコが死んだ所で支障なし!この勝負、我々の勝ちだ!!!!」

 

そう、床屋さんは仲間を助ける気などハナからない。自分と副隊長の命を即優先したのだ

 

高笑いする床屋さんをカズマは冷たい目で見る。まるでそうすると分かっていたように

 

「あわてるな。レバーを動かす役目はお前たちじゃない」

「何!?じゃあ一体誰が!!」

「いるじゃねーか、もう1人、お前たちの仲間が」

 

そう言われてレバーの方を見てみると

 

「バブ、アブ」ペシ ペシ

「何ィーーーーーーー!!!?」

 

デフォルメ化した赤ちゃん姿のハジメがレバーを触っていた

 

レバーを軽く叩くハジメはやがてその全身を使ってレバーを抱きしめる。全体重を乗せれば確実にレバーは動くだろう

 

「よせ!オレたちは仲間だ!!動かすな!!」

『るーるるる!るーるるる!』

 

必死を止めようとする2人の姿を、ハジメは見る

 

「…………」

 

…………

 

「バッブァ!!!!」ガシャコン

「チカラいっぱい動かしたーーー!!!!」

 

ドガン!

 

「ぎゃばぁ!!!」

 

そして流浪の床屋さんとバルーンメンは神速のトロッコにひかれるのだった

 

「ぐぐ…!」

 

それでもまだ2人は健在で、起き上がった床屋さんは憤怒の表情で叫ぶ

 

「クソガキがアアアーーー!!!!オレたちは選ばれし新人類マルハーゲ帝国の人間だぞ!!!!ガキの分際で逆らいやがってー!!!」

「それがお前たちの本性だッ!!!」

 

だが、そんな身勝手な理屈を許すハジケリストたちではない

 

「僕たちが向こうで戦ってきたヤツらと同じさ!!他人を弱いと見下し、平気で切り捨てる!!!」

「そんなヤツらが3狩リアをしかけてきた時点で、俺たちの勝利は確実だったんだよ!!!!」

 

往復してきた天の助トロッコにはカズマとハジメが乗っており、その手にはそれぞれちゅんちゅん丸とドンナーが握られている

 

「ナメるなガキどもーーーー!!!!」

 

そんなカズマたちに対して、ハサミと風船を手に突撃する流浪の床屋さんとバルーンメンを

 

 

 

『超協力奥義「この素晴らしいハジケリストは世界最狂」!!!!』

 

ちゅんちゅん丸とドンナーが打ち砕いた

 

「(つ、(つえ)え…!)がばはぁ!!!」

 

グシャ×2

 

「やったー!!!カズマくんたちの大勝利だ!!!」

 

ハサミと顔を含めた風船を破壊された2人は、血ヘドを吐きながら倒れ伏した

 

「よし!このまま元の世界に帰還するぞ!!」

 

そして、唐突に現れた次元の穴に向かってハジメがところてんトロッコから飛び出そうとし

 

ガッ

 

「「「あ」」」

 

天の助が脱線

 

「「わああああああ!!!」」

 

結果、カズマとハジメが次元の穴に飛び込んでしまった

 

『先生ーーーーー!!!』

「うお!!?」

 

ちょうど同じタイミングで、戦いが終わったぷっちんの元に生徒たちが駆けつける。その微笑ましい光景を見ていたおかげで、誰もが見逃していた

 

「あれ?カズマくんは?」

 

 

 

一方、カズマはというと…

 

「ただいまー」

「おかえり、ハジメ」

「おかえりなさいですぅ!」

「いやーコラボ先に1年もいることになるとは大変だったよ」

「出張が長引いたサラリーマンみたいなセリフですぅ。…あの、よろしいですかハジメさん?」

「何?」

 

「エーン エーン」

 

「…どちら様ですか?」

「「この素晴らしい世界にハジケリストを!」のカズマくん」

「コラボ先の主人公さん連れてきちゃったですぅ!!!」

 

「よしよし。ボク、どこから来たか分かる?」

「このすば…」

 

世界規模(ワールドクラス)の迷子になっていたのであった


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