この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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ボーボボ5巻を紛失した

よりによってこのタイミングで紛失するなんて……今必死に捜索中ですけど、場合によっては後々のある話のセリフがだいぶ変わってしまうかもしれないのでご了承ください


奥義77 遊園地ってすばらしい!!

一方、ヘッポコ丸とめぐみんの2人はボーボボたちを探していた

 

「ボーボボさん、いないなぁ…」

「あれだけ暴れていればすぐに見つかると思っていたのですけどね」

 

遊園地内を歩きながら2人は話す

 

「しかしアルカンレティアに来たからにはお土産のまんじゅうを買っていかないとですね。絶対にこめっこが買ってきたかどうか聞いてくるでしょうし」

「こめっこ?」

 

聞き慣れない名前?に疑問符を浮かべるヘッポコ丸

 

「妹の名前です。紅魔の里の実家にいるんですよ」

「へぇ〜、5歳くらい?」

「今私の身長で妹の年齢を判断しなかったか?」

 

ドスの効いた声でそう言われて目をそらすヘッポコ丸。バレバレだった

 

「しかしめぐみんにも妹がいたんだな」

 

めぐみん“にも”、その言葉をめぐみんは聞き逃さない

 

「もしかしてヘッポコ丸も妹がいるのですか?」

「ああ、ポコミって名前なんだ。5つくらい年下だな」

 

意外な接点が見つかったヘッポコ丸とめぐみんだった

 

「はーい風船だよーー」

 

すると歩いていた2人は子供たちに風船を配っているきぐるみらしき存在に気がつく

 

「押さないで、押さないで」

「よこせよ!!よこせよ!!」

 

そして子供たちに混ざって首領パッチがきぐるみの人に向かって叫ぶ

 

「渋谷区大型デパートヨコセヨ!!!!渋谷区大型デパートヨコセヨ!!!!」

 

パーパ♪マーマ♪ボーク♪

 

みーんなハッピー♪みーんなハッピー♪ヨコヨコヨコヨコ、ヨコセーヨデパート♪

 

「ヨコセヨ大統領」

 

風船を配っていたボーボボはワケの分からない返しをする

 

それを聞いた首領パッチはチョンマゲ(かんぴょう巻き)を頭の乗せて刀を抜く

 

「キサマ、それはオレが武士だと知っての狼藉か?」チャキ

本気(マジ)スか!!?さてはアナタはお江戸の…!」

 

うろたえるボーボボに対して首領パッチは膝をついて自己紹介する

 

「さよう。拙者、江戸のハジケ道場中型免許皆伝、パチ(やま)ハジケ左右衛門(ざえもん)にございましてつかまつります」

「……」ゴソゴソ

「拙者、このたび江戸の徳川様より極秘の任務を授かり」

 

話を続ける首領パッチを無視して、ボーボボはトゲや腕に風船を次々つけていく

 

フワ〜

 

「この越前に馳せ参じた次第にござりまする」

「ふぅ…」

 

ボーボボはいい仕事としたといった感じに汗を拭く

 

「ボーボボさん」

「ヘッポコ丸、めぐみん」

 

首領パッチを空に飛ばしたあと、ボーボボはヘッポコ丸とめぐみんの方を向く

 

「何をやっているのですかまったく」

「もうみんな宿に着きましたよ」

「待て、せめて1つだけアトラクションを調べていくぞ」

 

3人はどこかに移動を始めるが、空に浮かんでいる首領パッチは話を続けていた

 

「つまり拙者はその悪党の討伐を命じられて、この越前まで来たのでござる。わかっていただけたかな?」

 

そして首領パッチが目を開いた先にいたのは

 

「大変だね」バサバサ

 

青い小鳥だった

 

(フッ…たまにはよかろう…こんなベタなのも…)

 

ハジケ座衛門はそう思った

 

「お!うまそう、いただき」

「あ、そのチョンマゲ食わないで。オレの夕飯だから…」

 

 

 

アイキャッチ(首領パッチVer)

『桜エビっ!!!』

『このすばだよ!!!』

 

 

 

ボーボボはヘッポコ丸とめぐみんを連れてアトラクション“おさるのトレイン”の前まで来ていた

 

「よし、ここを調べよう」

「ボーボボさん待ってくださいよ!」

 

ヘッポコ丸とめぐみんはボーボボを追いかける

 

「ん?」

 

そして3人が中に入ると

 

「……」

「何見てんだよ」

 

おさるのトレイン内のサルを制圧した人型ウサギ4匹が乗り物の小型列車の上に乗っていた

 

「けっ…サルってのもたいしたことねぇな…」

 

先頭のウサギはそうボヤいた

 

プシュウウ

 

エリアを1周し終えた列車は停車する

 

「よし、次はカバを倒そうぜ」

「カバはまずいよ」

「ビビってんのか!?」

「ヤツのバック(背後)には金魚がついてるぞ」

「金魚!!?」

 

そんなウサギたちの様子をヘッポコ丸とめぐみんは黙って見ているのだった

 

「よし、2人とも、乗るぞ」

「え…オレはいいです!」

「私も見てるだけにします!」

 

あまり乗り気ではない2人は断る

 

「え〜〜〜〜乗らないの〜?」

『まもなく、おさるの列車が発車します』

 

ボーボボは子供みたいに不満を言う

 

『ご乗車される方はお急ぎ下さい』

「じゃ、オレ1人で乗ろ」

「「!!!」」

 

4つに連結した小さな列車の上には、前から毛狩り隊員、パンダ、ボーボボ、サルが乗っていた。なお、パンダとサルはモノホンである。キワモノな組み合わせに2人は驚愕する

 

『なお、ご案内は(ワタクシ)、おさるのトレイン守護神ウキッキがさせて頂きます』

 

毛狩り隊員ことウキッキはマイクでそう伝える

 

『…では素晴らしき猿の世界へ』

 

そしておさるのトレインは動き出した

 

「発車!!!!」ドシュウ!

「!!!」

 

サルの車両を置き去りにして

 

「………」

 

手を前に出しながら唖然としていたサルはやがて目をつむって思った

 

(…フッ、いいんじゃないかな…たまにはこんなベタなのも…)

 

列車から降りたサルはめぐみんの前に立ち

 

「お嬢さん、オレとお茶でも飲みに行きませんか?」

「イヤです」

 

ナンパしたが即座に断られた

 

「ナンパも失敗」

(ボーボボさん、大丈夫かな…)

 

肩をすくめてため息を吐くサルを無視しながらヘッポコ丸はボーボボの心配をした

 

 

 

「うおおおおおおおおおおお!!!!しっかりつかまってろおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

ボーボボの乗る列車は爆走していた

 

それぞれ振り落とされないようにウキッキとパンダは手で、ボーボボは鼻毛で取手に掴まっていた

 

「右を!!!右をごらん下さい!!!サルです!!!」

 

風圧で体が飛ばされそうになりながらもマイクを手にガイドする

 

「左をごらん下さい!!!サルです!!!!」

「ああ!」

 

風圧に耐えきれずパンダが列車の上からいなくなる

 

「待てぇー!!!」

「!」

 

そんな中、列車の後ろから声が聞こえてきた

 

「やっぱりオレも乗せてくれー!!!」シャー シャー

 

なんと置いてけぼりにされたサルがスケート靴を履いて線路の上を滑りながら追いかけてきたのである

 

「トンネルに突入するぞぉぉ!!!!」

 

ゴオオオオオオ

 

ウキッキの魂の叫びと共に列車はトンネルの中に入っていき…

 

オオオオォォォォォォォォ…

 

……し〜〜〜ん……

 

(あれ?出てこなくなった…)

 

遠くで見ていたヘッポコ丸は不審に思い

 

「だ〜〜」バキバキ

「「わあああああああああ!!!!!」」

 

トンネルの出口を壊しながら巨大な赤ちゃんが出てきたのを見てヘッポコ丸とめぐみんは絶叫した。サルたちも激しく動揺している

 

「だー、だー」バキ!

「ウッキー!」

 

サルに興味津々な赤ちゃんは軽くはたくが、その巨体ゆえにサルたちのダメージは大きかった

 

(…………ボーボボさんは…?)

「だー」

 

トンネルの中…

 

「くっ!」

「トモヒロはどこだ?」

 

互いににらみ合う中、ボーボボがウキッキに問う

 

「誰が教えるか!!!」ダッ!

 

ウキッキはサルの構えでボーボボに突撃し

 

『亀村水没!!!』

 

渦巻き状の鼻毛をぶつけてウキッキを迎撃した

 

どさっ

 

「…………ここでもなかったか…」

 

ウキッキを倒したボーボボはそう呟いた

 

ちょうどカズマもメカトロンを倒したその頃、田楽マン、ゆんゆんは……

 

「みんな〜どこのら〜」

「めぐみーん!いたら返事してー!」

 

迷子になっていた

 

「みんなどこに行っちゃったんだろう」

「まったくしょうがないヤツらだな。みんな揃って迷子になるとは」

 

サングラスをかけて葉巻を吸いながら田楽マンはエラそうに言う。重ね重ね言うが迷子なのは田楽マンたちである

 

「よし!こうなったらオレたちだけで遊園地にいる魔王軍を見つけるのら!!」

「分かったわ田楽ちゃん!!」

 

刀を手に田楽マンは意気揚々と先陣を切り

 

バクンッ

 

「ぎゃあああ!ゆんゆんHELP(ヘルプ)!!」

「きゃああああ田楽ちゃーん!!!」

 

突然現れたアナコンダに飲み込まれた。そしてゆんゆんは田楽マンを助けるべくアナコンダを追いかけた




おさるのトレインの所は意味不明さと謎の疾走感が合わさってマジ面白いです。トンネルから巨大赤ちゃんなんてどんな発想してたら出てくるんだよ……(戦慄

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