この素晴らしい世界にハジケリストを!   作:ジャギィ

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今回はアニオリの…多分アニオリの話になります!


奥義55 めぐみんとゆんゆんの超魔法対決(スーパーマジックバトル)

ダクネスの見合いに同行するためタキシードに着替えたカズマは、他のメンバーの着替えを別室で待っていた

 

「失礼するよ。確かカズマくんと言ったね」

「あ、ダクネス…じゃなくてララティーナの親父さん」

「ハッハッハッ、そうかしこまらなくても構わないさ」

 

上機嫌に部屋に入ってきたのはダクネスの父だった。カズマの対面に座るとダクネス父は言う

 

「実はキミに頼みがあってね。今回の見合いでララティーナが粗相をしないように見ていてもらいたいんだ」

「粗相を?」

 

そう返すとダクネス父は頷き

 

「もしうまくやってくれたら、相応の報酬を出そう」

「任せてください」

 

あっさり裏切るカスマだった

 

一方ビュティたちはというと…

 

「あれ、めぐみん?」

「こんなところにいたのですかゆんゆん」

 

ウィズの魔道具店に来ていた

 

「こんにちはウィズさん」

「いらっしゃいませ…あら、こんにちはビュティさん。それに他の人たちも来てらしたのですね」

 

そしてキョロキョロ…というよりビクビクしながら入り口周りを見渡すウィズ

 

「…アクアさんなら来てないよウィズさん」

「そ、そうなんですね!……よ、よかった……」

(何やったんだアイツ…?)

 

過剰にアクアに怯えるウィズを見たヘッポコ丸はそう思わずにいられなかった

 

初めて魔道具店を見る天の助は興味津々に棚にある商品を見渡す

 

「いろんな魔道具があるんだな。これはどんな魔道具なんだ?」ひょい

「あ、ダメです!それは…」

 

ふと棚にあったポーション瓶の1つを手に持つ天の助。すると手に取った瓶がピカッと光り

 

「ぎゃああああ!!!?」ドカーン!

「きゃあああああああああ!!!!」

 

爆発して天の助の顔面にダメージを与えた。急にポーションが爆発したことでビュティが悲鳴をあげる

 

「それは触れたら1秒ほどで爆発するポーションです」

「なんでそんな物置いてんの!!?危ないよ!!」

「ですから下に警告文を」

 

言われて商品棚の下を見ると木の床に「触れると大変危険なので触らないでください」と書かれていた

 

()っさ!?わかりづらいよコレ!!」

 

ウィズの気の弱さを表すような警告文だった

 

「そういえば田楽マンはどこだ?」

 

ビュティがウィズに警告文の書き直しを要求する中、めぐみんとヘッポコ丸は昨日からゆんゆんと一緒にいた白いアレがいないことに気づく

 

「田楽ちゃんは朝ごはんを食べたら日課のトライアスロンに行ってきたわ」

「トライアスロンが日課!?なにゆえ!!?」

 

朝から超ハードなスポーツをする田楽マンにヘッポコ丸は目を剥く

 

「朝の運動は犬に欠かせないんだって」

アレ(田楽マン)犬だったのですか!!?」

 

今明かされる衝撃の真実にヘッポコ丸と同じようにめぐみんは驚いた

 

「あんな変で白いナマモノを旅に同行させるなんてゆんゆんも見る目がないですね」

「変で白いナマモノって田楽ちゃんのこと!?いくらめぐみんでも私の数少ない友達を悪くいうのは許さないわよ!」

「数少ないじゃなくて唯一の間違いでしょう?紅魔の里でも1人でいるところをウロウロしてやれば嬉しそうに勝負を挑んでくるくせに」

 

めぐみんのその言葉に反論するゆんゆん

 

「そんなことないわ!里でもふにふらさんとかどどんこさんとかが「私たち友達よね」って言って私の奢りでご飯食べに行ったり」

「たかられてるぞソレ!!!」

 

明らかに友達とはいえない扱いに突っ込まずにいられないヘッポコ丸だった

 

「で、爆裂魔法の使えない私としては魔法勝負は避けたいところなのですが」

「他の魔法も覚えなさいよね。スキルポイントだって貯まったハズでしょ?」

「全部高速詠唱とか威力上昇につぎ込む予定です」

「バカ!どうして爆裂魔法にそこまでこだわるのよ!」

 

カランカラン

 

紅魔娘2人が話し合う最中、店の扉が開く。そこには大型犬に首を噛み付かれた田楽マンが悪霊に呪われながらカナブンにたかられていた

 

「エライ状態で帰ってきたーーーー!!!!」

「きゃあああああ!!!?田楽ちゃーーーーーん!!!!」

 

ドベチャ!

 

そして解放された田楽マンは力尽きた

 

「あ!ありました!」

 

いつものようにゆんゆんが田楽マンを介抱していると、ウィズが商品棚から青い水晶を取り出した

 

「魔法勝負でしたらこの魔道具はどうですか?仲良くなることができる物なのですけど、熟練の魔法使いじゃないとうまく使えないんですよ」

「へぇ〜、そんな物もあるんだ」

 

ビュティが興味深そうに見てるのとは対照的にめぐみんは冷めた目をしている

 

「別に仲良くなる必要など微塵もないですが」

「怖気ついたのめぐみん?」

「あ"?」

 

ゆんゆんの挑発にまんまと乗るめぐみん。煽り耐性の低いロリっ娘である

 

5分後…

 

めぐみんとゆんゆんが正面から対面する。その間に青い水晶が置かれ

 

「「ハアァァァァ!!!」」

 

2人が手をかざすと水晶から光が溢れ、暗くなった店の中にたくさんの映像画面が映るーーー

 

 

 

ある映像には、めぐみんが必死な形相で袋に大量のパンの耳を入れていた

 

「!!!?」

「隠れてパンの耳集めとる!!!!」

 

ある映像には、ゆんゆんが1人で誕生日パーティーをしていた

 

「!!!?」

「1人で誕生日パーティー!!!?悲しすぎるよ!!!!

 

そして次々と暴かれる2人の過去

 

GET(ゲット)!!!』

『姉ちゃんすごーい!!!』

 

妹と思わしき小さい子供に褒められながら盗んだ野菜をかじりサムズアップするめぐみん

 

『こうよ!……やるわね…じゃあ、これならどう!』

 

席を変わりながら1人チェスをするゆんゆん

 

『ザリガニって茹でるとエビ食べてるみたいで高級感ありますね』

『姉ちゃんすごーい!!!』

 

川辺で妹(暫定)と一緒にザリガニを茹でるめぐみん

 

『ん〜、いい匂いの花…って逃げた!?』

 

花にすら逃げられるゆんゆん

 

『これで今週も飢えをしのげます!!!』

『姉ちゃんすごーい!!!』

 

セミを焼きながら妹(確定)とキャンプファイアーをするめぐみん

 

『もう、悪魔が友達でもいいかな…』

 

ボンッ!

 

『ヤツらに田楽を食わせるのらーー』

 

悪魔を召喚しようと魔法陣を展開するゆんゆん

 

「あれ!?今一瞬田楽くんが出なかった!!!?」

 

ビュティが突っ込んだ後も映像は流れる

 

「友達におごるためにアルバイトするのか…」

「虫食べてる…」

 

いつものように突っ込めなくなるほど恥ずかしい過去の連続だった

 

「「ビャアアアアアアーーーー!!!!!」」

 

そしてめぐみんとゆんゆんはあまりの恥ずかしさに大声を叫んだ後、涙目になりながら店主(ウィズ)に抗議する

 

「なんなんですかコレは!!?」

「仲良くなる水晶って言いましたよね!!?」

「これはお互いの恥ずかしい過去を晒し合うことで、より友情や愛情が深くなるという大変徳の高い物…なんで…す…」

「いやこれ絶対仲良くなれないヤツだよ!!!!」

 

だんだん目を逸らして声が小さくなるウィズにビュティはそう言った

 

「ねぇめぐみん!これで私たち仲良くなるの!?」

「ゔぁ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!」

 

ガシャーーーン!!!

 

「壊したーーーー!!!!」

 

めぐみんによって床に落とされた水晶はコナゴナに砕けた

 

「お前何やってんだよ!!天の助!早く拾うぞ!!」

「おう!!」ひょい

 

ヘッポコ丸に言われて天の助は水晶のカケラを1つ拾う

 

ピカッ!

 

「え!?」

 

するとカケラから光が店の中を覆い、まるで立体映像のように1つの過去が流れる

 

 

 

『ちょっと!その肉は私が先に取ったのよ!!』

『早い者勝ちでしょ!!』

 

それはあるデパートのバーゲンタイムの光景。それを遠目に見ているのは、売れ残りコーナーに座すところ天の助

 

『……おーい、オレも安いよ〜。今なら5円だよ〜』

 

そう声をかけても誰1人振り向きもせず、やがて涙を流した天の助は外の夜景を見た

 

『……月がキレイだな……』

 

 

 

 

映像が流れ終わると、店の中の空気がすごく重くなっていた

 

(((相変わらず悲惨な過去だ……)))

「な、なんて悲しすぎる過去なのですか…!!」

「こんなの勝てるワケないわ…」

「長い間生きてきましたが、こんなに凄惨な人生を過ごしてきた人は初めて見ます…うぅ…」

 

めぐみんとゆんゆんは打ちひしがれ、ウィズは悲しさのあまり静かに泣いていた

 

「めぐみん、今回の勝負は私たちの負けね…」

「そうですね。悔しいですがこれは敗北と言わざるを得ません」

「えっ!?」

 

驚くビュティを無視して、めぐみんは天の助の手を持つと上にあげて宣言!

 

「今回の勝者は天の助です!!!」

「アンタたちそれでいいの!!!?」

 

めぐみんの戦績メモに天の助の勝利が加わった




天の助の過去話が1番パッと書けた

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