カズマとボーボボが取り調べを受けていた一方、ビュティたちはというと…
チーン
「ボーボボ…カズマ…やすらかに眠ってくれ」
「お前たちがいなくなった後、「この素晴らしい世界にハジケリストを!」は「この素晴らしい世界に首領パッチと天の助を!」に改名して主人公の後を継ごう…」
「何勝手に殺してるんですか!!!?」
「そしてなんて劣悪な作品を生み出そうとしてるの!!!!」
屋敷の庭に立てられたボーボボとカズマの墓の前で首領パッチと天の助が主役乗っ取りを宣言するという暴挙に出ていた
ビュティとめぐみんが後ろで突っ込む
「オレたちの知名度も再び急上昇だ!!忙しくなるぞ!!」
「本とまんじゅうとフィギュアの製造を急げ!!!」ドサッ
「売れるわけないから!!!てかどこから取り出したのそれ!?」
積み上げられた
「ビュティ」
「あ、ソフトンさんにダクネスさん」
一緒に現れたのはソフトンとダクネスの2人だった
「あれ?へっくんと魚雷さんは?」
「ヘッポコ丸は向こうで修行をしている。ボーボボたちの無罪を信じているのだろう」
そう言って指差した方向には
「包丁の入れ具合がダメだ!!!もっと的確に、もっと美しく!」
「ハイ、ボーボボさん!!」
「うおおおおー!マッハみじん切りー!!」
タマネギのみじん切りを教えるボーボボと教わるカズマとヘッポコ丸がいた
「あれーーーー!!?捕まってるハズのボーボボとカズマくんがいるーー!!!!」
「「あ、ヤベ」」
ビュティの大声でバレたと気づいたボーボボとカズマはダッシュで留置所に戻っていった
「そして魚雷殿だが、武器廃止運動に武器代表として参加するため、この国の王都とやらに突撃していった」
「何やってんのあの魚雷!!?」
「ちょっと待て、王都だと!?なぜ止めなかったのだソフトン!!」
1番反応したのはダクネスだった。それを見て不思議に思うビュティ
「どうしたのダクネスさん?すごく困ってるみたいだけど」
「いやそれは……。クッ、もし向こうで大変なことがあったら…しかしカズマたちを放って王都に行くわけにも……!」ボソボソ
「?」
ダクネスの葛藤に首をかしげるビュティであった
ザッ
「へえ、ずいぶんデカイ屋敷に住んでんだなお前ら」
「え!?今の声って…!」
声の方にビュティたちが振り向く。そこには屋敷を見上げている破天荒がいた
「破天荒さん!!?」
「王都の方でボーボボが捕まったって聞いて、おやびんもいると思ってきてみたんだが……なんだァ?いつの間にかガキも増えてるじゃねえか」
「なんですか?初対面でガキとはずいぶんな言い草ですね、爆裂ぶっ放されたいのですか?」
「ダメだってめぐみんちゃん!!」
怒りで紅く光る目を見て破天荒がイヤそうに顔をしかめる
「ゲッ、その変な名前に紅い目、頭がイカれてる紅魔族のとこのガキかよ」
「紅魔族まで侮辱するとはいい度胸ですね!私の頭がいかにイカれてるかを今ここで実践してあげましょう!!」
「だからやめなってば!!!」
ビュティは詠唱を始めるめぐみんを必死を止める
天の助がプルプルと前に出て破天荒に聞く
「なんでお前こんなとこにいんの?」
「フッ、オレがここにきた理由なんて決まってんだろ…」
そして破天荒は、クールな雰囲気を捨ててキラキラした目で首領パッチに向かって走る
「おやびーーーん!!!!」
「破天荒!!!」
「「おやびん!!!?」」
クールで強そうな破天荒のおやびんが首領パッチという事実に、めぐみんとダクネスは今日1番の困惑を覚えた
「ド・ン・パ・ッ・チ!!!」
口にガンプラを咥えてセクシーなポーズで滑りながら首領パッチは叫んだ
「ド・ン・パ・ッ・チ!!!」
破天荒もペットボトルを口に咥えて鳥のように羽ばたきながら叫ぶ
…………
「今日も絶好調だな破天荒!!」
「おやびんの方がすごいですよ!!」
「なんですか今の怪しげな挨拶!!!?」
頭がイカれてると評されてるめぐみんですら今のやりとりは1ミクロンも理解できなかった
「ハジケ組の復活だ破天荒!!ようやくオレが天下の日が来たぜ!!ボーボボとカズマの死と同時に「この素晴らしい世界に首領パッチを!」が始ま」
「ゴッドブロオオオォォーッ!!!!!」ドゴォ!
「ぎゃああ!!!?」
「ああっ!!おやびーーーーーーん!!!」
とんでもないことを口走る前に女神の鉄拳が首領パッチに制裁を加えた。血ヘドを吐く首領パッチに涙を流す破天荒
「まったく、油断できないったらありゃしないわ!」
「テメーーー!!よくもおやびんをっ!!!」
キレた破天荒は小さなカギを取り出すとアクアの額に向かって突き立てて
『カギ真拳奥義「
アクアの動きを止めた。アクアに背を向けて破天荒は離れる
「1日中止まってろ」
「ああっ!アクアがまったく動かなくなったぞ!!」
「そこのデコッ
「オレのカギ真拳で動きを止めただけだ。悪いのは先におやびんに手を出したこの女の方だぜ」
そう言ってクルッと振り返り
「ちょっと!急に攻撃してくるなんてヒドイじゃない!!私はただカズマたちの謀殺を止めようとしただけなのに!」
「何ィ!!!」
1日中止まるどころか即復活してるアクアに驚愕の声をあげた。さすが腐っても女神なだけはある
「チッ、いちいち封印を解除して戦うのもめんどくせえしな……」ボソッ
「い、今封印と言いましたか!?それは具体的にどんな封印ですか!!自分の真の力ですか!それとも邪神の半身でも封じてるのですか!」
「うわっ!うっとおしいんだよこのガキ!!離れろ!!」
紅魔族の琴線をくすぐるワードを呟いたせいで破天荒はめぐみんに絡まれてしまった
その騒ぎでヘッポコ丸がやってきて、そこで破天荒に気づく
「あ!お前は破天荒!!!なんでお前がここに!」
「ワリーが今はお前と遊んでるヒマはねーんだよ。オレがここにきたのはおやびんに会う以外にもう1つ伝えることがあってな」
「伝えること?なによそれ」
アクアの疑問に頭をポリポリかきながら破天荒は言う
「ボーボボともう1人、カズマだったか?1週間後にそれの裁判が行われることが決定したぜ」
「はあー?なんでカズマたちが裁判することになるのよ?ちゃんと調べたのでしょうね?」
破天荒はセナからもらった調書のコピーを出す
「なんでもウソを暴く魔道具で魔王軍の知り合いがいるってのが露呈したみたいだぜ」
(それってもしかしてウィズさんのこと?)
「とにかくアイツらを無罪にしたいなら、お前らで弁護士を探しとけよ」
「あ、破天荒さん!」
それだけ言うと破天荒は留置所の方に去っていった
「相変わらずイヤミなヤツだったな」
「奇遇ですねヘッポコ丸、私もそう思ってたところです」
ヘッポコ丸とめぐみんは ちょっぴり仲良くなった!
「弁護士だって。どうする?」
「上等だ!!ビシッと勝ってオレが主人公だって証明してやる!!」
「大丈夫よビュティ、「逆転裁判」とかやったことある女神の私に不可能はないわ!!大船に乗ったつもりでいなさい!!」
楽観的すぎる首領パッチとアクアを見たビュティとダクネスの心中は決まっていた
((不安だ……))
泥舟どころか笹舟レベルの2人を見て、ビュティとダクネスは裁判に果てしない不安を抱いた
ちなみに破天荒はボーボボたちがこのすば世界に来て1ヶ月後くらいに来たという設定です。まあのちのち意味はなくなると思うけど
今更ですがこの作品の「このすば」は原作「このすば」と違って実際にあるアニメやゲームの名前が出て来ます。今回の話でいう「逆転裁判」のところが「百転裁判」じゃなかったりとかですね