奥義42 罪男な2人
ーー拝啓
そちらの世界においても寒さ厳しき折、父さん、母さん共におかれましては、いかがお過ごしでしょうか
そちらはそろそろ雪解けの頃でしょうか?弟は変わらなく過ごしていますか?
俺は現在、この世界で元気にーー
「おーいカズマ!!首領パッチゲームやろうぜ!」
「いや、ここはぬ献上ゲームをするぞ!!」
「留置所では静かに!!!」
「「ぎゃあああああああ!!!!」」
「何事ですか!…ってまたアナタたちですかサトウカズマにボボボーボ・ボーボボ!!これ以上騒ぎを大きくすれば脱走容疑もかかりさらに刑が重くなります!!!ですから、ですから……いい加減静かにしてくださいーーーー!!!!」
ーーアフロの男と一緒に留置所で過ごしています
時はさかのぼって数日前…
カズマは検察官セナに国家転覆罪を宣告された
「……え?なにそれ」
「自分は王国検察官のセナ。サトウカズマ、キサマには現在、テロリストもしくは魔王軍の手の者ではないかとの疑いがかけられている。我々について来てもらおうか」
カズマの行動は速かった
ダッ!
「あ!逃げた!!」
悪いことをした記憶はないが、ボーボボたちと
「犯人が逃げたぞーー!!!」バキュンバキュン!
「今すぐ射殺せよ!!」バキュンバキュン!
「ぎゃあああああああああ!!!!」
しかしハジケリストからは逃げられなかった
「セナ検察官殿、逃亡犯を確保しました」
「え、えっと…ありがとうございます…?」
警官ボーボボは血まみれのカズマをセナに引き渡して敬礼した。突然の仲間割れにぎこちなく挨拶を返すセナであった
「国家転覆罪ってどういうこと!?カズマくんは悪いことをするような人じゃないよ!」
「そうですよ。セクハラとか小さな犯罪はちょくちょくやらかしますが国家転覆罪なんてそんな大それたこと、とてもできるとは思えません」
「そうだな、カズマはヘタレだしな」
「「「うんうん」」」
「お前ら俺を擁護したいのか貶めたいのかどっちなんだよ!!?」
ズタボロなカズマは大声で仲間に対し抗議した
「
その一言でギルド内が静まり返る
「クソ!!俺のせいで領主が爆死しちまったってことか!!」
「勝手に殺すな!」
どうやら地下にいたおかげで領主は助かったらしい
「言っておくが、国家転覆罪による罪状はもっとも重い刑に処される。自分の立場を理解し、おとなしくすることだ」
「もっとも重い刑!!?」
「それって、もしかして…!!」
もっとも重い刑の死刑はカズマの立場を大きく揺るがす…つまり
『主人公交代のチャーンス♪』
「違うよ!!!!」
このすば側の主人公になれる(と思い込んでる)首領パッチの顔は非常にウザかった
「待て!確かに領主の屋敷を吹き飛ばしたのは悪かったがあれは事故だ!!コロナタイトを転送しなきゃアクセルの街は跡形もなく吹っ飛んでたところなんだぞ!!」
「そうだ!!カズマはテロをするためにコロナタイトを飛ばしたわけじゃない!」
「むしろカズマは街を守った英雄じゃないですか!それなのにこの仕打ちはあんまりですよ!!!」
「「「そーだそーだ!!!」」」
「お、お前ら……!!」
ヘッポコ丸、めぐみんを皮切りにカズマの逮捕に異議を申し立てる冒険者たちを見てカズマは涙ぐんだ
「ちなみに、国家転覆罪は主犯以外の者にも適用される場合がある」
そして冷たく言い放ったセナの言葉にほとんどの人が口を閉じた。ちなみに閉じてない例外のビュティやヘッポコ丸は首領パッチと天の助によって妨害されていた
「責任者はコイツです」ビシッ
「何ィィーーーーーーーー!!!?」
水の女神直々のご指名にカズマは声を張り上げた
「あの、ランダムテレポートを使ったのは私…もごもご」
「しーっ!ダメよウィズ!!ここでアナタが黙っていればカズマ1人の犠牲で済むのよ!!心苦しいけどここは我慢よ!」
全然心苦しく思ってないクセにとカズマは思った
「ああ!私がその場にいればカズマの暴挙を止められたハズなのに…その場にいなかった私が恨めしい!!」
「めぐみんちゃん!!?」
まさかの手の平返しにビュティも声をあげた
「確か女の子のパンツを剥ぎ取ったりしてたよなカズマって」
「パーティメンバーをオリにいれてワニのエサにしようとしたらしいぜ」
「あと躊躇なく仲間を盾にするし、さすがクズマさんだな格が違う」
「ふざけんなよオイ!今言ったヤツら全員顔覚えたからな!無事出てきたら覚えてろよ!!!」
ガシッ
「よし。連れていけ」
「ぐわああ!!!離せーーー!!!」
ジタバタ抵抗するが屈強な騎士2人の腕力には勝てず、そのままカズマは署に連行される
『チャーハン提督!!!!』
「「ぎゃああああああ!!!!」」
「なっ!?」
しかし、騎士2人が鼻毛によって地面にベシャリと落下した。カズマの拘束は解けた。攻撃したのは、当然我らがボーボボである!
「なんのつもりですか!!!」
セナが厳しい目つきでボーボボに問いかける。少しの沈黙の後、鼻毛を揺らしてボーボボは叫ぶ!!!
「カズマはオレの仲間だ!!!連れていくならオレも連れていけ!!!」
「ボ、ボーボボ!!!」
思わず目頭が熱くなるカズマ。誰も助けてくれないどころか生贄として差し出そうとする中、ボーボボは罪に問われる危険にも関わらず仲間と言ってくれたのだ。いつものふざけてばかりとは違うボーボボの熱い心にカズマは感動していた
それを冷たい視線で見るセナ
「つまりその男をかばうということですね?アナタにも国家転覆罪が適用されるのですよ?」
「関係ねえ!!オレは仲間を絶対に見捨てない!!」
ボーボボの決意を聞いたセナは宣告する
「ならばボボボーボ・ボーボボ!キサマを国家転覆罪の幇助及び公務執行妨害の罪で拘束する!!望み通りサトウカズマと共に連れて行こう」
「ボーボボ!!」
「ボーボボさん!」
ビュティとヘッポコ丸はボーボボに近寄るが、ボーボボは優しく言う
「カズマは無実だ。だから安心して待っていてくれ」
「……うん!」
「分かりました、ボーボボさん!!」
それを伝えると、ボーボボはカズマと一緒にセナを追うよう外に出ていった
30分後…
留置所についたカズマとボーボボは牢屋に入れられた
「裁判が終わるまで、ここがキサマらの部屋だ。詳しい話は明日聞く。今日はここでゆっくり過ごすがいい」
それだけ言うとセナは去っていった
2人だけの牢屋の中、カズマはボーボボに聞く
「なあボーボボ、なんでお前はオレのことをかばってくれたんだ?」
「………オレがもっともキライなものは冤罪だ」
ボーボボはポツリと話していく
「そしてオレを冤罪から救ってくれたのは、オレの1番の親友だった…」
ー回想ー
吉野家でメシを食っていたあの日、オレは隣の席のおばちゃんが注文していた温泉たまごを盗んだ罪で投獄された…
「温泉たまご1つで!!?」
あらゆる証言がオレを容疑者にし、いよいよ死刑判決が下されようとしていた
「いくらなんでも罪重すぎるだろ!!!!」
しかしそんな時、アイツが現れた
「ボーボボは無罪だ!!!」バンッ!
いかしたリーゼントをした親友、軍艦だった
軍艦はオレのためにあらゆる物的証拠を集め、オレを無罪にしてくれた
「軍艦!!!!」
「ボーボボ…オレはお前が無実だと信じていたぞ」
そう言う軍艦のヒゲには温泉たまごがついていて、背中には「完全犯罪」のタイトルがついた計画書が隠されていた
続く……
「ーーその時からオレがもっとも憎むべきものは冤罪となり、軍艦はオレの誇れる1番の親友になった…」
「罪被せたの絶対
カズマの指摘は正しかったがボーボボには届かなかった
「よし、明日もあるしオレたちも寝るか」
「え!?あんな気になる引きしといて寝る気!!?」
その日カズマは、ボーボボから話の続きを聞こうと必死だった
バニル戦まで駆け足で書ければいいんだが……とにかく早い内に書きたいネタがあるので裁判では乱入戦があるかもね
追記:読みやすくするようにそれぞれ章を追加しました。名前はハジケリスト用に変えときましたけどね