ベルディアを討伐した翌日。ボーボボ組とカズマパーティはギルドに集まっていた。そこには大勢の冒険者たちもいた
「おーいカズマ!早く来いよ!」
「とっくにオレたちは報酬をもらってるぞー!」
遅れてやってきたカズマの視線の先には、報酬が入ってるであろう封筒を見せびらかす首領パッチと天の助がいた
ボーボボとカズマは受付嬢のルナの前に出る
「カズマさん、あなたのとっさの機転と知恵のおかげでアンデッドナイトが街に入ることを防ぐことができました。そしてボーボボさん、あなたのおかげで魔王軍幹部であるベルディアを討伐することができました。さらにこの街の近くに駐屯していた魔王軍Kブロック基地も、あなた方が隊長と副隊長を討伐してくれたおかげで容易に占拠することができました」
ルナはコホンと咳払いをしてから言う
「ボーボボさん、カズマさんのパーティには特別報酬として4億エリスを与えます」
「「「マジで!!?」」」
カズマを含めた周囲の冒険者たちも目を見開いた
「おいおい、4億ってなんだ、奢れよカズマー!」
「うひょー!カズマ様、奢って奢ってー!」
周囲からの奢れコールを聞き流しながらも、カズマはこれからのんびりと安全に暮らしていこうと考え……そこでカズマは気づく。ルナがとても申し訳なさそうな表情をしていることを
「…実は、あなた方のパーティメンバーが何度も使用した爆裂魔法の振動が街の中にまで響いていまして……多くの家の内装の家具…中には大変貴重な物とかも倒れたり壊れたり、馬小屋もいくつか倒壊してしまったところもありまして、移動用の舗装された道なども穴だらけになって崩れてしまって…。さすがにこの街を守ってくださった方に全額支払わせるなんてことはできませんからほとんどは負担しましたが、残りの一部は払っていただきたくて……」
手渡された小切手をカズマが見て
「弁償金額4億8000万エリス!!!?」
「「「マジで!!?」」」
アクア、首領パッチ、天の助が叫んだ
「じゃ、じゃあ、4億8000万から4億差し引いて、合計8000万エリスの借金……?」
プルプル震えながらカズマが呟くと、そーっと逃げようとするめぐみん。当然カズマは逃さない
「おんまええええええ!!!なんつーことしてくれとんじゃああああああぁ!!!!」
「いひゃいでしゅ!ほっえた離してくだしゃいカジュマ!…そもそも爆裂魔法を撃てと指示したのはカズマではありませんか!!それにヘッポコ丸のせいで威力も上がったのですから、そう!私だけが悪いわけじゃありません!」
「ふっざけんなこの爆裂狂ロリがとぼけんな!!!何度も使用した爆裂魔法っつってただろうが!お前がボーボボ・ワールドで爆裂魔法撃ちまくったのがどう考えても原因だろうがぁ!!」
「ちょ、やりすぎだよカズマくん!」
めぐみんのほっぺを引っ張りながら怒鳴るカズマ。そこにフライパンを鳴らす音が聞こえてきた
「そんな話はメシの後よ!ベルディア討伐を祝ってごはんにしましょ!!」カンカンカン
「え?」
エプロンを着たボーボボはそう言ってごちそうが置かれた大きなテーブルにビュティとヘッポコ丸を除いてカズマたちを座らせる
「こんなヤバイことになった時に…」
「食事はいくらなんでも…」
カズマと首領パッチとダクネスはさっきの話で緊張しており、残りの天の助とアクアとめぐみんは嬉しそうに料理に手を出し
「ごはんタイム終了ーーー!!!!」ガシャーン
「「やりたい放題だーー!!!!」」
そこにボーボボが料理を押しのけてテーブルに勢いよく飛び込んだ。料理が座ってるメンバーの顔にかかる
「安心しろカズマ!オレたちの新しい仲間の力が加われば8000万エリスなんぞすぐに返せる!」
「え、新しい仲間!?どこだ!!」
「どるるるるるるるるるぅ……でん!!!」
口ずさむドラムロールの音と共に開いたアフロの中から出てきたのは、まず初見では犬だとは絶対分からないボーボボ組の1人、田楽マンが両手に田楽を持って現れた
「田楽食わせるのら〜♪」
「あら、かわいいじゃない。でも頼りになるの?」
アクアが田楽マンを見た感想と疑問を口にする
その答えを返すためにボーボボはアフロの上にいる田楽マンを掴んで
「目指せ世界新記録ーーーー!!!!」ぶぉん
「田楽くーーーーん!!!」
窓に向かってブン投げた。「チクショー!」とエコーを鳴らしながら田楽マンは遥か彼方まで飛んでいった
「役に立ちましぇーーん!!!!」
「じゃあなんで呼んだんだよ!!!?」
泣きながら叫ぶボーボボにカズマは突っ込んだ
「ブル〜ス!ブル〜ス!借金まみれブルゥ〜スッ!!」
「うるせえよ!!!」
エアギターで不愉快な歌を歌った首領パッチに青筋を浮かべてカズマはキレる
「ま、安心しろカズマ。同じ仲間なんだから、借金の返済くらい手伝ってやるさ」
「ボ、ボーボボ……!」
ボーボボの言葉にカズマが感涙すると、クエストの掲示板からボーボボが依頼の紙を持ってきて
「とりあえず、このマンティコアとグリフォンの同時討伐クエストにいくぞ♡」
ダッ!
《潜伏》スキルを使ってカズマは逃げ出した。が、鼻毛男からは逃げられない
ガシッ
「ぐおおおおお!!!離せー!」
「カズマ、魔王を倒すには強くなる必要がある。クエストと一緒にオレと特訓をして、ガンガン強くなろうぜ!!」
「イヤだー!!死にたくないーー!!!」
鼻毛に引きずられるカズマは必死に抵抗したが無理だと悟った
「ボ、ボーボボ!盾用に首領パッチと天の助、回復役にアクアが必要だと俺は思うけど!」
「それもそうだな」
ガシッ×3
「「「何ィー!!!?」」」
だからカズマは道連れに3バカを推薦した
「クエストに出発だーーー!!!!」
「「「「ぎゃあああああああ!!!!」」」」
そのまま昔の処刑方法みたいに4人を引きずりながらボーボボはギルド内からいなくなった
「…オレたちも簡単なクエスト行くか」
「…うん」
ヘッポコ丸はビュティがいても問題ないクエストを探すため、掲示板の方は歩いた