こんな所に転生させずともいいじゃないか   作:影の泉

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ゾルディック家再び

 キルアの失格に不審な点があるとクラピカとレオリオが異議申し立てをしている中、ゴンが部屋にやって来た。

 ゴンはイルミさんの元まで行くとキルアに謝れという。

 拒否したイルミの腕を持ち持ち上げ、凄い力で握っている。

 あー、痛そう。骨折しているよね……。

 異議申し立てはゴンとネテロさんにより閉幕したが、ゴンはイルミさんを追って行った。

 見張っていた方が良いかな。

 

 イルミさんにキルアの居場所を聞いたゴン。

 その後ろにはクラピカとレオリオが居る。

 これに対してイルミさんは、キルアは自宅に帰ったと言った。

 イルミさんに自宅の場所を聞くゴンに私に聞けば分かると言った。

 

「え! マドカ知っているの?」

 

「知ってる。パドキア共和国デントラ地区ククルーマウンテンがキルアの家だよ」

 

 私が知っているという言葉に驚いたのはゴンだけではなくクラピカとレオリオもだ。

 

「よし、迎えに行こう!」

 

「待った♢」

 

 決意を新たにするゴンを止めたのはヒソカだった。

 

「マドカ、君も行くんだろう? だけど二週間以内に帰っておいでよ、さもないと――♡」

 

 ヒソカは私の元まで歩いて来ると私にだけ聞こえる声で呟いた。「迎えに行っちゃうよ♡」と。

 

 その後改めてゴンがハンターライセンスの説明を受けた。

 私達はその間同期のハンターと連絡先を交換した。その際ボドロさんにお礼を言われた。キルアの攻撃を見きれなかったそうだ。

 ゴンがやっと説明を聞き終わり出て来ると、ネテロさんが私の方を見た。

 

「マドカ少し良いか?」

 

「何ですか?」

 

「こちらの部屋で少し話そう」

 

 ネテロさんからの申し出に私は少し悩んだ。

 

「マドカ私達はククルーマウンテンを調べ、足を用意しておく」

 

「うん、分かった。……ネテロさん話って何ですか?」

 

 クラピカの助け船に私はネテロさんとゴンの出て来た部屋に向かった。

 

 

「ではマドカ、表と裏のハンター試験合格おめでとう。念の習得が裏ハンター試験じゃ。そこで本題なのだが、ゴン達に念を教えるのは控えてくれんか」

 

「……念専門の試験官が居ると言う事ですか?」

 

「そう取ってもらって構わん」

 

「そうですか、分かりました」

 

 ネテロさんの話が終わりゴン達と合流すると、列車の切符を取っていてくれた。

 こうして私達はキルアの居るククルーマウンテンに向かった。

 

 

 パドキア共和国デントラ地区にたどり着いた私達は、聞き込みをして観光バスに乗った。

 ゾルディック家の正門、試しの門に辿り着いた私達の横を賞金稼ぎが通り過ぎて行った。

 脇にある偽の扉に入った二人組はゾルディック家の番犬ミケに食われてしまった。

 門番のゼブロさんの説明にレオリオが試しの門を開けようとしたが開けられずに終わった。

 うーん、私に残された時間はそんなにないしゴトーさんに連絡した方が良いかな。

 

 ゼブロさんが執事室に連絡し、ゴンがゴトーさんに怒鳴った。

 ごめんゴン、私には時間がないんだ。

 

「ゼブロさん電話をもう一度繋いでもらえませんか?」

 

「分かりました」

 

 こうして私はゴトーさんと話す事ができ、門の内側まで迎えに来てくれた。

 

「ごめんゴン、私は時間がないから先に行くね。伝言あったら言っておくけど何かある?」

 

「そういえばヒソカと約束していたもんね。俺達が来ている事だけ伝えて」

 

「うん。分かった」

 

 こうして私は一の試しの門だけ開け中に入った。

 

「お久しぶりですマドカ様」

 

「ゴトーさんお久しぶり。キルアに会いたいのだけど会えるかな?」

 

「ご当主様にお伺いしないと分かりませんが、短時間なら可能でしょう」

 

 迎えに来てくれたゴトーさんと会話しつつゾルディック家本館に向かった。

 

 ゾルディック家の本館に辿り着き、ゴトーさんからシルバさんが居る事を聞き挨拶に向かった。

 

「マドカか久しぶりだな。キル達とハンター試験で会ったんだってな」

 

「お久しぶりですシルバさん。キルア達とハンター試験で会って吃驚しました、特にイルミさん」

 

 原作知識で知っていたけどイルミのあの顔には驚いた。

 

「ハハハ、イルもキルにばれない様にしたのだろう」

 

「それは分かりますが、顔面針男に会ったインパクトは凄かったんですよ」

 

 こうしてシルバさんとハンター試験であった事、特にキルアの話をした。

 

「そうだ、キルに会いたいんだったな」

 

「はい。会えそうですか?」

 

「五分なら許そう」

 

 シルバさんの許しを得てゴトーさんにキルアの元に案内して貰った。

 進んだ先は地下の拷問室の様な所で、中にミルキさんとキルアがいた。

 ゴトーさんがミルキさんに話しかけ、ミルキさんを部屋から連れ出してくれた。

 キルアは拷問を受けていたのか手を鎖でつながれている。

 

「キルア試験ぶり」

 

「……マドカ、何でここに……」

 

 キルアは言葉が出て来ないとでも言いたげに、かすれた声で呟いた。

 

「私だけじゃなくゴンとクラピカ、レオリオも来ているよ。三人は試しの門で止まっているけど、その内会いに来るんじゃない」

 

「ゴン達が……」

 

「私は今回帰らないといけないから、もし何かあったら連絡ちょうだい」

 

 私はキルアに言いたい事だけ言うと、キルアのズボンに私のアドレスを書いたメモを入れた。

 

「キルアまた今度会おうね」

 

 こうして私とキルアの面談は終わった。

 もう少し話したかったんだけど、何を話したら良いか分からなかった。

 どうせ友達一人居なかったボッチですよ。

 

 ゾルディック家本館から試しの門に向けて歩いていると、ログハウスの様な所からゴン達の気配がした。

 気配につられログハウスに向かうとゴン達が揃っていた。

 ログハウスの扉をノックするとゼブロさんが出て来た。

 ゴン達を出してもらい挨拶をする。

 

「マドカ、キルアに会えた?」

 

「うん。会えたよ」

 

「そっか、良かった。マドカはもう帰るの?」

 

「約束だからね。ゴンこれ私の携帯の番号」

 

 ゴンに携帯の番号を書いたメモを渡し、私はゴン達に分かれを告げた。

 

 

 天空闘技場に辿り着き、私の部屋に向かうと中からヒソカの気配がした。

 

「マドカお帰り♡」

 

「ただいまヒー兄」

 

 私が扉を開けるより先にヒソカが扉を開けた。

 何で私の部屋に居るの?

 

「帰って来たら直ぐ分かるだろう♢」

 

「ナチュラルに心読まないで」

 

「ククク、じゃあ僕は帰るよ♠」

 

 はぁ、まったく何だったんだろう。

 確か原作ではゴンとキルアが天空闘技場に来るんだよね。

 楽しみだなー。

 

 

 

 

 




ヒソカはヒソカなりにオリ主を可愛がっています。
ヒソカの基準で、ですが。

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