奇跡のなくパーティーに   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
久しぶりの本編です。
今回はゼパルとフルフルが登場します。
楽しんでいただけたら幸いです。

それではどうぞ。


宴30 開催? 黄金郷横断ウルトラクイズ!

「「勝てれば天国、負ければ地獄! 知力・体力・時の運! このゼパルとフルフルが司会をさせてもらう黄金郷横断ウルトラクイズ! 始まるよ!!」」

 

恋愛を司り、試練を課して試す大悪魔、ゼパルとフルフルが進行する。

 

「いや意味わかんねえし!? お前ら誰だし、ウルトラクイズってなんだし!? そんでもっていきなり過ぎてツッコミが遅れたし!!」

「…僕が言いたい事を戦人が全部言ってくれた件」

 

今の状況を1人で慌てる戦人に対し、穹が今の心境を落ち着いて答える。

 

「つか! いつもの屋敷でバカで鬱陶しいお前らを華麗にあしらう俺とのゲームはどうなったんだよ!!」

「…華麗に?」

「そんな事あったけー?」

 

戦人の言葉に首を傾げながら疑問をもつ穹と羅奈。

 

「それはもちろん!」

「このクイズを通して君たちを紹介するためさ!」

 

ゼパルとフルフルがそう言うが、その言葉を聞いて思った一部の人は思った。

 

『……紹介って……誰に……?』

「まぁ聞きなさいよ! 私は思ったの! この物語の主人公は誰が相応しいのかって!」

 

そこにドヤ顔で一同に言うラムダ。

 

「そ・こ・で! このクイズ大会の優勝者には、次回から主人公の座が与えられるのよ!!」

「「な、なんだってー!?」」

「…………」

 

ラムダがこのクイズ大会の優勝者の景品の発表に驚きのリアクションをする穹と羅奈。それを聞いた戦人はというと……

 

「…ベアト、俺今日は本気出すわ……(今までで一番負けたくねぇ……)」

「お。珍しくやる気だなー」

 

謎のやる気に満ちていたのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「みんなーっ! 黄金郷に行きたいかー!!」

「おおおおー!」

「…てか……ゼパルとフルフルって、こんなテンションの高いキャラだっけ?」

 

そもそも謎が多い恋愛を司る悪魔に対し、疑問をもつ穹。

この2人は、穹と羅奈の世界(カケラ)でも謎が多過ぎる悪魔としても有名で、七不思議化しているのである。

 

「それでは第1問! ラムダデルタ卿の最大の特徴は?」

 

フルフルが最初の問題を読み上げる。

どうやら3択問題だ。しかもラムダについて。

 

1.超可愛い

 

2.超かっこいい

 

3.超パー

 

「制限時間は1分だから、それ以内にボードに書いて答えてね!」

 

呑気な表情をしながらゼパルが言う。

 

「何よそれ、ちょーカンタン!! 時間なんて3秒で充分よ!」

「ラムちゃんと言ったら、やっぱりコレでしょ!」

 

あまりにも簡単な問題だったのか、ラムダと羅奈はボードに1番と書く。

他の人達はと言うと……?

 

穹、ベルン、戦人、ベアト、ヱリカの解答は揃って3番と書いていた。

そして正解がどうだったのかは言うまでもなかった……

 

「いやいや、自分の事って意外と分からないものね」

「じゃあ次の問題だよ!」

「なんで…俺だけ……」

 

ラムダに鉄槌された戦人を無視し、ゼパルとフルフルは次の問題に移る。

 

「問題。戦人の最大の特徴は?」

 

1.無能

 

2.髪型が変

 

3.学習能力が無い

 

「おい!! なんで全部悪いとこばっかなんだよ!!」

 

あまりに酷い解答候補にツッコミを入れる戦人。

 

「……ったく……(にしても、どれが選ばれるか検討もつかねえな。まぁラムダに合わせときゃいいか……)」

 

そう思い戦人は、隣にいるラムダをチラッと見る。

 

「よいしょっと♪」

 

ラムダのボードには、1番、2番、3番の答え全てが書かれていた。

それを見た戦人は当然……

 

「おい。馬鹿にしてんのか」

 

流石にそれはないだろと言おうとしたが、まさかの正解で落ち込む羽目になるのであった。

 

「次は早押しクイズだ! 答えが分かったら、お手元のボタンを押してね!」

「おお~。これか~」

「…ようやくクイズっぽくなってきた件……」

 

ゼパルが出演者に手元のボタンを指差す。

ベアトと穹はボタンを押しながら、感触を確かめてた。

 

「ふふふ……早押し……もらったわね……」

「なんだお前、自信あんのか?」

 

早押し問題と聞いたラムダがやけに自信満々なのが気になったのか、戦人が訊く。

 

「早押しは奥が深いのよ! 相手の強さや人数、果ては設問の傾向やジャンルを見越しての駆け引きがある!! もちろん押し方ひとつとってもボタンのタイプによって様々なスタイルや方法論がある! それを極めた私に敵は……「クローゼットの一番下の棚」なんでよ!?」

「正解!」

 

早押し云々をラムダが言ってる間に問題がスタートしてしまった為、戦人に答えを先に答えられてしまうのであった……

 

「なんであんたが主の下着の場所…知ってるんですか……回答によっては……」

「前にお前が喜々として喋ってたからな。なぁ穹?」

「…うん。割と最近の事だよね?」

 

先程の問題の答えを戦人が正解した事に、ヱリカが険悪な表情をしながら戦人に言うが、自分で言ってただろと戦人と穹に指摘される。

そしてその事を聞いたベルンは、何処から取り出したのかナイフを持ち、ヱリカの首根っこを掴みながら奥に連行して行った……

 

「ふ……ふふ……きょ、今日はたまたま調子が悪かっただけなんだからね……」

「メンドクサイなお前。ていうか、言うほど早くねーし」

「えっ…あの……主? ギャーッ!?」

「…ベルーン、あんまりやり過ぎないようにねー?」

 

ヱリカにお仕置きしてるであろう姿が視えないベルンに穹が声をかけつつ、戦人とラムダは、ヱリカの悲鳴を無視しながら話す。

 

「あ。ねぇ、ラムちゃんラムちゃん。今回って罰ゲーム的なものはないの?」

「あー♪ 忘れてたわ♪ ナイスね。羅奈♪」

「うああああ!? バッキャロオオ!!」

 

羅奈の余計な一言で罰ゲームが追加される事になってしまった。

 

「じゃあ新ルール追加ね!」

「罰ゲームの内容はどうするんだい?」

 

ゼパルとフルフルが罰ゲームは何にするか訊ねる。

 

「そうね……主人公獲得がご褒美なら……『次回から出番が半減』でどうかしら」

「余計に負けたくねえよ!!」

 

ラムダの提案に戦人はより焦るが、同時にある事に気づく。

 

「ていうかお前……自分がビリになった時の事、考えてないな……」

「ああ。ご心配なく。私は()()()ビリになんてならないし! 絶対の魔女が言うんだから間違いなし!」

「ちなみに私も()()に負けないし☆」

「「…なんと卑怯な……」」

 

ラムダと羅奈の一言に絶句する戦人と穹であった。

 

「さあ。次は熱湯クイズさ!」

「なんかお色気な雰囲気!!」

「ルールは簡単! ペアの片方が熱湯に浸かった時間だけ回答時間が得られるんだ!」

「今日初めてテンション上がったぜ」

 

ゼパルの説明にテンションが上がる戦人。

おそらく女性陣のお色気姿が視れるんじゃないかと期待してるのだろう。

だがその考えも虚しく……

 

「…………」

「早く入りなさいよ」

「ぎゃー!?」

 

自分が熱湯に入る立場になってしまい、ラムダに突き落とされたという。

 

「我が主! たとえ火の中水の中熱湯の中! 主のためなら、どこにでも飛び込む準備はできてますよ!」

 

一方でこちらはベルン&ヱリカチーム。

普通なら熱湯に入りたくないのに、ヱリカの目は何故か輝いていた。

 

「…あっ、主といえど絶対に押さないでくださいね! 絶対に押さないでくださいね!」

「…………」

「…………」

「「…………」」

 

そしてヱリカは熱湯に飛び込んだ。()()()()

 

「…ねぇベルン。待ちきれないからって、自分から飛び込む? 普通……」

「マテもろくにできないなんて犬以下ね」

 

穹の問いかけに、ベルンはヱリカを見て呆れるのであった。

 

そしてその後も……

 

○×クイズ……

 

ビーチフラッグ……

 

アスレチック競争等々……どんどんクイズから離れていくのであった。

 

「さあ! 黄金郷横断ウルトラクイズもいよいよ終盤!」

「最後は早押し問題だ!」

「ポイントはみんな僅差さ! 誰が優勝するかは神のみぞしる知る!」

「見逃せない展開よね! それでは問題だよ!」

「(早押し系なら、分があるのはこの俺だ!)」

 

これなら勝てると戦人が思った瞬間……

 

「人間の性別は男ともうひとつは?」

「女!」

「正解!」

「て、てめえ……」

 

ラムダがボタンを戦人に投げつけ、戦人の早押しを阻止しつつ問題を答える。

こんな妨害をされた戦人からしたら、堪った物ではない。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

こうして激しい戦いの末、問題も残すところ、あと1問となった。

 

「優勝はあんたと私……どっちかに絞られたようね……」

「悪ィが、主人公の座は譲らねえぜ……」

 

火花を散らすラムダと戦人。

ところが……

 

「もちろん最終問題は……()()()()1()()()()()()()()()() 大逆転のチャンスだよ!」

「「…………」」

 

ゼパルの一言で戦人とラムダは焦り始めた。

 

「だよな~」

「…最終問題だしね」

「定番だよね☆」

 

ベアトと穹の言葉に笑いながら答えるフルフル。

 

「じゃあ最後は3択問題だよ。分かった時点でボタンを押してね? 昭和51年に函館に飛来したソ連のとある中尉が乗っていた、ミグ25戦闘機の機体番号は……」

「31!!」

「正解!」

「うぉっしゃあぁああ!!」

 

問題の正解に、座ってた席から立ってしまうくらいの喜びを見せる戦人。

だがその時全員が、早押しの問題に負けたことよりも、戦人が何故そんな問題を即答できたのかが疑問だったという………

 

「「で、ビリは!?」」

 

クイズが無事に終わり、戦人とラムダが最下位は誰だとゼパルとフルフルに訊く。

 

「はい! ビリはこちら!」

「ロノウェ、あなたよ!」

 

まさかのロノウェだった。

 

うわあ……ただでさえ出番あんまりないのに……どうすんだよラムダ

わ…私に言わないでよ……

 

この場合はどうすんだとお互い小声でロノウェを見ながら話す戦人とラムダ。

 

「あ……皆さんの出番が減らないのであれば……私は全然……」

 

最下位になってしまった当人は気にしてないように言うが、顔がゲッソリだった……

 

「ロノウェェェ!?」

「ごめんなさい!! 私が悪かったです!!」

 

そして結局、いつも通りになったとさ。




読んでいただきありがとうございます。
ゼパルとフルフルの口調って難しいですね……(苦笑)
次回も頑張りますのでよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。

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