今回は料理の云々の話になります。
視点ですが前半がベルン、後半が穹になります。
それではどうぞ。
今回は私が司会……?
めんどくさいわね……
まぁいいわ。暇潰し程度にはなりそうね。
「穹の部屋でも行こうかしら」
時刻は……8時30分ね。
この時間帯なら穹は起きてる筈なんだけど……
そう考えてる間に部屋に到着した。
私はドアに手をかけノックする。
ーーコンコンーー
「穹?、いる?」
「…………」
声をかけるも返事がない。
少し心配になった私は悪いと思いつつも
部屋に入る事にした。
「すぅー、すぅー」
「寝てる……」
穹の近くに寄ってみると綺麗な寝息を立てていた。
なんだか起こすのも気が引けるわ……
「………んぅ?、ベルン?」
「穹、おはよう」
「おはよ…?」
疑問形になるのも当然よね。
目が覚めたら目の前に私がいるんだもの……。
「…今、何時?」
「もうすぐ8時40分よ」
「…寝過ごしちゃった。起こしてくれてありがと」
「わ、私が好きで…やってるだけだから気にしないで…いいわよ///」
小さい頃からの付き合いとはいえ
未だに慣れないのよね…はぁ…ヘタレなのかしらね、私……
「…どうしたの?、溜息なんか吐いて……」
「なんでもないわ」
「…ならいいけど」
「さぁ、早く行きましょう。」
「…はいよ、まだ少し眠いけど」
もう少し寝かせてあげた方が良かったかしら……?
ーー屋敷の廊下ーー
「そういえば穹が寝坊なんて珍しいわね?」
「…2時間前にラムダに叩き起こされた」
…ラムダに?
「…暇だから料理を教えなさいよって」
「あの子が料理…ねぇ……」
大方、戦人に悪戯をする為ね。
それ以前に包丁なんて持てたのかしら?
「…で、更に1時間前に羅奈に起こされた」
「は?」
「理由はラムダと同じく料理教えてだってさ……お陰で眠い……」
あのクソ女!!!
穹に何て事をさせんのよ!!!
ていうか自分だって料理ができる癖して余計にタチが悪いわ!!
「…そんで自分で作った料理を食べてダウン中」
「どんな料理を作ったの?」
「…ラムダが何かの文献で読んだみたい。確か材料が、挽き肉・たくあん・塩辛・ジャム・大福…あとセミの抜け殻で作ったシチューだってさ」
何よ……そのゲテモノ料理。
そんな物を自分で食べて倒れるなんて、いい気味だわ。
……くすくす。
「…それで今から羅奈を起こさなきゃならないんだよ」
「なぁに?、弱みでも握られたの?」
「…いや。単なるワガママだよ……っと着いた着いた」
話してる間に羅奈の部屋に着いた。
…やけに静かね。死んでるのかしら?
「…羅奈、入るよーってか異論は認めない」
「ノックとかしなくて平気なの?」
「…僕もさっきこれで叩き起こされたから、これでフェアだと思う」
「聞いた私がバカだったわ…」
「…ベルンは悪くないでしょ?」
「ほら…///、早く起こすんでしょ///」
「…そうする」
部屋に入った瞬間……
「穹ー♪、おっはよー♡」
「…全然元気じゃん。僕が起こしに来た意味ないし……あと朝から抱きつかないで」
「私の朝のエネルギー分だもん♡、大目に見ても良いでしょ♪」
この女を×××してもいいかしら?
「…はいはい。それで?、ラムダは何処にいるの?」
「ラムちゃん?、リビングだと思う…多分……」
「多分とか使えないわね、この女……」
「あ"ぁ?、まな板魔女がなんで私の部屋にいるのよ」
チッ!!、相変わらずラムダと同じで地獄耳ね……
「別に。私は穹を起こしに行くついでに寄っただけよ」
「ふーん。……どうせヘタレ」
「あんた、今なんか言った?」
「ぜーんぜん?、奇跡の魔女が
このクソ女!!!
今この場で××して■■■してやりたいわ!!!
けど穹の前だし耐えるのよ……私……
「というのは冗談よ♪、PAD卿♪」
「殺すッ!!!」
「ちょっ……ベルン!?、落ち着いて!!」
「そーそー♪、冗談に決まってるでしょPAD卿♪」
「羅奈もベルンを煽らないでよ!?」
やっぱ、この女。気に入らないわ!!!
ご乱心になったベルンを宥めた僕は、
3人でリビングに移動する事になった。
するとドアの前で中を窺ってるベアトを発見した。
「…何してんのアレ?」
「あ、ラムちゃんと戦人の声もする」
「…ベアト、僕達が近くにいるのに気づいてないね。ベルンちょっと悪戯してきて?」
「しょうがないわね……」
『悪戯』という単語を聞いたベルンは乗り気なようだ。
するとベアトの背後に近づき……
「何してるのベアト」
「ひゃぉおおぉ!?」
人差し指で背筋をツツツーっとくすぐる悪戯をやってのけた。
「ベ…ベルンカステル卿…」
どうやら効果はバツグンのようだ!
「コソコソとどうしたのよ?」
「…入るタイミングでも逃したの?」
「入ればいいのにー」
僕達3人が聞くとベアトは慌てた様子で……
「な、何を言う!。今から入ろうとしていたところだ!。た、楽しそうだな、お主らっ」
いや…これだけ騒いだら……
「あ、やっと入ってきた」
「覗きみたいだったぞ」
「ぷっくっく」
上からラムダ、戦人、そしてベアトの執事のロノウェが順に言った。
ロノウェに至っては笑ってるし……
「あ、ベルン!。未来のお土産は?」
「は?未来?」
ラムダの質問に驚く戦人。
当の彼女は……
「そうなの。私、未来に行けるの。凄いでしょ」
「ホントかよ…嘘くせぇ…」
ドヤ顔だった。
まぁ、ベルンが未来に行き渡れるのは嘘じゃないしね。
僕と羅奈も行けるけど……
「信用しない戦人に未来の最先端技術をお見舞いするわ」
くわっとした表情でノートパソコンを戦人に見せつけるベルン。
「なんだこれ!?、て、テレビか?。薄ッ!、薄くねー!?」
「ノーパソよ」
「ノー……?」
忘れてた。
戦人は1986年の人間だから
この反応が普通だよね……
「それにしてもラムダデルタ卿が料理とは面白い」
「あんなもん料理って呼ばねえよ」
「…一体何を食べさせられたのさ戦人」
僕が何気なく聞いてみると……
「見た目は普通で人の肉を使ったハンバーグ」
「…へぇー、ラムダって料理できたんだ。凄いねー」
「ちょっと!?、なんか棒読みな感じがするんだけど!!」
ラムダ。それは気のせいだよ?
「お前ら本当の料理ってもんを分かっちゃいねぇ」
「ほう…戦人は料理ができるのか」
戦人とベアトがそんな事を話していた。
後ろでは……
「バトルバトル」
「フルアタには負けない……」
ベルンとラムダがポケ〇ンの対戦をやっていた。
ちなみにハートゴー〇ド、ソウルシ〇バーである。
未来のお土産ってまさか……
「家事のできる男はモテるからな……なぁ穹?」
「その話が本当なのかは謎だけどね……」
…で、気がついたら料理対決をやるハメになった。
僕と戦人、そしてロノウェの3人で。
審査員はベアト、ベルン、ラムダ、羅奈の4人だった。
なに、このとんとん拍子な流れ?
「負けた人は、うさ耳を付けてね☆」
「ラムちゃん、シエスタ姉妹の服も着せるとかは?」
「それ良いわね♪、それも追加ねー」
「これは負けられませんなぁ」
「なんでそーなる!?、誰得だよ!!?」
「…負けなきゃいいんだよ、負けなきゃ」
で、結果は……
戦人が最下位でしたとさ。
(負けなくて良かった……)
読んでいただいてありがとうございます。
ベルンの口調が難しかった……
面影を残しつつも可愛く表現するのは難しいです。
こんな感じで気まぐれに更新しますので
次回もよろしくお願いします。