明けましておめでとうございます。
こちらの投稿が遅れてしまい申し訳ありません……
サブタイ通り、後編になります。
それではどうぞ。
※前回のあらすじ
危うくワルギリアに手違いにより、生き埋めになりそうだった戦人達。
物語はここから再開する……
「あらあらスミマセン…てっきり皆さん、集団食中毒か何かで死んでしまったのかと」
「確かめろよ!! ちゃんと!!」
手違いにより危うく生き埋めにされかけた戦人達。
ワルギリアはのほほんと笑いながら謝るが、戦人達にとってはたまったもんじゃない。
「それにしても楽しそうではないか。妾も入れてくれ!」
「お前もかよ……てか、頭から血が止まんねぇし……」
その様子を見ていたベアトも混ざりたいと言った。
……という事で。
「ふふん♪ どうだ、似合うか?」
再び夢の中の教室。
ドヤ顔でスーツ姿のベアトが戦人に言う。
「制服はないわ~と思ったけど、それもねぇな……」
ベアトの格好に若干、引き気味の感想を言う戦人。
「……あれ? ベアト、そういえば、ワルギリアは?」
「お師匠様なら、やるなら理事長の席とかなんとかと言ってたぞ」
「ちゃっかりしてるわねー……」
穹の質問に答えるベアト、そしてその答えに溜息を吐く羅奈。
しかしワルギリアが理事長というのは、何の違和感も感じない一同なのであった。
「ん? 待てよ……ていうか好きなポジションになれんのか!?」
「……みたいだね。それがどうかした?」
穹が訊くと……
「つまりだ!! 高校教師になって可愛い女子高生とイチャイチャ!!? 手取り足取り何とり指導だってできるって事じゃねぇか!」
うっひょーと言いながらテンションアゲアゲで答える戦人。
「うわ……流石にそれはキモイ」
「思春期なのは分かるけど、そこまでいくと私でもちょっと……」
「ドン引きね。AVの見過ぎ」
「ていうか死んでください」
その反応を見た女性陣、ドン引きである。
ちなみに上からラムダ、羅奈、ベルン、ヱリカである……
「穹は!? 穹は俺の気持ち、分かるよな!?」
戦人が涙目で、同じ男である穹に同意を求めようとするが……
「……気持ちは分からなくはないけど、僕はどっちかっていうと…………幼馴染み系の恋愛がいい…かな……」
チラッと横目でベルンの方を見ながら答えた。
(そ、穹が……今、わ、私の事を…み、見て……み、みぃ~///)
視線と小声に気付いたベルンは顔を真っ赤にしているが。
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(何故か教室に入るのは緊張するな……)
一方で。
ベアトは教室前のドアに立っていた。
それは何故か?
「明るい系でいくか、厳しい感じでいくか……それとも優しい系か?」
今回、夢の中での彼女の役職は教師。
なので、どのようなキャラで教室に入るのか悩んでいるのである……
その姿はまるで新人教師のようだ。
「第一印象なめられてはイカンからなァ。やはりここは厳しく……」
「おい何をもたもたしてんだ?」
「一人言でかすぎ~」
「ふおおっ!?」
いざ入ろうとした矢先、教室の窓から戦人とラムダが顔を出した。
「どうせ入ってくる時のリハでもしてたんでしょ」
「あ~……」
ラムダの状況把握に納得の声を出す戦人。
「なんでバレとるのだ……」
何故バレたのか理解できていないベアト。
それ以前に、教室の外で一人言を言ってれば誰でも気づくのである。
「別にフツーでいいよ。いつものお前でさ!」
「そうそう。気にせず入ってき来なさいよ」
「お前たち……」
戦人とラムダの言葉に感動し、教室に入ったベアトだったが……
「………………」
びしょ濡れになっていた。
それは何故か?
実は、教卓にの上に水入りバケツが仕掛けられていたのである。
「────……出席をとります……」
「「「「あっははははははっ!!」」」」
「「…フフ……フ……」」
仕掛けた本人達……主にラムダ、羅奈、戦人、ヱリカは大笑い。
穹とベルンは、声には出さないようにしてるが、腹を抱えて笑っていた。
「フ……フフフ…このベアトリーチェを怒らせた事……後悔させてやる!!!」
当然これをやられて怒らないベアトではない。
彼女の背後には無数のチョークが宙を舞っていた……
「あ~ら、このラムダデルタ様相手にやれるものならやってみなさいよ!」
「ラムちゃん頑張って!」
教科書を宙に浮かせ、防御態勢を取るラムダ。そしてそれを応援する羅奈。
「壮大なチョーク攻防戦だな……」
「「大魔女同士だしね」」
戦人の一言に穹とベルンが言葉を紡いだのは言うまでもない。
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「くらえっっ!!」
「あでっ!!!」
「…おっと。ベルン、危ないからこっちに来て」
「ふぇっ!?」
チョーク攻防戦が繰り広げられる中、流れ弾もとい"流れチョーク"が戦人の額に命中。穹はベルンを抱き寄せながら防御魔法を展開し、チョークを回避する。突然抱き寄せられた彼女は戸惑っていたが……
(…穹、良い匂い……まるで全身を穹に抱かれてるみたいで……好きかも……)
軽くトリップ……とはいかないが、好きな人との密着し過ぎで危ない状況になっていた。
そして、チョーク攻防戦を止めようとした戦人が、ベアトとラムダによって瞬殺されたのは言うまでもない。
「ハーイ。試合終了ー」
「フ……妾のチョークをこれだけ防ぐとは……大したお方だ……」
「それはこっちのセリフよ。私は全弾避けるつもりだったのにね……やられたわ!」
「うんうん♪ ラムちゃんもベアトもいい勝負だったよ♪ 私感動しちゃった♪」
最終的に盛大なチョーク攻防戦は羅奈が止めた。
ベアトとラムダはお互いに健闘を称え合っていた……が……
「夢の中とはいえ、チョークで教室を全壊なんて……もうただのバカですね」
ヱリカがドン引きの表情で今の状況を締めくくった。
そう。この2人、教室が全壊するまでチョーク攻防戦を繰り広げていたのである。
しかも攻防戦を行った2人は、悦になっている……
最早、ただのバカである。
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「なんで後片付けをやらなきゃいけないのよ────」
ぶー垂れた表情でラムダが呟く。
「ラムちゃん、私、思ったんだけど、魔法で直せば良くない? ねぇベアト?」
「うむ」
「そうよそうよー。こんなの魔法で直しちゃえば……」
羅奈の意見に頷くベアトとラムダだったが……
「だめです。理事長命令ですよ」
顔は笑ってるが、目は笑ってないワルギリアに止められた。
何故か額が赤いが……
((理事長室までチョークが飛んでいったのか))
その様子を察した穹と戦人なのであった。
キーンコーンカーンコーン……
「放課後か……そろそろ戻ろうぜ」
放課後を知らせる予鈴が鳴り、現実世界に戻る事を一同に提案する戦人。
「えっと……さっきみたいに起きられればいいんだっけ?」
「自力じゃムリよ。外からの刺激で体を目覚めさせないと」
あの時は、たまたまワルギリアのかけた土で起きられたと補足しながら穹の疑問に答えるラムダ。
「あっ♪ その辺は大丈夫♪ 私とラムちゃんで時間に合わせて、部屋に目覚まし時計をセットしといた────…………」
から。と……羅奈は言おうとしたのであろう。
しかし。ここで彼女も重大な事に気付いたようである。
その表情を察した穹は……
「……だからさ、僕ら墓場に移動したでしょ? そもそもあそこって……人来るの?」
「「………………」」
確認するかのように、ラムダと羅奈に訊ねた。
2人は黙ったままである……
「でっでもよ! ロノウェなら……ロノウェなら、何とかしてくれるんじゃねぇ!?」
「そ、そうね! ねっ! 羅奈!?」
「そ、そうだよ! まだワンチャンあるよ!」
戦人の僅かな希望を砕くかのようにガラッと教室の扉が開く。
「お呼びですか? 偶々ここを通りかかったもので……」
「「「………………」」」
入って来たのはロノウェだった。
「うおおおい!!? なんでお前、こんなトコにいるんだよ!!!?」
「いやー、保健の先生というのも中々いいですね♪」
ロノウェは、白衣を着こなしながらもちゃっかり楽しんでいた。
しかし、全く違和感がない。
「ヒイイイ!!? 墓場で寝てたら、そのまま永眠とかシャレになんね────!? おいラムダ!! お前のせいだぞ!?」
「うるさいっ!! 私のせいじゃないもん!! そもそもはヱリカでしょ!!」
「私のせいだというんですか!? ラムダデルタ卿!!」
この後、異変に気づいた七杭とクイナが起こしに来てくれました。
余談だが。
「ふええ~ん!! マスタ~~~!!」
「…うっわ……穹に泣きつきながら好感度上げようとする淫乱悪魔、質悪いわー……」
「羅奈と同じ意見になるなんて珍しい事もあるものね。私も質が悪いと思うわ……」
「………………まな板魔女、風船女」
「「…あ"ぁ? 今なんつった淫乱悪魔?」」
「さあ~♡ マスター♡ 今日はアレの日ですよね? 今すぐ2人で愛の巣に戻りましょう♡」
「「殺すっ!!!」」
恋する乙女達による修羅場が発生した事をここに記す。
読んでいただきありがとうございます。
次回は、オリジナルの話にしようと思っています。
投稿が遅れたりする事もあると思いますが、頑張りますので、今年もよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。