こちらの小説が遅れてしまい申し訳ありません……(土下座)
サブタイを某ライダーベルト風にアレンジしてみました。
楽しんでもらえると嬉しいです。
「そのバレンタインチョコレート……神に返しなさい!!」
それではどうぞ。
ある日の朝。
部屋でヱリカの変死体が発見された……
「ついに犠牲者が! おいラムダ、さすがにこれは俺も引くわ……」
「いや私じゃないし!」
「私でもないわよ」
「僕も心当たりがないよ?」
「私も知らないよー?」
上から戦人、ラムダ、ベルン、僕、羅奈が言う。
「う……」
「あっ……ヱリカ、生きてた」
「おい無事か? 犯人は見たのか!?」
するとヱリカは、
よろよろとしながらも体を起こし……
「いえ……主のバレンタインチョコを何にしようか考えてたら…飲まず食わずで1週間も経っていまして……」
「お前ってやつは……」
もうなんか、呆れ半分と尊敬半分だよ。ほんと……
「フフ…いい心がけね」
「あ……主……っ」
ベルンがヱリカの頭を撫でながら言う。
しかも珍しく笑顔だ……
「それで? 1週間も考えたのだから、さぞ素敵なチョコなんでしょうね」
「もちろんですっ! 最高のチョコを……」
「まさか自分にチョコ塗ってくるなんてベタな事しないわよね?」
その一言にヱリカは目を逸らす。
「ね?」
「も……もちろんです……」
「「「「うわー……」」」」
これには僕とラムダ、戦人はドン引きである。
羅奈に至っては苦笑い。
「にしてもバレンタインか……ここにいるとまったくトキめかないイベントだな……」
「あら? チョコが世の中に溢れるなんて素敵じゃない!」
ラムダはラムダでなんか機嫌が良いけど……
あっ……そっか。ラムダはこういうイベント事には目がないんだっけ……
「はぁー。今年はどんなチョコ作ろうかしら!」
「てか、お前がチョコ作るのかよ」
「トーゼン!!」
するとラムダは自信満々に指を鳴らすと……
「ちなみに! 去年作ったのは、等身大ラムダちゃんチョコよっ! これこそまさに芸術品っ!」
等身大のラムダのチョコを見せてきた。
っていうか保存してるの……?
「ラムちゃんすっごーい!」
「でしょでしょ! はっ! そうだわ……今年は10倍スケールのラムダちゃんホワイトチョコとかどうかしらっ」
「どうじゃねぇし、何時間かかると思ってんだ!!」
「えっ!? 主の人形チョコがなんですか!!?」
「言ってねぇし!」
なんだろ……この流れだと、かなりめんどくさい事になりそうな予感が……
「じゃあどっちがより凄いチョコ作るか……勝負っっ!!」
「おい。なんでそうなるんだよ!」
「望むところです!! ラムダデルタ卿おおぉお!!!」
「あーもーお前らホントめんどくせえな!」
予想通り、めんどくさい展開になりました。
ーー審議の結果。結局……ーー
「ラムダデルタ卿!! あとで吠え面かかないでくださいよおおお」
「あんた如きが私に勝てると思ってんのぉ?」
バレンタインチョコを作る事になってしまった。
……ほんとにどうしてこうなった?
「制限時間は明日のバレンタインまでっ! いいわね!」
「了解ですっ」
「ラムダ、私はチョコを溶かしていればいいのね?」
「って主! なんでラムダデルタ卿側なんですか!?」
ヱリカはベルンと違うグループで不服なようだ。
「当たり前でしょ。自分で自分のチョコ作るなんてキモイじゃない……」
「あ~、ですよね~」
あっ……ラムダが固まってる。
多分、今のベルンの一言とバカにされたという二重の意味でショックを受けたのだろう……
「じゃあ戦人。ヱリカのこと手伝ってあげてね」
「はぁー? 俺が!?」
「嫌ですよ!! こいつに手伝わせたら体液と体毛とか入れられそうじゃないですかっっ!! 主が汚れるっ!!!」
「するわけねぇだろ!!」
するとベルンがこう言った。
「見張りつけなきゃ、あんたが入れるでしょ」
「さすがは主……! なんでもお見通しってことですね……っ」
「「おい。それでいいのか?」」
思わず戦人とハモってツッコんだ。
「てか穹、アンタあれは放っておいていいわけ?」
「……えっ? なにが?」
「いやだから……あの2人……」
ラムダが指を差した方に目を向けると、そこには……
「ちょっとクイナ!! 私が今から使おうとした牛乳横取りしないでよっ!!」
「人聞きが悪い事を言うのは止めてくれませんか!! そもそも貴女が私のテーブルの近くに置いたのが悪いのでしょう!? やっぱり超パァなんですね?」
「ちょっと……誰が超パァですって……?」
「貴女以外に誰がいるんですか? そもそも今もこうやって貴女と喋べるだけでも時間の無駄です。私はマスターに渡すバレンタインチョコを作るのに忙しいんです」
「……ちっ!! 確かにコイツを相手にするだけ時間の無駄だわ……」
羅奈とクイナが口論をしながらもチョコ作りをしていた。
そうそう。なんでクイナがここにいるのかというと、僕達がバレンタインチョコを作るという事を何処から嗅ぎつけたのか、召喚に呼んでもないのに勝手に現れたのだ。
……で、今に至るという訳。
一生懸命にチョコを作ってるクイナを見てると、視線に気づいたのか僕の方を向き、微笑んできた。
(……クイナのあの表情、久しぶりに見たかも)
その微笑みは、いわゆる年相応の表情だった。
そういえばここ最近、クイナに何かしてあげたっけかな……?
「穹、アンタ何か考え事?」
「……なんで?」
「アンタが珍しく小難しい顔してたからよ」
「……まぁ、ラムダが言った通り、考え事してたのは合ってるよ? さてと。僕も向こうでチョコを作ってくるよ」
とりあえずチョコを作ってあげようかな……
ミルクチョコ系とビター系、後はブランデー系……かな?
ーーチョコ作り開始から1時間30分後……ーー
「さ! 勝負よっ」
「おい!! その前に、お前が作ったチョコ、結局天井突き抜けたままじゃねえか!!」
「ラムちゃんこれ……ホワイトチョコいくつ使ったの?」
「そーねー……軽く10万円分はいってると思うわよー」
じゅ……10万円分って……
ラムダ本人はなんともないように言ってるが、もしかしたらそれ以上の値段がするかもしれない……
だって天井を突き抜ける程のラムダの超巨大等身大ホワイトチョコだよ?
「…そういえば勝負って言ってたけど誰に判定してもらうの?」
「暇そうなのが、1人いるでしょ?」
ラムダがそう言った途端、ドアが開き入って来たのはベアトだった。
「ベアト、マスクなんかしてどうしたの? 気分でも悪いの?」
「お恥ずかしい話なのだが……また風邪をひいてしまったようでな……」
あー……だからマスクしてたんだ。
なら寝てなよ。あと心なしか部屋全体が熱いんだけど……
「ねぇラムダ、君が作ったチョコが……」
「えっ? ギャーーーーーッ!? 熱気で!! 私の!! 顔がっ!」
「ラムちゃんのチョコが溶けてる!?」
ベアトの風邪の熱気でラムダの超巨大等身大チョコが溶けだしたのだ。
そしてベアトがくしゃみをした瞬間、ラムダの作ったチョコ、ついでに言うとヱリカが作ったチョコも溶けてしまった……
「あんたのチョコも溶けちゃったわね」
「すみません……主へのプレゼントだったのに……っ」
「……まぁでも、いい出来だったから許してあげるわ」
「あるじ……っ」
それを聞いたヱリカはベルンに抱きついた。
「よしよし、あんたのそういう犬より扱いやすいところ好きよ」
「光栄ですっっ」
「いや……おい。それは光栄か? てかヱリカはそれでいいのか?」
一件落着でいいのかな?
その前に……この溶けてしまったチョコの残骸をどうやって片付けよう?
そう思った僕だった。
読んでいただきありがとうございます。
重ね重ね、この度は更新が遅れてしまい申し訳ありません……
こんな調子で投稿が遅れる事があるとは思いますが、なるべく週1か月1で投稿できるように努力しますので、今後もよろしくお願いします。
本日はありがとうございました。