今回はスゴロクをやる回になります。
少し短いですが楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ。
戦人とベアトの尾行から次の日の朝。
リビングに入ると……
「何コレ? サイコロ?」
両手に持つくらいのサイコロが目の前に置いてあった。
試しに持ってみると何処からかチャララララ♪という音楽が流れ、異様にサイコロが振りたくなった……
「…7?」
僕が出した数字は7だった。
ラッキーセブンなのかアンラッキーセブンなのか判断しづらい……
するとちょうど戦人も入って来た。
「あん? なんだコレ……サイコロか?」
そして戦人もサイコロを手に取ると同時に、
またもや奇妙な音が流れ始めた。
ホントに何なのこの音楽?
ちなみに戦人が出した数字は3だった……
「3とかまた微妙な数字ね!」
「そうそう!」
声の正体はラムダだった。
隣には羅奈もいた……
「…で? このサイコロと音楽は結局なんなの?」
「フフフ…聞いたら穹でも驚くわよ」
何やらもったいぶる羅奈。
どうでもいいから早く答えてくれないかな?
「この曲を流すと体が勝手にサイコロを振る魔法をラムちゃんとかけたの♪」
「「何の意味があるの!?」」
羅奈が持ってる音楽プレーヤーからは、
先程のチャララララ♪とか何が出るかな♪とかが流れていた……
「ていうかその曲なんなんだ?」
「これ? 羅奈も同じ考えだったんだけど、この魔法をかける時は必須なのよ☆」
「ねー♪」
「「何それ」」
全くもって理解不能である……
「そんな事よりそのサイコロ! 何のために使うかというと!」
「いや興味ないです」
「フフフ…ちなみに羅奈と2人で1ヶ月もかけて用意したんだから……」
「だから遠慮するっte……」
さっきからラムダ、戦人の言う事をスルーしてるよね?
「さ! みんな準備できているから戦人と穹も行くわよ!」
「話聞いてたか!! だから俺はヤダって言ってんだろおお!!」
「…あのさ、僕はやるとは一言も……」
「まあまあ穹♪ せめて見るだけでもいいから♪ ねっ?」
正直そんな気分じゃないのに……と表情に出ていたのか、羅奈が見るだけでもいいからと背中を押しながらニコニコ笑いながらそう言った。
ちなみに戦人は言わずもがなラムダに強制連行である。
ーー超パァな2人に連れてかれ10分後ーー
「…で? 今から何するのさ?」
「まあまあ見てみなさいよ! 絶対に楽しいから!」
「じゃじゃーん! 今からするのはラムちゃんと作った巨大スゴロクでーす☆」
「うおおおおでけええ! これほんとにスゴロクかよ!?」
そこには戦人の言う通り、
見渡す限り一面スゴロクのマスで埋まっていた。
これ全部で何マスあるのさ……?
「マスの数は約4万!!」
「ちなみに長さは200km!! ラムちゃんと作った傑作の超巨大スゴロクよ!」
ちょっと待って?
このパァ2人は長さ何kmって言った? 聞き間違いじゃなければ200kmって聞こえたんだけど……
「「……ちょっと待て…200km?」」
「「200km!!」」
ドヤ顔で宣言するラムダと羅奈。
これを聞いた戦人は当然……
「ふざけんな!! 200kmってちょっとした旅じゃねーか!!」
「やるなら壮大な方が楽しいじゃない?」
キレだした。
只でさえここ最近運動不足だったもんね……
それを聞いてもラムダはこの態度である。
「ハッ! なんですか? たかが200km程度で怖気づいてるんですかぁ?」
「んだと…ヱリカ!!」
するとそこへヱリカがやって来た。
ヱリカだけじゃなく後ろにはベルンとベアトもいた……
「それくらいこなせる自信もないなんてなんという惰弱! 同情すらしてしまいますよ!」
「言わせておけばテメェ……」
戦人がヱリカに言い返そうとした瞬間……
「私なんて我が主に言われてオイミャコンを水着1枚で駆け抜けた事ありますから!」
「お前…少しはキレていいんじゃないか?」
サムズアップをしながら決め顔で言い切った。
「主の言葉は絶対なんですっ そしてそれを実行する事こそ私の幸せっ」
「「うわぁ……」」
これを聞いた戦人と羅奈はドン引きである……
「そんなヱリカのために! 今回の1位のご褒美は好きな相手を1日好きにしていい権利をあげまーす!」
ラムダがそう言った瞬間、
ヱリカは鼻から大量の血を出してその場に倒れた……
大方ベルンに何かしようと考えたんだろう……
「ラムダせんせー、好きにしていいって事は日頃の恨みとかも……」
「やり返すけどね」
とまぁこんな感じで巨大スゴロクを一部やる事になった。
最初は戦人の番である。
「5か。ったく…どうせやらなきゃ帰れないんだろ……」
「いってらっしゃ~い」
すると突然、戦人が1マス目で落ちた。
…はっ? なんで?
「…1マス目は落とし穴を作ってたのを忘れてた☆」
てへぺろをしながら羅奈が言った。
こんな鬼畜な予感がしない巨大スゴロクをゴールできるのか不安な僕だった……
読んでいただきありがとうございます。
後編に続きます。
本日はありがとうございました。