週一云々とは言いましたが話が頭にあるうちに書いておこうかなぁなんて思ってある意味ペースを守れそうにありません!
前回の第1話はあまりにセリフが少なかったかなぁなんて事も反省しながらまた書いていきたいと思います!
第2話
……
翠「んぁ……?どこだここ?」
訳の分からない「スキマ」とかいう場所から穴に落ちて気を失っていたようだ。
目が覚めると森の中で倒れていた。
時刻は…分からないがよるだろうか?
でも俺のいる場所だけ少し明るい。横を見ると焚き木があった。
???「おっ、目が覚めたかい?」
焚き木の炎の奥から声がした。
体を起こして声のした方向を見るとそこには女の子がいた。
背丈は小学生くらいだろうか?
紫よりすこし淡い?薄い?そんな金髪のロングで両腕と片足に鎖を付けている。
…そして何より気になる…
翠「あ、あぁ……それよりアンタ…」
萃香「ん、あぁ私か?私は伊吹 萃香、萃香でいい。お前さんが森のど真ん中で倒れてたんでほっとけなくてな」
翠「そ、そうか。おれは進来 翠だ、翠で構わない。それよりアンタその頭……」
俺がそう聞くと萃香は少し不思議そうな顔をしたあと、あぁこれか、と自分の頭に生えている二つの角を指さして確認してきた。
萃香「お前さn…じゃなかったな。翠は多分外の世界から来たんだろうから信じられないと思うが、私は鬼なんだ」
……鬼?鬼って言ったかこの子。そりゃお伽噺やゲームでなら見たことはある。確かに角も生えている(?)
けどもっとこう…筋骨隆々で巨漢じゃないのか?そもそも鬼なんて実在するのか?
萃香「ほらね。鬼なんてホントにいるのかー?って顔してる
ま、紫に突然連れてこられたんだろう。どれ、この幻想郷の事を少し話してあげるよ」
俺は既にキャパオーバーしてる頭に必死に詰め込もうとした。
ここは幻想郷という俺のいたいわゆる「外の世界」から結界によって隔離された場所で、妖怪、魔法使い、幽霊、鬼、天界や地獄など、外の世界では幻想、想像上とされていたものが実在するらしい。
この幻想郷の住民の中には能力というものを持っている奴もいるらしい。
翠「お、オーケー…まだ全部は理解できないけど…取り敢えず夢とか幻覚じゃない事は分かったよ…」
萃香「ま、最初はそんなもんだよ。あたしみたいに外の人間に友好的なやつにでも合わなきゃ好戦的なやつに喰われてたかもか」
外の世界、なら笑える冗談だ。意味がアーッ!なもので済ませられる冗談だからな。でもこっちじゃそうでもないみたいだ。
夜で感覚が研ぎ澄まされて敏感だからだろうか、木の影から時々視線を感じることがある。それも殺気?って言うものに近い気がする。
萃香「気になるか?周りのヤツらが」
ソワソワしている俺に萃香が聞いてきた。
翠「ま、まぁ……」
萃香「安心しなよ、あたしは鬼だ。同じ種族か知り合いでもない限り近づいてきやしないよ」
そう言う萃香は笑ってこそいたが少し悲しげだった。
それと同時に何か同じ物を感じた気がした。
きっと「1人だった頃」があるんだろう。
萃香「ほら焼けたよ!食いな!」
話題を切るように萃香は大きな声を出した
ハッと我に返ると萃香が串に刺した焼き魚を俺に分けようとしていた。
塩も何もかけていない、ただ魚を串に刺して焼いただけだが、今まで見てきたどの食べ物よりも美味しそうに見えた。
翠「いいのか?一つしかないみたいだけど…」
萃香「あたしは構わないさ。それより早く食べな!冷めちまうよ」
俺は礼を言って焼き魚にがっついた。
…美味い。今までこんな食べ方で食べた事ないはずなのに、どこか懐かしい
萃香「ちょ、ちょっと翠!あんた何で泣いてんだぃ!?そ、そんなに不味かったか!?」
気がつくと俺は涙を零していた。悲しかった訳でも、辛かった訳でもない。
何故だか涙が止まらない。
俺は今までの事を萃香に話した。
両親に捨てられた事、いじめられていた事、育ててくれた夫婦と唯一の友人が死んだ事、身の回りで事故が起こる事、「災いをもたらす」なんて言われていた事
その果てに自殺しようとしていた事……
萃香はただ黙って聞いていてくれた。
萃香「そんな事かい?」
返ってきた言葉は意外なものだった
翠「そんな事って…こっちはどれだけ辛かったか…」
萃香「だからそんな事かいって」
俺は苛立ちを隠せなかった。死ぬ覚悟が出来るほどに辛いことがあった。夫婦も友人も、関係の無い人までも多くの人が死んだ。
それを「そんな事」で済ませた萃香に腹が立った。
翠「アンタなぁ!何人も俺の周りで人が死んだんだ!
誰かが死ぬ度に!周りから虐められた!
でも…それでも生きてやろうって!強く生きてやろうって思っても……思っても……結局は弱いまま終わったんだよ!」
俺は声を張り上げて言った。今まで溜めてた鬱憤、悲しさ、辛さ。
思いのままに吐き出した。
翠「ハァ…ハァ……いいよな萃香は…鬼だから最初から強かったんだろ?」
俺がそう言うと萃香は少し笑い、でもその目は力強く真面目に
感情の入混ざった俺にこう答えた。
萃香「確かに、あたしは強かった。それはもう敵う者がいないほどに……いや「強すぎた」んだ。」
萃香はまた、少し悲しげな顔をして続けた
萃香「なぁ翠、お前さんは強ければいいって思ってるか?」
翠「そりゃそうだろ…」
そうだ、強ければ守れる。猛スピードで突っ込んでくる車にだって、上から落ちてくる鉄柱からだって、強ければ止められる、弾き返せる、助けることが出来る。
萃香「そうか…あたしもそう思っていたよ。強けりゃ守れる。怖いものなんてない。
……でもね、余りにも強すぎて逆に恐れられたんだ。
近づけば殺されるだの、村に行けば壊されるだの。
ある日、それでも仲の良かった人間と森を散歩していた。あたしが冗談交じりに背中をドンッと叩いた時、そいつの半身が吹き飛んだ。
自分でも恐ろしくなったよ。
確かに力があれば勝つことは出来る。でも守る事は…できないんだよ?」
そう言う萃香は最後にまた笑って見せたが、やはり悲しそうだった。
強ければ守れる。そう思っていた俺の考えを消すには十分過ぎた。
翠「あ……すまない…」
萃香「いいんだ…あたしも久々に人間と話せたよ。
翠がまた死にたいなんて思った時は、あたしが手を差し伸べてやるよ!」
その言葉を聞いた時、また涙が零れた。
災いだの死ねだの言われてきた俺に、唯一「手を差し伸べてやる」と言ってくれた。
萃香「さて…そろそろ行かなきゃね」
萃香が立ち上がってそう言った
翠「…もう行くのか?」
見ず知らずの俺を助けてくれたんだ。無理や我が儘は言えないが…もう行ってしまうと思うと寂しかった。
萃香「ん?行くって、翠もだぞ?」
翠「……え?何処に?」
萃香「外の世界から人が来たらまずある場所に行くんだ」
萃香が東の方に見える山の頂上を指さして言った
「博麗神社」
……はい!第2話終了です!
次回はついに博麗神社へ!ここからキャラも背景も増えてくるのでとても大変になりそうです!
が!なるべく話がおかしくならないように、誤字脱字がないように気を付けて書いていきますのでよろしくお願いします!