各国の代表候補生やお嬢様も通うことになるIS学園学生寮……!
地下に送り込まれるクズどもとは、天と地……月とスッポン……!
当然違う……対応……何から何まで……!
「学生の寮だってのにずいぶん豪華なもんだな……地下と比べりゃ天国に見えるぜ…!」
山田先生は同室の奴についてとか何も言っていなかったな……
同室になるとしたらまず織斑になるわけだが……やり辛いな、あんな後で……
それにこの情報……奴に分けてやる道理もない……同室じゃあ部屋で見れねぇが……
一人部屋か、二人部屋か……二つに一つ……!祈る……一人部屋……!
部屋に向かいながら考えるのは……意外にも布仏本音のこと……!
織斑が言ってきていたことは別として……確かにあれは俺の八つ当たりにも近い……!
布仏は助け船を寄越してはいない……だが罵ってきたわけでもない……!
織斑先生がIS勝負を決めた以上……無駄……少なくとも学生では何を言っても……!
仕方ない……あの場では……援護射撃……できなくても……!
このままでは敵……周りをすべて敵にしたら……正しく孤立無援……!
確実に息切れ……窒息……八方塞がり……!
作らなければならない……味方……!山田先生以外にも……!
「ここか……1027号室……!とりあえず入るとするか……」
開ける……鍵を……!しかし、開かない扉……!
つまりもういる、先に……中に人が……!
「っち、二人部屋のほうかよ……めんどくせぇ……!」
そういいつつも、避けられない……入っていく、部屋へ……!
「やっほ~、かーくん。遅かったね~」
部屋にいたのは意外……!布仏本音……!な……なんで?なんでいる、某ピカチュウ……!
同室の織斑か……?初日から女連れ込んでんのかよ……!
しかもよりによって布仏……!めんどくさいことこの上ない……!
「織斑はどこにいるんだ……?部屋に布仏だけ残して……」
「何いってるの~?ここは私の部屋だよ~?」
渡し間違え……?山田先生め……どこか抜けてるとは思っていたけど……
よりによって鍵間違え……!女子の部屋に入っちまったら……
場合によっては訴えられかねないぞ……!このご時世……!
「わ、悪かったな……!山田先生から渡されたんだけど、どうやら鍵が間違っていたらしい……!今すぐ出ていく……!だから、訴えるとか、そういう気は起こさないでくれると助かる……!」
「かーくんの部屋は、ここであってるよ~。同室者は織斑君じゃなくて、私だよ!」
は……?正気か、この学園……!年頃の男女を同室……?
普通に考えて織斑とだろ……!それ以外の選択肢……あるわけねぇだろ……!
「冗談、だよな……?いくらなんでもねーだろ……男女、同室……!」
「織斑君は、しののんと同室らしいよ。冗談とかじゃなくてこの部屋割りであってるよ~」
まじ……?このふわふわした女と同室……?
だが、織斑と同室じゃないなら奴と面倒ごとも起きねぇ……!
夕方の件で分かった……奴とはそりが合いそうにない……!
あとは、この女……謝っておくか……教室でのこと……!
同室になるってんなら、仲良くやっておかねぇと、それこそ濡れ衣……葬られかねないしな……!
「そうか、同室なのは分かった……それと、そのなんだ……さっきは八つ当たりみたいで悪かったな……あの場じゃ仕方ねーよな……なんも言えなくて……罵ってきた訳でもないのに……イライラしてたんだ……済まなかった……!」
平身低頭……素直に、謝罪するカイジ……!
「別にいいよ。あんなおいてけぼりで勝手に話を進められたら誰だってイライラするよ~」
カイジの謝罪を受け入れる布仏……!いい子……!このご時世でもすれていない……!
女尊男卑なら……!弱みを見せれば……謝罪をすれば、つけこまれる……!どこまでも……!
「そう言ってくれるとありがてぇ……!ベットは空いてる方を使わせてもらう……あとはシャワーの時間とかそういうこと、決めておこうぜ……!」
「わかったよ~。でもとりあえずお腹空いたから食堂行って、そこで話そ~」
「(お腹空いたって……待っててくれたってこと、俺の事……?そうまでするか……あんな態度見せた俺に……?天使……この子も……天使……!)わ、わかった……すぐ準備するから……!」
カイジ……和解……!少なくとも、中立……!味方とまではいかないが、中立……!
敵ではないクラスメイト、一人目……布仏……!
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そうして、向かう……食堂……!
食堂へ入る、カイジ、布仏……すこしだけざわつくも、変わらず……!
窺うような視線はあるものの……空気までは……!
席に着き、食事を始める……織斑を見かけるが、あえて席を離す……!
先に気付いた篠ノ之から睨まれ……そもそも近寄れず……!
「(っは、睨まなくても近づかねーっての……)で、色々決めておくことだが……」
「うんうん~」
食事をしつつ……取り決め……ルール……身を守るためにも……定める……!
「(なんだ……?ちょっと騒々しくなった……?)っし、静かにしてくれ、布仏……」
「ん~?」
どうやら、上級生が織斑たちのほうに話かけにいっているみたいだな……
何を話してやがんだ……?
耳を澄ませる、カイジ……!盗み聞き……!
「ねぇ、君のほうが織斑一夏君でしょ?代表候補生の子と勝負するって聞いたけど、でも君、素人だよね。私が教えてあげよっか?ISについて」
「けっこうです。私が教えることになっていますので」
そういい、張り合う篠ノ之……!
「私は三年生。私の方がうまく教えられると思うなぁ」
「私は篠ノ之束の妹ですから、ですので結構です」
切る、鬼札……IS界におけるジョーカーを……!
「そう、それなら仕方ないわね……!」
たまらず退散……悔しそうに去っていく三年生……!
「(面倒そうだな……!)ちょっと、お手洗いへ……!」
直感……この時、カイジに電流走る……!織斑、が目当てだろうが……
俺のところにも来る可能性……無きにしも非ず……
「?いってらっしゃ~い」
席を離れ影から見守るカイジ……案の定、何かを探すかのよう……!
周囲を見回した後……去っていく、三年生……!
「(っほ、やっぱりか。まぁ三年の指導役ができるってのはありがたいが、織斑目当てだったんなら、俺はいわば外れくじ……期待できねぇ……熱……指導……!)それにしても……あいつ……」
見やるは、篠ノ之、織斑の座るテーブル……!ジョーカー、二枚組……!
「平然と切りやがった、鬼札、ジョーカー……!言ってなかったっけ、姉さんは関係ないとか、何とか……まぁ使えるもんを使うってのは正しいけどよ……!自分が切ったカードの意味、その強さ、理解してんのかね……」
あまりにも強い力は……一転、身を亡ぼす毒……牙をむくことさえあるのだから……!
バイタルウォッチ、456賽……彼らを勝利へと導いてきた切り札……!
しかし、滅ぼされる……その力によって……!
そして、一度使えば……抗えない……最早捨てられず……!
捨てても付きまとう……強力が故……消せない、その残滓……!
最早博士と無関係とは……誰も……認めてくれない……!
面倒なので細かい作中描写はしていませんが、当然カイジに対してのヘイトは溜まっております。千冬への発言とかやりすぎかな……?とも思うんですが、あれくらい言わないと動いてくれそうにないし……うーん……
分からない人のために……
456賽……班長の使っていた4・5・6の目しかない賽。人は一度に三面までしか立方体を見れないという特性をついた非常に強力な賽。また、チンチロリンとのルールとマッチングしていて、ほぼほぼ最強……だが負けることがあるという巧妙さを併せ持つ。
バイタルウォッチ……利根川がEカードで使っていた時計。カイジのバイタルサインが監視できる。心理戦となるEカードにおいては非常に有用。腕時計と観察の意味合いをかけてバイタルウォッチと呼称。ただこれを使いこなすのは装着者の力量も高くなければならないだろう。