成層破戒録カイジ   作:URIERU

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カイジが専用機手に入れてから何話経過したでしょうか?


カイジ、初陣……!

IS学園第3アリーナ……そこで向かい合う二人……カイジとセシリア……

今日は前に約束した……カイジが専用機を得てから初めての模擬戦……!

 

「(あれがカイジさんの専用機、シュヴァルツ・ヴァルト……黒緑色のカラーリングに右腕にはEN・実弾二連装ガトリング、両腕についているバレルは圧縮破砕砲とありましたわね、あとは近接武装を一本格納。それにしてもあの大きなバレル、一体どのような武器なのかしら)それでは、お願いしますわカイジさん」

 

「(AFCはレーザー相手の防御には意味をなさねぇ……なら、圧縮破砕砲で何かできないか試してみるか……こいつ自身の性能を確かめるため……後付け武装は一切積んでいない……)あぁ、いつでも……いいぜ……!」

 

睨みあう二人……まずはセシリアより射撃……初戦の時は無様に当たったもの……

初戦の際、当たるのが作戦であったが……元より避けきれなかったのである……

 

「(反応はやっぱり打鉄より早いな……しかし、狙撃とBTに対してガトリングじゃ……取り回しにも命中にも難があるな……けど、これは模擬戦。今のこの機体で出来ることの模索、それが肝心……!)」

 

流石に、今となっては当たるべくもなく回避……機体の性能も第三世代型としては並だが……

さすがに訓練機の第二世代型とは比べるまでもなかった……!

 

「(距離を保っていれば、ガトリングはやはり脅威ではないですわ。ただ、常に弾幕を張られていると、攻撃の機会が減りますわね。さて、BTを出しましょうか。昔のようには行きませんことよ、対応できますかしら?)お行きなさい、BTたち」

 

「(っぐ、やっぱり、BTに周りを飛び回られると弾幕張ってる暇もねぇ……!それに、完全には足は止まらなくなった……!戦闘機動というにはほど遠い……しかし遠距離だとそれでも十分回避に繋がる……!AFCではやっぱりBTの軌道は変わらない……)っち、距離を少しでも詰めてから圧縮破砕砲とAFCだ……!」

 

装備の相性が全体的に悪いと感じるカイジ……後付装備で対応させざるを得ない……!

自身は中~近距離タイプであり……遠距離への攻撃手段は乏しい……!

近づこうにもそう易々と距離は詰められない……セシリアは遠距離機として……

当然近接されないための機動を取り……BTも距離を詰めさせないよう弾幕を張る……

カイジに弾幕を避けることは出来ても……距離を詰めきるのは無理であった……

 

「(どうにかして距離を詰めようとしている……ですが、わたくしもそこまで甘くはなくってよ……あら、左腕のバレルが動きましたわね、何かが来る、のかしら。構造からして腕を向けた方向の直線上に攻撃が飛んでくる。でも、カイジさんがそこまで真っ直ぐ来るとは思えませんわね……というよりはそれだけだったら、腕を思いっきりこちらに向けてくる以上、回避は難しくない。とりあえずは、腕の直線上だけは避けると致しますか)新しい武装ですのね、楽しみですわ」

 

「(こいつの原理自体は単純……基本は内部の超圧縮した空気を飛ばす……鳳の衝撃砲と似ている……だが、中に詰められるものが液体でも気体でもいいってところ……後は溜めた状態でも動けて、すぐに打つ必要もない……そして、これからが実験……AFC次第で変化……その軌道……!!)発射……!」

 

一度引かれたバレルが勢いよく打ち込まれる……!

 

「(確実に射線上からは離れていますが、っく、強烈な風……!?やはり、内部の圧縮した空気を打ち出すもの。しかし、この距離で完全に射線を外していてこれとは……)直撃したらまずいですわね……」

 

自身がいま感じた突風……射線上からの余波とすれば……かなりの威力である……!

とはいえ、カイジ……AFCによって本来の軌道を曲げ……セシリアの元へ向けたつもりである……!

 

「(だめだ、俺のAFCで作った弾道……軌道……砲身の強度が持たねぇ……!途中で明らかに分散してやがる……!だが、腕の直線上なんてまず相手も乗ったりしない……!密着すればパイルバンカーのように打つこともできそうだが……セシリアの反応を見る限り、代わりに使ったらやばいんじゃないか……?制限をかける必要があるかもな……)そうそう、うまくはいかねぇか……!じゃ、次の手……!」

 

明らかに失敗した破砕砲……無理やり軌道を曲げようとし……

本来の威力より劣っている……しかし、セシリアは驚きの表情……!

もしパイルバンカーのように接地して発射……そんなことをすればどうなるか……

想像もつかないカイジであった……!

 

「(また、ガトリングを取り出した。って、空中に浮いてますの!?どういう原理で……)まるで、手品ですわね!とはいえ、体が止まってますわよ!」

 

「(っうぐ、きつい……手をイメージして持たせることはできるが……狙いをつけるなんてのは……まだ無理だな……!てゆうか、俺が動けねぇ……!っげ、射撃、避けないと……!)っち……あっ、落ちちまった……!」

 

レーザーを避けたが当然集中を切らす……AFCで作り出した力場は雲散霧消……

その力場に支えられていたガトリングは落下……

 

「(AFCとやらで、あの武器を持てる何かを作り出していた……ですが、かろうじて射撃ができるくらい、狙いはまだつけれそうにありませんでしたわね)集中力が切れると、その手品もとけるようですわね」

 

「(もう近接武装と破砕砲だけか……手詰まりもいいところだが……最後に、破砕砲を自分の推力として使ってみるか……!)まだ、使いこなせなくてな……!最後、一発付き合ってくれよ……!」

 

実際のところ武装は少ない……AFCを自在に操れれば戦術の幅も増える……

しかし……第三の手として使うには……まだまだ難しい状態であった……

 

「ここから打てる手があるのでしたら、どうぞ!ですが、手加減は致しませんわよ!」

 

先ほどまで静かだったのが噓のように……雨あられとレーザーが振り始める……!

 

「(俺がAFCに集中する時間をくれてた時点で……手加減みたいなもんだがな……!しかし、機動性も旋回性も高い……打鉄じゃハチの巣だ……!今もそんな変わんねーけど……見えた……!)ここだ……!」

 

「(両腕部のバレルが動いたけど、手がこちらに向いてない。まさか……!?)」

 

気付くと同時に動くセシリア……カイジ、瞬時加速を超えるほどの加速……爆速……!

しかし、当然制御利かず……狭いアリーナではその突進は仇……!

一瞬にしてセシリアの傍を掠め……目の前に迫るのはアリーナの防壁……!

 

「っぐ、腕部を掠めましたわね。しかし、カイジさんは思いっきりアリーナの防壁に突撃をかましましたわね。大丈夫かしら……?」

 

「っぐぅ、いってぇ……この狭さで使うのは自殺行為……もう、やらねぇ……いや、出力の調整は可能か……?あと片方だけなら左右の急加速……使い道は、あ、るか……」

 

その言葉を言い切ると共にカイジ……衝突の衝撃で気絶……!

 

「カ、カイジさん!?大丈夫ですの!?」

 

急いでカイジに近寄り、落下を受け止めるセシリア……逆だ、逆……!

セシリア・オルコットvs伊藤開司の模擬戦、伊藤開司自滅、しなくても、勝者セシリア……!

 

 




答えは15話。そしてここまで引き延ばした挙句、敗北。主人公が機体を手に入れて無双するかと思ったか?残念、そんなに甘くはない!

あと楯無さんようにちょっと過去編作成中。なかなか難航するでござるね、オリジナルストーリーは……

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