一年間……スイーツ食べ放題……!当然、女子の希望……憧れ……!
女子の話題も当然、クラス対抗戦のこと……!
「そういえば二組のクラス代表が変更になったって話聞いてる?」
「なんか転校生の子に変わったのよね」
「転校生……?こんな時期に?」
不審がる織斑……それも当然……まだ二週間も経っていないのだ……!
「中国から来た子だって」
「どんな奴なんだろうな、強いのかな」
「さぁ……でもいまのところ専用機持ってるクラス代表っていないし、専用機持ちだったら厄介だよね~」
「でも1年生で専用機持ちなんてそう簡単にいないって~」
実際のところ……専用機持ちがクラスにいること……それはかなりの幸運である……!
だが、その幸運……来週大暴落……待ったなし……!
クラスの端……一人窓際で外を眺めながらコーヒーを飲むカイジ……!
織斑とクラスメイトの会話を聞きながら……考えるのは凰のこと……!
昨日出会ったあの凰か……?他に転校生なんていないだろうし……
しかし、2組のクラス代表はすでに決まっていた……それをわざわざ変えた……
2組のクラス代表は代表候補生……名前は忘れたが、アメリカだったか……?
多かれ少なかれ、代表候補生のやつらにはプライドってもんがある……
つまり持ってる……第三世代機……専用機……ごり押した……!
無理やり、挿げ替えやがった、昨日の今日で……!
しかし、そこまでするか……?恨まれるだろ……普通に考えて……!
下手に……オルコットのように暴言吐くより……生むだろ……問題……軋轢……!
「昨日の凰さんかしら、ねぇカイジさん?」
「……うわぁ、っと……!急に話しかけるなって……!」
飲んでいたコーヒーを落としかけ、慌てるカイジ……!
「ですから、女性に対してその驚き方は失礼でしてよ!」
ぷん……ぷん……!と怒って見せる、オルコット……!
「(なんだ……?なんか懐かれてないか、俺……?距離、近いって……)悪かったよ……まぁ凰以外考えられないな……」
昨晩は自分から……助け……情けなくも求めて……!
腰にしがみついておきながら……この身勝手さ……!
しかも……女性相手に……懐く……!ペットではない……!
さらには、昨日のランチのこと……お礼という言葉を……鵜呑み……!
もう終わったこと……流している、カイジ……!
「その情報古いよ!二組は専用機持ちがクラス代表になったの!そう簡単には優勝できないから!」
「鈴?お前、鈴か?」
知り合い……織斑の……!
「そうよ、中国代表候補生、凰鈴音!今日は宣戦布告に来たってわけ」
ざわ……ざわ……クラスの女子達、ざわつく……!
「あれが、中国の代表候補生……」
「鈴、何恰好つけてるんだ、すっげぇ似合わないぞ!」
「な、なんてこと言うのよあんたはぁ……!っ……!」
鉄拳……制裁……背後に千冬……!
「な、何すんのよっ……ち、千冬さん……」
「織斑先生と呼べ。さっさと教室に戻れ、授業の時間だ……!」
「は、はい。……またお昼でね、逃げないでよ一夏!」
午前の授業が終わり……来る……昼食の時……!
この学園で唯一の、娯楽、快楽……!それが、食事……!
「カイジさん、お昼ご一緒しませんこと?」
「(やっぱり、なんか……近い……それにもう終わったんじゃ、お礼……)悪いが、今日は食堂へ行く……!」
「あら、騒々しいのは苦手なのではなくて?」
「色々、あるんだ……」
「そ、そうですか。では、これは……」
後ろ手にバスケットを隠す……今日も、作ってきた……ランチ……!
「……弁当を、食堂で食っちゃいけないって、規則はねぇ……!なら、持ち込んでも……問題ない……!だが、したんだろうな……味見……!」
「は、はい。ちゃんと食べられることを確認してから、手は付けておりませんわ……!」
「そうか……なら、いい……だが、食堂で何も頼まないってのは……マナー違反……居辛い、当然……」
言いさして周囲を見回し……見つける……餌で釣れる……そんな相手……!
「布仏、食堂に行かないか……?パフェくらいなら、奢るぞ……!」
貧乏性のカイジにはあり得ぬ……提案……奢り……!
まだ丸々残っている、坂崎の手切れ金300万……!
つまり……比較的財布……懐は……暖かい……!
「いくいく~!わ~い、パフェにケーキにシュ~クリーム、食べ放題だ~!」
「いや、言ってねぇ……そんなこと……奢るのは、パフェ……!それだけ……!」
懐が豊かになっても……心まで豊かになるとは限らない……!
「ぶ~、ケチだなぁ。そんなんじゃこの私は釣れないよぉ!」
「なら……いい。他をあt」
「行かないとは、言ってないよ……?」
急激に冷え込む……周囲の空気……!
「っ……!なら、早く行こう……オルコット、ほら……」
「(二人きりでは、ありませんのね……でも布仏さんには助けてもらいましたし、その、ほんのちょっと、怖い方ですけど……)え、えぇ。参りましょうか」
セシリアも当然……布仏の時折見せる豹変……気付いていた……!
だが、自分の味方をしてくれている……それが分かるため……感謝……!
昼時の食堂……当然、にぎやか……食券を買い……列に並び……
食事を受け取り……そして席へ向かう……それがここのルール……が、カイジ、これを無視……!
「さて、おあつらえ向きの……空いてる席は……」
「あちらのテーブルが、空いてましてよ?」
指し示したのは端の席……カイジを慮って……ベストチョイス……しかし……!
「(そこは近くの席がどこも空いてねぇ……できれば飛び石……一つ隔てたテーブル……)いや、そこじゃ駄目だ……!あそこ、あれがいい……!」
カイジが選んだのは真ん中より……両隣は埋まっており……明らかに騒々しい場所……!
「(ずいぶん真ん中よりといいますか、否が応でも騒々しい席になりそうですが……何かお考えがあるのでしょうか……?)分かりましたわ」
席に着く、カイジとオルコット……遅れてやってきたのは……巨大パフェを持つ布仏……
座る、カイジの前に……巨大なパフェに目を輝かせ……幸せそうな布仏が……!
「それにしても、スーパービックパフェ……平然と一番高いの選びやがって……」
「これでも一つで我慢してるんだよ~!」
「(そもそもそれ、一人で食べられる量なのかよ……)おっと、登場だな……!」
「ん~?」
「こっちの話……気にするな……さっさと食べようぜ……!」
「(入口に織斑さんと凰さんに篠ノ之さん、ですわね。目的は……それにこの席の位置……なるほど。こういう所は頼りになるというか、全く抜け目のない……この方を敵に回した時点でわたくしの負けだった、と……)さぁ、今日のは、大丈夫でしてよ……!」
綺麗な見た目のブリティッシュサンド……昨日はこれに騙されたが……
「じゃあ、また、このハムサンドから……ん、うまいじゃねぇか……!今後は、アレンジは控えるんだな……十分、これで……おいしいから……(少し、辛い。恐らく写真の量くらい……マスタードを塗ってる……許容範囲か……!)」
ぎりぎり……許容範囲……!カイジに電流走らず……!
「よ、よかったですわ……」
「(何かあったのかなぁ……昨日かーくんが午後体調不良でお休みしたのと関係、あり?)う~ん、このパフェ最高!」
「(よし、狙い通り。一つまたいだテーブル……!騒々しかった隣のテーブルの奴らも静か……聞き耳……盗み聞き……織斑と凰の関係……気にしてるよな……!)ありがたく……俺に感謝しながら……食うんだな……!」
みみっちく……自身への感謝を忘れさせない……カイジであった……!