カブトムシなんかも同じ理論なのですが、こういうのって調べると面白いですが、苦手な方には厳しい画像とかもあったりするのでお気をつけください。
ちなみに大型化したカマキリの羽は飛ぶ為ではなく、主に威嚇用に使用されるらしいです、まぁ、大きさと羽が釣り合ってないので確かにと思いますが、それならそれで逆に擬人化のイラストに羽を広げたようなヒメのイラストが……頭の中にはあるのに、描けない!!
ぶっちゃけ、覚悟を決めて鉛筆握れよ、と突っ込みが来そうなので初投稿です。
オリジナルキャラ、オリジナル設定、擬人化等苦手な方はブラウザバック推奨です。
それでも良いという方は、お付き合いください。
目を覚ますと、白い天井がある。見慣れた医療室の天井に違和感を覚える。
「地獄にしては、ユーモアがない場所だな」
ヒトミは身体に力を入れると、思うように動かない。長い間動かしていなかったのか、関節がガチガチに固まってしまっている。
「おう、やっと目が覚めたか。言っとくけど、地獄はこの先だぜ? 死んでた方が遥かに楽だったと思えるくらいにな」
そう告げるのは、チャンピオンのヨウだ。腕には点滴の針が刺さっていて、病院服を着ている。
「って事は、生きてるのか。というか、お前も生きてるんだな」
ヒトミもヨウも、一命をとりとめ、病院にいるみたいだ。
「あっ、ポケモン達は?」
「ポケモンセンターで休んでるよ。まぁ、俺たちよりは軽症さ、そろそろ地獄の鬼がやってくるから、俺は退散するとするぜ」
「ちょ、ちょっと待て、何があったのか教えてくれよ!」
「おう、お互い生きてたら話す機会もあるだろうよ」
そう言って、部屋を離れていくヨウ。理解が追い付かず考え込んでいると、部屋の扉が開く音が聞こえる。
「……ウスユキさん?」
「……ヒトミ、ヒトミヒトミヒトミィィィ!!」
ウスユキの体当たり、ヒトミは気絶した!
「ヒトミ、ちゃんと聞いてるの!?」
「はい、聞いてます。すみません」
ヒトミが目が覚めてから、二時間は立っただろうか、ウスユキの説教は止まる事を知らない。何しろ、最後のメールを送ってその後音信不通だったのだ。ようやく再会したと思ったら冷凍保存一歩手前で、間違いなく死ぬ直前だった。
「ヒトミはいっつも無茶ばっかり! 人に頼りなさいって、言ったよね!」
「はい、仰る通りでございます」
ヒトミは抵抗するつもりもない、なにしろ、小一時間ほど泣きつかれていたのだ。ひたすら泣き続けられて、その後は説教になる。困惑しっぱなしで、最早考えることをやめているかのように、ウスユキの話を肯定し続ける。
「あっ、目が覚めたんですね。良かったです」
扉が開いて中に入ってきたのは、なんとポニーテールにしているリーリエだった。
(ヤバい、可愛い!)
「あ、初めまして、かな」
ふふふと、上品に笑うリーリエの後ろには、青ざめたヨウの姿があった。なるほど、ヨウにはヨウの鬼が居た訳だ。
「ウスユキさん、説教はこの後再開するとして、とりあえず現状の説明をしておきましょうか」
「そうね、何も分かってないだろうし、説教はその後でもいいかな」
どうやら説教が終わるという選択肢はないらしい。ヒトミは小声でヨウに救いを求める。
「あ、ねぇよ、んなもん」
げっそりとした顔でヨウが呟く。どうやらヒトミもヨウも、当分は地獄の鬼にこってり絞られる運命らしい。
「とりあえず、ことの始まりはヒトミからのメールね」
それを不信に思ったウスユキは行動を始めた。しかし、直接アローラに訪れるのは時間がかかるし、ウルトラホールの事で力になれるとも思わない。
「という事で、マオやスイレンから聞いてたリーリエなら、何かできないかと思って飛んで行った訳」
「そうして、私が初めて状況を知り、ヨウさんが事件に巻き込まれていると、分かった訳ですね」
グラジオはリーリエに対して、事件の事は黙っていたのだろう。確かにカントーにいるリーリエに伝えても心配をかけるだけだ。
「かといって、何か出来るかって言ったら私達だけじゃ何も出来なかったの」
「そこで、持ってきていた太陽の笛を鳴らしたんです」
コスモッグを進化させる時に使った、あの笛である。
「そうしたら、ほしぐもちゃんが私達を見つけてくれたのです」
「えっ、だってソルガレオは……」
「忘れたのか? ソルガレオもルナアーラもGTSで手に入れただろ。だから、ほしぐもとは別個体だよ」
ヨウがそう言う。そう、ヒトミはGTSで色んな伝説、準伝説集めていたのだ。
「そうして、ほしぐもちゃんとウスユキさんと一緒にウルトラホールに行くと、まぁ、何から言えばいいのか分からない状態だったんです」
「ヨウは氷漬けのジガルデと合体してるし、ヒトミは手持ちに囲まれて冷たくなってるし、メチャクチャ寒いしで、本当に焦ったね」
状況を知らない二人が経緯すっとばしてあの光景をみても、困惑するしかないだろう。
「まぁ、ほしぐもちゃんがヨウさんとヒトミさんとポケモン達を連れて、戻ってきて緊急治療室に運ばれて今に至ると言うわけです」
「いや、それは俺が生きてるのは分かるんだけど、ヨウはどうして助かったんだ?」
「それは、麗しい私が説明させて頂きますわ!」
バァンと扉を開け、ジーナとデクシオが入ってくる。何故か、二人共頭の上に大きなタンコブを乗せているが。
「ヨウさんがジカルデと融合していたのは、ジカルデキューブを介して可能となっていたのですわ! 故にジガルデキューブを破壊すれば、ジガルデは元通り各地に散らばっていきますのよ!」
「ジガルデキューブを破壊して、ジガルデから解放されたは良いけど、ヨウの身体は無事だったのか?」
デクシオが代わりに答える。
「無事では無かったね。大きく損傷している部分はあったけど、足りない部分はジガルデセルが補っている状態だね」
「えっ、まだジガルデと合体してんの?」
「時期に俺の細胞に馴染むんだってさ。逆に回復力が上がって、俺の方が重傷だったけど、目が覚めたのは早かったんだ」
ヨウがそう言うと、リーリエに笑い事じゃないと叱られる。
「は〜、そんな事もあるんだなぁ」
デクシオが肩を竦める。
「普通はそんな事あり得ないよ。ただ、ジガルデが秩序として、ヨウがまだ必要だとかんがえたんだろうね」
おかげで経過観察が出来てなかった僕達も博士に拳骨貰う程度で済んだ、と笑う。一歩間違えれば大惨事だったのは間違いない。
「ん、じゃあジガルデはどうなったんだ?」
「君が倒したジガルデと、呼び寄せたジガルデ、そして他の地方のジガルデも集まってきて、時間は掛かるかも知れないが、徐々に元の姿を取り戻し始めているみたいだよ」
倒した思っていたジガルデも時間が経てば復活するらしい。他の地方にもジガルデがいるのは分かるが、遥々海を越えて来てくれるという。
「とまぁ、良い話はここまでだ。これから、アローラ地方は様々な災難に襲われる可能性がある。君達が危惧していた通り、秩序が力を失った状態だからね」
残念ながら、問題はまだ解決していないようだ。それでは、とヒトミが口を開こうとすると、ウスユキに止められる。
「はい、ヒトミはまず傷を癒やすこと!」
「ヨウさんも、何か起こったからって動いちゃダメですからね! まだ、治療が必要な身体なんですから!」
リーリエに叱られてヨウが苦笑いをする。
「まぁ、そう言う事だ。お前の言った通り、アローラには強い奴が沢山いる、俺とヒトミが休んでたって、どうとでもなるのさ」
そう言い放つチャンピオンは、優しい笑顔を浮かべる。
「という訳で、監視役として私がヨウさんを」
「私はヒトミの監視役として、怪我が治るまでこっちにいるから」
二人とも、有無を言わせぬ形相でにらみつける。
「覚悟しなさいよ?」
「ヒトミ、諦めろ。今はもう、この二人の方が強い」
二人ともが、お互いに頭が上がらない状態だ。心なしか、ヨウも青ざめた顔をしてる気がする。リーリエも結構気が強く、行動力があるためヒトミとそう変わらない状況なのだろう。ヒトミはまず傷を癒やす事、その後はジガルデが復活するまで、起きる騒ぎをなんとかしなければならないらしい。そこまで説明を終えると、ウスユキ以外は帰ってしまった。
「ヒトミ、何か言う事ないの?」
「いや、そんな事いわれてもなぁ……おかえり」
ウスユキさんは俯いてブツブツ呟いている。
「はぁ……まぁ及第点にしてあげる」
そう、俺がポケモンの世界に呼ばれて、物語は一つおわったのだ。
「良くもなく悪くもなく、世は事もなし、かな」
読了ありがとうございました。今回はポケモンのデータなどはありません。
一応、これでヒトミとヨウに起きた事件は終わりです。このあと、アローラに秩序が戻るまで騒乱があったり、色々とあるとは思いますが、ジカルデのお話は終止符を打ったということになります。
その後とか、それまでとか、書くつもりはありますが、現時点でストックとして出来ていないので、続きとするのか、番外編となるかは分かりません。
長々とお付き合い頂き、誠にありがとうございました。