君はルールを守る人?破る人?   作:3148

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なんでラランテス草単タイプやねん! ということで、バトルしてる間は思っていましたが、キャラ付けで華として描いていく内に、草単タイプでもいいかなと思い始めましたので初投稿です(種族値からは目逸らし

オリジナル設定、オリジナルキャラ、擬人化等苦手な方はブラウザバック推奨です。

それでも良いという方は、お付き合いください。


第四十話

ラフィのバトンを受けとりヨワシが現れる。そして、チャンピオンのポケモンは、

「ソルガレオ!」

アローラ地方の伝説のポケモン、太陽の様な鬣に獅子の様な強靭な肉体、並みのポケモンでは、相手にすらならないだろう。だが、ヨワシの姿もまた、小人から変化する。

「なるほど、フォルムチェンジか!」

群青色の甲冑に紺色の鈍く光る帯、そして、瞳の部分は金色に輝く。

「オオォォォオ!!」

「ラリオーナ!」

鋼タイプ メテオドライブ

二匹のポケモンがぶつかり合う、ソルガレオが勢いをつけ流星のような勢いで衝突するが、ヨワシはそれを受け止める。攻撃を受けきったヨワシ、だがソルガレオが再度攻撃を放つ。

「ソルガレオ、しねんのずつきだ!」

鋼タイプの技はみずタイプに効果は半減だ。その判断でチャンピオンのヨウはエスパー技を指示する。しかし、ソルガレオの攻撃が当たることはなかった。

「なっ……あくタイプか!?」

エスパー技は基本的には超能力を基本として構成されている。一概にあくタイプがという訳ではないが、相手の心理を読み取る事や本来の事象をねじ曲げて力を発揮するエスパー技と一般的な思考、事象を利用し、逆手に取ることを得意とするあくタイプには効果を発揮できない。

「オオオォォオ!!」

ヨワシが咆哮する、しねんのずつきを避け繰り出される技は。

悪タイプ しっぺがえし

黒いオーラに染まった剣を振い、ソルガレオに反撃をする。その一撃は激烈で、ソルガレオは吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。だが、まだ倒れる程ではない。再び、メテオドライブが放たれる。

「オオォォォオ!!」

ヨワシがそれを受け止めるが、最初の一撃よりもさらに後退り、吹き飛びかける。しかし、体力の限界も近い。鎧を形成する力も、長くはないだろう。そして、ヒトミの身体にもダメージのフィードバックが現れ、手の毛細血管が切れ、出血している。衝撃が脳を揺らし、鼻血も流れる、それでも戦意を失う事はない。

「オオォォォオ!!」

圧倒的な膂力を前にしても、どんな恐怖感じても、諦める事はない。

「ヨワシ、いくぞ!!」

ヒトミの声が響き渡り、それに呼応する様に、しっぺがえしを放つ。再び吹き飛ばされた、ソルガレオは立ち上がる事は無かった。そして、力尽きたのか、ヨワシは小人の姿に戻る。

「マスター、僕は役に立てましたです?」

「あぁ、充分活躍したよ。ありがとう、本当にありがとう」

そう言って、ヨワシをボールに戻す。そして次のボールを構える。

「いけっ、ルナアーラ!」

「頼んだぜ! バンギラス!」

ボールからバンギラスが現れ、砂塵が巻き起こる。だが、目の前にいるのは、サンムーンのもう一匹の伝説、月輪を表すルナアーラだ。その姿は、雲に隠れる月のように、揺らめき見定める事が出来ない。

「撃ち抜け、シャドーレイ!」

ゴーストタイプ シャドーレイ

第三の瞳が輝き、バンギラスの身体を撃ち抜く。だが、砂塵で威力が下がったそれは、体力を削り切るには至らない。

「噛み砕け! バンギラス!」

悪タイプ かみくだく

ファントムガードを纏ったルナアーラの姿をなんとか捉え、バンギラスの牙がルナアーラを捉える。ルナアーラが必死に振り解こうともがくが、倍近い大きさのバンギラスとは、仮に全体の能力はルナアーラの方が上でも、膂力で劣る事はなく、幾度か地面に叩きつける。やっとのことで振りはらったが、羽が傷つき、ルナアーラを纏う幻影のようなオーラは失っていた。

「マヒナペーア!」

「グオォォォオ!!」

ルナアーラのシャドーレイが、再びバンギラスに降り注ぐ。いかに屈強な肉体をもつバンギラスであっても、何度も受けきることは難しい、あと一撃がやっとだろう。だが、それに怯むことなく、再びルナアーラに飛びかかる。

「やれっ、バンギラス!」

ルナアーラにかみつき、再度地面に叩きつける。幾度も叩きつけられたルナアーラはやがて力尽き、動かなくなる。

「グオオォォォオオ!!」

勝利の雄叫びをバンギラスが上げる。伝説のポケモン相手に充分な活躍だろう。だが、その余韻に酔いしれる事もなく、幾千の降り注ぐ矢に撃ち抜かれる。

「さぁ、ラストバトルだ。どんな戦法を見せてくれるんだ?」

現れたのは、ジガルデ50%フォルムだ。これが最後だ、こいつを引き摺り出す為だけに、これまでのバトルがあったのだ。だが、まだ、まだ足りない。

「きゅきゅ!」

「カプ・テテフ!?」

自分出番と言わんばかりに、カプ・テテフが前に出る。そうだ、守り神なのだから、災厄に立ち向かう意思を持って、ここに現れたのだ。オーラを身にまとい、スピードが格段に上がる。

「……ありがとうな、感謝するぜ」

構えるのは、カプZのポーズ

表すのは、ただただ純粋な感謝

大切なものを、守るという意思

カプ・テテフと同調する感覚

流れ込んでくる、思い

アローラの、アーカラの思い出

全てを包み込む優しさと、闘う覚悟

その力は、何物にも屈しない!

『「ガーディアン・デ・アローラ!」』

地の底から、光輝く巨人が現れ、その頭部の位置にカプ・テテフが収まる。そして、巨人とヒトミがリンクしていることを感じる。

「守り神如きが、小賢しい!」

襲りくるジガルデの巨体、それに劣らない輝く巨人がぶつかり合う。力は、巨人の方が上だ!拳が振り下ろされる。そこには、恨みも、悲しみも、絶望もない。ただ、覚悟と感謝のみ。地鳴りと共に砂煙が舞う。しかし、周囲に異変が訪れる。ジガルデセルが集まり始めたのだ。

「生意気なんだよぉ! 俺が秩序だ!」

砂煙の中から現れたのパーフェクトフォルムのジガルデ。その中心には、ヨウとジガルデキューブがあった。そして、恐ろしい程のオーラに包まれ、強化されているのが分かる。

地面タイプ サウザンドウェーブ

幾千ものジカルデセルが津波のように襲いかかり、カプ・テテフが吹き飛ばされる。

「ありがとな、これで充分だ。これで、終わりにするんだ」

そうして、手元のボールに手をかける、現れたのはラフィだ。

「そんなポケモンに何が出来る!?」

嘲笑うかの様に、コアが分離して襲いかかる。

地面タイプ サウザンドウェーブ

幾千の巨大な緑色の波が、ラフィを包み、押し流す。

「何が出来るって? そんな野暮な事聞くなよ」

ジガルデが元のパーフェクトフォルムに姿が戻った時、驚愕する。傷つき、ボロボロで、立つのだって、もう出来そうもない様な状態なのに。

「ラフィ、これで最後だ」

ラフィの身体から、襷が千切れ落ちる。それは、闘う前にヒトミの手から渡された、アイテムだ。理屈はない、それはただの祈りだ。ダメージ軽減する力も、攻撃の威力を上げる事もない。だが、トレーナーとポケモンとの間の約束だ。どんなに辛くても、苦しくても、立ち上がる気力と勇気を与える、おまじないのようなものだ。そして、ポケモンもそれに応えるのだ、託されたその襷に込められた思いに。ただ、帰ってきて欲しい、生きていて欲しいという祈りに。

「なんだ、これは……体が、動かない」

「摂氏マイナス255度、絶対零度の世界だ。分子の運動すら停止する、氷のせかいで眠れ、永遠にな」

ノーマルタイプ こころのめ

氷タイプ ぜったいれいど

今、ドーブルはこころのめでこの空間を把握し、その対象に対して、完全に停止した状態を描き出したのだ。本来であれば、熟練した氷タイプの技だが、ドーブルの能力によって再現されている。技を放ったあと、ドーブルが倒れる。

「ラフィ!」

かいふくのくすりを与え、傷を治す。ラフィを抱え、少しだけ、離れる。

「マスター? 終わったのですか?」

ラフィが語り掛ける。

「あぁ、終わったよ」

そう言うと、ヒメとヨワシもボールから出てくる。意図を汲んだのか、ラフィが擬人化の技をかける。

「ヨワシは役に立ったですか?」

「当たり前だろ、最高だったぜ」

そうだ、火の試練の時もカミツルギの時も、闘う事すら出来なかったことを、ヨワシは後悔しているのだ。だからこそ、歩く足が欲しいと、望んだのだ。

「ここは、少し……寒いな」

ぜったいれいどの影響で、空間全体が温度が下がり始めている。あと、数分もしないうちに、氷点下を下回るだろう。そうすればじきに、ここにいる全ての生物が動くことが出来なくなる。そして、全てのジガルデをここに閉じ込める事が出来たのだ。疲労もあり、その場に座りこむと、上半身も引き倒される。ヒメの顔を見て、ヒトミは膝枕して貰っていることに気がついた。

「主は……これで満足でありんすか?」

ヒメとラフィとヨワシを見て、目を瞑ればこれまでの記憶が蘇る。楽しい事も、苦しい事も、喜びも悲しみも、出会いと別れもあった。残してきた人達の事も、心残りはある。

「ヒメ、ラフィ、ヨワシ……最後にお前ら一緒に居られるんだ。俺には、過ぎた幸福だ、満足だよ」

「わっちは、主殿といられれば、それが幸せでありんす」

そう言うと、ラフィもヨワシも身を寄せ合った。身体は温度を失い、もう動かす事も出来ない。だけど、心はこんなにも暖かい。もう何も思い残す事はない。

 

瞳を閉じて、意識を手放す。大丈夫、ポケモンと一緒なら、どこだって構わないさ。




読了ありがとうございました。ここからはポケモンのデータになりますので興味のない方は飛ばしていただいて問題ないです。

チャンピオン ヨウ
手持ち
ソルガレオ
にちりんポケモン
アローラ図鑑No.291
タイプ:はがね・エスパー
Lv:100
種族値:H137 A137 B107 C113 D89 S97(合計680)
努力値:H252 A252 B4
実数値:H478 A373 B250 C262 D214 S231
特性:メタルプロテクト
技:メテオドライブ
与ダメ 対ヨワシ:87~103 確定三発

ルナアーラ
がちりんポケモン
アローラ図鑑No.292
タイプ:ゴースト・エスパー
Lv:100
種族値:H137 A113 B89 C137 D107 S97(合計680)
努力値:B252 C252 S4
実数値:H415 A262 B277 C373 D250 S231
特性:ファントムガード
技:シャドーレイ
与ダメ 対バンギラス:76~90 確定三発

ジカルデ 50%フォルム
ちつじょポケモン
アローラ図鑑No.205
タイプ:じめん・ドラゴン
Lv:100
種族値:H108 A100 B121 C81 D95 S95(合計600)
実数値:H357 A236 B278 C198 D226 S226
特性:スワームチェンジ
与ダメ 対バンギラス:258~306

ジガルデ パーフェクトフォルム(ヨウ)
実数値:H573 A236 B278 C218 D226 S206
特性:スワームチェンジ
技:サウザンドアロー サウザンドウェーブ コアパニッシャー
追記:オーラを纏うことによりABCDの値が二段階上昇する。
与ダメ 対カプ・テテフ:403~475(確定一発)
    対ラフィ   :735~865(確定一発)

ヒトミ
手持ち
ヨワシ (擬人化 甲冑フォルム)
タイプ:水・悪
Lv:72
種族値:H60 A170 B168 C72 D110 S40
努力値:H252 A252 B4
実数値:H215 A315 B260 C119 D174 S69
特性:フォルムチェンジ
持ち物:あくのジュエル
与ダメ 対ソルガレオ:206~248(乱数二発 17.9%)

バンギラス
よろいポケモン
全国図鑑No.248
タイプ:いわ・悪
性格:いじっぱり
Lv:55
種族値:H100 A134 B110 C95 D100 S61(合計600)
個体値:H31 A31 B5 C5 D31 S5
努力値:H4 A252 D252
実数値:H192 A224 B128 C100 D166 S74
特性:すなおこし
技:かみくだく ストーンエッジ じしん ステルスロック
持ち物:こだわりはちまき
与ダメ 対ルナアーラ:120~144(一撃目)ファントムガードあり
           364~432(二撃目)防御一段階ダウン

カプ・テテフ
とちがみポケモン
アローラ図鑑No.286
性格:むじゃき
タイプ:エスパー・フェアリー
Lv:60
種族値:H70 A85 B75 C130 D115 S95(合計570)
実数値:H172 A125 B113 C179 D114 S150
特性:サイコメイカー
技:しぜんのいかり ムーンフォース サイコキネシス
持ち物:カプZ
追記:オーラによりS二段階上昇
与ダメ 対ジガルデ:268

ドーブル(NN:ラフィ)
Lv:76
実数値:H236 A35 B62 C46 D92 S209
特性:むらっけ
技:まもる こころのめ ぜったいれいど 擬人化バトン
持ち物:きあいのタスキ
与ダメ 対ジガルデ パーフェクトフォルム:一撃必殺

ダメージ計算はポケモントレーナー天国様
実数値計算はPOKeMONNDS様
上記のサイトを利用させていただきました、ありがとうございます。
今回はここまで、次回もお付き合い頂ければ幸いです。

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