君はルールを守る人?破る人?   作:3148

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Aナッシーの耐久が足りなさすぎて、トリルとスキスワ両立出来なさすぎてワロタ。ついでにリフスト流星群でも鋼カバーできずに、複合はもっと相手に出来ないです。収穫ドクドクオボン持ちラランテスの耐久が意外と高くて複雑な心境になったので初投稿です。

オリジナルキャラ、オリジナル設定、擬人化など苦手な方はブラウザバック推奨です。

それでも良いという方は、おつきあいください。

※指摘していただいた文章、訂正いたしました。


第三十五話

一年ぶりのアローラの地に足を踏み入れる。熱い日差し、透き通る海に、観光客達の喧騒、来たばかりの時と少しも変わらない。少し開発が進んで自然が減ってしまったのは残念だが、建築途中のラキアナマウンテンの頂上に立つ大規模建築物を見ると、これから起きる出来事に胸が踊る。

「やあ、久しぶりだな、ヒトミ!」

「なんだ、マーレインじゃないか、どうしたんだ?」

「どうしたはこっちの台詞だよ、ククイには連絡しておいて僕には何も言わないなんて、酷いじゃないか」

以前と変わらない笑顔でマーレインが迎え入れてくれる。

「悪い悪い、別の件でバタバタしててね。そっちこそ、忙しくないのか?」

「忙しいも何も、連日徹夜さ。フェスサークルもGTSもやっとこさでトラブルばかりでね。本当に無茶苦茶だよ、まさか実現するとは思わなかったけどね」

よく見ると、マーレインの顔の皺が一層深く刻まれている様な気がする。

「だから言っただろ、お前なら絶対出来るって」

「全く、マーマネが居なかったらどうなってたやら。キャプテンも引き継いで貰ったし、頼りきりなのも悪いけど、親友の帰郷くらいは、ね」

「ははは、親友って言ってくれるのはお前くらいだよ。ククイも会ったらどうせ悪態を吐くに決まってる」

「ククイも丸くなったけど、ヒトミ相手だとそうなるだろうね。そう言えば、ガジュマルさん達とは連絡取ってるのかい?」

ヒトミは懐かしいキャプテン達の事をおもいだし、感慨に浸る。

「ガジュマルはここ二ヶ月くらい連絡取れないよ。まぁ、あいつのことだから、世界を股にかけて大航海してるんじゃないか? テンはポケモンコンテストで入賞したって言ってな。一度あいつのダンス、見に言ってやらないとな」

変わらないな、とマーレインが笑う。

「ポケモンバトルの間違いじゃないかい? ちなみに、ウスユキさんの名前が挙がってないけど?」

ニヤニヤとマーレインが話す。

「未だに週に三回は連絡が来て迷惑してるくらいだ。一トレーナーとして世界を巡ってるよ。一々写真撮って送って来なくても良いのに、おかげでHDDをまた買う羽目になっちまったよ」

「でも、ちゃんと保存してるんじゃないか。それも全部」

「……話すんじゃなかった」

ククイもそうだが、やっぱり他人のそう言う所になると嬉々として突っ込んでくるのは最早本能なのだろうか。

「おっ、マーレインも来てたのか。アローラ、久しぶりだなヒトミ!」

ククイがやって来た、どうやら準備が整ったらしく、他の面子も揃っている。

 

研究所の一室、ポケモンバトルに耐えられる設計をしてある所に、ヒトミとククイが向き合ってボールを構える。

「いけっ、ラフィ!」

「いってこい、ジバコイル」

四方に取り付けられたカメラが、別室でモニターに映し出される。

「さぁ、見せて貰おうか。俺のジバコイルは頑丈だぜ!」

「ラフィ、擬人化バトンだ!」

指示を受けたドーブルは、空中に色とりどりの体液を重ね合わせ、幾重にも重ねられたそれは魔法陣の様に光輝く。

「さぁ、出番だぜ、ヒメ」

そう言って取り出されたボールからラランテスが、魔法陣の真ん中に降り立つ。その光を浴び、ドーブルからの力を受け取り、姿を変える。ジバコイルの十万ボルトが放たれる、砂煙が舞う。そして現れたのは、桃色の和服、長い両袖に、優艶に舞う帯を纏った赤い目をした少女だった。

「はっ、それが擬人化か! 何が変わったんだ、教えてくれよ!」

ジバコイルから、ラスターカノンが放たれるが、それすらも、受け切っても、僅かにしか傷をつける事が出来ていない。

「……特防特化か? それは、草Zの構え!」

ヒトミが草Zのポーズを取ると、ヒメと繋がり、その力がヒトミに流れ込む。

「なっ……能力ダウンだと!?」

ポケモンにZ技で力を与えることは前例がある。攻撃技は威力が上がり、補助技は能力アップや下がった能力を元に戻すこともある。だが、ポケモンの能力を下げるZ技は存在していない。一瞬の疲労の色からオーラがヒメから放たれる。

「特性、天邪鬼じゃな。逆に能力を下げるとは考えたものじゃ」

モニター越しにナリヤ博士が頷く。

「さぁ、いくでありんす」

ひらりと、袖を振るいその場の総ての人間が眼を奪われる。その次の瞬間、ジバコイルにヒメが肉薄している。

「袖の動きは視線誘導、長い裾は足捌きを隠してるのか」

卓越した技術に、マーレインが舌を巻く。

強化された状態で、短刀を振り下ろし、ジバコイルの体に傷をつける。

「……連続攻撃か!?」

ジバコイルが攻撃をかわそうと後ろに下がるが、それにピッタリくっつく様な足捌きに思う様に動けない。二撃、三撃と続き、最後に交差する様にジバコイルを切り裂く。

「流石だぜっ、だか鋼タイプに草技は半減だ! いくらZ技とはいえ……」

ジバコイルがラスターカノンの構えをした瞬間、ククイは違和感を覚える。まだ能力を下げて連続攻撃をしただけだ。それは確かに半減でも十分なダメージがあったが、Z技としては、むしろ低い。連続攻撃のため、二撃までは当たったとしても、その後当たるとは限らないのだ。何より、Zストーンとクリスタルによって生まれた力は、使われていない!

大上段に構えられた、二本の短刀は光の柱の様に輝く。バンギラスの地震にも耐えられる設計の部屋が揺れ、光が当たっている部分が、焼け焦げていく!振り下ろされる光の剣はラスターカノンごとジバコイルを飲み込む様に振り下ろされる!

「「ツヴァイ・シュベァトグラース!」」

ヒメとヒトミ動きが同調し、膨大なエネルギーが叩きつけられる。

 

「よくやった、お疲れ様ジバコイル」

完全に伸びきったジバコイルをククイがボールに戻す。

「少し、やり過ぎたでありんすね」

口元袖で隠し、修復が必要な研究室内を見ない振りをするヒメ。

「悪いな、ジバコイルを倒すにはこれくらいじゃないとな」

「構わないよ、むしろ、Z技の新しい可能性を見せてくれたんだ。安いもんさ!」

堂々とククイは言うがマーレインは苦笑いをしている。

 

 

 




読了ありがとうございました。ここからはポケモンのデータになりますので、興味のない方は飛ばしていただいて問題ないです。

ジバコイル
じばポケモン
アローラ図鑑No.049

オリジナルZ技
草タイプ ツヴァイ・シュベァトグラース
ニターンの間、Hを除くすべての能力が二段階下がる。一ターン目に二から五回連続攻撃をし、二ターン目に高ダメージを与える。
一ターン目 威力二十 × 二から五回連続攻撃
二ターン目 威力二百 

折角サンムーンのネタを書くのでオリジナルZ技は必須だろうと思い、固有特性に合わせたものを作りました、あまりぶっ壊れ性能にならないように、とは考えていますが、ぶっちゃけ使う機会はあまりなさそうです(笑)

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