なお、レートの方はなおきです。
オリジナル設定、オリジナルキャラ、擬人化等、苦手という方はブラウザバック推奨です。
それでも良いという方はお付き合いください。
「やぁ、ヒトミ。そっちは元気でやってるかい?」
「ククイほどじゃないが、まぁ、良くもなく悪くもなく、世は事もなし、ってとこさ」
テレビ通話で久しぶりに見る友人は、最近結婚報告をしてきた色黒の白衣姿の男だった。
「しかし、悪ガキだったヒトミが研究室に入るなんて、びっくりしたぜ。言ってくれれば、俺だって協力したんだぜ?」
「悪ガキはお前も一緒だろ。結婚して丸くなりやがって。研究室入りつっても、モルモットと待遇が変わらないのはどうかと思うけどなぁ」
豪快な笑い声が、画面の向こうから聞こえてくる。
「ヒトミのことだ、また口八丁でやり込めたんだろ?」
「おいおい、なんて言い草だよ。それ以外のやり方を知らないだけさ」
クックックと、ヒトミは冗談交じりに喋る。
「おっと、それじゃ本題に入るけど、来週の会議は……俺とナリヤ博士とバーネットの所の研究員で良かったか?」
「ああ、間違いないぜ。というか、それだけしか集まらなかったと言う方が正しいけどな」
「ははっ、そりゃあ、あんな無茶苦茶な論文を読む奴なんて、変人だけだよ」
「おっ、漸く自分が変人って自覚したのか」
「おっと、ヒトミほどじゃないけど、って付けるのを忘れてよ」
「どっこいどっこいよ」
画面の奥から、バーネットの声が聞こえる。
「まぁ、それはそうだ。そう言えば、お前の研究所のロフトの上はもう埋まったのかい?」
いつもはバーネットととの交際が始まってからは、いつ子供が出来るのかと言う意味で使っていたが、今では別の確認になっている。
「本当にお前は……勘が良いのか? 時々まるで見てきた様な事を話すよな」
ククイが困った様に頭を掻く。
「残念ながら、朗報じゃないが。一人訳ありの子供がやってきてね。放って置くわけにもいかないから、ロフトに住んで貰ってるよ」
ヒトミはリーリエが逃げ出してきた事を遠回しに確認する。
(ルザミーネさんはカンカンだろうなぁ。戸締りしとこ)
「そいつは大変だな。女の子連れ込んだら、奥さんの目が厳しくなってるんじゃないか?」
「冗談でも勘弁してくれ、半殺しじゃ済まないから。まぁ、バーネットもその子に対して良く世話を焼いてるし、酷く怯えているのと、持ち物以外はいい子で助かってるよ」
特にポケモンの研究には興味があり、覚えが早いので、何かと手伝って貰う事になるかも知れないと言う。
「そいつはいい。お前のボロボロの白衣も直して貰えよ」
「余計なお世話だよ、じゃあ、来週の会議でな」
そう言って、テレビ通話が終わった。どうやら、ゲームの話が進んできた様だ。ちなみに、何カ月後かに親子が引っ越してくるとも、ククイから確認している。
「まぁ、あとはあいつ一人でいいんじゃないかな?」
ヒトミは未だ見た事もない未来のチャンピオンに、想いを馳せる。
会議から一週間、ハンサムから連絡が来る。
「上層部の決定は、やはりウルトラビーストの確認があってからしか動く事は出来ないという事だ。ただ、迅速な対応の為の手回しは行うという所で落ち着いた。リラと俺の渡航の準備もしてある、バーネット博士からの報告次第では直ぐに動く事になるな」
「結局二人だけか、まぁ、妥当な所だろうな。それじゃあ、俺は後方支援って事になるかな」
ハンサムから苦笑いが返ってくる。
「リラがどうしてヒトミが来ないのかと怒っていたぞ。あいつをなだめるのはお前の仕事だろう」
「ははっ、まぁ落ち着いたら、俺もアローラに行きますよ。バカンスって事でね」
「そうだ、飯が美味いと聞くが、本当か?」
「機会があれば、安くて美味い所を紹介するよ。ちょっと店内は汚いかも知れないけどな」
「ははっ、ヒトミが言うなら間違いないだろう」
そう言って、ハンサムからの連絡が切れる。そこからすぐにリラからの電話がくる。
「聞いて下さいよ、ヒトミさん!」
「はいはい、ちゃんと聞くから……」
そうしてリラからの電話は二時間続いた。電話が終わるころには疲労でベッドに倒れこむヒトミの姿があった。
読了ありがとうございました。今回はポケモンのデータなどはありません。
もうちょっと一話の分量増やしてもいいかなぁ、と思いつつ編集が面倒くさいのでする予定がありません(笑)
一話であまり多すぎても読みにくい気はしますが、1000文字ちょっとだと少ない気もします。どうでしょうか?
それでは今回はここまで、次回もお付き合い頂ければ幸いです。