超次元GAME Neptune with EX-AID 〜What is your name? 〜   作:星ノ瀬 竜牙

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投稿です。

忙しくなってきたのでまだまだ遅くなりそうです。
Re;birth1完結はいつになることやら……


仕事の依頼前のPreparation movement!

「さーて、大変不本意ではありますが、アヴニールの仕事をするとしますかー」

 

「お願いだから、そう思っていても絶対口に出さないでよ?」

 

「ねぷねぷは正直者ですからねぇ……」

 

ネプテューヌの不服そうな、やる気のなさそうな言葉を聞いて

アイエフは冷や汗をかきながら、それを絶対口に出さないでくれ。と釘を刺す。

そんな二人のやり取りを見て苦笑するコンパだった。

 

 

「にしても、遅いわねぇ……あの二人、大丈夫かしら?」

 

「えむえむが居るので何かあっても大丈夫だとは思うですけど……」

 

依頼の場所に向かう為に待ち合わせているネプテューヌ達。

待ち合わせ時間が近くなってきているためか、

アイエフは携帯の時計を見ながら少々不安そうに、

コンパは大丈夫だろうと思ってはいるが遅い二人の身を案じていた。

 

その時、ネプテューヌは遠くに居たエムとノワールを見つけ、手を振って二人を呼ぶ。

 

「あ!居たよ!おーい!エム君!ノワール!こっちこっちー!」

 

二人はその声に気付きネプテューヌ達のもとに走ってくる。

 

「悪い、遅くなった」

 

「ごめんなさい。待たせたわね」

 

エムとノワールは遅くなったことを謝罪した。

まぁ、向こうでゴタゴタしていたので遅くなったのは仕方ないのだが……

 

「大丈夫、だいじょーぶ!気にしてないよ!でも、遅かったね?なんかあったの?」

 

ネプテューヌは大丈夫だ。とフォローしつつ

遅くなったことが気になったのか二人に聞いてくる。

 

「ま……まあな……」

 

「え、ええ……ちょっとね……」

 

二人は一瞬、顔を見合わせるが

目が合った瞬間、顔を赤くして互いに目を逸らした。

少々気まずい空気が二人の間に流れ、小さな声でボソボソと呟くのだった。

 

「なにがあったの?教えてほしいなー!」

 

「こら、ネプ子!言いたくないって空気出してるんだから説明を要求しないの!

プライバシーの侵害よ?」

 

ネプテューヌは元々好奇心旺盛な為、何があったのか気になり

エムとノワールに説明を求めるが、アイエフがあまりプライバシーに関わることを聞くんじゃない。とネプテューヌを抑える。

 

「ぶー……あいちゃんのケチ!」

 

「はいはい、ケチで悪かったわね。

それよりも今は、アヴニールの仕事でしょ!」

 

「ははは……まあ気にしてねぇし、そんな怒らなくても大丈夫だぜ。アイエフ?」

 

ネプテューヌの抗議を

アイエフは子供の文句をあしらうようにスルーして本題に戻そうとする。

エムは二人のやり取りを見て苦笑しながら、大丈夫だと答える。

 

「そうね、今はそっちに集中しましょ」

 

ノワールの言葉で、なにか気付いたのか

ネプテューヌはノワールに声をかける。

 

「あ、そういえばノワール!」

 

「急にどうしたのよ、ネプテューヌ?」

 

「その服、すごく似合ってるね!」

 

「そういえば……たしかに似合ってるわね」

 

「ノワールさん、可愛いです!」

 

「え?……そ、そうかしら?……褒められて悪い気はしないわね」

 

ネプテューヌはノワールが買った服を見て素直に褒めるを述べる。

アイエフもコンパも気付いたらしく、似合っている。とノワールを褒める。

 

ノワールは少々照れくさそうに頬を赤らめて、嬉しそうな顔をする。

 

「うんうん!まさに神次元でV(ビクトリー)!って感じがするよ!」

 

「「………」」

 

ノワールはジト目で、エムは少々複雑そうに感想を述べたネプテューヌを見つめる。

その様子を見て、ネプテューヌは首を傾げて二人にどうしたのかと聞く。

 

「んー?ノワール、エム君、どうしたのー?」

 

「いや……あなたまでその感想なのね……予想できてたけど……」

 

「いや……俺の感想とネプテューヌの感想が同じって事に

悲しいというか、複雑というか……」

 

ノワールはジト目でネプテューヌを見ながらボソッと呟き、

エムは腕を組み、色々と複雑そうな悲しそうな顔をして告げた。

 

それを聞いて、ネプテューヌはムーっと頬を膨らませる。

 

「むーっ!二人共、わたしを何だと思ってるのさ!」

 

「「え?プリン好きのシリアスブレイカーじゃないの?(か?)」」

 

「うぐっ!?……ううっ……間違ってないから否定できない……!」

 

ノワールとエムが同時に告げた事実にぐうの音も出ないネプテューヌなのであった。

 

「はいはい、この辺りで一回止めなさい。収拾がつかなくなるわ。

早く仕事に向かうわよ!」

 

これ以上は流石にまずいと見兼ねたのか、

アイエフは三人を止め、目的地に行こう。と言うのだった。

 

────────

 

「彼処に居る男がそれっぽいな……」

 

眼鏡をかけた一見、

好青年に見える男性が依頼の待ち合わせ場所で待っていたのを確認してエムは呟く。

 

「………!」

 

「……怖いのか、ノワール?」

 

顔が強ばっていたノワールを見てエムは心配そうに見つめる。

 

「……えぇ、ちょっと……ね」

 

「そっか……でも心配すんな。何かあったら俺が守るからな」

 

「……ッ!……ありがとう」

 

ノワールは不安そうな顔を見せるが、

エムの笑顔を見て、少し頬を赤らめるが安心した顔を浮かべる。

 

「むー……」

 

「なんだよ、ネプテューヌ?」

 

「べっつにー?」

 

「いや、ほんとなんなんだよ……」

 

二人のやり取りを見て面白くなさそうに頬を膨らませるネプテューヌ。

その様子が気になったのかエムは疑問を浮かべるがネプテューヌは答えない。

 

嫉妬しているのだが、その気持ちはネプテューヌ本人もエムも知りえない。

 

ネプテューヌ達に気付いた男は、お辞儀をして挨拶をする

 

「はじめまして、お待ちしておりました。

あなたたちが弊社の仕事を請け負ってくれた人たちですね」

 

「えぇ、そうよ。あなたが依頼人のガナッシュ?」

 

「はい。この度、依頼を出させてもらったアヴニール社のガナッシュと申します」

 

アイエフの質問に眼鏡を掛け直しつつ男、ガナッシュは答える。

 

「そして、こちらが弊社代表のサンジュ」

 

「………」

 

ガナッシュの紹介にサンジュは無言で少し鼻息を鳴らす。

傲慢な態度だった。

 

「この二人が、アヴニールの……」

 

「………」

 

「代表自ら外受けの仕事に出てくるなんて珍しいわね。

それとも、よほど期待されているとか?」

 

ノワールとエムは警戒するように二人を見つめ、

アイエフは皮肉じみた笑みを浮かべて冗談を言う。

 

「はっはっは。これはこれはご冗談がお上手で」

 

「……雑談はそのくらいにしておけ。時間がもったいない」

 

ガナッシュの笑い声に、サンジュは不機嫌そうに告げる。

 

「おや、これはすみませんでした

それでは、今回のあなたたちに依頼する仕事になります」

 

「待ってました!」

 

ネプテューヌの掛け声に

ガナッシュふっと笑い、仕事の説明に入る

 

「この辺りは近々我が社の新プラントの設立予定地となっているのです

しかし、工場着工前にして

少々厄介なモンスターが棲みついてしまって困っているのですよ」

 

「なるほど。つまりそれを倒すのが私達の役目という事ですか」

 

そのガナッシュの説明にエムは頷いた。

エムの言葉に、ガナッシュはその通りと頷く。

ちなみにエムは素の自分を偽って会話している。

敬語の方が問題ないだろう。と判断したのだ。

 

「はい、その通りです。この後、私と社長はこの辺りの視察があるので、

それが終わるまでにモンスターの討伐をしていただきたいのです」

 

「討伐さえ出来れば手段は貴様らに任せる」

 

「倒せさえすればどんな手を使っても良いという事ですか

では、この辺りの土地が少し壊れても問題ないので?」

 

サンジュの言葉にエムは悪戯じみた笑みを浮かべて質問をする。

 

「いえ、それは少々困りますね……プラント設立予定地なので……」

 

「おっと、それは失礼……配慮が足りていませんでしたね」

 

ガナッシュは苦笑して、それは困ると答え

エムはわざとらしく笑みを浮かべ謝罪する。

 

「なーんだ。思ったより簡単な内容だね!

てっきり、手作業で部品とか作るような面倒臭いのかと思ってたよ」

 

「わたしも細かい作業は苦手なので助かりました」

 

コンパはどうやら細かい作業が苦手らしく、安心したように一息ついた。

ネプテューヌはそれを聞いて苦笑した。

 

「あー……こんぱってそういうの苦手そうだもんね」

 

「そうなんです。

前にアルバイトでお刺身にタンポポを乗せる仕事をしていたのですが、

なかなか上手く出来なくって……」

 

「あー、わかるわかる。

……って、あの仕事って実在したの!?」

 

「いや、あれは実際には職人とか板前がするとかではなく

スーパーにある刺身などをバイトの店員などが飾るもので、

ちなみに時給は安いのでも1000円はするそうです。

細かい作業をずっと続ける分。それ相応の値段だと思いますね

後、言っておきますけど……

あれタンポポではなくて食用菊ですからね。食べれますからね?

食べる人少ないですけど」

 

コンパの話で噂の刺身にタンポポを乗せるだけの簡単なお仕事が

存在していた事に驚愕するネプテューヌ。

 

エムはそれに補足する形で豆知識を教える。

博識なのは良いが、ドヤ顔で説明するものでのないと思うのだが……

後、いつも使わない敬語を使っているので気持ち悪い。

 

「ネプ子がツッコミに回るなんて珍しいわね……」

 

アイエフはネプテューヌの様子を見て少し珍しそうな顔をする

 

「あの……そろそろよろしいでしょうか?」

 

「おっと、失礼。すっかり忘れていました。申し訳ない。

いつもこんな感じなので……多少慣れてくれると助かります」

 

忘れかけられていた、ガナッシュは全員に話し掛け、

エムは苦笑して、こんな感じだから慣れてくれ。と申し訳なさそうに謝罪した。

 

「いえ、まぁ……愉快な方々だというのは理解できましたから

……コホン、説明はこれで以上です。くれぐれもミスをして

例のモンスターを我々が視察している方に逃がさないよう気をつけてください」

 

ガナッシュは苦笑してから、一度咳払いをし忠告をした。

 

「了解しました。細心の注意を払わせていただきます」

 

エムはそう言い、お辞儀をした。

 

「では、私達はこれで……」

 

ガナッシュはお辞儀を返し、

ガナッシュ達は去っていく。

 

「…………」

 

その去る姿を何かに気付いているように目を細め、見届けるエムだった。

そんな中、ネプテューヌはふと思い出したかのようにエムに話し掛ける。

 

「そういえば、エム君」

 

「ん?どうした?ネプテューヌ」

 

「敬語凄い使い慣れてたね。まるで別人みたいだったよ!」

 

不思議そうにネプテューヌの話を聞くエム。

その通りだった。敬語を使っていたエムはまるで別人のようだったのだ。

エムもあまりよくわかってないのか腕を組んで悩んだ様子で告げる。

 

「俺もなんとなくしかわからないんだけど……

なんだか会社同士の付き合いっていうの?それを経験したような感覚があるんだ」

 

「へー、もしかして何処かの会社の社長だったりして!」

 

「いやいや……それはさすがにないだろ?」

 

ネプテューヌの予想に有り得ないだろう。とエムは否定するのだった。

 

────

 

エム達の姿が見えなくなったところで

ガナッシュはサンジュに話し掛ける。

 

「……社長、あの黒髪の少女ですが」

 

「お前も気付いていたか」

 

サンジュは目を細めて、ガナッシュに答える。

どうやらある程度、気付いていたらすう

 

「はい。やはり、あの方に似すぎているかと……」

 

「確か、数日前から失踪していたんだったな」

 

「なので、その可能性も十分かと。……どうしますか?」

 

「どうするもなにも、本人かどうかわからんことにはどうしようもない

ただ、目だけは離すな」

 

「了解しました」

 

ガナッシュはサンジュの命令に眼鏡をスッと掛け直して命令に従った。

 

その様子を見ている男が居たことに気付かずに……

 

────

 

「……次は、あのガシャットだ。

せいぜい……上手く動いてくれよ。アヴニール?」

 

木の陰にいた、黒フードの男は紫色のゲームパッドの画面を見る。

そこにはマイティアクションXのガシャットと同じ絵と文字が描かれた画像の他に……

七つのモノクロの絵が描かれていた。

 

男はその絵の中で、マイティアクションXの横に描かれている

剣を持った騎士の絵を指でタッチする。

 

その絵には『TADDLE QUEST』という字が刻まれていた。

 

「残るガシャットは……あと七つ。

この次元で……四つはデータの入手ができる。

その他は……こちらで補える……せいぜい上手く利用させてもらおうか。

こちらの犯罪神向こうの犯罪神もね……フフフフッ……」

 

男は謎めいた発言を残し……跡形もなく姿を消したのだった。

 

────

 

「うー……ん。やっぱ、そう都合よくアヴニールの出典物がわかるはずないかー」

 

「ま、そんなに順調に物事が進むわけないわよね。

幸い、依頼がモンスターの討伐なわけだし、

シアンの武器のテストくらいはして帰りましょ」

 

「そうだな。それが一番良いだろう」

 

ネプテューヌは難しそうな顔し、

アイエフは仕方ない。と苦笑し、エムはアイエフの意見に頷き賛成する。

 

「そういえばさ、今日からノワールも一緒に戦ってくれるんだよね?」

 

「えぇ、そうよ」

 

「だったらさ、あいちゃん

ちょうど手頃なモンスターもいることだし、ノワールの実力を見るためにも

この辺りでテキトーに一回戦って行こうよ!」

 

「ずいぶん私も甘く見られたものね。

……いいわ、私は実力、その目に刻むといいわ」

 

「お、いいねぇ……じゃ、モンスターの討伐数で競争といこうか」

 

ネプテューヌの意見にノワールは自信満々に笑う。

二人のその様子を見てエムは競争といこうぜ。と獰猛な笑みを浮かべた。

エムの意見にネプテューヌ便乗し、意見を出す。

 

「じゃあ、買った方が負けた方のプリンをもらうってのはどう?」

 

「望むところよ。ま、当然勝つのは私だけどね」

 

「おいおい、俺を忘れてもらっちゃ困るぜ。勝つのは俺だ!」

 

ネプテューヌの意見に望むところだと闘志を燃やすノワールとエム。

 

「それはどうかなー。わたしだって負けないもんねー!変身!」

 

「おま!?」

 

ネプテューヌは女神の姿に変身する。

エムは目を丸くして、ネプテューヌを見る。変身するとは予想していなかったのだ。

 

「わたしも本気を出させてもらうわ」

 

「ちょっと!?あなただけ変身するなんて卑怯よ!」

 

「なら、あなたも変身すればいいじゃない」

 

「っ!?」

 

(自ら地雷を踏むノワールェ……)

 

ノワールの抗議に、

ネプテューヌは嫌味ったらしい笑みを浮かべる。

変身できるといえばできるのだが、

正体を明かすことになるのでノワールは変身できないのだ。

それを知っているエムは何処か同情的な目をノワールに向けたのだった。

 

「ねぷねぷ、普通の人はねぷねぷみたいに変身できないですよ?」

 

「相変わらず酷い無茶ぶりをするわね」

 

「あのそれって俺は普通の人じゃないカウントされていらっしゃいます?」

 

コンパとアイエフの言葉にエムはしょぼんとした顔で呟く

 

「あ!?えむえむの悪口を言ってるわけじゃないですよ!?」

 

「というか、特撮的な変身できてる時点で普通の人間じゃないでしょ……」

 

コンパは慌てて否定するが、アイエフは呆れたようにエムにツッコミを入れる。

 

「いやまぁ……たしかにそうだけども……」

 

(び、びっくりしたぁ……。

てっきりバレてるのかと思ったじゃないの)

 

エムはボソボソと呟いたが、渋々納得したようだ。

一方ノワールは冷や汗をかいたが安心して胸を撫で下ろすのだった。

 

「けど、勝負は勝負よ。手加減しないわ」

 

「プリンが関わっている時のねぷねぷは、相変わらず妙に本気ですねぇ……」

 

ネプテューヌの真剣な表情にコンパは苦笑いをするのだった。

 

「ネプテューヌが変身するなら俺も変身する!」

 

エムはしびれを切らしたのか、そう言って

ゲーマドライバーを腰に出現させ、マイティアクションXのガシャットを取り出す。

 

MIGHTY ACTION-X!

 

「大変身!」

 

エムはマイティアクションXのスイッチを押しガシャットを起動する。

そして、ガシャットをゲーマドライバーに挿し込み、レバーを左に倒す。

 

GA SHAT!

 

GACHAN!

LEVEL UP!

 

MIGHTY MIGHTY ACTION- X!

 

エムはキャラクター選択でエグゼイドの顔を選び

そのまま出現した桃色の壁をくぐり抜け、

仮面ライダーエグゼイド アクションゲーマーLv.2に変身した。

 

GASHACON BREAKER!

 

『よーっし……やってやるよ……!』

 

「………」

 

『なんだよ、ネプテューヌ?』

 

不思議そうに見つめてくるネプテューヌが気になったのか

エグゼイドはどうしたのかネプテューヌに聞く。

 

「変身音短くなかったかしら?」

 

『特撮によくある変身音省略だよ。省略。

長い変身音が毎回流れるのも飽き飽きするだろ?その配慮だとさ』

 

ネプテューヌの言葉にエグゼイドは説明をいれるが……

割とどうでもいいメタな会話だった。

 

────

 

『そらそらそらそらァ!

逃げてるだけじゃ、意味ないぜモンスター共ォ!』

 

「グオオオー!!」

 

エグゼイドは大声で叫びながら

鎧を纏い、斧と盾を持ったモンスター、ボスリザードを追いかけ回す。

 

ボスリザードはこのままではジリ貧だと悟ったのか、

方向転換をし、斧をエグゼイドに目掛けて振り落とす。

 

『ハッ!考えが甘いんだよ!』

 

[STEEL(鋼鉄化)]

 

エグゼイドは仮面の下で笑い、折れた剣が描かれた灰色のメダルを取る

するとどうだろう、エグゼイドの身体が銀色に変色する。

そして斧がエグゼイドに直撃する

 

─ガキンッ!

 

「グワ!?」

 

────筈だった。

 

ボスリザードは信じられないようにエグゼイドを見る。

何故なら、斧がエグゼイドを攻撃した時に折れたのだ。

 

そう、このエナジーアイテムは[鋼鉄化]

このエナジーアイテムを取得した者は身体が金属に変化するのだ。

斧の刃を容易く折れる程の硬い金属に。

 

『そういえば……コイツを試してみるか……!』

 

JA KIN!

 

エグゼイドは手に握っていたガシャコンブレイカーについている

マゼンタ色のAと刻まれているボタンを押す。

すると、ガシャコンブレイカーの槌の中心から剣が現れ、マゼンタ色の刃が展開される。

 

そう、ガシャコンブレイカーはハンマーから剣に変化したのだ。

 

『おっし、なら……コイツでどうだ?』

 

《GASHUN...》

 

エグゼイドはゲーマドライバーからガシャットを抜き、

ガシャコンブレイカーに挿し込む。

 

GA SHAT!

KIME WAZA!

MIGHTY CRITICAL FINISH!

 

ガシャコンブレイカーのトリガーを押す。

すると、ガシャコンブレイカーの刃にマゼンタ色のオーラが纏う。

エグゼイドはガシャコンブレイカーを振りかぶり……

 

『これでフィニッシュだ!』

 

「グアアアアア!」

 

雄叫びをあげるボスリザードに斬りかかる。

 

『デェリャアアアアア!』

 

「グギャアアアアアア!?」

 

《KAISIN NO IPPATSU!》

 

一閃。一閃だった。

その一撃でボスリザードは消滅した。

消滅していくボスリザードを見てふっと笑った後、

 

『ま、中々だったぜ。オマエ。……でも、オレと戦うにはちょっと弱かったな』

 

背を向けて、エグゼイドは離れていった。

 

────

 

「「とどめ!」」

 

ネプテューヌとノワールは叫び、剣を振るい蜘蛛のモンスター。スパイダーを斬り裂く。

 

「Gyuiii!?」

 

スパイダーは断末魔をあげ、

ネプテューヌとノワールの攻撃で消滅した。

そこに、エグゼイドがボスリザードを討伐して帰ってきた。

アイエフはそれに気付いてエグゼイドに話し掛ける。

 

『お、終わったみたいだな』

 

「エグゼイド、終わったの?」

 

『おう、雑魚かったぜ。アイツ』

 

「一応この辺りじゃ強い筈なんだけどね……ボスリザードって」

 

エグゼイドのピースサインにアイエフは苦笑する。

事実この辺りではボスリザードは強敵に入る部類なのだ。

 

『で、こっちはどうだった?』

 

「ご覧の通りよ、数は多かったけど……

殆どネプ子とノワールが片付けちゃったわ」

 

エグゼイドの質問にアイエフはネプテューヌとノワールを指差して苦笑する。

 

『プリンになるとマジで本気なのな……ネプテューヌのやつ』

 

「好きな物を賭けに出したら大体の人がそうなると思うわよ?」

 

『違いないな』

 

呆れたようなエグゼイドの声にアイエフは苦笑し

エグゼイドは違いない。と肩を竦め笑うのだった。

 

「わたしの勝ちね」

 

「何言ってるのよ、私の方が早かったわ!」

 

「いえ、わたしの方がコンマ二桁早かったわ」

 

ネプテューヌの自信満々そうな様子に

ノワールは納得がいかないのか不服そうな表情を浮かべる。

 

『ハッ!数だけじゃたしかに勝ちかもしれねぇけど

強敵はオレが倒したんだ、強敵の分のポイントを加算して、オレの勝ちだろ?』

 

先程のやり取りを聞いてエグゼイドは二人を煽るように鼻で笑う。

その煽りを聞いたネプテューヌとノワールはムッと顔を顰め、エグゼイドを睨む。

 

「「なんですって?」」

 

『なんだ?文句あんのかよ?』

 

エグゼイドは二人の視線に負けじと睨み返す。

 

『「「…………」」』

 

三人が無言で睨み合う。

そう、彼らは全員負けず嫌いなのである。

 

ネプテューヌはノワールは勿論の事なのだが……

エグゼイドこと、

エムは「勝利するなら完封勝利」という座右の銘を自分で掲げているらしく

何事にも本気で勝ちを取りに行く。

こう聞くと質が悪いが……相手が強い時、負けは負けとあっさり認める節もあり、

負けを認めた場合は更に強くなってリベンジに来るという向上性を持っていたりする。

そう、エムは敵に回すと厄介な主人公体質持ちなのである

 

「はいはい、ストーップ!三人共同点だったわ。

だから、この勝負は引き分け。いい?」

 

三人のやり取りを見兼ねたアイエフは仲介に入る。

エグゼイドはそれを聞いて、肩を竦めるが

 

『ま、アイエフがそう言うならそれでいいや』

 

GACHON

《GASHUN...》

 

仕方ないがない。と納得してゲーマドライバーのレバーを右に倒し、

ガシャットを抜き、変身を解除した。

 

だが、ネプテューヌとノワールは納得がいかないらしくアイエフに抗議をする。

 

「そんなはずないわ!」

 

「そうよ!私がネプテューヌやエムと互角なわけないわ!」

 

「んだとぉ!?俺がお前らに負ける訳ねえだろうが!!」

 

その言葉を聞いて、

エムは気に入らないのか、叫ぶ。

 

「あーもう!三人共しつこい!!」

 

「「「ひぃ!?」」」

 

三人の喧嘩に堪忍袋の緒が切れたアイエフは怒鳴った。

いつもの倍以上の声量で。

三人はその怒鳴り声にビックリして、肩を縮める。

 

「審判さんが引き分けって言ったら引き分けです!

でないと、三人のプリン、わたしとあいちゃんで没収するですよ?」

 

「「「それだけはやめて!?」」」

 

コンパの最後の言葉が効いたのか、慌てて謝罪する三人だった。

全員、プリンを食べたかったらしい。

 

「なら、仲良くするです」

 

「「「……はーい」」」

 

「聞こえないですよ?」

 

「「「はい!分かりました!二度としません!!」」」

 

コンパの目の笑っていない微笑みに三人は敬礼して謝罪するのだった。

 

この時、三人の中で怒らせてはいけない人にコンパが刻まれるのだった。

普段優しい人が怒ると怖いというのはどうやら本当の事だったらしい。

 

-WHAT'S THE NEXT STAGE?-




次回、あの狂気の魔術師登場!(予定)

[神次元でV]
別次元の格好をしていた為、ネプテューヌから出た感想。

[変身音省略]
特撮界ではよくあること。
同じ音声を毎回聞いても飽きるだけだからね。
後、作者的には同じ事を毎回書くのは辛い。

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