超次元GAME Neptune with EX-AID 〜What is your name? 〜   作:星ノ瀬 竜牙

10 / 16
ツンデレ女神、ここに見参!

そんなわけで、投稿です。

GW中に2話は投稿したいですが……
間に合うかな……書き溜めもしないと……

あ、三人称視点に切り替えてみました。
これからは基本三人称視点にし、時々一人称視点にしようと思います


VS BLACK GIRL! 黒い太陽だったら勝てなかった……

「久しぶりね、ネプテューヌ。

……もっとも、あなたは覚えてないかもしれないけどね!!」

 

黒いレオタードのような服装に

白い髪 そして、ネプテューヌと同じ模様が入った瞳の少女がそんな風に言う。

 

「あいちゃん、この人……!」

 

「……えぇ。

なんとなく変身したネプ子に似ていると思わない?」

 

『あぁ、髪の色や瞳の色こそ違うが

服の感じとか……瞳に入ってる模様がネプテューヌと一緒だ』

 

「そう、その独特のコスチュームに、その瞳

わたしの勘が正しければ────」

 

『ネプテューヌの事を何かしら知っている。って事か』

 

「そういうことよ」

 

エムとアイエフはそんな風に予想する。

 

「ええ、ネプテューヌのことなら、

よーく知っているわよ」

 

そして、その予想は白い髪の少女の一言で確信に至った。

 

『っ!』

 

「!?

本当なの!?なら、教えて!私は一体何者なの!?」

 

「あはははっ!

ネプテューヌにお願いされるっていうのも悪くないわね!いいわ、教えてあげる!!」

 

(イイ性格してやがる……さては、友達居ねぇなコイツ……)

 

白髪の少女の笑いにそんな事を考えるエムだった。割と失礼である。

ネプテューヌの事を言える立場ではない。

 

「ほんとう!?」

 

「よかったですね、ねぷねぷ。

やっと知り合いに会えたです」

 

(ぜってぇ、なんかあるよなぁ……

条件の一つや二つ要求してきそうだ)

 

コンパは自分の事のように嬉しそうにしているが

要求があるだろう。とエムは白髪の少女を疑っていた。

 

「その代わり、一つ条件があるわ」

 

『ほら来たよ……』

 

「条件?いったいそれは何?」

 

予想通りの言葉に肩を竦めるエム。

そして、ネプテューヌはその条件が何なのか質問する。

 

「もちろん、私に勝負で勝てたらよ!」

 

『なるほど、それは実にわかりやすい条件だな……

コンパまだいけそうか?』

 

「……ちょっと無理かもです」

 

エムはコンパに聞く、

コンパは無理そうだ。とエムに答える

 

『分かった。なら下がってろ

コイツの相手はオレ達がする……!』

 

コンパを下がらせた後、

エムは仮面の下で何処か獰猛な笑みを浮かべ、黒い少女に向かって行った。

 

────────

 

『こいつはどうだ!!』

 

エムはそう叫び、ガシャコンブレイカーを

白髪の少女目掛けて振るう。

だが、少女もそう簡単に喰らうわけがなく……

 

「甘いわよッ!」

 

エムの攻撃を躱し、自分の持つ黒い剣をエムに目掛けて振るう。

 

『チィッ!そりゃネプテューヌと同じぐらいの強さはあるよなァ!』

 

エムはそう叫びながら、白髪の少女の剣の一振りを転がって回避する。

誰もが予想できるだろうがこの白髪の少女はネプテューヌと同じか、

それ以上の実力は持ち合わせているだろう。

そんな少女の一撃を貰えば確実にひとたまりもない。

だからこそエムも避けるしかないのだ。

 

「あなた、それなりに強いのね。私相手にここまで戦えるなんて思わなかったわ。

ただの人間なのかはともかくね!」

 

『そりゃ嬉しいね……!

だけど、生憎……オレはただの人間さ!ちょっと特殊な力を宿しただけのね!!

まあ、それより────』

 

「なにかしら?」

 

オレばかりに気を取られてて良いのかい?

此処にネプテューヌは居ないぜ?

 

白髪の少女に対して、エムは何処か煽るようにそう笑った。

 

「っ!?」

 

白髪の少女は思い出したかのように周囲を見る。

だが────

 

「居ないッ!?」

 

そう、エムの言った通り

そこに居たはずのネプテューヌとアイエフが居なくなっていたのだ。

彼女が意識をエムに向けていたのが原因だ。

エムが先に攻撃したが故にそちらに集中し過ぎたのだ。

 

『ありがとよ、お前がオレに気を取られてくれてたおかげで……上手くいった』

 

エムは仮面の下でニヤリと笑った

 

「やってくれたわね……!」

 

『まんまと引っ掛かったお前が悪いんだぜ?

ぶちかましてやれよ……アイエフ!』

 

「えぇ、あなたの作ったこの隙……無駄にしないわ!

魔界粧・豪炎(まかいしょう ごうえん)

 

エムに言われ、空中から現れたアイエフがまず、地面から炎を巻き上げ、白髪の少女の動きを止める

 

「くっ……この程度なら!」

 

白髪の少女は炎を振り払うが、

アイエフは余裕そうに笑い……

 

「悪いわね……わたしは本命じゃないのよ。

頼んだわよ、ネプ子!」

 

いつの間にか白髪の少女の真上が居たネプテューヌに託す。

 

「わかってるわ!……外しはしない……ッ!

クリティカルエッジ!

 

「しまった……!?

きゃああああああああ!!?」

 

さすがの彼女も奇襲に近い形での

ネプテューヌの三連撃は防げなかったようで

勢いよく吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられた。

 

『……やったか?』

 

「エグゼイド、それはやってないフラグよ?」

 

『……あっ』

 

最後の最後に締まらない辺り彼ららしいと言えるのかもしれない。

 

────────

 

叩きつけられた壁から落ち、

起き上がりながら少女は悔しそうにエム達を見つめる。

 

「……っく!助けがあるとはいえ、

この私が負けるなんて……どういう事なの!?

それとも、やっぱり私の力が……。

うぅん……それだけは認めたくない……ッ!」

 

(……なるほど、何かしらの問題をコイツも抱えてるってわけか。

そうでもなきゃ記憶喪失とはいえ知り合いに攻撃してきたりしないわな……)

 

少女が呟いた言葉が耳に入ったエムは

なるほど、……と納得する。

彼女にも彼女なりの理由があるのだと理解したのだ。

 

「さぁ、約束よ。

わたしのことを話してくれるわね」

 

「たった……たった一度私に膝をつかせた程度で

勝った気にならないでよね!」

 

ネプテューヌのその言葉に、

少女はネプテューヌを睨みつけながらそう叫ぶ

 

(……やれやれ、とんだ負けず嫌いなお嬢さんだな)

 

少女の叫びに

エムはバレない程度に肩を竦めた。

 

「こちらの方が多勢に無勢だってことは認めるわ。

だけど、勝ちは勝ちよ」

 

『ああ、そうだな。オレ達の勝ちだ。

大人しく教えてくれないか?ネプテューヌの事』

 

ネプテューヌとエムはそんな風に言うが

彼女からすれば負けを認めろと言っているようなものである。

だからこそ彼女は────

 

「こんなの……こんなの認めないわっ!」

 

少女はそう叫び、飛び去った。

 

『……っ!悪い、先に追いかける!!』

 

エムは急いで白髪の少女を追いかける。

 

「待って!二人共!!」

 

「ネプ子!二人を追って!!」

 

アイエフはネプテューヌに頼み

ネプテューヌはエムと少女を追いかけようとするが……

 

「あ、あれれ!?」

 

「ちょっとネプ子、何で変身といてるのよ!」

 

何故か、ネプテューヌの姿が元に戻ってしまったのだ。

アイエフはどうして!?と疑問に思ったのだが────

 

「ごめんあいちゃん。

さっきの戦いでエネルギー切れしたみたい。

もう疲れてヘトヘトで無理……」

 

「だったら走って追いかけるわよ!

エムが先に行ってくれたとはいえ……

せっかく見つけたネプ子の手がかりなんだから、

何が何でも捕まえるわよ!」

 

ネプテューヌ達は走って白髪の少女を追いかけた────

 

 

────────

 

 

「はぁ……。

ネプテューヌには負けるし、女神化解けるわで今日は踏んだり蹴ったりだわ……

まさか、私がネプテューヌに負けるなんて……けど、あれは1対3だったし、

きっと1対1なら私の方が……」

 

黒髪のツインテールの少女がそんな風に呟いていた。

誰だか分からないだろうが……この少女は先程の白髪の少女である。

 

「たしか……ここら辺で見失ったよな……」

 

「っ!?」

 

そんな時、エムが先程の少女を探しにここにやって来た。

黒髪の少女は彼に気付いて警戒する。

 

「……君は?」

 

エムは少女に気付き、黒髪の少女に近付く。

 

「……大丈夫か?」

 

「……っ!」

 

手を差し伸べようとするが、

黒髪の少女は警戒したままだった。

 

「って……そりゃ、見ず知らずの男が近付いたら警戒するわな……

俺の名前はエム。……君は?」

 

「……ノワールよ」

 

エムと黒髪の少女、ノワールは互いに自己紹介をした。

 

「ノワールか……立てるか?」

 

エムはノワールに手を差し伸べる。

 

「えぇ……立てるわ……」

 

「なら、よかった……って怪我してるじゃないか。

……ん?こんなとこに薬草?……ちょっと待ってろ」

 

エムはそう言い、近くで見つけた草を抜き、手で磨り潰す。

 

「……随分と慣れてるのね」

 

薬草を磨り潰す様子を見たノワールはそんな風に呟いた。

 

「いや……分からない。ただ……なんだろう。身体が覚えてるんだと思う」

 

「どういう事よ?」

 

ノワールはエムのその言葉にどういう事だと聞く?

 

「こういう事を言うのはなんだが……

俺……記憶ないんだよ。俺を助けてくれた人達がいるんだけど

その人達と会う前までの記憶がさ」

 

「……そう、ごめんなさい。悪い事聞いちゃったわね」

 

「いや、気にしてないから。大丈夫だ

……このぐらいか、ちょっと染みるけど我慢しろよ」

 

エムはノワールの謝罪に大丈夫だと返答し、

磨り潰した薬草をノワールの傷に塗る

 

「ッーーー!?」

 

ノワールは涙を浮かべて歯を食いしばる。

どうやら、かなり染みたようだ。

 

「大丈夫か!?やっぱり染みたか!?」

 

「だ、大丈夫よ……」

 

エムはノワールを心配そうに見つめ、

ノワールは大丈夫だ、とエムに言う。

 

「……そうか、なら良かった

……そういえば、目を覚ました時、結構ボロボロだったからでコンパから包帯とガーゼ予備の分貰ってたっけ」

 

エムはそう呟き、黒い革ジャケットのポケットから包帯を取り出す

 

「ちょっと待ってろ、傷を覆う」

 

そう言いながらノワールの傷口にガーゼを当て、包帯を巻く。

 

「これでよし」

 

包帯を巻き終わり、エムは笑う。

 

「ありがとう……迷惑かけちゃったわね」

 

「困った時はお互い様。だろ?

でも、どうしてこんな傷を負ってたんだ?」

 

「うっ……それはその……」

 

エムの疑問に思わず言い淀むノワール。

それもその筈だ。

自ら、4人組に喧嘩売ってやられました。なんて言える筈がない。

 

「……なんか理由あるんだな……なら聞かない」

 

「え?」

 

エムのそんな言葉に思わず目を丸くするノワール。

 

「隠したい、黙っておきたい事があるんだろ?

なら俺は何も言わないさ。

あ、でも1個だけ聞かせてくれないか?」

 

「……なにかしら?」

 

「簡単な事だよ。

この辺で白い髪に、水色でちょっと特殊な模様の入った瞳をした

お前ぐらいの身長の黒い女の子見かけなかったか?」

 

「ぶーっ!?」

 

ノワールは思いっきり吹いた。

それもその筈。互いに変身している状態だったため知る筈もないが

ノワールがその例の白髪の黒い少女なのだ。

そして、エムはノワールが先程戦ったマゼンタ色の戦士。エグゼイドである。

 

そう、言ってしまえば555の序盤の木場 勇治と乾 巧の関係のような状態である。

 

互いに面識はあるが、その正体が戦っていた相手だとは気付いていないという状況なのだ。

 

「わっ!?ちょ!?大丈夫か!?てかなんで吹いた!?

……まさかノワール……ひょっとしてお前……?」

 

「ななななな、何の事かかしら!?

わわわわ、私は、そそそんな人、しし知らないわよ!?」

 

エムはもしや?とノワールに聞く。が

ノワールは慌てて違うと否定する。

噛みまくっている時点で答えてるようなものだが……

 

「噛みすぎィ!動揺し過ぎィ!

おい、ノワールゥ!やっぱお前────」

 

そして、確証に至ったエムが さっきの黒い少女だろ。と言おうとした瞬間だった。

 

「捕まえたー!!」

 

エムにとってもノワールにとっても聞き覚えのある声が耳に入った。

それと同時にノワールはその声の少女にガバッと抱きつかれた。

いや、抱きつかれたというよりは捕まえる為にしがみついた。というべきだろう。

 

(Wow……It’s great……)

 

ちなみに抱きついた瞬間ノワールの胸が揺れ、それをエムは見逃さなかったこと。

そして揺れ具合などを英語で感想を言うほどだったと追記しておこう。

こう見えて、彼は意外とオープンベースケさんである。

 

「のわあああああぁぁっ!?」

 

「とったどー!!」

 

ノワールは急な事に油断していたのか、

神な次元の自分が良く叫ぶ特徴的な悲鳴を上げ、

聞き覚えのある声の少女は何処ぞの良い子な最早無人島生活が本職な芸人の決め台詞を口にした。

 

「…………はあぁぁぁぁぁぁぁ」

 

そして、エムは頭を片手で抑え、大きな溜息を吐いた。それはもう大きな溜息を。

 

「な、なに!?ちょ、ちょっと!

いきなりなんなの!?」

 

「洗い浚いぜーんぶ話してくれるまで、

ぜーったい離さないよー!!」

 

(うーんこのぐだぐだ……シリアスはいつ現れるんだろうか?)

 

ノワール達の微妙に噛み合ってない会話を聴きながらエムはそんな、どうでも良い事を考えていた。

 

「……って、あれ?違う人だ」

 

ノワールにしがみついていた少女、ネプテューヌは

ふと、しがみついた少女を見る。すると自分の探していた少女とは全く違う人物だと気付き、ノワールから離れる。

 

「ど、どうしてあなたがここにいるの!?」

 

「えーっと、人を探してるんだけど、こっちの方に飛んでこなかった?」

 

微妙に噛み合ってるようで噛み合ってるない会話をするネプテューヌとノワール。

この二人は決してコンビを組んでいて

芸名がア〇ジャッシュだったりはしないので。お忘れなきよう。

 

「黒くてツヤツヤしてて空を飛ぶから目立つと思うんだけどさ、なんか見なかった?」

 

「うぅ……なんか嫌な例えね……」

 

「ネプテューヌ、言い方言い方……

それだと台所に存在してる黒光りしているGの名を持つモノじゃねぇか……

あ、ちなみに俺はGはGでも怪獣王のGが好きです。

仮面ライダーのGや光の巨人のGや守護神のGも好きだけどネ」

 

ネプテューヌの例え方に少々嫌な顔をするノワール。

それもその筈。

その例え方はエムが言った、

唯一と言っていい絶滅危惧種ではない生きた化石であり、

女性の天敵 台所の帝王 黒い悪魔 などと恐れられている

黒光りするGと同じような例え方である。

 

女性であるノワールからすれば嫌な例えなのは当たり前である。

 

「え、えっと……そ、それなら、凄いスピードであっちの方向に飛んでいったわよ。

も、もう追いつくのは無理ナンジャナイカシラー(棒)」

 

「そっかぁ。

せっかくの手がかりだったんだけどなー」

 

(いやいやいや気付けよ!?どう聞いても棒読みだよ!?

絶対怪しいだろうが!?なんで気付かねぇの!?)

 

エムは何やらツッコミたそうにしているが……

ノワールにもノワールなりの理由があると、

それなりに理解しているため黙っておくことにしたようだ。

 

「はぁ……。逃したってなると

あいちゃんに起こられるんだろうなぁ……

エム君も追っかけて行っちゃったから見失っちゃっただろうし……」

 

「いや、俺さっきからずっとここに居るんだけど!?」

 

ネプテューヌの発言に思いっきりツッコミを入れるエムであった。

 

「あれ!?エム君いつの間にここに!?」

 

「さっきから居たからな!?俺ずっと居たからな!?

ツッコミいれてたよね!?お前に!!」

 

この二人、相変わらずの漫才コンビである。

平常運転でなによりではあるが。

ちなみにこっちもアン〇ャッシュだったりはしない。

 

「…………」

 

そんな二人の会話を見て、どう言えば良いのか分からず無言になるノワールだった。

初めて見る人からすれば普通の反応ではあるが……

 

「って、なんかわたしの話ばっかりでごめんね

ところで、あなたはどうしてこんな所に一人で……

ってよく見たら包帯だらけだよ!?大丈夫!?」

 

「へ?」

 

ネプテューヌに言われ、ノワールは自分の今の状態に気付く。

そう、先程……エムに薬草を傷口に塗られ、ガーゼを当て包帯を巻かれた箇所が幾つもあるのだ。

 

「本当に包帯だらけ……

きっとモンスターにやられたんだね。

けど、安心して!このあたりにいた悪いモンスターは、このわたしが倒したから!」

 

「トドメは俺だったけどな」

 

「……あなたたちにやられたんだけどね」

 

エムとノワールがそれぞれ別の事をボソッと呟くが、

 

「ん?なんか言った?」

 

「「いや、別に何も?」」

 

ネプテューヌの耳には入っていなかったようだ。

 

「って、それよりも包帯だよ!

というか凄いね。綺麗に結んでて……自分でしたの?」

 

「え……えぇっとこれは……そのぉ……」

 

言い淀むノワールを見兼ねたのか、

エムが助け舟を出す

 

「俺がやったよ」

 

「え?エム君が?」

 

「あぁ、幸いこの辺には薬草が生えてたし、

コンパに貰ってたガーゼと包帯があったからな。

それに、目立った外傷はなかったし骨が折れてる様子もなかったな。内臓の方もおそらく大丈夫だろう」

 

エムがそんな風にスラスラと言うと、ネプテューヌが疑問を口にする

 

「エム君ってもしかして……割と多芸多才?」

 

「だったのかもな。記憶ないからわからないけど」

 

記憶がないのでわからないと苦笑しているが、

実際割と多芸多才なのだろう。普通、素人が薬草を見つけたりできるものではない。

 

「それはそれとして……本当に大丈夫?」

 

「す、擦り傷ぐらいだし、このくらいなんてことないわ

包帯をしっかり巻いてくれたし」

 

心配そうに聞くネプテューヌにうわずった声で返答するノワール。

清々しい程に怪しさ満載である。

 

「怪我や病気の素人診断は危険なんだよ!」

 

「あれ?俺ってそんな信用ない?」

 

エムが少し不安そうにそう言うが

ネプテューヌは慌ててそれを否定する。

 

「い、いや!?エム君の事を言ったんじゃないよ!?

ただ……記憶喪失のエム君より

本当にその道のプロフェッショナルである

こんぱに頼んだ方が良いんじゃないかなぁ……って」

 

「あー……ま、そりゃ一理あるな」

 

ネプテューヌの意見に一理ある。とエムは呟く。

 

「よーっし!そうと決まれば早速こんぱに診てもらおう!!」

 

「え?ちょっ……いや、その……

ほんとうにこのくらい大したことないから……」

 

ネプテューヌのそんな言葉に慌てて大丈夫だ。と言うノワールだが……

 

「だいじょーぶ!

ホワイトなことに定評のあるパーティだから、お金なんてとらないよ!」

 

「いや、そういうことじゃなくて!」

 

やはり、会話が噛み合ってるようで噛み合ってない二人である。

 

「こんぱー!こんぱどこー!

こんぱのねぷねぷが呼んでるよー!

こんぱー!カームヒアー!」

 

「そんな叫んだだけで都合よく来るわけないでしょ」

 

コンパを呼ぶネプテューヌにノワールはそうツッコミを入れるが

 

(それが都合よく────)

 

「呼んだですか、ねぷねぷ?」

 

(来るんだよなぁ……)

 

呼ばれてすぐに現れるコンパ。

そして、エムは 都合よく来るんだよなぁ。と呟いていた。

 

「うそぉ!?」

 

「驚いた?なんてったって主人公だからね!

あ、この小説では主人公兼ヒロインだけど!

わたしの主人公スキルは108式まであるんだよ!!」

 

「やれやれ……」

 

ノワールの信じられないといった表情を見て、ネプテューヌはドヤ顔をし、エムは肩を竦め苦笑した。

 

「何一般人に馬鹿なこと吹き込んでるのよ。

ちょうどアンタが叫んだタイミングで追いついただけよ」

 

アイエフが馬鹿な事言うんじゃないとツッコミながら

たまたま良いタイミングで追いついただけだと説明する。

それでも狙ったようなタイミングになった辺り彼女の主人公補正が効いているんだろう。

 

「ところで、わたしに何の用ですか、ねぷねぷ」

 

「うん。この子……えぇーっと、そうだ。まだ名前聞いてなかったね。

わたしネプテューヌ。で、こっちがこんぱで、こっちがあいちゃん!

それでこっちがエム君!」

 

「アイエフよ、よろしく」

 

「コンパです、よろしくです」

 

「改めてだが、俺の名前はエム

とはいえ記憶喪失だから仮名で……本名は不明なんだがな」

 

ネプテューヌ達の紹介に便乗してエムは苦笑しながら改めて自己紹介する。

 

「で、あなたのお名前は?」

 

「……ール」

 

「え?」

 

ノワールの小さな声にネプテューヌは聞こえなかったのか、

え?と首を傾げる。

 

「……ノワールよ」

 

「へぇ、ノワールって言うんだ。なんか友達がいなさそうな名前だね」

 

「割と失礼だよな……お前……」

 

ノワールの名乗りにネプテューヌは割と失礼な事を言う。

そして、エムはそれを聞いて苦笑する。

が、エムも少し前にそんな事を考えていたのでブーメランが刺さっていたりするのである。

 

「ぶっ!?

あ、あなたねぇ!普通初対面の相手にそんなこと言う!?」

 

「ハハハ……(こいつ割とそういうこと言うんだよなぁ……普通に)」

 

ノワールのツッコミにエムは苦笑しながら

ネプテューヌは割と失礼な事言うんだよな……と考えていた。

 

「ごめんごめん、冗談だって、冗談。

もう、ただのネプリカンジョークなのにー」

 

「ネプリカンジョークってなんだよ……ネプリカンジョークって……」

 

ネプテューヌの冗談に、エムはいつも通りツッコミを入れる。

が、ネプテューヌは何処か納得のいかない表情を浮かべ……

 

「エム君!」

 

「なんだよ?」

 

「ツッコミのキレがあまい!」

 

「IGAAAAAA!!黙らっしゃいいいい!!」

 

そんな事を言うネプテューヌに、エムはウガアアアア!と怒る。

決して、何処ぞの魔界城の製作会社の名前を意図して叫んだわけではない。

 

「苦労してるのね、あなた……」

 

「……なんかもう良いかなって思い出したよ」

 

ノワールの同情の目にエムは哀愁を漂わせながら嘆いた。

 

「全く……初対面の人がネプ子のノリついていけるわけないでしょ。

コンパ、この子のこと診てあげて。

あと、できればエムが手当てしたところのカバーをしてあげれる?」

 

「はい、任せるです!」

 

アイエフのお願いにコンパは胸を張って答える。

ちなみにその時、胸が色々な意味で凄かった(小並感)とエムは思っていたそうだ。

 

「あーっ!あいちゃんずるい!わたしのセリフとったー!」

 

「いつまでもあんたに任せてると話が進まないのよ」

 

ネプテューヌの講義にアイエフはため息を吐きながら答える。

 

「ほんとこんなんで大丈夫だろうか……」

 

エムのそんな呟きにアイエフとコンパ、そしてノワールは苦笑するしかないのであった。

 

-WHAT'S THE NEXT STAGE?-




中途半端ですが、今回はここまで。
GW中に後1話投稿しようと思います。

誤字、脱字などのご報告お願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。