ボリック暗殺から二日
「・・・ここは?」
「気が付いたかブラート」
「スサノオ!?ここは何処なんだ?」
「ここはフリーウイングのキョロクアジトだ」
「そうか」
そこでブラートはある事に気付いた。
「右足が元通りになってる・・・」
「骸が直したぞ。見た所足に手を添えていただけで足が治ったから驚いたぞ」
スサノオの言葉にブラートは驚いたが、足が治った事を喜んだ。
コンコン
「失礼します」
入って来たのはツクシだった。
「あ、目が覚めたんですね。具合はどうですか?」
「ああ。おかげさまで絶好調だ」
「それは良かったです。おにぎりを作ったので食べて下さいね」
「すまねぇな。所で骸は?話がしたいんだが」
「リーダーなら自室にいますよ。貴方が起きたら話があると言ってましたので、リーダーに起きた事を報告してきますね。その間に良かったら食べといて下さい」
ツクシはそう言い部屋を出た。
「・・・どう思う?」
「骸の事か?」
「ああ。エスデスから俺達を逃がす時奴は炎を使った。俺が感じたのは帝具だ」
「アイキャップは自身が考えた物を創れるんだろ?それじゃねーか?」
「いいや。アイキャップで創った物ならアイキャップと同じに感じる筈だ。実際俺は千年前にそう感じた」
「って事は骸はもう一つ帝具を持っているって事か?」
「その可能性が高い。だがお前の足を治したのも帝具による物かもしれん」
「それなら彼奴は3つも帝具を持つことになる。不可能だ」
「今は情報が少ない。話があるそうだしその時に聞くといい」
「そうだな」
そう締め括りブラートはおにぎりに手を伸ばした。
一方ツクシはスザクに報告していた。
「そうか目が覚めたか。よしドクターとチェルシーそれにスズカとメズ以外を会議室に集めろ」
「はい」
スザクの言葉をうけツクシはスザクの部屋を出た。
因みにスズカとメズは昨日フリーウイングに加わった。
ボリック暗殺から翌日
スザクはブラートの足を治した後、スズカとメズを閉じ込めている離れに足を運んだ。
「よう。どうするか決めたか?」
「・・・私達は貴方の元に下るわ」
「ほぅ、まだ拒否すると思ったがどうしてだ?」
「最後のアレで逆らっては駄目だと理解してしまったのよ。帝国に報告すれば間違いなく私達は殺される」
「正直骸達の情報を教えた所で任務失敗ってことで殺されると思うし。なら骸の方に付いた方がまだマシっと思った」
「ふむ、嘘は言っていないな」
そう言いスザクは懐から小型の機会を出した。
「それは?」
「嘘発券機だ。もし嘘をついていたらそのまま殺していたがな」
「・・・物騒だね」
「組織のトップとしては当然だと思うぞ」
そう言いながらスザクは2人の縄を解いた。
「改めて。ようこそフリーウイングへ。俺はお前達を歓迎しよう。そうそう俺の名はスザクだヨロシクな」
スザクがそう言うとスズカとメズは片膝をついて頭を下げた。
「元羅刹四鬼スズカ」
「同じくメズ」
「「私達はフリーウイングリーダー、スザク様に忠誠を誓います」」
スズカとメズはスザクに誓いをたてた。
場面は戻りスザク達は会議室に集まった。
「リーダーお二人を連れてきました」
「入れ」
外からツクシの声が聞こえスザクは入室を促した。
「はい。失礼します」
「邪魔するぜ」
「・・・」
ツクシの後にブラート、スサノオが入って来た。
「調子はどうだブラート?」
「おかげさまで絶好調だ」
「それはよかった。さて、幾つか話があるがその前に聞きたいことがあるだろ?何でも聞いてくれ」
「なら一つ目だ。エスデスと戦った時、あれはアイキャップ以外の帝具か?」
「Yesだ。業火神獣 朱雀。融合型生物帝具だ」
「融合だと?」
スサノオが融合と言う言葉に反応した。
「ああ。朱雀の核は俺の心臓と融合したんだ。そのおかげで朱雀の能力である炎を操れる事が出来るんだ」
「成程、二つ目だ。俺の足はどうやって治した?」
「俺には生まれた時から治癒の力が使えるんだ。流石に死人を蘇らせる事は出来んが、それ以外の怪我は治せる。後物も直せる」
「そうか。俺達をエスデスから救ってくれたのと、足を治してくれたことを感謝する」
そう言いブラートとスサノオは頭を下げた。
「気にするな。他に聞きたいことはあるか?なければこちらの話に移りたいのだが」
「ああ、それで話ってのは?」
「まず一つ目。ナイトレイドにお前達を送り届けるのは数日後だ。まず俺は本来の目的を果たしたいからな」
「本来の目的?」
「教主との接触だ。昨日の内に教主への接触の手紙を秘密裏に送った。手紙には今日の深夜に俺と教主の2人だけで会って話がしたいと書いた。そして今朝教主からの承諾の返事が届いた」
「そう言えばヌマ・セイカと同じで傘下に入れるって言っていたな」
「そう言う事だ。これが果たせれば戻り、ナイトレイドと正式に手を組もうと考えている」
「それは本当か?」
「ああ。悪い話ではないだろ?革命軍にしてみれば対エスデス用に俺を当てる事が出来るからな。まぁこちらの条件を飲めばの話だが」
「その条件とは?」
「それは今は言えない」
「そうか・・・」
「お前達2人には窮屈だが出来るだけ部屋でいて欲しい。ここにも俺達の重要な物があるからな」
「分かった」
ブラートとスサノオは頷いた。
そして深夜
スザクは教団の教主の部屋の前まで誰にも見つからずにたどり着いた。
コンコン
「どーぞ」
「失礼する」
教主から入室の許可が出てスザクは中に入った。
「今回会談を承諾してもらって感謝する。知っていると思うが俺がフリーウイングリーダースザクだ」
「それでお話とは?」
「この安寧道を俺の傘下に入れたい。この場合安寧道には物資と人員を家に回してもらう。そして戦うのは家の構成員なので大丈夫だ。それに手に入れた東側の土地は全て安寧道の物とし、安定するまで食料なども提供する。幹部達にも色々言われているのだろ?」
「・・・そうですね。血を流すことは私の望む事ではありませんが、皆信者を養う為と言っています」
「ああ、帝国は既に末期だ。良識派の者達は陰ながら守っているから、少しずつ中から良くなってきているが、一度壊さないと駄目だ」
「・・・分かりました。貴方の下に下りましょう。明日皆の前で報告します。貴方の紹介もするので立ち会ってもらいますよ」
「分かった」
そう言い出て行こうとしたスザクに教主が声を掛けた。
「貴方には赤い糸が多く絡みついていますね。大事にしてあげてくださいね」
スザクは何も答えることなく部屋を出た。
(分かってる。チェルシー達が俺に好意を持っている事は。・・・だが俺には責任がある。あいつ等を戦いに巻き込んだ責任が。俺が出来る事は次世代にあいつ等を導く事だ。その為ならどんな事でもやってやる!!)
スザクがそう考えている頃教主も考えていた。
「あの人が上手く行くよう願います。そして祈ります。全てが終わった時に彼の見えた未来が変わっていることを、ごくまれに働く私の予知の力が外れである事を。そしてあの方達の幸せを」
そして翌日教主は幹部、信者にスザク下に下ると発表した。誰も異を唱える者はいなく安寧道はフリーウイングの傘下となった。
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