羅刹四鬼のイバラとシュテンを始末したスザクは報告の為ナイトレイドのアジトに向かった。
ナイトレイドアジト
「報告だ、羅刹四鬼2人を始末した」
「そうかご苦労だった。だが・・・」
「ああ。イェーガーズに、フリーウイングとナイトレイドが出現したと確定しただろうな」
「警戒を一層強めるだろう」
「大聖堂まではどう行くつもりなんだ?」
「大聖堂手前までトンネルを掘り、そこから突入し陽動するチームと、時間差でエアマンタを使い空から大聖堂に突入するチームに分かれるつもりだ」
「トンネルを掘るなら家の鎧を貸そう。アイツは土を操れるから役に立つはずだ」
因みに鎧とはガイの事である。
「助かる。お前達はボリック暗殺の時はどうする?」
「俺達は大聖堂近くで待機しておく。その理由はまず空にはランが行くだろう。そして落ちた場合ウェイブが出てくると思う。数人でウェイヴを抑えるからその隙に大聖堂に向かってもらう。俺の持ち場の近くなら、俺の帝具でエアマンタを創れる」
「成程そこまで読んでいるのか」
「ああ。後はナイトレイドの撤退の手助けだ。最悪ボリックを討った後俺がエスデスの足止めをしよう」
「分かった。これからどうするんだ?」
「今までと同じようにイェーガーズと出会わないようにして、羅刹四鬼の残り2人も討ち取るつもりだ。何かあれば家のアジトに連絡をしてくれ。これが地図だ」
そう言いスザクはナジェンダにフリーウイングアジトへの地図を渡した。
「分かった。くれぐれも無茶はするなよ」
「ああ。また報告があれば訪れる」
「了解だ」
スザクはそう言いナイトレイドアジトを出て、フリーウイングアジトに向かった。
「ねぇスザク。ずっと思っていたのだけど、どうしてエスデスを始末しないの?ヌマの時やこの前で殺せたんじゃないの?」
フリーウイングアジトに向かっている最中、人通りのない路地を歩いていると、鳥に変身したチェルシーがスザクの肩に止まり疑問に思っていた事を聞いた。
「なに、エスデスには革命軍の野心家共を始末してもらおうと思ってな」
「それって暗殺でいいんじゃないの?」
「いいや。もう革命軍に対して暗殺は得にならない」
「どうして?」
「今回の事が終わればフリーウイングはナイトレイドと組むつもりだ。その時に信用されるため、革命軍に潜り込んでいる家の諜報員を全員戻す。戻す条件としてその者達を批判しないように言っておくつもりだ」
「でもそれで納得するかしら?」
「するしかないだろうな。革命軍も帝国と家の二面も相手出来ないだろうし、何より最終決戦時に対エスデスに俺を当てる事が出来るのだからな」
「もう!何時もそうやって自分を犠牲にするつもり!」
「犠牲になるつもりはない。お前との約束を破る訳にはいかないからな」
「ええきっちり守ってもらうわよ」
「心得ている」
スザクはそのままフリーウイングアジトに向かわず、街はずれに向かった。遠くからの視線に気づきながら・・・
「あの仮面間違いなく骸ね」
「どうするんだスズカ?殺るのか?」
「んーセリューちゃんも呼ぼうか。骸に恨みがあるみたいだし」
「じゃアタシ行ってくるわ~」
メズはそう言い下にいるセリューの元に走った。
「さて追跡追跡」
スズカはスザクを見失わないよう追跡を始めた。
「チェルシー、メンバーを集めておけ。羅刹四鬼の2人が狙っている。恐らくもう1人誰か呼ぶだろう」
「分かったわ。次の角で別れるわ」
「ああ、後羅刹四鬼は生け捕りにするぞ」
「スザクの事だから何か考えがあるのね」
「ああ。出来るだけ俺が相手する」
「分かった。伝えておくね」
角を曲がった時にチェルシーはスザクの肩から降り、猫なって少し進んだ後再度鳥になって、フリーウイングアジトに向かった。
スザクは街はずれの広い場所に着き一息つき、油断しているように見せかけた。
「スザクさん!?」
「ん?セリューちゃんの知り合い?」
「はい・・・まさかスザクさんが賊だったなんて・・・」
「因みに彼は骸だよ。私の勘だけど外れないから」
「スザクさんが骸!?骸は私が殺す!!」
「だけど骸相手に一人は危険よ。私達も参加するわ」
「頼りにしてくれ」
「はい!コロ・・・9番!!」
正義 都市探知機!!
「私達と骸以外周囲に人の存在は無し・・・!待ち伏せの危険も消えた・・・ならコロ、2、7、8番!!」
セリューは右手に戦車の砲台・泰山砲を。左手に水陸両用魚雷・平等魚雷を。背中にミサイルポッド・初江飛翔体を装備した。
「十王の裁き。この殲滅装備で・・・砲撃する!!偉大な隊長に認められながら悪に堕ちたスザク・・・炎の中で悔い改めろ!!」
正義 一斉射撃!!
その瞬間物凄い砲撃がスザクに向かって撃ちだされた。
「スゲー砲撃だな。まあ壁創れば大丈夫だろ」
そう言いスザクは砲撃がくる方に何重にも壁をアイキャップで創り、朱雀の力を発動する準備に入った。
その直後最初の壁に砲撃が当たり、次々に爆発していくがその炎は吸収された。
「アレを防ぐなんてやっぱり噂通りの化け物だね」
「でもこれで終わり」
砲撃が止んだ瞬間スズカとメズがスザクに仕掛けた。
「狙い通りだ。セリューは任せだぞ」
『『『はい』』』
スザクがそう言うと、アカメ、ドクター、チェルシー、メラ達オールベルグ以外のメンバーが現れた。
「な!?」
「コイツ等何処から!?」
「探知機に反応は無かったはず!?」
スズカ、メズ、セリューは急に現れたフリーウイングのメンバーに驚いた。
「お前達2人は俺に付き合ってもらうぞ。クロメ!ガイ!」
「うん」
「おう」
クロメは骸人形でスズカ達をスザクの方に近づかせて、ガイがレイアースーツで土の壁を高く作った。更にスザクも壁を創り2人をセリューの方に完全に行けないようにした。
「さてこれで完全に分断出来たな」
「例え分断したって」
「お前を殺ればいいだけ」
「殺せればいいけどな」
スザクは双剣を創り出した。
「ついでだ。奥の手第一段階、灼熱地獄発動!」
更に朱雀の奥の手も発動させた。
「まさか2つ目!?」
その様子にスズカとメズは驚いた。
「思考創造 アイキャップと業火神獣 朱雀。これが俺の帝具だ」
「それは尚更帝国に伝えないとね・・・」
(メズ撤退するわよ)
(分かった)
「そう易々撤退出来るとは思うなよ?」
スザクは見聞色の覇気で2人のヒソヒソ話を聞いて、忠告した。
「残念だが灼熱地獄からは逃げられんぞ」
そう言い炎で龍や虎、狼などを形成しスズカとメズに襲いかかった。
「熱っ!!」
「はぁ全身火傷いいぃ・・・」
「スズカ!!こんな時にドМ発揮しないで!!」
「・・・エスデスと相性が良いだろうな・・・」
スザクは火傷を負って笑みを浮かべているスズカを見て、エスデスと相性が良いと思った。
「お前達俺の下に付かないか?」
「何?」
「帝国はもう直ぐ崩壊する。俺は今も戦力を集めている。お前達の様な宮殿内を知ってる奴を仲間にしたいと思っている。どうだ?まぁ返事はボリックの暗殺後に聞くから、今は拘束するが」
そう言いスザクは覇王色の覇気を本気で使いスズカとメズを気絶させた。
「絶対に解けない縄で拘束するから、幾ら壮絶な修行で得た体でも無理だろう」
そう言い、アイキャップで縄を創り、2人を拘束した。
「主」
「そっちも終わったみたいだな」
「ええ。ドクターからあの武器の事は聞いていたから、対策は出来たわ」
「ヘカトンケイルは?」
「破壊した。意志があるなら私達では使えないから」
「そうか、ご苦労。スズカとメズを連れて家の アジトに向かえ。俺はナイトレイドに報告に行く」
『『『了解!!』』』
(さて、後数日で作戦決行だな。ある意味俺達の分岐点だな)
スザクはそう思いながらナイトレイドアジトに向かった。