と息巻いていましたが入れませんでした…。
まあ、とりあえず5話をどうぞ
3年生になりました。―――――
え?すっ飛ばすなって?気にすんな。
3年生になるまでに変わったことがいくつかある。
まず、俺に友人というものができた。3年から同じクラスになった月村すずか、アリサ・バニングス、高町なのはの仲良し三人組だ。
そして、白の力の封印をいくつか解除できたこと。これによっていろいろとできるようになった。ここ2,3年はほとんど特訓漬けの毎日だった。実践は樹毒以降はないがイメージトレーニング自体がめちゃくちゃリアルなので実践と何ら変わりがないくらいだと思う。
今のところはそんな感じだ。
「おはよう。」
「おはようはっちゃん、ご飯出来てるよ~。」
母さんは今日もニコニコとしており、朝一番に平和を感じさせてくれる。父さんは新聞を読みながらコーヒーを飲んでいる。なんというかとても様になっていると思う。
そして、父さんの横で子供用チェアに座っているのが妹の灯里だ。
灯里はとにかくよく動きどこへでも行ってしまう。母さんは灯里の居場所が分かるようにすぐに見つけられる。近くで見ているとすごく大変なんだろうと思うのだがそれをも終始ニコニコと楽しそうに相手をしている母さんはホントにすごいとしか言いようがない。まぁ、灯里が可愛すぎるのも当然わかる。というかわからないということ自体が分からん。灯里はとてつもなくかわいい(哲学)。「はーおにいちゃん」なんて言われた時には何でもお願いにこたえてしまうほどだ当然だろう。…っと話がそれた、まあ家族四人で朝ご飯を食べて俺は学校へ行く。そういった毎日を送っている。
「バスが来たな。」
俺の家は正祥大付属小学校域のバスが一番最初に来るバス停の近くにある。つまり、バスの席を選び放題なのだ。と言ってもいつもきまっている場所にしか座らないのだが…。
「おはようございます。」
バスの運転手に挨拶をし、後ろから二番目の席に座る。ここが俺の指定席だ。時間が進むにつれ小学生がどんどん入ってくる。
「「おはようございます!」
運転手に挨拶する元気のいい声と落ち着いた声が聞こえる。
「おはよー!八幡。」
「おはよう、八幡君。」
「おう、バニングスに月村、おはよう。」
二人は挨拶をして一番後ろの席に座る。っとバニングスが背もたれから顔を出してくる。
「だーかーら、アリサって呼んでっていつも言ってんでしょ!」
どうやら前に要請された名前呼びの件らしい。どうせ月村が抑えてくれるだろうと思って窓の外を見ていた。
「まぁまぁ、アリサちゃん落ち着いて。」
案の定抑えに来てくれたようだ、バニングスも席に座ったようだ。
「でも、私も名前で呼んでほしいなぁ。」
「は!?」
意外なところからの攻撃を受け、焦って後ろを見てしまう。月村はニコッと微笑みこちらを見ている。
「おはよーございます!」
バスの前方、俺の後方から元気のいい声が聞こえる。
「なのは―!こっちこっち。」
バニングスは、手を振り高町なのはを呼ぶ。
「アリサちゃん、すずかちゃん、八幡君おはよー」
「「おはよう」」
「おう」
高町に挨拶した後、俺は向き直って学校につくまでの間寝ることにした。
後ろでは「聞いてよなのは!八幡ったらまだ苗字で呼ぶのよ。」
「にゃはは…、八幡君も強情だなぁ」
なんて話をしていたが関係ない。
今俺は教室で授業を受けている。バスを降りたあたりから教室まで3人に「名前で呼んでよー」なんて言われたが「やだ」の一点張りで通した。
「―――こんな風にいろんなお仕事があるわけですが、みんなは将来どんなお仕事に就きたいですか?今から考えてみるのもいいかもしれませんよ。」
今は、仕事についてのことを先生が話してくれている。
(…将来か、白お前は今後俺が魔法なんて関係ない仕事についたらどうする?どっか行くか?)
『いいえ、私の魂はいつまでも主様のものです。』
(…そうか)
白は、いつもはミサンガのような形でいる。授業中に授業を受けながら頭の中で模擬戦闘などをするために学校にも持ってきている。なんでも、2つのことを並行してやるのは魔導士として必須なんだとか。
そんなこんなで、また一日が終わる。
「なのはー、八幡一緒に帰りましょ。」
バニングスと月村が俺と高町を帰りに誘う。この四人で帰るのは家の方向が同じだからだ。いろいろ雑談しながら帰り道を歩く、俺は相槌を打つくらいだが。
そして公園に入ったのだがなんだが騒がしい。
「あぁ、危ないから入っちゃだめだよ。」
公園の管理員が俺たちを止める。ふと視線を巡らせるとボートや桟橋が壊れている。
(壊れているっていうか…、白、これは魔法が関係しているか?)
『はい、主様。おそらく危険指定物でしょう。海鳴市にはなかったはずですが…。』
「あの、なにがあったんですか?」
「いやぁ、はすけとボートが壊れちゃってねぇ…、片づけているんだ。」
「そうなんですか。」
「いたずらにしてもちょっとひどいんで、警察の方にも来てもらっているんだよ。」
バニングスが聞き、管理のおじさんが答える。その間高町はなんだかきょろきょろしている。
(何かを探してるのか?)
『―――助けて――――』
「なのはちゃん?」
高町の動きを不思議に思った月村が心配そうにする。
「すずかちゃん!今何か聞こえなかった?」
「…なにか?」
月村には広域念話が聞こえなかったのか頭にはてなマークを浮かべる。
「ちょっと、ごめん。」
そういって高町は、林の中へと入っていく。そのあとを追って月村とバニングスが入っていくのを俺は見ていた。
「今の広域念話…、高町聞こえていたな。」
『はい、確実に』
「危なっかしい事だったら助けてやるか…友達だしな…。」
『やはり主様は照れ屋さんですね』
白がおかしそうにそういう。うるせぇと白に言い俺も彼女らを追って林に入っていった。
林の中を見ると三人がかがんで何かを見ている。
「どうしたんだ?」
「八幡君、この子…」
と高町が三人が見ていた位置にあるものを見せてくれた。
(動物形態になった異世界人ってとこか?でもこの三人の前だし…)
「フェレットか?じゃあ、直接手で触らないように…」
そういって俺はカバンの中からタオルをだして、フェレット(仮)を抱き上げる。
「んじゃ、動物病院に行くぞ。」
そういって、心配そうに見ていた三人に言うと少しだけ顔が明るくなった。
「ありがとう、八幡君。」
高町が微笑んでそう言ってくる。俺は直視できなくて顔をそむけ、
「別に…、それより行くぞ。」
と言い早歩きで動物病院へと向かった。
後ろからバニングスと月村が「捻デレね…。」「そうだねぇ。」
なんて言いながら俺の後をついてきた。高町はやっぱり心配なのか俺の腕にいるフェレット(仮)を見ながら早歩きしている。
動物病院についた俺たちは事情を説明しフェレット(仮)の手当てをしてもらった。
「けがはそんなに深くないけど、ずいぶん衰弱してるみたいね。」
「院長先生ありがとうございます。」
「「ありがとうございます」」
「…ありがとう、ございます。」
高町がお礼を言い月村とバニングスが続き、おれが少し遅れてお礼を言う。
「いいえ~、まぁしばらく安静にしないとだから明日までうちで預かっておこうか?」
「「「おねがいします。」」」
「…おねがいします。」
三人が声を合わせていった後にやはりおれが遅れてしまう。…声を合わせるとかあまりしないし。
院長先生にフェレット(仮)を預け俺たちは解散した。バニングスと月村は動物病院からだと方向が違うので今は高町と二人で帰っている。
「八幡君、ちょっと寄り道していいかな?」
「別にいいぞ。」
高町は不安そうな顔をしてそう尋ねてきた。さっきの一件のことではないのだろう。
―――朱色に染まった海岸沿いを二人で歩く。
ぽつりぽつりと高町は話し始めた。
「私ね、何にもできないの…。私がちっちゃいときにお父さんが事故にあって入した時があったの、その時丁度翠屋を始めた時で、お母さんは一生懸命私たちに寂しい思いをさせないように頑張ってくれて、お兄ちゃんとお姉ちゃんも家の手伝いとかお店の手伝いとかをしてたの…。そんな時に私は何してたと思う?」
(何もできなかったんだろう。)
だが、俺は言葉にせず無言でいた。
「何もしなかった。何もできなかったの。今でも思うの…、どうして私の手はこんなにも小さくて、こんなにも無力なんだろう…って。]
そういうと高町は俺の胸に顔をうずめて来て小刻みに震えている。
わかる…。行き場のない気持ちがどこへも出ていかず今日の将来についての授業を聞いてるうちに、自分には何ができるんだろうと考えているうちに思ってしまったんだろう…と。
「まぁ…、なんだ。今は周りに誰もいないしもっと吐き出してもいいんじゃないか?」
胸元にある頭を優しくなでてやると今まで我慢していたものが噴き出してきたのだろう、泣き出してしまった。
『主様は罪なお方ですね。』
(黙ってろ白、今はそんな冗談に付き合ってられん)
頭を撫でてやりながら前世でいじめられていた時の妹を慰めていた時のことを思い出していた。
(いまさら、考えたってしょうがないけどな…。)
何もできないことに悔しいのはわかる。だけどわからないのはなぜ俺なのかだ。バニングスや月村といった親友に相談すればいいんじゃないか…と思った。
10分ぐらい泣き続けた高町は、泣き終わると顔を赤らめ下を向いて黙ってしまった。
「お前の気持ちはなんとなくわかる。だが間違ってるぞ、お前はお前が思ってるほど無力なんかじゃない。バニングスや月村とお前が友達になったのだってお前がいたからだと思うしな。俺だってお前がいなきゃ…その、あいつらとも知り合ってなかったわけだしな。感謝してるよ。」
「う…ぁ…。」
高町の顔はゆでだこのようになっていた、
「あ、ありがとう。それじゃあ…また明日!」
そういって高町はすごい速度で走って行ってしまった。
(そんなに怒らせるようなこと言ったか俺?)
――――なのはside―――――
今日の授業で将来のことのお話があった。私は何がしたいんだろう、何ができるんだろうと考えてるうちになんだか寂しいような苦しいような思いになった。
怪我したフェレットを預けた後、八幡君に寄り道のお誘いをし、胸の内にあることをすべて話してしまった。
不思議でならない…、八幡君だったら受け止めてくれるんじゃないかと思ったら、口が勝手に動いていた。私がしゃべっている間八幡君は無言で話を聞いていてくれた。
話が終わって、泣きそうになって、泣き顔を見られたくなくて八幡君の胸に顔をうずめた。
彼は、「吐き出していいんだ」と言い、私の頭をとても優しくなでてくれた。泣いている間ずっと…。
泣き終わった後は恥ずかしくて彼の顔を見ることが出来ずに下を向いていた。そうしてたら彼が、
「お前の気持ちはなんとなくわかる。だが間違ってるぞ、お前はお前が思ってるほど無力なんかじゃない。バニングスや月村とお前が友達になったにだってお前がいたからだと思うしな。俺だってお前がいなきゃ…その、あいつらとも知り合ってなかったわけだしな。感謝してるよ。」
なんて言って微笑んだ。
「う…ぁ…」
私は八幡君にそんなことを言われるとは思わなかったので驚いて顔を上げると彼は微笑んでいた。
顔が熱くなるのが分かり、これ以上恥ずかしい姿を見られたくなくて走ってその場を逃げた。
家に帰ってベットに飛び込む、目を瞑ると彼の微笑んだ顔が浮かんでまた顔が熱くなる。
「どうしちゃったんだろう…私。」
お母さんが夕飯できたと教えに来るまで、私はずっと彼のことを考えていたのだった…。
ご飯時までフェレットを保護していいかを聞くのを忘れていた高町なのはであった…。
どうもゲルです。
どうでしたでしょうか?なんでいきなりこんなに好感度上がってんの?状態でしたが気にしないでください。
次回はついに…ほんとにやっとなのはが魔法少女となるでしょう(仮定)
今後も頑張って投稿していきます。ご意見ご感想ご要望ご質問お待ちしております。
では、さらば