やはり俺が魔法少女?なのは間違っている   作:磯山ゲル

3 / 14
3話目投下です。




キャラ崩壊がまじやべーですが、どうぞ!


初戦闘

晴れた土埃から出たサソリ型の怪物はまだ本調子ではないのか体を小刻みに震わせている。

 

『主様、やつの名は樹毒(じゅどく)。尾から毒を発射してきます。気を付けてください。』

(なんか、昔見た〇イドに出てきたサソリみたいだな…。黒い霧を纏ってるがあれも毒か?それとも認識阻害とかか?)

 

 

「白、人への被害を抑えることはできないのか?このままじゃ街に出て相当な被害が出ることになっちまう。」

『結界が張ってあります。建物への被害を抑えることはできませんが、人への被害をなくすことが出来ます。』

「なるほど、俺が来た時にはもう張ってあったわけだ。道理で周りの音がいきなりなくなったわけだ」

 

『来ます!後方へ飛んでください』

いつの間にか樹毒は大鋏を振り上げていた。白の指示通り後ろへとジャンプする。少し飛んだだけのつもりだったが、鳥居の上を通り過ぎ、街へと身を投げ出していた。

『飛行』

白がそういうと、落下が止まり宙にとどまる。

「おお、空も飛べるのか。で、次はどうするんだ?」

『まず、遠距離からの毒発射が可能な尾を切り落とします。斬撃を飛ばすイメージをして私を振ってください』

イメージ…、斬撃を飛ばしてあいつの尾を切り落とす…。

「おりゃああああ‼‼」

思い切り振った刀から白い線がまっすぐに境内にいる樹毒へと飛んでいく。

―――しかし、その斬撃は境内の石畳をえぐっただけだった。

跳んだのである。尾の先端をこちらへ向けて八幡へと樹毒が近づく。

(やばい―――)

そう思ったのもつかの間、尾の先端から緑色の液体が発射された。 

『――障壁――』

 

毒液は俺の前に突如現れた白い障壁に阻まれ蒸発していった。

「白!シールドみたいの使えるなら早くいってくれ。」

樹毒の高度は下がっていく。跳ぶことはできても飛ぶことはできないようだ。

『申し訳ありません主様。この障壁は主様の魔力を使って発生させているものです。』

「…いや、発動してから言われても…。」

(なんだろう…、もしかしたら白って残念なのか?)

 

「…とりあえず、もっと速く動くことはできないか?最初に脚を切って機動力を落とした方がよさそうだ。」

『あなたがそう望むのであれば。イメージしてください、もっと早く動いて脚を切り落とすことを。』

白が言った通りに目を瞑ってイメージする。

 

(もっと速い自分…)

 

目を開いて落下している樹毒を見る。樹毒が着地するまであと5秒ぐらいだろうか?

ただ今の俺には落下している樹毒がスローモーションに見える。

 

(3,2,1…今!)

 

タイミングを計り樹毒が落下する寸前に地面に着地し白影を横一線にふるった。

その刃と刃から飛ばした斬撃が樹毒の四対あったうちの前二対の脚を切り取りその場から離れるように後方へとジャンプした。

(これぞ、一撃離脱方法!…なんてな)

「!?」

着地しようとしていた樹毒は今まであった脚が半分に減ったことでうまく着地することが出来ずに住宅街の道路に叩きつけられる形となった。

 

『主様すごいです!』

屋根の上に着地すると白は興奮したようにそう何度も繰り返す。

「ああ…で、とどめを刺すにはどうすればいいんだ?」

『あっ、えと…私を樹毒の胴体に十秒ほど刺し続けていただければ封印できます。』

思い出したかのように白が言う。やつが落ちた位置ではまだ土煙が上がっていてやつを確認することが出来ない。

「わかった。煙が晴れたら―――っ‼。」

煙の中から毒液が飛んできた!俺はとっさに他の屋根に移ることでそれを回避する。

 

「あいつ…、鋏を前脚代わりにしやがったのか。」

樹毒は鋏を地面に突き立てて尾からの毒液で攻撃してきたのだ。そして尾からまた毒液を発し……

 

 

前方へと走り出した。

 

「は?」

(なんで俺じゃなくまっすぐに…)

屋根へと飛び移りそんなことを考えた。

『主様!樹毒の前方に生体反応です!』

白が叫ぶ。(っち、そうゆうことか!)

やつの行く先に目を向けて初めて気づいた。――俺以外の人間に――

 

気づいた時にはやつは、小さな存在…茶髪で髪を両サイドに束ねている女の子に鋏を振り下ろそうとしていた。

さっきの感覚がよみがえる…下ろされる鋏がスローモーションに感じられる。だからわかる…

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきの速度じゃ間に合わないと―――。

 

 

 

 

 

 

 

そうわかっていても彼は動いた。――助けたいから。

「間に合えええええ。」

刹那、彼の目の前には鋏を振り下ろさんとする樹毒の姿があった。

(―――は?)

とっさのことで戸惑いながらも白影で鋏を受ける。

(意味が分からん、なんでいきなりこいつが俺の前に現れたんだ?)

鋏を受け止めながらもそんなことを考えてしまう。

「ギイ?!」

受け止められた樹毒も驚いている。そして、このままではらちが明かないと考えたのか後方へジャンプし八幡との距離をとる。

樹毒が距離をとったため、状況把握する余裕が少しできた八幡は後ろを振り返ってみる。

そこには腰を抜かして自分を見上げるさっきの女の子がいた。

(白、どうゆうことだこれは?)

短距離瞬間移動(ショートジャンプ)です、主様』

心の中で白に聞くと返事が返ってきた。

(瞬間移動も使えるのか…、だから先に言えって。)

『申し訳ありません。それと、使えるのはあと一回ですので気を付けてください。』

(…わかった。これが終わったらいろいろ聞くからな)

『承知いたしました。』

心の声…、思念通話とでも言っておこうか。思念通話で白との会話を終える。そして、おびえている少女に手を差し伸べた、

「大丈夫?」

少女は俺の手を取り立ち上がる。彼女の頭を優しくひと撫でする。

「今はおうちに帰りなさい。人がいないのが不安かもしれないけれど、ベットで寝て、目を開ければ今まで通りにもどるわ。…だってこれは夢だから。」

そう優しく言ってあげると少女は涙を拭き、コクリとうなづいてから走っていった。

 

 

 

―――強いな…。

そんなことを思った。普通だったらその場で動けなくなってしまっているだろう。

(…というか、女の人のしゃべり方になってた…。ナニコレハチマンワケワカンナイ)

 

恥ずか死しそうな状況を我慢し、前の樹毒を見る。やつはキチキチと体を動かしこちらの見たまま動かない。

『さっきの接触時に電気を流しておきました。しばらくは動けないはずなので今のうちに封印をしてください主様。』

(…残念なのか優秀なのかわからんな…)

それはともかく―――と、八幡は駆け出し樹毒の眉間に白影を刺し込む。

「キイイイイイイ!!」

甲高い声とともに樹毒の尾から俺に向かって毒液が発射される。

(‼――動けないんじゃないのかよ!)

白影を刺した右手はそのままで、左手を毒液に向ける。

『――障壁――』

障壁で毒液を防ぐ。

「今だ白!封印を」

『はい!――――――――封印!』

白影が発光するとともに樹毒が霧となって霧散する。

「これで終わりか?」

『はい、そこにある黒い球に私で触れてください』

樹毒が霧となって消えた後、その場に残ったのはゴルフボールぐらいの大きさの黒い球だった。

「こうか?」

白影を近づけると黒い球は白影の中へと吸い込まれていった。

『封印完了…お疲れ様です主様』

「お疲れ様…、んじゃ俺の家に帰るとするか。」

『はい』

 

――そうして八幡の魔法少女としての長い夜が終わったのだった―――

 

 

 

 

 

 

家に帰ったら、父さんにめちゃくちゃ怒られました。母さんには泣きながら心配されましたです。正直怒られるのよりもきつかった。…ほんとにごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――女の子side―――――

 

今日は入学式だった。学校で友達もできたし、明日からも楽しみだなと思ってベットに潜った。

ドオォォォォォォン!

大きな音がし、地面が揺れ、私は驚いてベットから飛び出した。

「なっ、なに!?」

ベットから飛び出した私はお父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃんを探した。

 

けど、誰も家にはいなかった。ちょっとした正義感だったのかもしれない。場所を調べてパトカーや救急車を呼ばないと…、そんな考えだった。

私は家を出て、音のする方へと走っていった。

 

家から少し離れた山の近くの住宅街、その道路の真ん中で大きい何かが動いている―――。

土煙でよく見えなくて、でも場所が分かったから110番をしようと携帯を持った時だった。土煙の中から大きな、子供の私にはとてつもなく大きな黒い塊が私に向かってきた。

「――っぁ!」

声も出すことが出来ずにその場にへたり込んでしまった。

黒い塊は鋏を振り上げ私に向かってそれを振り下ろした。私は、目を瞑ることしかできなかった。

 

でも、衝撃が私を襲うことはなかった。

訳が分からず、目を開けた。

黒い塊と私の間に、白くてきれいな髪をした女の人が立っていた――。

(キレイ。)

こんな状態でもそんなことを思ってしまうほどその人はきれいだった。

 

黒い塊が女の人から離れると、女の人はこちらを向き少しの間ジッと私を見ていた。

「大丈夫?」と、その人は私に手を差し伸べてくれた。私はその手をとり何とか起き上がった。

彼女は立ち上がった私の頭を撫でながら、

「今はおうちに帰りなさい。人がいないのが不安かもしれないけれど、ベットで寝て、目を開ければ今まで通りにもどるわ。…だってこれは夢だから。」

そう言った。私はうなずき落ちた携帯を拾って、彼女に言われた通りに走って家へと帰って、ベットに入り目を閉じた…。

 

朝――、

目が覚めた。夢を見た、白い髪をして耳としっぽが生えたきれいな人が黒い塊に襲われそうになっていた私を助けてくれる夢。

 

携帯のアラームが鳴っている。私は、携帯のアラームを止めるためにベットから出て、携帯に手を伸ばす…、

携帯には夢の中で落とした時のキズがついていた。

(夢じゃ…なかった?)

そんなことを考えていると下の階からお母さんの声が聞こえた―――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なのはー、朝ご飯出来てるわよー。」

「今行くー。」

ぱたぱたと階段を下りる。

(あの人にまた会いたいな。)

そんな考えがずっと私の頭の中に残っていた―――――――――。

 




どうもゲルです。

3話目も無事、無事?投稿できました。
お気に入り登録、感想くれた方々のおかげだと思っております。


戦闘描写は苦手です。ぐっだぐだで申し訳ありません。
ここで、なのはちゃんの初登場です!

無印はオリキャラの入り込む余地がなかったので少しだけ魔法少女になる前に出会わせちゃいました(テヘペロ)

まぁ、今後も頑張って投稿していきたいと思っております。ご意見ご感想ご要望お待ちしております。

では、さらば!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。