前話お気に入り登録してくれた方々のおかげで、布団という誘惑に負けず書くことが出来ました。
ではどうぞ
「はじめまして、比企谷八幡です。えっと…、よろしくお願いします。」
(なんで、こんなところでも詰まっちゃうんだろうなぁ…)
そんなことを考えながら席に座る。因みに父さんたち保護者組は入学式が終わって解散した。父さんは先に家に帰るそうだから帰りは一人で帰ることになっている。
「それじゃあ皆さん、これから六年間一緒に勉強するお友達だから仲良くするようにね。」
「はーい。」
見た感じ、若くて明るいお姉さんのような担任だな。それに元気に答えるのも小学生だから当たり前か…。
「じゃあ、今日はおしまいです。みんな気をつけて帰るのよー。」
そう担任が言うと、子供たちは近くの席の奴と話したり、ランドセルをしょって教室を出て行ったりしている。
(俺も、帰るとするか…。)
ランドセルを背負い校門から出る。校門付近にリムジンが止めてあったのは気にしないでおこう。
校門を出てしばらくたった時だった。
『―――――――――て』
「ん?」
(声が聞こえたような気がしたんだけどな。)
『誰か、力を貸して――』
(聞こえた!ほかの通行人は気づいてないみたいだが…)
昔だったら気にしていないかもしれない。でも、ここでは何もしないなんてことはしたくないと思った。
――自然と足は声のする方、山の方へと向かっていた。―――
「はぁ、はぁっ…、結局どこだここ。」
走っている間ずっと声は続いていた。そしてたどり着いたのが古い神社の境内だった。
(階段長かったし、ずいぶんと高くまで登ったけど…。)
そこからは、街が一望できた。時刻は既に夕暮れ時、赤く染まった街を日が沈むまで見ていたいところだがここに来たのは理由があることを忘れてはいない。
「おい!誰だか知らないけど来たぞ!どこにいるんだ!」
声を大きくして神社に向かって叫ぶ。
―――時が止まったかのように音が消えた―――
先ほどまでうるさいほどだった鴉の鳴き声も、草木が風で揺られている音も、すべてが俺が叫んだあとに消えたのだ。
『こちらです』
社の戸が開き中から今まで俺を呼んでいた声が中から聞こえた。
――ごくん。
この中じゃ唾を飲み込む音ですらずいぶんと響くもんだな。
そんなどうでもいい考えをしながら俺は社の中へと歩を進めた。社の中は外のぼろさとは打って変わってきれいなものだった。ただ、人の住んでいるようには思えなかった。
『私の声を聴くことが出来る方をずっとお待ちしておりました』
中の様子を見ていた俺の視線は声のする方―――社の一番奥へと向けられた。
「お前が、声の主…で間違えないのか?」
俺はそう声の主であるとされる、最奥に置かれた刀へと語りかける。
『ハイ、間違えありません。私がここにあなたを呼んだのです』
「で、俺は何をすればいいんだ?そもそもお前は何なんだ?」
『私の名前は…、
…うん、ファンタジー。
え?何この展開、刀と話してるだけでもおかしいってんのに封印されていたものと戦うの?俺が?…あー、おうちかえってマッカン飲みたいなあ。
「それで…、その封印された力ってのを倒すには俺はどーすればいいんだ?」
『私と契約してください。そしてその力でやつを倒すのです。』
―――僕と契約して魔法少女になってよ…的なやつか?
「いくつか聞きたいんだがいいか?」
『ハイ、私でできることであればお答えします。』
刀-白影―はそう言いきらりと光った。
「まず、お前と契約する上でのメリットとデメリットを教えてくれ。」
まあ、魂を宝石にしたくないし当然だよね。
『メリットは、強大な力を得ることが出来る…でしょうか?えっと、デメリットは…。』
言葉が途切れる。
(なんだ?やっぱり宝石になっちゃうのか?)
「言えないぐらいやばいことなのか?」
『いえ…、その申し上げにくいのですが…わからないのです。』
「は?」
『私は生まれてこのかた、やつの封印のために力を使い続けていました。ですが、いままでに私と契約したものはおらず…、どのような悪影響を及ぼすかはわからないのです。』
「封印のために作られたってことか…。で、そのやつってのの封印が解けそうになったから協力者を探していたと。」
『ハイ、その通りでございます。』
「じゃあ、二つ目だが、その封印ってのはあとどんぐらいもつんだ?」
――これも重要だからな。もう少し時間があれば特訓も『あと数分でございます』
…は?
「は?」
「えっと、じゃあ俺がお前と契約するしかないってことじゃねえか。」
『そうです。それと私のことは
頭をかく、どうしようもないなとも思う。
俺にはこい―『白でございます。』白と契約する力があって、時間がない。
少しの間腕を抱え考えた。この世界の家族を失いたくはない。そう考えるということ自体答えがもうできてるんだと思った。
「わかった…。契約する。」
『本当ですか!数百年待ち続けた甲斐がありました。』
「で、何をすればいいんだ?」
嬉しそうにカタカタと揺れる刀に聞く。
『では、最初にお名前を教えてください。』
「比企谷八幡だ。」
そういうと刀は淡く光り始める。
『マスター登録。比企谷八幡…認証。それでは私を手に取り私の言う言葉に続いて下さい。』
歩を進め、白影を手に取る。小学校上がりたてだと持つのに苦労する。
「おい白…。この重さじゃ持つので精一杯なんだが…。」
持っているだけで息が切れるほど重い。
『女の子に重いなんて言ってはダメですよ主様。ですがそうですね。その体には負担が大きいので主様に合わせます。』
そういうといきなり刀が軽くなった。
「どうなってんだこれ?」
『主様の肉体を一時的に強化いたしました。契約後はなるべくこの状態で過ごしていただくことになりますが…。』
刀が軽くなったわけではなく、俺が力持ちになったらしい。
「それじゃあ、契約とやらを続けてくれ。」
『はい、それでは…、〈我が求むるは力なり、悪を切り裂き、善を切り裂き、愛しきを守らんがための力なり。〉』
「我が求むるは力なり、悪を切り裂き、善を切り裂き、愛しきを守らんがための力なり…」
『〈我が名のもとにて契約する。我に力を与えたまえ――〉』
「我が名のもとに契約する。我に力を与えたまえ。武装…白影‼」
全てを言い終わると同時に刀から光が発せられ八幡を飲み込んだ。
「う…ん。」
『主様!契約は成功です!』
「そうか、そいつはよかったな…。で、何が変わって…えええええええ!?」
俺は社内に置いてあった鏡で自分の姿を見た。
見たんだが…。
鏡の中には巫女服を着た銀髪ロングの美少女がいた。しかも、狐の耳としっぽまで生えていた。
「おい、白。これは一体どうゆうことだ?」
『おそらくこれが、私のデメリットとやらなのでしょう。しかし、―――が流れているとは驚きです。』
なるほど、これが白のデメリットねぇ。最後の方はなんかぼそぼそ言ってて聞こえなかったが…。
『‼主様、封印が解けます!早く外に!』
地面が揺れ始め、白に言われるがまま外へと出る。そして俺が出るのと同時位に社が大きな音をたてて崩れた。
土煙が上がる。
『主様、戦い方は私が教えます。一緒にやつを倒しましょう』
白が語り掛けてくる。まぁ、俺も巻き込まれてしまったのだからもう逃げることはできないが…。
そんなことを考えてるうちに土煙が晴れる。
土煙の中にいたのはトラックほどの大きさのサソリの形をした化け物だった。
どうも、ゲルです。
2話目書きました。
中途半端なところで終わりますがご容赦ください。
それは、ともあれ八幡女の子になっちゃいましたねえ(ニヤニヤ)
イメージとしてはストライクウィッチーズのエイラが巫女服を着て、耳としっぽが白くなったといったところです。絵がかければ…
ともあれ、これからも頑張って登校していこうと思ってますので、ご意見ご感想ご要望などどしどしください。
…TSタグつけた方がいいのかなぁ?