ポケモン×ボイスロイド ボイスポケット   作:SOD

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やっと……やっとバトルシーン書き終わったよ……2話同時投稿します。読んで感想聞かせてね…聞かせてね……うふふふふ。ねっむい……


55.【死】を払え、放て全力。勇気を込めて

時はナツメがずん子のキーストーンを手に入れた頃に遡る。

 

ナツメ「フフフ。なるほど、この女は東北ずん子と言うのか。」

 

エスパーとしての超能力でずん子の頭の中を覗くナツメは、その時初めて、ずん子が結月ゆかり、弦巻マキの仲間であることを知ったかのように呟く。

 

ナツメ「ただ資質を持っているだけのトレーナーかと思ったが、これは好都合だ。」

 

???「ほう?それはよかったですね」

 

ナツメの隣にいた何者かがそう言った。

 

「この女の悪の資質を使えば、研究途中だった【ダーク】を試作段階まで上げることが出来る。そして終われば用済みです。

貴女の任された作戦の遂行に役立つなら、無駄なく使い潰せると言うもの」

 

ナツメ「ああ。タマムシ学園に封印されているアレを手に入れて、更に【ダーク】を完成させれば【Ur】を手中に収められる。そうすれば、全てをレインボーロケット団の支配下に。

【M2】も【D】も全てだ」

 

「そのためにも貴女の作戦は必ず成功させなければなりません。失敗は許されませんよ?」

 

ナツメ「キサマに言われるまでも無い。【光を喰らうモノ】は必ず手に入れる。

これは既に決まった未来だ。」

 

「それは凄い自信ですが、勝算は?」

 

ナツメ「フン・・・この時の為にロケット団の科学力で量産し続けた『けいけんアメM』を与え力量(レベル)を30程度まで上げ、同じく実験で量産化した『ノーマルジュエル』を持たせたタマタマと、たった今手に入れた

 

ーー()()を使う。」

 

「・・・・・・キーストーン。ですね」

 

ナツメ「そうだ。これを使い、私のフーディンをメガシンカさせれば、この基地に置いた状態からでもタマタマをテレポートさせられる。

 

そして、私はすでにこの作戦の成功を視ている。

あの結月ゆかりが血に沈む姿を。

私の予知夢によって、タマタマのだいばくはつで木っ端微塵になる弦巻マキを!

 

私の勝利は、このキーストーンによって確定した」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

クーガ「フーやっと出来たロト~まったく、頭脳労働担当のボクにはきっつい仕事だったロト」

 

そして、舞台は現代に戻る。

フロストロトムのクーガが海を凍らせて充分な足場を確保し終えた。

 

ナツメ「・・・・・・さあ、最期の仕上げだ。弦巻マキ、貴様をあの女の元へ叩き落とす」

 

悪意に満ちた愚劣な笑みを浮かべながら、マキに届かない声で宣言するナツメ。

 

 

マキ「よっこいしょ・・・っと。

ありがとう、クーガ。

アクア、ブレイズを乗せてあげて。ブライトは『オボンのみ』を食べて。」

クーガ「ほい、マキ。まんたんのくすりロト。」

マキのリュックから出て来た素ロトムのクーガがマキに手渡す。

 

マキ「うん。ありがとう、クーガ。はいブレイズ。『まんたんのくすり』だよ。それから『ねむる』」

 

ナツメが何もしてこないことを不思議におもいつつ、マキはだいばくはつに巻き込まれた2匹の体力を回復させることに専念する。

 

クーガ「・・・・・・ねえアクア。

あのナツメとかいうオバサン、何で攻撃してこないロト?」

 

アクア『分かりません。ですが、あの敵に良心を期待するのは無理でしょう。

決して隙を見せないようにして下さい、クーガ』

 

クーガ「ふーん。ボクは自分の目で見た物とマキのおっぱい以外信じないロト。

だからちょっと見てくるロト。もしかしたら微粒子レベルの可能性で優しい美人のお姉さんに目覚めた可能性!!」

 

アクア「な!?クーガ、行けません!戻ってきて下さい!!」

 

マキのロトムのカタログで扇風機を出して『スピンロトム』へフォルムチェンジしたクーガは、ナツメの元へと飛んで行く。

 

 

ナツメ「何だ?何かがやって来る・・・・・・こんな光景は予知夢で視てはいないが・・・・・・」

 

警戒しつつも、自身の周りにはメガフーディンとスリーパーがいる。

あの程度のポケモン一匹では脅威にはならないと思い、予知夢の未来を外れないことを優先した。

 

クーガ「ねえオバサン。何で攻撃してこないロト?腰でも壊したロト??

大丈夫ロト?お婆ちゃんロト?人生のセーブ&ロードは出来ないから年寄りの冷や水は控えた方が良いロトよ?」

 

ナツメ「こいつぶち殺せ」

 

手持ちの残りポケモン全てをボールから出し、抹殺命令を下したナツメ。

その沸点はオリーヴよりも低かった。

 

クーガ「ぎゃああああああああああーーー!!!!」

 

無情に連射されるねんりきやサイケこうせんを目から滝汗を流しながら回避して、逃げ帰ったクーガ。

 

 

 

クーガ「あのオバサンが美人で優しいお姉さんとかほざいたバカは誰だ」

 

アクア「・・・・・・。(ゲシゲシゲシ)」

ブライト「・・・・・・。(ゲシゲシゲシ)」

 

そんな戯れ言に対して、アクア、ブライトは無言でクーガを踏みつけまくった。

 

クーガ「ぎゃあああああーー弱いモノイジメする奴は心が汚いいいいいいいいーーー!!!!」

 

 

 

ナツメ「何だあのポケモンは・・・まあ良い。そろそろ準備は出来た頃だろう。

メガフーディン、この辺り一帯の全ての海水をテレポートで奴らの真上に上げろ!!」

 

メガフーディン「フー・・・・・・ディン!!」

 

大粒の汗を流しながらもナツメの指示通りにテレポートを実行するメガフーディン。

しかし、いかにメガの力といえど、限界が近いのが伺えた。

 

ガクン!!!!

 

マキ「キャアッ!??」

 

突然、マキ達の足場の氷が大きく揺れて落下した。

距離にしておそらく1~2メートル程度だろう。

おそらく1~2メートル程度()()()()()()()()のだ」

 

マキ「・・・・・・・・・嘘・・・なにこれ」

 

シティ一つは簡単に飲み込めるであろう量の海水が頭上に現れたことで、マキは唖然とした。

この水が振ってくれば助からない。

 

アレは【死】だ。

 

重さで押し潰される。カラダの骨が無事では済まない。

耐えきれても、海底まで押し込まれ、呼吸が確保できずに、死ぬ。

 

 

ナツメ「助かる方法は二つに一つ。

自力で逃げるか、この海水を消滅させるか・・・・・・フフフ。

 

しかしありえないだろうな。私の予知夢はこの後にお前達を殺すことになっている。

あと三手詰めだ。だが、この一手に対抗する手が果たして打てるというのか?

 

の海水は、お前達の仲間のガキ共が使ったZワザでは決して対抗できまい。

 

それは、先ほどの【かえんレーザー】とやらでも一緒だ。表面積も体積も、あの程度の炎では対抗出来ない!!!ふははははははははははーー!!!!」

 

 

マキ「ーーアクア、クーガ。すぐにここを離れるよ!!」

マキはそう叫ぶと、腕に黄色のZリングを装着した。

 

 

ナツメ「ククク・・・そうだろうさ。お前は無様に尻尾を巻いて逃げるために、()()()()()()使()()()()Zワザを使うんだ!!

それでも果たして逃げ切れるかな!?さあ落とせ、メガフーディン!!!」

 

 

 

アクア『マスター、準備出来ました!!』

クーガ「いつでも良いロト!!」

 

マキ「うん!氷の足場ごと移動するよ!!アクアはハイドロポンプ、クーガはぼうふうでジェットスキーみたいに足場を運んでセキチクシティへ向かって!!

ブレイズ、ブライト、海水が落ちた後の津波に備えるよ!!あんな大きな海水が落ちたら、カントーが水没しかねない!!」

 

マキは海水を見据えながら危なげなくバランスを取って低く屈み、ブレイズはまんたんのくすりでHPは癒したが、すぐには戻らない生き物としての体力を少しでも回復するためにねむる。

 

 

そして・・・ブライトは瞳を閉じ『エレキフィールド』で場を整えながら、『じゅうでん』で電気わざの威力を限界まで高める準備に入った。

 

ブライト(・・・・・・マキ。)

 

この状況ーー命を落とす可能性も否定できない状況で、ブライトは僅かに走馬燈を視た。

自身が生まれた瞬間の光景。マキの母と、自身の母の笑う顔。

マキが生まれた瞬間の光景。自身の母は言った。

『ほら、お前のマスターで、妹みたいな子だよ。』

 

ブライト(集中しろ・・・・・・電気を・・・・・・)

 

初めてのジム戦。タケシのイワークとの戦いで、マキがケガをした光景。

初めての殿堂入り後のバトル。先んじて非公式ながらワタルを倒したゆかりとのバトルは、錯覚では無く、死神が自身の首を横切った。

 

ブライト(死に対抗するのも、マキの死を払うのも、今に始まったことじゃない。)

 

バチバチと電気袋から青い閃光が走る。

 

(マキ「・・・・・・ブライト・・・・・・・・・・・・『お兄ちゃん』。

私も死んじゃうのかな。お母さんが血塗れになって死んじゃったみたいに・・・死んじゃうのかなァ!?)

 

 

ブライト(集中しろ、前を向け、幻想しろ、生存を。妄想しろ、この後に転がる勝利をーーーーーー無ければ作れ!!無理でも笑え!!前に出ろ-臆せば死ぬぜ!!!!』

 

 

ズドオオオオオオオオオン!!!!!!

 

 

 

落とされた海水のバクダンが、今海面に叩きつけられ、爆ぜた。

マキ達は、アクアの決死のハイドロポンプで何とか移動が間に合い、直撃だけは避けた。

それでもアクアは力を使いすぎてピクンピクンと四肢が痙攣している。

だがそれでもすぐに襲い来る、第二の【死】大津波が。

 

ブレイズはまだねむるが続く。ブライトは完了する、覚悟の充電。

 

マキ「ブライト・・・・・・ブレイズ・・・・・・」

 

目の前に押し寄せてくる大津波。次第にハッキリしてくる。

自分たちの10倍はある波の高さが、逃げ出しても逃げ切れない、カントー水没という未来の光景が。

 

生きるか死ぬか。さあ、勝負の一丁目!!!!

 

 

 

 

 

マキ「ーーさあ、ギュンギュン行くよおおおおおーー!!!!」

 

ギュウウウウウウウウウウウンンンンーー!!!!

 

手元に取り出すはマキのエレキギター。思いっきりかき鳴らす!!

 

ギターの音に共鳴し、腕のZクリスタルが輝く。水晶に刻まれた紋章のカタチ、クリスタルに込められたZワザの名前を勇気を込めて叫ぶ。喉の許す限り。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マキ「グレートエレキファイヤアアアアアアアアアアアアアーーーー!!!!!」

 




ようやくシリアスとギャグ両方書く機会が作れた

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