そしたら、ボクもっとボイスロイドの青春学園物書くんだ・・・・・・フフフ。
ナツメとの戦闘で海に落とされたマキは、冷たい水の中で意識を失わないように抗っていた。
マキ(マズい・・・今メガフーディンにサイコキネシスで海水を操られて荒波にされたら、私は確実に窒息死する・・・・・・。)
腰に付けたモンスターボールと、水色の石を取り出すと、海面に向かって浮き上がろうと水を掻く。
マキ(お願い・・・ブライト。ブレイズ。ナツメを食い止めておいて・・・・・・!!)
そして、海面上のブライトとブレイズは。
ブライト「ピカッチュウ!!ピッカァ!!(うおおおーーん!!離せブレイズ、離してくれ!!マキが!!マキがあああ!!!)」
ブレイズ「ぱぎゅあ!!(何を言ってるのか全然分かんねえけど取り敢えず海に行くな電気ネズミ!!死ぬぞ!?)」
マキのポケリンガルが有効範囲の外へ出たことで意思疎通が出来なくなった2匹の方針は正反対。
マキを助けに行きたい泳げるブライト。
尻尾の炎は命の灯火であるブレイズ。
ナツメ「フフフ・・・弦巻マキが落ちた。トレーナーさえ居なければやつのポケモンでも烏合の衆だ。
さあ、トドメを刺してやろう。メガフーディン。『テレポート』だ!」
メガフーディン「フーディン!!!」
宙に舞うスプーンに超念力を集中し、ロケット団を召喚した時のように大きな力を働かせていく。
ブレイズ「ぱぎゅあ!!(何をするつもりか分からんが、やらせなきゃいい!)」
メガフーディンに割り込むように『かえんレーザー』を打ち込むブレイズ。
ナツメ「甘いわ!行け、スリーパー!」
ナツメもスリーパーを壁にして防ぐ。
スリーパー「~~~!??」
ブレイズ「ぱぎゅあ!!(あの女、自分のポケモンを盾にして防ぎやがった!)」
ナツメ「そろそろ良い頃合いか、メガフーディン」
メガフーディン「フー!!」
ナツメ「ではやれ!!メガフーディン【テレクスプロージョン】!!」
ブレイズ(テレクスプロージョン??全く聞き覚えのワザ名だ)
ドカーーーン!!!!!
ブレイズ「アアアーー!??」
ブレイズが一瞬の思考の間に、背後で何かが大爆発を起こし、衝撃に巻き込まれた。
その拍子にブレイズの手が離され、捕まれていたブライトが飛ばされる。
ブライト「ピッカァー!??」
吹き飛ばされたブライトは、カラダを翻して”みがわり”を使用する。
その”みがわり”はピカチュウのカタチを取っていた姿を変化させ、サーフボードに変化し、ブライトがその上に乗る。
ブライト『いってて・・・何が起こったんだ・・・・・・って、言語が翻訳された。
マキがこの近くにいるーーでも、今の爆発は』
上空を見上げると、ツバサがボロボロになったブレイズが、大きく息を乱して飛んでいた。
ナツメ「フフフ・・・【雷火】のリザードンも、トレーナー無しではこのザマだ。
さあ、もろとも死ぬが良い!!空に舞う群れに埋もれて!!」
ブレイズ「ぱぎゅあ・・・・・・(何?)」
ブライト『空・・・??』
ブライトは更に上空を見上げた。すると、白い雲に違和感を感じた。
ブライト『あの雲、ピンク色・・・・・・あ、違う。アレは!』
ピンク色の雲「タマタマタマタマタマタマタマタマタマタマタマタマ!!!」
ブレイズ・ブライト「『タマタマ』の群れだ!!」
一体何100匹居るかも分からない程のタマタマが、メガフーディンのサイコキネシスで浮いている。それは、キョダイな雲のようだ。
ナツメ「さあ降り注げ!!タマタマよ」
ナツメの合図を皮切りに、ブレイズに向けてキョダイ雲から千切ったわたあめを落とすように振ってくる。
ブレイズ「ぎゅお・・・(これはマズいな)」
ナツメ「だいばくはつ!!
ブレイズの周囲に六匹ほどのタマタマが囲った辺りで、ナツメが無慈悲な命令を下す。
ズドンーー!!!!
ブレイズを爆心地として
鈍く、カラダに響く爆発音と爆炎が広がった。
ブライト『ブレイズーー!!』
ブレイズ「ーーーーー」
声無き悲鳴を上げるブレイズは、カラダとツバサの肉を焼き、血管を焦がし、意識を刈り取られ、飛ぶ力も無いままに海面へ投げ出されていく。
リザードンの生命力を現す尻尾の炎は風前の灯火。
ナツメ「落ちてしまえリザードン!そしてしっぽの炎を消してしまえ!!」
ブライト『くっそー!!』
絶対に受け止められない体格差、この行動は実らない。
分かっていながら、ブライトはブレイズの着地点に移動し、受け止めようとする。
ナツメ「アッハッハッハッハ!!メガフーディン!タマタマをそこへテレポートさせろ。
タマタマはだいばくはつだ!!」
ブライト『ぐっーー!!』
僅かな抵抗、チリほどにも希望を許さず、徹底した動き。もう、2匹に打てる手は無い。
ナツメ「死ね!!【雷火】よ!!すぐにあの女も地獄に送ってやるさ!!」
勝利を確信するナツメが吠える。そして
ーーバシャン!
ナツメには決して届かない水の跳ねた音がして・・・・・・
マキ「ぷはぁっーー!!エヴォル、お願い!!」
浮かび上がったマキが、手にしていた”モンスターボール”と”水色の石”を投げ上げる。
エヴォルと呼ばれた茶色のポケモン-イーブイに、水の石が触れて進化、シャワーズへ。
マキ「ハイドロポンプ!!!」
『水よ、流水の槍となれ』
海面にエヴォルの片足が触れた瞬間。海水が巻き上がり、ブライトとブレイズを回避して、タマタマを上空へ巻き上げる。
ナツメ「なーー!??」
その水は、そのまま遥か上空に浮いているハズのナツメとメガフーディン、スリーパーの元まで届き、その後ナツメの命令を遂行したタマタマが”だいばくはつ”を実行した。
ナツメ「ぐああああー!!?」
マキ「アクア、ブレイズを助けて上げて!」
アクア『お任せ下さい、マスター!』
アクアと呼ばれたシャワーズは、ポチャンと海水と同化すると、ブレイズを水の塊として受け止めた。
ブライト「マキ!助かった・・・」
マキ「ゴメンね、ブライト。心配掛けて。
でも今はとにかく足場を作らないと、海で沈んじゃう。お願い、クーガ」
クーガ「ロト!」
でんき・ゴーストタイプポケモンのロトムが、ボールから出てくる。
マキ「ロトムのカタログから冷蔵庫で--フォルムチェンジ!!フロスト ロトム!!」
クーガ『ゴーゴー冷やすロト!!』
マキ「ふぶきで海を凍らせて足場を作って」
クーガ『お任せロト!!ゴーゴー!!』
一方、タマタマのだいばくはつに巻き込まれたナツメは、スリーパーが張ったバリアによって直撃を避けていた。
ナツメ「ぐっ・・・おのれ弦巻マキ・・・!!」
フロストロトムのふぶきによって足場を確保している今、マキは隙だらけだ。
今すぐタマタマを全部落としてしまえば、有効打になりうる。
ナツメの頭はそう判断している。だが、しない。出来ない。
ナツメ(それは、私の視た未来視には無いヴィジョンだ。
ここまで上手く未来視通りにやってきた。あの結月ゆかりすら、私の未来視に逆らえなかったんだ。いくら格下の弦巻マキとは言え、ここで万が一にでも失敗すれば
過去既に失敗を犯している私の幹部としての立場。なにより)
ナツメ「私自身が消される・・・・・・」
ナツメ(今のレインボーロケット団は、過去のロケット団とは比べものにならないほど冷酷な組織になっている。失敗は許されない!!)
だからナツメは待った。フロストロトムによって足場が出来るまで。
そして、その時こそ・・・・・・。
ナツメ「ここまで計画通り。そして--この後もな。
お前がZワザを使った時、私の勝利は決定する。」