ポケモン×ボイスロイド ボイスポケット   作:SOD

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いずれ簡単に挿絵追加したい話があるので、いつの間にか前の話に入っているかもしれません。

あとロリーズの戦いと言いながら今のところ茜ちゃんしか戦っていないこと、本当にすまないと思っている……


46.ポケモン図鑑、そこ代われ

茜のエビフライがヘビーボンバーでエルレイドの腕をへし折った頃、きりたんはウナと共に吹き飛ばされたハガネまるを診に駆けつけた。

 

ハガネまる「ガァ…」

 

きりたん「良かった…なんとか無事のようですね、ハガネまる。

オボンのみです。食べて下さい」

 

ハガネまる「ガァ…ン。(もぐもぐ…)」

 

ウナ「まぁ、これでウナ達の出番も終わりだろうし、あとは中の回復マシーンで回復してあげようなー」

 

きりたん「そんなものがあるんですか。ウナちゃん。」

 

よしよしとハガネまるの頭を撫でながら、ウナは敵の方を見る。

 

ウナ「うん。でも、まだ敵は戦うつもりみたいだけどなー」

 

きりたん「え?」

 

 

 

腕を折られ、骨が露出した痛々しい姿のエルレイド。

痛みに呻き、うずくまる様子をロケット団員は……

 

「……立て。エルレイド」

 

茜「なんやて?」

 

その言葉に、茜はますます険しい顔を見せる。

 

茜「そんなんケガでバトルなんて出来るわけないやろ!」

 

「凡庸なポケモンならばな。だが、私のエルレイドは別だ。」

 

茜「ホンマに、これ以上戦わせるつもりなんか…?」

 

「今からバトルで叩きのめし、キミの負ける姿を、お友達の前に曝してやろう!!」

 

胸のRのエンブレムに触れて、男は宣言する。

髪は蛇のように揺らめき、目は真っ赤に充血してーー

 

「レインボーロケット団、シャドー支部。ジャキラの名の下に命じる。

ーー目覚めよ。ダーク・エルレイド!!!」

 

エルレイド「アアアアアーーギィャアアアアアアアーーー!!!!」

 

ロケット団員の男、ジャキラの声にエルレイドは悲鳴にも近い雄叫びを上げた。

 

茜「なっ…!?あれはまさか、ダークポケモンか!?」

 

ジャキラ「さあ行け!!ダークエルレイド!!

シャドーの力を我らが怨敵にみせつけるのだ!!!」

 

エルレイド「エルァァアアアアアーー!!!」

 

茜「こんなん……なんでや…っっ!!

エビフライ!!」

 

エビフライ「ヤデー!」

 

 

 

 

 

きりたん「あれって……もしかして」

 

ウナ「ダークポケモン。そう思うな…」

 

きりたん「じゃあ…まさかアイツがずん姉様に……」

 

きりたんの目に、狂気が混じる。

 

ウナ「でも、もうハガネまるは戦えないよ?

一度ジムリーダーにやられて、げんきのかたまりでドーピングして、もう限界な」

 

ウナの言葉に、浮かんだ狂気が瞳から消える。

 

きりたん「………。」

 

ハガネまるをボールに戻し、別のボールを手に取る。

 

ウナ「サイドン、使うの?」

 

きりたん「…………。」

 

考える。東北きりたんは考える。

サイドンのユカリを使ったとして、勝ったとする。

だがソレは、きりたんが否定した勝利だ。ソレは東北きりたんの勝利では無く、結月ゆかりの勝利。

 

勝ちたいハズの相手の力を、何度も頼りにするのか?

 

茜「きゃあーー!?」

 

考えが纏まらない内に、茜の悲鳴が聞こえる。

 

 

ジャキラ「フハハハハ!!どうだね?ダーク・エルレイドの力は!?」

 

茜「やかましいわ!!」

 

ジャキラ「そうかね!エルレイド、サイコカッターだ!」

 

茜「ぐっ、まるくなる!!」

 

ジャキラ「フハハハハ!!グロウパンチ!!」

 

茜「ころがるで躱して、のしかかり!」

 

ジャキラ「無駄だ!インファイト!!」

 

エビフライ「ギャー!!」

 

茜「ぐうっ……!!」

 

 

 

ウナ「このままじゃ、茜パイセンもすぐに……」

 

ウナはゆかりから受け取ったポケモン図鑑を起動する。

 

メタモンLv42

 

エルレイドLv60

 

ウナ「レベル60…ウナのしらすどんより、強い。」

 

今度は、きりたんのハガネまるの入ったボールに向ける。

 

ハガネールLv40

 

きりたん「どうです?」

 

ウナ「ダメ。レベルはかなり上がってるけど、やっぱり全然足りてないよ。

 

それに、腕が折れてるのに戦ってる辺りもう、ダークポケモンって、戦闘不能にするには()()()()で一気に体力削りきる位しないとダメなんじゃ無いかな?」

 

ちらり、とウナはきりたんの持つ、ユカリのモンスターボールを見た……。

 

 

 

きりたん「物凄い力…………ですか。」

 

 

 

 

一方、茜もまた、自身の赤のZリングに意識が行っていた。

炎Zーーそれを使うには、戦闘不能になっているエンテイをげんきのかたまりで起こす必要がある。

 

問題は……

 

茜(オーキドのお爺ちゃんが言うとった。Zワザには幾つか決まりがあるって……)

 

一つ、Zワザは同じタイプのワザの威力を限界まで高めるワザの奥義。

一つ、それを撃つポケモンの元々の力によって、威力が大きく変わる。

 

一つ……

 

茜(Zワザは、トレーナーの寿命をワザに変換する諸刃の剣。故に、一日に1発撃てば、命の保証は無い。)

 

ジャキラ「フフフッ!苦痛に歪むその顔は、私の胸を晴れやかにしてくれるな!」

 

葵「お、お姉ちゃん!私も一緒にーー」

 

茜「アカンよ、葵ちゃん!

ダークポケモンは、理性も感情も奪われ取るんや!

ポケモンだけやなく、葵ちゃん自身も狙われる。

葵ちゃん守りながらはウチも戦えんのや」

 

葵「うっ…」

 

エビフライに何とか指示しながら、自身と茜の身を守りながら戦う茜は、既に余裕が無く、今の状態の葵の参戦は、残念ながら足手まといだ。

 

茜(もうこうなったら、オムレツに交代して……)

 

 

茜が交代を考えたその瞬間、他で戦っていたであろうポケモンのワザが、茜達に飛び火した。

 

茜「えっーーキャアアアアーー!!!?」

 

エビフライ「ヤー!?」

 

その隙を、ジャキラは逃さずにたたみ掛けた。

 

 

ジャキラ「トドメを刺せ!!ダークラッシュだ!!」

 

 

折れた腕を振り回し、エルレイドが激突する。

その衝撃で、茜とエビフライは、ハガネまると同じく校門に跳ね飛ばされた。

 

 

葵「お姉ちゃんっっ!!」

 

 

きりたん「ウナちゃん!!」

ウナ「オーライオーライ!!」

 

きり・ウナ「キャッチ!!!」

 

 

エビフライはそのまま校門に激突。

茜は、きりたんとウナがなんとか受け止める事に成功する。

その様子に、葵は胸をなで下ろした。

 

きりたん「生きてますか、茜さん?」

 

茜「ううん…なんとか。ありがとうな。きりたんちゃん、ウナちゃん。」

 

ウナ「お構いなく~」

 

だが、茜は無事だが、ダークラッシュが直撃したエビフライは、ひんし状態だ。

 

茜「あかんな…アイツ強いわ」

 

きりたん「そりゃ、レベル20くらい離れてますしね」

 

茜「そうなん?」

 

きりたん「図鑑確認しなかったんですか?チョイチョイやってたのに」

 

茜「ちょっと、冷静やなかったなぁ…ごめんなぁ、エビフライ…」

 

きりたん「そうですか。それじゃ、冷静になったところで、私の話を聞いてください。

 

 

アイツをみんなでぶちのめしますよ」

 

 

そう言いながら、きりたんはウィンクしながら、自分のポケモン図鑑に軽いキスをした。

 

 

 




実は次の展開が浮かんでいないまま書いていること、本当にすまないと思っている…


ああ、早く学園編に移行したいわん

ポケモンバトルに出血や打撲やら、リアルな描写を入れることで緊迫感を出したいと思っていますが、読んでみてどう思いましたか?

  • 緊迫感が出ている
  • かえってバトルに集中できない
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