ゆかりが伝説のポケモンフリーザーと対峙していた頃……。
きりたん「…おっせえ」
茜「せやな~」
ウナ「う~な~~」
幼女三人組が校門前に到着し待ちぼうけていた。
きりたん「なにか時間潰しになることでもしますか…」
茜「しりとりでもする~?」
ウナ「茜パイセン。ソレ、やっちまったら最後のやつなー。
絶対退屈でストレス溜まる」
きりたん「じゃあウナちゃんのポケモンを見せて貰うってのはどう?」
ウナ「ウナのポケモンか~。じゃあ、出て来いウナのドラゴン達!」
ウナの手から放たれた三つのボールから現れたのは
シビルドン、マッギョ、エモンガの三体だった。
茜「…………どらごん??」
ウナ「お~ドラゴン強いウナのポケモン達だぞ!
特にシビルドンの“しらすどん“はパパと一緒に育てた自慢のドラゴンだ。」
しらすどん「ビビっ」
バチバチと電気を起こし元気にアピールするしらすどん。
きりたん「ウナちゃん、マッギョの帽子被ってるけど、マッギョは特別じゃないの?」
ウナ「ん~この子は“ひつまぶし“。何でマッギョなのかはウナにもよく分かんない」
きりたん「自分のことなのに!?」
ウナ「事務所の考えはいっつも意味不明だからなー」
茜「事務所?ウナちゃんも働いとるん?」
ウナ「うん。ウナ、歌ったり踊ったりするお仕事してるよー。このエモンガの“ももんちゃん“は、事務所がイメージアップの為にってくれたの。
バトル嫌がるから殆どボールからだしてないけど」
ももんちゃん「えもっ!」
茜「へ~」
茜はポケモン図鑑を開き、三体のデータを確認する。
ウナ「お?ソレポケモン図鑑じゃん。オーキドのおじじ、ウナにもくれないかな~」
きりたん「茜さん、よく図鑑開いてますよね。」
茜「うん。気になる子がおると、ついな」
シビルドンLv39
マッギョLv11
エモンガLv5
まるで初めて貰ったポケモン以外殆ど闘わせずに来たトレーナーのようにレベル差が開いている
きりたん「へえ~この機械、ポケモンのレベルが分かるんですか」
茜「はかせが教えてくれたやろ?」
きりたん「その、あの時は、興味なかったので……」
茜「そうか…じゃあきりたんちゃんの図鑑で、手持ちのポケモン調べてみる?
気になることもあるしなぁ…」
きりたん「??まあ、そうですね。面白そうですし、やってみますか。ハガネまる……はさっきダメージ受けてたし……アムドまる。」
アムドまる「シャーオ!」
アムドまるのエアームドが現れる。
茜「ここをこうしてな?」
きりたん「ふむふむ。で、アムドまるに向ける、と。」
エアームドLv16
茜「きりたんちゃんも、エースを重点的に育ててくタイプなんやな。さっき、見たときはハガネまるがLv30やったし。」
ウナ「ってことは、ウナのしらすどんの勝ちだ!」
きりたん「ハガネまる、はがね・じめんタイプでシビルドンのでんき無効なんですけど。」
ウナ「くっ、いつかウナのしらすどんが進化してみず技を覚える日まで勝負は引き分けだ!」
きりたん「ふーむ……」
きりたんはしらすどんをまじまじと見つめる。
しらすどん「び?」
きりたん「…………なるほど、シビルドンは、かみなりのいしで進化したんですか。」
茜「え!?」
ウナ「正解だ~」
きりたん「わたしの知る限り、石で進化したポケモンは、その後の進化形態を持っていたことは無いですよ?」
ウナ「そ、そうなの?」
きりたん「まあ、誰もさせたことが無いだけかも知れませんが、少なくとも私には進化の兆しは見えません。」
茜「きりたんちゃん、ポケモンがどうやって進化したか分かるん!?」
きりたん「ええ。なんとなくですけど、私にはポケモンの、進化に関する何かが分かるんです。
だから、イワークだったハガネまるもハガネールに進化出来ました。」
茜「なるほど……【進化学論の天才】は、超能力持ちやったんやな。」
きりたん「【ポケスキル】って言うらしいです。
東北家はみんな持ってます。
でも私のはショボいもんですよ。ずん姉様なんて、昔レックウザと空を飛んだらしいです。」
茜「それも【ポケスキル】なん?」
きりたん「ええ。確か名前は……【キズナむすび】。
極めれば、他人のポケモンを従わせる事が出来るほどポケモンと絆が結べるんだろうです。
ーーだから、ずん姉様に掛かれば、伝説のポケモンだって従わせることが出来るんです。」
トレーナーにも人知を越えた何かくらい持っていないと、ポケモンを従わせることは出来ないと思うのです(てきとー)