ポケモン×ボイスロイド ボイスポケット   作:SOD

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まさか、GW中に親善試合終わるとは……まったりやるつもりが気付いたらフルスピードだった。
これは学生時代のモチベーションに匹敵しますわ。休み凄え。


11 決着。親善試合。

前回までのあらすじ。

ゆかり、スイクンとタイマン。

 

 

スイクン「ポケモンを使うかと思ったが…まさか我が身だけで躱すとはな」

 

ゆかり「自分のケツくらい自分で拭きますよ。

なんでもポケモンに頼り切るのは三流です。」

 

オーキド「躱したみずしゅりけん。研究所の壁壊しとるんじゃが……」

 

スイクン「剛気だな…その心意気に免じ、主への非礼を私は赦そう。

アカネ、お怪我はありませんか?」

 

茜「うん。ちょっとびっくりしたけどな~バトル中に攻撃されるなんて思わんかったから、びっくりしてしまったけど。嫌われたんかな?」

 

スイクン「え……?いえ主殿?結月ゆかりがみずしゅりけんを使ったのは、我らをいぶり出す為ですぞ?」

 

エンテイ「その通りだ。元はと言えば、我らが良いとこ見せたいがために出張ったのが悪いわけでな。アカネよ」

 

ライコウ「まあ姫は空気読めないから多少面倒くさいとか思われるわな。」

 

スイクン・エンテイ「ライコウてめえ!!!」

茜「あはは~冗談やて。…アレ?」

 

 

 

ゆかり「でんきタイプの準伝はアレなのが多いんですかね」

 

ライディーン「それは俺様のことかゆかり。もう電気風呂やってやんねーぞ」

 

ゆかり「まあ待て。アレは私の生きがいです。

つまり、アンタは私の生きがいになるわけです。偉大なことだと思いませんか」

 

ライディーン「フフッ…仕方ねえな。」

 

ゆかり「チョロ。」

 

ライディーン「今なんて?」

 

 

ずん子「ゆかりぃー!!」

ライディーンのツッコミは、ずん子がゆかりに掴みかかったことでかき消された。

ゆかり「痛え、爪食い込んでる!」

ずん子「あなたは分かってたんですか!?

あのコラッタが伝説のポケモンだってことを」

ゆかり「痛え、痛え!!」

ずん子「答えなさい!!ゆかりっ!!」

マキ「ずん子ちゃん、落ち着いて。どうしたの急に?」

マキに諭されて少しだけ力が緩むと、ゆかりは乱れたコートを正す。

ゆかり「あーいってえ……ったく」

 

ずん子「貴女はいつもそうやって、自分だけ分かってて……!!」

 

悔し涙を浮かべながら、ずん子はゆかりを睨む。

自分がゆかりに劣っているのが悔しくて、認めたくなくて。子供の癇癪を起こすように時々こうなる。

 

ゆかり「いや、アレがコラッタじゃないことが分かったのはボケガエル出す直前ですよ。」

 

ボケガエル「ゲコッ」

ボケガエルことゲッコウガは、自身の水でゆかりの傷口を洗うと、ケロムースで傷口をふさいだ。

ゆかり「はいご苦労さま。戻って休みなさい」

 

マキ「それで、ゆかりちゃんはどのタイミングで何を把握してたの?」

ずん子「ううううっ……!!」

ゆかり「はぁ…ったく『さきおくり』は、カントーのコラッタじゃ覚えられない。

だから何か別のだろうなと思って見たくなっただけです。

わたしだって伝説のポケモンとか、予想の中でもケツの方でしたよ。」

ずん子「それでも予想の範囲内だったんですね……」

ゆかり「そりゃ、人に化けるサンダーが居るぐらいですからね」

 

マキ「でもみずしゅりけん撃つ理由は無いよね?」

 

ピシリ。

鏡に亀裂が入ったような音がした。

実際には何も割れていないハズなのに。

空気に近い何かが急激に冷えて割れたような錯覚を覚えたのだ。

ゆかり「やっべ…」

弦巻マキは、怒っている。

東北ずん子は一気に冷静に戻る。

 

そして、結月ゆかりは

 

ゆかり「--ミラーコート撃たれるの予測してました」

 

淀みなく怯えなく言い切った。だが若干早口。

 

マキ「ふーん?予想してたんだぁ……?相手がスイクンだって分からなかったのに、ミラーコートは分かったんだぁ?」

 

ゆかり「最悪ゲル状のメタモンいたしへーきへーき。 」

マキ「ゆかりちゃん!!」

ゆかり「(・.・)」

マキ「真顔で誤魔化さないの!!

もし茜ちゃんが怪我したらどうするつもりだったの!?」

ゆかり「アハハハハ」

マキ「本っ気で怒るよ」

ゆかり「すんません」

マキ「茜ちゃんに謝りなさい!」

茜「ウチは大丈夫やよ~何があっても皆が守ってくれるから」

マキ「本当に大丈夫だった?怪我してない?」

 

茜「平気や。だってゆかり先輩。ウチらが思うよりもずっと凄い人やんか。」

 

マキ「え?」

 

茜「な~くろすけ。」

 

茜の背から黒い霧が出て、ゲンガーのくろすけが現れた。

 

くろすけ「ガー」

 

マキ・ずん子「くろすけ!?」

 

茜「自分の予想が外れとったらくろすけで逃がすところまで考えとったみたいやな~ゆかり先輩。」

ゆかり「気付いてたんですか。」

茜「ゼリーがミラーコートでゆかり先輩を攻撃するまで気付かんかったわ。ほんでも、ゆかり先輩が心配やったんやね。一瞬気が漏れたわ。それまで完璧に分からんかったよ。

凄いお人や。ゆかり先輩は。忍者みたいやわ。」

 

ゆかり「そりゃどうも。」

 

オーキド「のう、ゆかり君。そこまで考え取ったのなら、ワシの研究所も壊さないように出来たんじゃ無いかのう?」

 

ゆかり「たりいから無理です。」

 

オーキド「ワシ泣くよ?仕舞いにゃ本気で泣くよ??

ギャン泣きするよ??」

 

ゆかり「気持ち悪ぃから他所でやってください。」

 

オーキド「ココわしの家ええええーーー!!!」

 

ずん子「…………ところで、まだバトル終わってないんですが」

 

 

全員「あ……」

 

 

色々なハプニングが起こり中断していたバトルだったが……

 

茜「さすがにウチの3匹が真の姿で戦うのは不公平やし」

 

と言うことで、ずん子は比較的体力の残ったずんだルドンを。茜はずん子の希望でゼリーことスイクンでの一対一のバトルに変更になった。

 

 

ずん子「ずんだルドン。相手は伝説のポケモンな上にアナタのダメージは少なくありません。

一撃で決めますよ。」

 

ずんだルドン「カッガアアアアーーオッ!!!」

 

ずん子は緑色のZリングを装着した。

 

茜「…………。」

ゼリー「どうします?アカネ。アレは妹君が持つZリングです。正面から行きますか?回避して狙いますか?」

茜「……もちろん、決まっとるやろ。ウチらはホウオウの巫女さまや。

ホウオウに見せられんようなバトルは出来んよ。」

ゼリー「では……」

 

ゼリーは空気を吸って溜めのモーションに入る。

 

ずん子「行きますよ、茜ちゃん!!」 

茜「ええよ!ずん子先輩!!」

 

両手を交差し、ポージングを取り……

 

茜「ゼリー“いばる“!!」

 

ずん子「ずんだルドン“じわれ“!!」

 

双方、全力のワザを出すと見せかけて別のワザを使用した。

 

ゼリーの咆哮はずんだルドンをこんらんに陥れ、ずんだルドンのじわれはゼリーを襲う。

 

茜「躱してふぶき!!」

ゼリー「コオオオオーー」

茜(これで決まる)

 

ずん子「いっけえええええーーー!!!!」

 

ドッカーン!!

 

唐突に地面が爆発し、ずんだルドンの渾身の“あなをほる“がゼリーの腹部にクリティカルヒットした。

 

ゼリー「ガッ!??アーー!!??」

 

ずんだルドンはまだその場にいた。足下には穴。

そして、ゼリーに突撃したのも、ずんだルドンだ。つまり

 

ゆかり「こんらんして見えたのはみがわりか。」

マキ「いつの間にみがわりが!?」

きりたん「さすが、ずん姉様!!」

葵「お姉ちゃん……っっ!!」

 

 

ずんだルドンの衝突した衝撃で宙に浮く寸前のゼリー。

その格好は、ゼリーの顔がずんだルドンにゼロ距離だった。

 

 

茜「“ぜったいれいど“」

 

ずん子「え……」

 

ここまで全部分かっていた。そうとしか思えないほど、琴葉茜は冷静だった。

そして、パートナーのゼリーは

 

ゼリー「ーーーーーー!!!!」

 

 

主の命令通り、“ぜったいれいど“を必中距離で撃ち放った。

 

 

ずんだルドン「ガ………………」

 

 

その名の通りいちげきひっさつ。瞬間的に冷凍され、ずんだルドンは戦闘不能に陥り……

 

 

ずん子「あ……ああ………」

 

茜「ウチらの、勝ちやな。」

 

 

 

琴葉茜の勝利が決まった。

 

 

 




一応言っておきたいのですが、別にずんちゃん嫌いとか無いのです。
元から決まっていたのは
一勝一敗一分けでどっちが勝つか負けるか、その後の展開に関わることは予め決定事項。
マキのバトルはブライトとブラストで空中戦しようかと思ってましたが、ライディーンに変更に。
ずんちゃんは……実はもっとコテンパンになる予定だったのですが、盛り上がり重視にした結果ああなりました。
全体的に戦い方がセコい気もしましたが、只のワザのぶつけ合いなら他所でもやってるしと言うことで、クドいくらいに化かし合った感じになりました。
これは、作者が遊戯王の大会でよくやる戦法が参考になってます。


さて、既存のキャラクターに二次設定で性格を与えて小説書くのは初めての経験でしたが、ボイスロイドは好きで、元々各々の作者によって性格が変わるのが通例なところがあったので、楽しくやれました。

大まかに書くと

弦巻マキは
温厚。気遣いや。怒ると恐いお姉ちゃんタイプ。
でも博愛者。
才能は図鑑所有者で一番高い。
が、予定変更の関係でしばらくお目見え出来なくなりましたとさ(笑)

結月ゆかりは
口が悪く、面倒くさがりで、子供嫌いな我が道を行く自由人タイプ。
けど仲間に対して深い愛情を持ち、仲間にすると誰よりも心強い人で、厳しいながらもどこか甘い。

東北ずん子
ゆかりにライバル意識兼の憧れがあって、自分が負けている事も薄々自覚している。でも負けたくなくてつい憎まれ口を言う。一度素直になれば尽くす面倒くさい愛人タイプ。
同じ宿に泊まると朝は必ず朝食作って待っている。
無論ずんだ。

メンバー
ずんバドロ(バンバドロ)Lv81
ずんだルドン(カバルドン)Lv90
ずんだイゴン(フライゴン)Lv62
???
???
???


東北きりたん
同年代に負けたことが無く、イワークを専門知識無しで
進化まで持って行った“進化論学“の天才。
何気に自分が井の中の蛙であった自覚があり、ずん子に会いたいだけで無く、いずれ来るであろう限界を見極めるためにオーキドにアプローチをかけた。
本人は脅した結果編入出来たと思っているが、オーキドに認められるほど学に才を示しただけあり、早熟だが紛れもなく天才である。
本来の編入枠は琴葉茜一人だったのを無理矢理ねじ込んだ辺りにオーキドの期待の本気が伺える。


琴葉葵
ホウオウの巫女さまである姉とは違い両親の仕事の都合で各地方を転々としていた。
本作で使用したZリングは、かつてゆかりが手に入れたものの、ポーズがダサくて辛いという理由でオーキドに投げてよこした物を巫女の茜に流した末、妹を心配した茜からプレゼントしたという回りくどい経緯がある。

なお、Zリングはマキ・ゆかり・ずん子の三人がタマムシ学園の修学旅行中にカプから送られたかがやくいしを加工して作ってあり、残り二人は所持している。


琴葉茜
ホウオウの巫女で、エンジュシティに住んでいる。
巫女として戦術と戦法をとある指導者から学んでいたが、ホウオウから外で色々知って欲しいと願われ、スズのとうから出てきた。舞子のお稽古事もしており、大人になったら舞子兼巫女として生きることになる。
将来の進路に文句は無かったが、葵と会えないのが寂しくてオーキドに頼み葵と一緒に編入になった。
当時はどんな理由づけをするか頭を悩ませたオーキドだったが、コンテストに出場してマスターランクのリボンを各地方で獲得していたため、コンテスト科の編入試験を受けさせたところ、各地方を回って得た知識が豊富で主席レベルの実力を見せた。

メンバー
えびふらい(メタモン)Lv40
ゼリー(スイクン)Lv60→30
おむれつ(ライコウ)Lv62→32
はんばーぐ(エンテイ)Lv73→43

※右コラッタ時




さて、もうすぐ学園編。
ようやくなのか、もうなのか、分からなくなってきた

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