ポケモン×ボイスロイド ボイスポケット   作:SOD

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この物語はポケモンとボイスロイドの設定をオリジナルを交えてお送りします。
書き手の解釈に寄るところが大きいので、苦手な方は、特に気にせず受け入れてください(笑)

ウソですバックして下さい(真顔)


1 特に思いつかなかったからピカチュウ。そこ変われ。

ポケットモンスター。通称、ポケモン。ポケットの中に入るモンスター。私達人間の、パートナー。仲間。家族。相棒。そんな存在のポケモンと一緒に、バトルしたり、コンテストに出場したり、舞台を演じたり、ポケスロンの競技を行う。それが私達の世界の日常。

 

 

弦巻マキ「待ち合わせは、マサラタウンで良かったよね。時間は……っと、大丈夫みたい。」

 

私は、弦巻マキ。

カントー最大のポケモン専攻の学園、タマムシ学園の高等科の二年生だ。

特徴は、長い金髪と、平均よりすこーし大きめの胸、かな。

課外授業で課題にされている【地方で開催されているポケモンリーグの出場件の獲得】をクリアするためにカントー地方一周の旅をしたわたしは、学園へ帰る前に寄り道をしている。

ピカチュウ「ピカ。ピピカ、チュウ?」

弦巻マキ「うん。そうだよ。ここでみんなと会うの。みんなと会えるの。嬉しいな」

私の服の中のピカチュウ--ブライトは、いつも私の胸の中にカラダを埋めて、顔だけを出している。

抱き心地がいいから、私もつい入れっぱなしにしちゃう。

弦巻マキ「みんか元気かなぁ……もうちょっとだと思ったら、ますます会いたくなっちゃったよ。

ねえブライト、ちょっと走っちゃおうか」

ブライト「ピカー!」

逸る気持ちに背中を押されながら、私達はオーキド研究所に駆け出すのだった。

ちょっと転んだ。ごめんねブライト。

 

 

 

マキの目的地。オーキド研究所では、ポケモン研究の第一人者、オーキド・ユキナリが、待ち人が来るのを、お茶を楽しみ、ずんだ餅を食しながら待っていた。

オーキド「ふぅ……この一杯の為に生きとるのう。」

湯呑を傾けお茶を味わいながら、流れゆく時間を楽しむ。浮世とも会社の責任からも解放された者の特権と言えよう。

 

東北ずん子「いや~やっぱりずんだ餅は最高です。ジャスティスです!」

 

そんな干からびた寿命幾ばく無い爺の目の前では、浴びるほどの幸福を受けているとでも言わんばかりの表情でずんだ餅を頬張っている少女がいた。

東北ずん子「わたし……何でも願いが叶うなら、私達が住んでいるこの惑星を、ずんだ餅にしたいです。」

オーキド「そんなことになったら、ずん子君が惑星を滅ぼすのは時間の問題になってしまうのお。」

東北ずん子「何言ってるんですか?大切なずんだを滅ぼすなんてありえません。大切に食べます!!」

オーキド(……だから、惑星を食い尽くしてしまうのではないかのお?)

 

世に神龍や聖杯が有り得んことを。

そんな馬鹿げた、それでも確かに平和な会話は、ずん子が研究所に着いてから30分程行われている。

 

東北ずん子「それにしても、マキさんは遅いですねえ。

私はホウエン地方からこちらに向かっていたので、マキさんよりも遅く到着するかと思っていたんですがね」

 

マキを心配しつつも、口からずんだを離さないずん子が玄関の方に視線をやると、丁度良く呼び鈴が鳴った。

 

東北ずん子「あ、マキさん来ましたかね?」

 

ずんだを口に加えながら、玄関の戸を開ける。しかし、表にいたのは、特徴的な巨乳でもなければ、ロングな金髪でも無かった。

 

結月ゆかり「うわ……帰って来て早々ずんだ餅食ってる。毎日毎日味覚の神経がよく受け付けますね。頭おかしくならないんですか?」

 

紫の髪に、ガラス玉のような装飾の髪留めをした少女。結月ゆかりだった。

 

東北ずん子「うわ、また素肌にパーカー羽織ってるんですか。いくら男性と同一の絶壁だからって、いつまでそんな頭のネジが外れてそうな格好をしてるんですかあなたは。」

 

結月ゆかり「何を言っているのやら。これはファッションと言うんですよ。年中同じ服ばっか着て洗濯してんですかってくらい服装の知識が無いずんだキチに理解する知能はないでしょうがね。脳みそまでずんだで出来てそうですし」

 

東北ずん子「ずんだは主食でありおやつであり万物の頂点です。普段ジャンクフードとスナック菓子しか食べて無さそうなまな板に、ふくよかな餅には縁が無いでしょうがね。」

 

結月ゆかり「貧乳と餅の味が分かるのは関係ねえだろうがゴルアアァァーー!!!」

 

 

オーキド(……弦巻くん。はやく帰ってきてくれんかのう。)

 

 

 

弦巻マキ。結月ゆかり。東北ずんこ。

いずれも、タマムシ学園の高等科二年生で、対戦科の優秀な学生だ。

先んじて到着した2人は、地元ポケモンリーグの出場資格を得てカントーに乗り込んで来た実力派で、顔を合わせてはじゃれている。

遅れている弦巻マキは、カントー生まれのカントー育ち。かつてカントーのチャンビオンだった母親に憧れて難関の試験を突破し、学業では主席だ。

 

マキ「こんにちはー。オーキド博士ー。」

オーキド「ぬおー!!マキくーん!!!」

マキ「きゃぁー!?何、どうしたのー!?」

オーキド「ヌオオオー!!!マキくん!!もはやワシの癒やしはキミだけじゃー!!」

白髪の爺が、金髪の美少女に抱きつく事案らしき事態に、温厚な彼女もおどろいた声を上げる。

ゆかり「おいジジイ!!なに女子高生に抱きついてんですかジュンサー呼びますかコラ。」

ずん孑「マキちゃんに抱きつくとは何事ですかハカセ。蹴りますよ?バンバドロが。」

白髪のジジイが年甲斐もなく取り乱す理由になった少女二人は,自分のことを棚に上げて糾弾していく。

マキ「だ、大丈夫だよ。ゆかりちゃん。ずんちゃん。

オーキド博士。もう大丈夫だよ。私は、ここにいるからね」

粗相をした老人を優しくなだめるマキの表情は、子どもを抱きしめる母親のようで、オーキドは次第に今の状況を客観的に見られるほどに冷静さを取り戻して来た。

 

 

オーキド「あー、おっほん。

マキくん、長旅ご苦労さま。帰ってきて早々に呼び出してすまんかったのう。

あと、取り乱したことも重ねて、申しわけない。」

マキ「いいんですよ。オーキド博士。苦しい時は、『苦しいから助けて』って、言って良いんです。」

オーキド「うう、マキくん。立派になったのう。お母さんに似て、優しい女性になった。」

マキ「そうだと良いんですけど。この子、ブライトが強くなったなぁ。っていうのは分かるんですけど、自分のことは,よく分からないんです。」

ブライト「ピカチュウ。ピカ、ピカ。チュウ」

マキの胸の中のピカチュウ。ブライトが、マキに語りかける。

『だいじょうぶ。ずっと一緒だったから、ボクには分かるんだ。マキは、お母さんと同じくらい、優しくて、強くなっているよ。』

マキ「・・・・・・ありがとう。ブライト。」

ブライト「ピッカ。ピ。ピカチュウ」

マキは微笑み、ブライトは頬を綻ばせる。2人は,子どもの頃からの友だちで、キョウダイで、家族だ。

 

オーキド「そこでなんじゃが、3人には折り入って頼みたいことがあるんじゃよ。」

 

マキ・ゆかり・ずん孑は、揃って『頼み??』と疑問を口にする。

 

オーキド「うむ。ワシはジョウト地方のクチバシティのラジオ番組の収録によばれるんじゃが、そこで頼まれごとをされてのう。」

ゆかり「あ、もうなんかウザい流れなの見えましたね」

オーキド「そんなこといわないで聞いて!?」

ゆかり「いや、だりぃんで帰ります」

マキ「ゆかりちゃん。もう少しだけお話聞いてみない?それでも嫌だったら、改めて断ろうよ。」

ゆかり「面倒ごとは最初から掃いて棄てるもんでしょうに。ったく。」

オーキド「ありがとう。マキくん。本当にありがとう・・・・・・ありがとう。

コホン。話しを戻すが‐‐」

???「その必要はありませんよ。年寄りの長話を待っていたら、私たちまで枯れてしまいます。」

 

ずん孑「あれ?この声・・・・・・?」

 

???「ずん姉さまー!!お会いしたかったですー!!」

 

成長し、大人のカラダになったずん子の胸に飛び込む小さなカゲが一つ。

 

???「お姉さまに会うために、世界中探し回っていたんです。」

 

ずん孑「きりたん。カントーで会えるとは思いませんでしたよ。」

 

きりたん「ずん姉様、リ-グ優勝してから突然いなくなってしまったから、オ-キド博士に頼んで、タマムシ学園の初等科に編入させて貰ったんです。隠してた不祥事で脅して(ボソッ」

ずん子「え?今なんて言いましたか?」

きりたん「ずん姉様私ずんだ餅大好き-。」

ずん子「ずんだ!ずんだ!!」

ゆかり「最近のジャリは、物騒ですね……」

 

ずん子と違ってしっかり聞き取っていたゆかりは、呆れ顔でそう呟く。

 

きりたん「うわ。ずん姉様何ですかアレ!?パ-カ-の下裸でチャック全開にしてる痴女がいますよ!?」

 

ずん子「きりたん。視界に入れてはダメですよ。アレを見ると、目が潰れますよ。」

 

きりたん「見ればわかります。アレはじきに腐海に沈む」

 

ゆかり「よし表出ろ。そこのくそ姉妹。」

 

マキ「まあまあ。それで博士。頼み事のお話は?

このきりたんちゃんのことなの?」

 

オ-キド「ああ。より正確に言うのであれば、この3人の世話を頼みたいのじゃ。

おーい。君たちも入ってきてくれ-。」

「はーい。」

言質が似た声が2人分聞こえると、外観のそっくりな2人の少女が現れた。

 

桃色の髪の少女が挨拶をする。

 

桃色の少女「初めまして。ウチ、琴葉茜や。」

関西弁で話すその娘は、お日さまのような笑顔で3人に自己紹介をする。

茜「ウチ、ジョウト地方のエンジュシティで育ってん。せやからこの話し方が抜けんで、堪忍してな。」

誰からも愛されるその笑顔で自己紹介を済ませると、横の空色の髪の少女に促す。

空色の髪の少女「はい。初めましてみなさん。琴葉茜の双子の妹で、琴葉葵と申します。」

葵は自己紹介を済ませると、チラリとマキを流し見る。

 

オ-キド「この三人は、それぞれ別々の地方からタマムシ学園の初等科へ編入が決まった、前途有望なトレーナーでのう。

ぜひともタマムシ学園の高等科の優秀な三人に、先輩として指導をしてもらいたいんじゃよ」

 

 

ゆかり「は?」

 

マキ「ふえ?」

 

ずん孑「ひょ?」




このSSは、なんかテンションが乗らない時に書いています。
つまり不定期です。

なお、次回はバトルパートです(多分)

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