拝啓。カルデア様。   作:とりるんぱ

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一月十五日

一月十五日

 

拝啓。カルデア様。

 

早速ご返事頂きまして、有り難く思いました。

 

俺の手紙を読むなり、清姫が「こんなに私のことを心配してくださるなんて……これはもう、夫婦と言ってよいのでは!」などと恍惚な表情で言ったそうですが、今からでもいい。ただちに否定してください。

俺は清姫の夫婦でなければ安珍でもない。じゃあなんなのかと言うとマスターである。

頼むから普通のマスターとサーヴァント、という関係性であることを理解してほしいものです。

 

さて、前回の手紙を執筆していたときすっかり忘れていたのですが、俺は学校に通っていたのでした。

日常を取り戻したとかぬかしておきながら日常の最も重要なファクターが完璧に俺の脳から抜き落ちていたわけです。宿題をやっていたくせに。これは恥ずかしい。

 

という訳で、今俺はおよそ一年ぶりの学生生活を謳歌しております。

朝早く起きて、授業を受け、お昼時に学食で食券戦争を行い、午後の授業を睡眠学習でやり過ごす日々を送っているのです。

カルデアとはまた違った、充実した日々であります。

 

ところで、世間では「失われた一年間」の話題というか、噂話が後を絶ちません。何せ気付いたら一年が経っていたのだから、当然かもしれないけれど。

 

しかしそれの原因をガスによるものとするのはいかがなものか。

いくらなんでも無茶がありすぎる気がするし、それにガス会社の人達に迷惑がかかるではないか。

しかし世間の人達はそれで納得しているらしい。解せぬ。

 

前回の手紙で清姫とマシュだけ名指しでメッセージを載せたところ、二人だけずるいとの声が届いたのでちょっとメッセージを載っけます。

 

まずはエリザベート。一応聞くんだけど、歌を歌ったり、料理を作ったりしてないよね?

しているんだったら、歌はエリザベート専用の個室で、料理は自分で処理しておいてください。これはマスター命令であります。

 

次にアルトリア・オルタ。久しぶりに食べるM印のハンバーガーがとっても美味しかったので、カルデアに行った時にお土産として大量に持っていきます。

……のだけど、「大量」の基準が分からない。具体的に幾らぐらい持っていけばいいのか、もしよければ教えていただけると嬉しいです。

 

最後にマシュ。そろそろ顔が見たくなってきた。次に返事を寄越すときは、お願いだから顔写真付きで送ってください。

 

草々

 

藤丸立香

 

カルデア様

 

追伸 ちなみにハンバーガーはMサイズ、普通のハンバーガーとチーズバーガー、ポークバーガー、照り焼きバーガーの4種類がございます。


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