fate+DM+オリ主=大惨事   作:ヤマアラシ齋藤

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転生者ゲット君の日記 ブリテンぐらし! 烈火王のドタバタ珍道中2

(∴)月(ΦωΦ)日

 

どうやら妖精郷のボスはカチュアだったらしい。そんなカチュアに王宮の件を頼んでみると

 

「──成程、つまり貴方達の戦いのせいで壊れた王都の修復ですか…お断りします。自分で壊した物は自分で直すのが道理でしょう?」

 

と正論を返されぐうの音も出なかった。だがここからが交渉の始まり、相手に得がなければ引き受けてくれないのは当然。こちらの頼みを引き受けてくれるならばそっちの頼みも引き受けよう

という事で交渉を行った結果

 

「私が欲しいのは先王、人の身で竜へ至った卑王ヴォーティガーンです」

 

このドSとんでもないのを欲しがりよったわ。

どうやら卑王ヴォーティガーンはブリテンの先代の王、今は竜に至ってブリテンに災いを与えているとか何とか、俺の先輩はドラゴンが多いなぁとか思っていたらふと気付いた。ここにいる全てのクリーチャーに言えるのだが、他のクリーチャー達からクリーチャー特有のマナの発し方を感じない。しかも目の前のドラゴンとカチュアですら俺達じゃないと間違いなく気付けないレベルと来た。これはどういう事なのかと思い聞くととんでもない事実を聞かされた

 

「…簡単な事です。非力な私達、超獣世界に住まう非力なクリーチャー達ではこの世界の理に引っ張られてしまい別の存在へと変異してしまうのです」

 

「私達スノーフェアリーは自然のマナがなければこの身を形成する事が出来ません。全てのマナを使い分ける事の出来る天才児薫風妖精コートニーでもなければ私達は森から長い時間出る事は不可能なのです」

 

「ならばこの状態は可笑しくないのかですか?そうです。この世界にはこの世界のマナがあり、超獣世界の五文明のマナはありません。本来ならば私達は消えるだけでしょう」

 

「私達はマナから生まれた存在。あの地球にいるのならば消えるだけでしょう。ですがこの妖精郷に限ってはどうやら私達はここに住まう妖精達の法則が通用するみたいです

マナから生まれたクリーチャーと自然より生まれた妖精達。どうやら似たような者だとこの世界が判断してくれたのでしょうね」

 

「まぁ…簡単に言えば私達は今、純粋なクリーチャーではないという事です」

 

今日は難しい話が多過ぎる。そういう理詰めの話し方は水文明の専売特許ではないのだろか。まだ出ていない知恵熱が出そうだ

 

「皆、貴方のように世界の法則を無視出来るほど強くはないのですよ。ゲット」

 

どうやら俺やグラディアンレッドドラゴンは異常らしい。普通は他の世界に転移してしまえばその世界の法則をモロに受けるらしいが実力が可笑しい奴等はそれの影響を受けないという事。

つまり…なんら問題はないという事だ。なんか良く分からんがそれだけ分かってれば良いと言われたのでそれだけは理解しておく。

 

その後どうやら妖精にチョッカイを仕掛けている途中でこの世界にいたドラゴンの炎を浴びてしまい身体中煤まみれのマーリンが現れ、直ぐに戻るという事になった。

 

「それでは、約束ですからね?」

 

 

どうやら俺はドラゴンの誘拐をする事になりました。

 

△月(日

 

家々の復興が大分進んだ今日、またいつも通りマーリンが来た。

 

「騎士達を纏めあげる存在とかいると思うから腕のある騎士を要職に付けたいと思うんだけどどう思うかな?」

 

どうやら最近騎士達の統率があまり出来ていないようだ。あんな怪物が襲い掛かってきたばっかりだ、まぁ仕方ないのかもしれないと思う。マーリンの話では候補は何人か上がっているらしく後は俺の許可が必要らしい、正直そこらへん良く分からんから全部マーリンに丸投げする事に決めた。

 

俺よりマーリンの方が頭が良いのだからそういう事は出来る人に任せれば良いのだ。頑張れマーリン君なら出来る

 

そう言うとマーリンは待ってましたと言わんばかりに話を続けた。

ふむふむ…復興が一段落ついたら騎士達の戦いをもう1度開き、そこで他の生え抜きの実力者をスカウトすると?

でも決闘場あの馬鹿でかい木のせいで建てられないよな?俺達の一撃で上半分消し飛んでるけどそれでも馬鹿みたいにデカいし

 

ほーん。あの木を決闘場として作り直すと?そっちの方が手っ取り早い…ふむふむ?

 

取り敢えずマーリン君が出来るとのことなのでお任せします。頑張れマーリン!

 

□月$日

 

ブリテンは今ボロボロだと聞きつけたのか蛮族達が侵攻して来た。取り敢えず殲滅するかと思い動こうとすると頭脳派マーリン君が

 

「ド派手にやってくれると凄く有難い」

 

との事なのでグラディアンレッドドラゴンに使った一撃を蛮族向かってぶつけてあげた。結果は分かりきっていた事だが蛮族は一人残らず消滅。一緒に来ていた騎士達の殆どが化物をみるような目でこっちを見ていた

そうです。君達の王様、どうしようもない脳筋クリーチャーなんです

 

それからというもの騎士達の気迫が凄い。城下の修復をしながらも鍛錬に明け暮れているらしい。

頑張る事は良い事だと思いました。

 

 

──その日騎士達は圧倒的な力を全てを一撃で粉砕する一撃を見た。

眼前に広がる人の波、蛮族と呼ばれる侵略者達、それが数えるのも馬鹿らしいくらいの数。いや、それは最早一つの塊に見えた。何万といるだろうその侵略者の存在、対してこちらは数千程度の軍勢、本来ならば勝ち目もなく蹂躙されるだろう。

 

だが、こちらには王がいる。ブリテンを、この星を滅ぼさんと襲いかかった怪物と戦いブリテンに平和をもたらした英雄が

 

「ド派手に行けと言われてるからな。すまんがお前らはここで消えてもらうぞ」

 

王が剣を抜いた。騎士達は後ろへと下がる。その一撃がどれだけ凄まじいものなのか知っているから

 

「選定の剣よ!俺に従え!」

 

その言葉を皮切りに王の手に握られている聖剣は光を放つ、黄金に輝く光に赤と緑の輝きが入り混じり幻想的な色を作り出していく。その輝きは天をも突き光は巨大な一つの剣へと姿を変えた。

あの怪物を葬り去った一撃、それが蛮族向かって放たれる。光が全て包み込み、騎士達はその衝撃に吹き飛ばされないように命懸けで堪える。

 

そして爆音と極光が消え去った後、そこには何一つ残っていなかった。万を超える蛮族の群れが塵一つ残らず

 

「今日の仕事はおしまい!撤収するぞ撤収!」

 

そしてその偉業を成し遂げた王はこれが何でもない事だと、誇る姿を見せなかった。その姿に俺達は驚愕した。あの程度の事で誇る意味もないと言わんばかりのその背中に一種の憧憬を覚えたのだ。

 

あの一撃に辿り着けない事は分かっている。だが、騎士である前に男なのだ。あの一撃を目指さないでどうする。

 

あの極光の一撃を

 




騎士達にビーム属性が付属されるフラグが経ちました

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