fate+DM+オリ主=大惨事   作:ヤマアラシ齋藤

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⚠ この話で原作ぶっちぎって吹っ切れる可能性が出て来ます。引き返すならば今です



















Ok?
さぁ大惨事を始めようか(震え声)


転生者ゲット君の日記 ブリテンぐらし!3

 

あれから長い時間が経った。魔術師から指導を受けているアルトリアは剣に物書き、その他色々な事を教わっているらしい。ケイと俺は完全にスルーされている、やはり男では駄目なのか。もしも魔術師が指導ついでにアルトリアに対して何かしていたらケイがマジ切れして怒り狂うだろう。

えっ?俺はどうだって?俺は怒らないよ、ただ生きてる事を後悔するレベルで酷い目に合わせるだけだから。俺の恩人に何かするとかもう死んで償うしかないよね。アルトリアは見目麗しい美少女で性格も大天使だから悪い虫が付いても可笑しくない。もしもアルトリアに悪い虫が付いたら発狂する自信がある。それがもしもあの魔術師ならばやる事は一つだ

 

「──てな訳でアルトリアが騎士になったとして、悪い虫が付く前に何とかすべきだと俺は思うんだけど」

 

「……俺も大概アルの事に関したらかなり口煩くなると思っているがお前も俺に負けず劣らず酷いな」

 

そんな訳で今アルトリアに悪い虫が付く前に行動するべきだとケイと話している。家のアルトリアが天使すぎてヤバいアルトリアは世界の宝。

 

「男は狼だからね仕方ないね」

 

「目が血走ってるぞ」

 

おっと思わず殺意が先回っていた。

 

「──という訳でアルトリアに悪い虫が

 

「やり直すな。一回落ち着け」

 

俺は冷静なんだよなぁ、アルトリアに付くかもしれない悪い虫の駆除方法を考えれるくらいには余裕があるし

 

「イザとなったら俺がアルトリアを守れば良い。例え世界が敵になったとしても全部ぶっ飛ばしてやる」

 

俺が全力を尽くせばアルトリアが絶対絶命のピンチに陥る事はない。世界がなんだ悪い虫がなんだ。全部ぶっ飛ばしてやる。

悪い虫云々の話だけじゃない。この国は詰んでる、アルトリアが騎士になったら死線をどれだけさ迷うのか分からない。だったら俺が何とかしてやれば良いのでは?

 

「いや……待てよ。俺がこの国の問題を解決してしまえばアルトリアが苦しい目に遭わずに済むのでは?」

 

「駄目だコイツ目がイッてる」

 

「──そうだね。君は少し落ち着くと良い」

 

そんな事を考えていると突然の声と共に花の香りが鼻腔をくすぐる。すると目の前のケイが一気に機嫌の悪そうな顔をした。後ろに気配を感じる。ここに来てから良く感じる気配だ。自分の事を魔術師と名乗ったジジ臭い青年。花の魔術師 マーリンが笑顔を見せながら俺の後ろで立っていた。

 

「……何か用でもあるのか?」

 

「そんなに露骨に嫌そうな顔をされたら悲しいなぁ」

 

ケイの露骨な嫌悪感全開の言葉にマーリンは肩を竦めて笑う。だがコイツの目は何一つ悲しいと思っていない、それっぽく見せているだけだ。やはり何処ぞの水文明の奴等を見ているようだ、興味のあるものにしか本当の表情を見せない、いやソレにすら見せる事があるのかすら分からない。コイツは間違いなくそんな男。もっと火文明や自然文明の皆みたいに感情を出してくれたら信用出来るのだが

 

「嘘つけ絶対悲しく思ってないぞ」

 

「僕には感情がないからね。それは仕方ないんだよ」

 

「下らない冗談は止めろ」

 

多分これ冗談じゃないんだろうとか思いマーリンを見ると何一つ笑っていない目でコチラを笑いながら見てくる。

ケイさんこれ間違いなく冗談じゃないぞ

アルトリアを教育している奴が感情持ってないとかアルトリアが一体どんな子に育つんだよ止めてくれよ

 

「……ふぅん?」

 

急にマーリンの目が細められ何かを考え込むような顔をする。なんだコイツ嫌な予感しかしないんだが

 

「君は真贋を捉えられる目を持っているようだ。その才能は素晴らしい、磨いておいて損はないよ」

 

「自分から肯定していくスタイルは止めてくれない?」

 

「はっはっはっ」

 

何笑っとんねん張り倒すぞお前。やっぱりコイツ信用出来ないと確信しながら何の用出来たのかを聞く、というかさっさと要件を聞いておかえり願いたいものである。

 

「……で、何の用?」

 

「なに。ちょっとした事だから直ぐに終わるよ」

 

そう言いながらマーリンは懐をゴソゴソと漁り何かを取り出しコチラに放り投げる。受け取ったそれは丸い球体状の物体で凡そ思い付く使用用途として投げるか転がすくらいしか思い浮かばず手の上で遊ばせているとマーリンが笑いながら話し掛ける

 

「それに君の力を込めてくれ」

 

「力?」

 

「君が戦っている時と同じような事をしてくれれば良い……そうだね、それは君の武器とでも思ってくれて良いよ」

 

胡散臭いが言われた通りに機神装甲を纏っている時のようにしてみる。すると球体の中で緑色の炎と赤色の炎が球体の中で燃え始め、二つの炎が混じり合わさり二色が混じりあった一つの炎になる。

 

「……これは一体」

 

「多分、俺のマナだな」

 

「マナ……一体何を」

 

ジャスミンの自然のマナに自分の炎のマナ。それらがこの球体の中で炎の形となって現れているのだろう。その光景を見てケイがコチラを見てくるがそれに俺が答える事が出来なかった。

マーリンの瞳が説明を許さないと言わんばかりにコチラを見詰めていた。

 

「一つだけ忠告しておこう」

 

「君はあまりこの世界で動きすぎない方が良い。君の力はアレに目を付けられる」

 

「……君が動けば動くほど全ては変わると思って欲しい。その結果が何を引き起こすのか、それは僕にも分からないからね」

 

「それがこの国の滅び、もしかしたら君の大切な人の死かもしれないよ」

 

それだけ言うとマーリンは忽然と姿を消す。ケイが俺に声を掛けてくるがそれに返事をする余裕がない。

マーリンは俺が何なのかを恐らく理解している。俺はモンスター、それも今の俺はあの世界でも頂点に属すると思える程のパワーがある。生まれてから殆ど命懸けの戦いをしてきた。だから戦闘経験もある。

正直に言おう。現状、この世界で俺より強い存在を感じる事が出来ない、マーリンも中々の力を持っているがそれでも俺が勝てる自信がある。

 

どんなバッドエンドだって力で粉砕出来るしどんな敵だってぶっ倒せる自信がある。例えるのも腹立たしいが俺はあの時、全ての文明を蹂躙した存在。英霊王スターマンとこの世界では同じポジションにいるのだろう。

 

そんな俺を抑え込む方法は至って簡単。俺の大切な存在の命をチラつかせる事、たったそれだけ。それだけで俺は動けなくなる

自分の命や仲間の命に価値を持たないタイプのキチガイな奴等ならば動けたかもしれない

だが、俺には無理だ。

 

「やってくれたなあの野郎……」

 

あの時、森の中で倒れていた俺はアルトリアとケイに救われた。俺はアルトリアとケイに大きな恩がある。そしてアルトリアはこの王宮に来る前にこう言っていた

 

皆を守れる騎士になりたいんです……ッ!

 

「……アルトリアが良い子すぎて辛い」

 

「当たり前だ。誰があの子を育てたと思っている」

 

俺はアルトリアに恩がある。だからこそアルトリアの為に俺はアルトリアとケイ、そして彼等が生きるこの国を守らなくてはならない。

だが、俺が派手に動き過ぎるとそれがどうなるのか分からないときた。

 

「……ままならんものだなぁ」

 

「なぁゲット。お前は一体マーリンの奴と何を話していたんだ?何やら良くなさそうな雰囲気だったが」

 

「有難い忠告だよ。強すぎる俺が動いたらロクな事にならないらしい」

 

「ロクに剣を振っていないお前が強過ぎるのならば俺は神に等しいな」

 

「ハハハこやつ言いおるわ」

 

この国はぶっちゃけ詰んでいる。他国との外交が廃絶しており蛮族共が侵略せんと襲い掛かって来ている。だが助けは求められない。しかもこの国、敵は蛮族だけじゃないらしく

 

「この国って色々と敵多いよな」

 

「あぁ。蛮族共に幻想種、次いでに他国、敵しかいない国だ。この国は何時崩れるのか分からない砂の城と同じだ」

 

最近知ったのだがこの国にはドラゴン、つまりは幻想種と呼ばれる存在、そんな超獣世界で良く見る奴等が良く現れるらしい。まじかよ地球、まじかよブリテン

蛮族に幻想種と呼ばれる俺の同類と思われる奴等、次いでに他国。なんて事だ。敵しかいないこの四面楚歌、こんな国で誰かの為に戦う騎士になるとか死にに行くようなものではないか。守らなきゃ(使命感)

 

まぁそんな国にも切り札とも呼べる存在はある。一切合切全てご破算に出来る存在が、まぁ……平たく言えば俺なんだが。だが、俺が動けばロクな事にならないらしい。なんだこの国詰んでいるな

 

マーリンに言うアレが良く分からないがあの魔術師が言うのだから間違いなくとんでもない厄ネタだろう。それこそ仙界王もブッチぎるレベルの厄介事

……フェニックスがこの世界に現れるとかだったらどうしよう……勝てる気がしない

 

「……なぁケイ。アルトリアを説得してこの国から逃げた方が」

 

「無理だ。アイツの意思の硬さはそんじょそこらの事では揺るがん。俺では説得出来ん」

 

「だよなぁ。あの子結構頑固な所あるし」

 

二人してため息を吐く。完全に詰んでる、この感覚はフィオナの森の防衛戦で俺と銀の拳しか戦えずただ力を疲弊していたあの時のような、例えるならば真綿で首を締め付けられている感覚に良く似ている。今回はその打開策が全く思い浮かばないときた

 

「まぁ……何とかなるだろ、そう思わなきゃやってられん」

 

「あぁ、先代の王であったウーサー王が死んでからこの国は揺れっぱなしだ。次代の王がこの国を平定しなければこの国に明日はないだろうな」

 

「今この国の王になるとか生贄と同意義じゃねぇか。誰がなるんだよそれ」

 

「さぁな。自分より他人の事が大切でこの国が大好きな奴がなるんじゃないか」

 

「……アルトリアが思い浮かんだわ」

 

「笑えないから止めろ。殴るぞ」

 

「すまん。正直言った俺も笑えなかった」

 

重たい溜息を吐き俺達は1日を過ごす。明日になったら全部解決していれば良いなと考えながら

 

/>。月>>日

 

マーリンの奴から忠告というか脅迫に近い事を言われ動く事を止められた。それが無ければ俺が出向いて蛮族も幻想種も他国の事も力で全て捩じ伏せてやると言うのに。今日はケイと二人で落ち込みながら1日を過ごした

 

……これは関係ないのだが。やっぱりアルトリアに悪い虫が付く前に何か行動すべきだろうか。あんなに可愛い子なのだ毒牙が付かない訳が無い。これから先の事を考えると頭の痛くなる問題だ

正直俺とケイ二人してモンペみたいになっている気がするがまぁ気にしないでおこう

 

☆\'月/\日

 

最近国中で変な噂が流れているらしい。選定の剣を抜いた者が次代の王に相応しいとかいう噂だ、嫌な予感しかしない。何だよ選定の剣って。それを抜いたら次の王とか何処の王道ストーリー展開だよ笑うわ。そんな事が噂で流れ様々な者が挑戦しては失敗し、挑戦しては失敗を繰り返しているらしい。俺が無理矢理抜いて王になり武力を持ってこの国を平和にしてやろうかと考えたがマーリンが言っていた言葉がその邪魔をする。

 

まぁこの噂は頭に留めて置いた方が良いだろう。何か引っかかる、俺はこの展開を知っているような気がする。前世で見たような記憶が

 

♡/月$$日

 

ケイから「お前力だけはあるんだから選定の剣抜けるんじゃないか」と冗談交じりに言われた。正直力づくで抜いて良いなら土台ごと抜ける自信がある。

アルトリアに選定の剣云々の話をしてみると、アルトリアはなれるのならば自分が王になってこの国を守りたいと恐ろしい事を言っていた

それを聞いた俺とケイ白目、マーリン笑顔。

しかもマーリンの奴が「君なら素晴らしい王になれるだろうね」とか意味不明な事をほざいていた。なーに言ってんだこのキチガイ、こいつの髪の毛全部毟ってやろうかと思ったが、アルトリアが嬉しそうにその言葉に頷いたから今回だけは見逃してやろう。

 

次はないからな、覚えとけよ貴様

 

 

──そんな事もあったが、あの時の俺は何故マーリンの奴を問い詰めなかったのか。アイツの事だから何かあると思っても良かったじゃないか。今、俺の目の前には信じられない光景が広がっている。

 

「どうしよう……私こんなつもりじゃ」

 

「……大丈夫だ。俺達に任せておけ」

 

顔を真っ青にしているアルトリアにそれを支えるケイ、そしてそれを見る俺。

蒼白としたアルトリアが手に持つ1本の剣。黄金で装飾されたそれが俺には死へ誘う死神の鎌にしか見えなかった。

確かにアルトリアは王になりたいとは言っていたがそれは話半分、冗談の筈だった。現にアルトリアは今、顔面蒼白で何時泣いても可笑しくない姿になっている。

 

アルトリアが選定の剣を抜いた。何年も抜かれず、王座が試合によって決められる事になった今、アルトリアが選定の剣を抜いてしまった。

今、選定の剣の周りには俺達しかいない。他の者達が次の王座を掛けた試合を見に行っているのだ。どう考えても誰かに作られた道筋だ。女であるアルトリアが王になる事は出来ない。ならばどうすれば良いのか、話は簡単だ

 

誰もいない時にアルトリアに剣を抜かせアルトリアが女である事をバレないようにして王座に付かせれば良い。

やられた。マーリンが考えていたのは恐らくこれか

 

「私……こうなるとは思わなくてッ!マーリンが試してみると良いって言ってたから!」

 

やはり貴様かマーリン。やりおったわ、アイツ

 

「──兄さん。ゲット。私はこれから一体どうしたら」

 

「……安心しろアルトリア。俺が何とかしてやる。お前が王になる必要はない」

 

「……一体どうするつもりだ」

 

「どうする?決まってるだろ」

 

機神装甲はある。問題ない、やるしかない。あの時マーリンに言われた言葉に脳裏に閃く

 

「一つだけ教えておこう」

 

知らん黙れ

 

「君はあまりこの世界で動きすぎない方が良い。君の力はアレに目を付けられる」

 

アレ?上等だ。どんな奴でも掛かってこい今の俺に勝てると思うなよ、フェニックスでも超次元獣でも来い。全部ぶっ飛ばしてやる

 

「……君が動けば動くほど全ては変わると思って欲しい。その結果が何を引き起こすのか、それは僕にも分からないからね」

 

元々未来なんて分かりっこない。だったら俺が動いた所でそれは変わらないだろう

 

「それがこの国の滅び、もしかしたら君の大切な人の死かもしれないよ」

 

絶対に滅ぼさせんし死なせはせん。俺が何とかしてやる

 

「……確か今。次の王を決める試合をしていたよな?」

 

「……そうだが。アルが剣を抜いてしまった以上それは意味を……まさか!?」

 

そうだよ。今お前が考えた通りだよケイ

 

アルトリアが王にならない方法はあるんだ。簡単な事だ

 

「アルトリア。その剣を元あった所に刺して今日は帰るんだ」

 

「はっ……はい!」

 

そう言うとアルトリアは何の疑いを持たずに選定の剣を元あった位置に戻す。良し、良い子だ

 

「後は今日の事を忘れて帰って寝ろ。ケイも一緒にいてやってくれ」

 

「まさか……お前」

 

どうせこのまま隠していたとしても確実にマーリンが手を打つ、ならば俺が全部ぶっ壊してやるだけだ。

 

「ちょっと次の王の座貰いに行ってくるわ」

 

さぁて何も考えなくなった火文明は恐ろしいぞ。それを存分に味合わさせてやる

 





抑止力「ほーん。そんな事するなら本気だそうかな」


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