fate+DM+オリ主=大惨事   作:ヤマアラシ齋藤

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終わりの始まり

少女は祈る。大切な人達の無事を、絶対に勝ち目のない戦いに挑んだ者達の勝利を。力のない妖精である彼女に出来るのはただ一つそれだけなのだから。

 

ある日フィオナの森で一体のモンスターが異変に気付いた。そのモンスターはフィオナの森の守護者と呼ばれるグレートホーンの系譜である存在、今のフィオナの森を守る者とされる存在である。

そのフィオナの森の守護者がフィオナの森の最奥、誰も辿り着いたことの無い聖域、仙界から恐ろしい程のマナの奔流を感じ首をあげた。

 

膨大な光と水のマナが仙界から溢れ出し一体のジャイアントに注がれる。そのジャイアントが動く事が出来たならまた未来は変わっていただろう。だがそのジャイアントはフィオナの森に危険が訪れぬ限り動けぬ存在の系譜、故にこの結果は必然。

ジャイアントに膨大なマナが注がれ新たな存在へと作り替えられていく。その姿をみた誰もが恐れ動けなくなった。古の強者、ジャイアント達ですらその光景に恐れ戦き動けなくなっていたのだ。

 

いや、ジャイアント達が一番恐れていたのだろう。遥か昔。自分達を支配していた存在、その目覚めに気付いてしまった彼等はただ震えるしか出来なかった。

 

膨大なマナの奔流が終わったその瞬間、それは目覚めた。水晶のように透き通った身体、それに込められた超常を超えた力。胡乱な目で辺りを見渡し宣言する。

 

余は王である。英霊の王、スターマン。図が高い。控えよ下賎なる単色の愚か者共よ

 

英霊王スターマンの復活、その情報は1日を立たずして世界全土へと知れ渡る。目覚めた英霊王は直ぐに全ての文明への攻撃を始めたのだ。

先ずは目覚めた場所であるフィオナの森、そこに存在するジャイアント達を虐殺。

 

単色で余よりも頭が高い存在はしてはならぬ。控えよ愚か者共

 

その言葉と共にジャイアント達は反撃を許されず一体、また一体と殺されていく。そしてあらかた殺し尽くした後、英霊王は別の文明へと侵攻を始める。

 

余が復活したというのに光の者達は何をしておるのだ。王の復活に参上せぬその不敬、こうなれば皆殺しにせねばならぬ

 

天空の城へ赴いた英霊王は残党にも等しい光の軍勢を蹂躙する。そして自らが気に入った者達だけを残し、その他全てを殺し尽くした後、また別の文明を蹂躙する為に動き始める。

次に狙われたのは火文明、英霊王は火文明を滅ぼさんと動き始めたがそこに立ち塞がったのは超竜バジュラ。火文明最強の一角であり最後の太古の昔より存在していたドラゴンが英霊王の前に立ち塞がったのだ。

全ての文明はこの戦いでバジュラが勝利しなければこの世界は英霊王により支配されると確信をしており、誰もがバジュラの勝利を信じていた。

 

だが、現実は残酷でバジュラが幾ら攻撃しようも英霊王には傷一つ付かず、逆に英霊王の一撃を受けるだけでバジュラは生きているのが不思議な程に傷付き地面に伏してしまう。

そしてそのまま殺されていくバジュラ。その身体を形成していたマナが霧散していく姿を見て全ての文明は絶望した。

 

最後に英霊王は闇文明に襲い掛かる。闇の文明にはデーモンコマンドの精鋭にアブゾドルバ率いるドラゴンゾンビの集団がいたがそれら全てが英霊王の前では無力であり、闇文明は戦力の大半を殺されてしまう。

 

英霊王の復活、それは全ての文明に大打撃を与えモンスター達に恐怖と絶望を叩き込んだのである。

だが、そんな中で唯一諦めていない文明があった。戦闘狂、キチガイの集まりである火文明である。彼等はバジュラが倒された後、情けを掛けられ殆どの者達が無事だったのだ。故に火文明は立ち上がる事を決意したのだ。

 

バジュラが倒れた今、火文明で英霊王に敵う存在はいない。だが唯では死なぬ。例え火文明が滅びようと奴に一死報いてやると息巻いていたその時、1人のヒューマノイドが運命を変える一言を発した

 

アレは二つの文明の力を持った存在、アレを倒すには自分達も他の文明の力を取り込まなければならない。と

 

小さな勇者ゲットと呼ばれる者からの言葉に水文明を除く全ての文明は一致団結し協力する事を決めた。

その時水文明は計画の為に少しのモンスターしか生き残っておらず、とても戦える状態ではなかった。故に深海に創設した新しき基地で力を蓄え地上での戦いを傍観する事を決めた。

 

小さな勇者ゲットの言葉を聞いて先ず協力したのが火文明と自然文明。彼等は互いの実力者同士で番を作り二つの文明の力を持ったモンスターを作り出そうと動き始めた。

そして次に動き出したのは闇文明と光文明。両者犬猿の中であった彼等は嘗てグラディアンレッドドラゴンと戦ったあの時のように再び一時的な同盟を組み闇文明の魔術と光の力を使い新たなる生命体を作り出していた。

 

火と自然の二つの力を持って生まれた無頼勇気と呼ばれる存在。嘗てフィオナの森の戦いの際に共に戦ったとされるヒューマノイドとビーストフォークの二つの種族を持った存在、レインボー獣が誕生したのである。それから様々なレインボー獣が生まれていく。レインボー獣は今までのモンスターとは圧倒的に違う力の差というものを持って生まれてきた。

全ての文明は確信した。これならばあの英霊王に勝てると

 

そして水文明を除いた全ての文明、それらが集まり一つの巨大な軍勢となる。

四大文明連合軍と名付けられたそれは、四つの文明から一体ずつリーダーを選出し四体のリーダーが頂点とした軍勢であった。

 

闇の文明からは幾重にも戦い続けた猛者の中の猛者。暗黒の騎士ザガーンが

自然文明からは、フィオナの森を守る銀髭団団長の大勇者二つの牙が

光文明からは残り少ないエンジェルコマンドの精鋭。その中でも昔から存在している浄化の精霊ウルスが

そして火文明からは、度重なる戦役の度に予言めいた事を言い、火文明を勝利へ導いた小さな勇者ゲットがリーダーとして大抜擢された。

 

この抜擢に小さな勇者ゲットは大反対したらしいがその他全ての火文明の仲間達から応援され勇気を振り絞りリーダーとなる事を決意したと記録には残っている

 

♡月/\日

 

今、ありのまま起こった事を説明するぜ……何故か俺が火文明のリーダーになった。逃げ道を塞がれたヤバい

 

誰か助けて

 

──勇気を振り絞りリーダーとなる事を決意したと記録には残っている。

 

超獣世界歴史伝

仙界王降臨より抜粋

 




良く分かる今回の展開

英霊王「やっほ」

バジュラ「ぐわー!」

火文明「野郎ぶっ殺してやる!」ゲット「ヤバいヤバい。このままじゃ俺も含めて全滅や何とかせんと」

ゲット「レインボー獣作ったら何とかなるかも(迫真)」

四文明「それマジ?超作るわ」

四文明「レインボー獣強くね?これ勝てるんじゃね?いけるんじゃね!?」

四文明「各々の文明から一体リーダー決めて一つの軍作ろうぜ」

火文明「がんばれゲット」

ゲット「ファッ!?これイザとなった時に逃げれんやつやん!?」

ゲット「誰か助けて」

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