オーバーロード 最強の拒絶タイプ   作:なと〜

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たくさんのご意見、ありがとうございます。
書き方を前々回までの書き方に手を加えたものに直しました。
前話の書き方は見にくいという意見が多かったので、時間のある時に修正します。(多分…)
あと、この話ではラミエルはまだ出ません。

それではどうぞ。


使徒、鑑賞

 第九階層・ゼルエルの自室

 

 ゼルエルの自室には大量のアイテムと武器が置いてある。そしてそれぞれに、「5」「6」等の数字が振り分けられている。

 

「では、頼むぞ。」

「は、はぃぃ…」

 

 そこには、ゼルエルに向かってエントマが剣を振ろうとしているという、何も知らない者が見たら、エントマを殺しかねない現場が映っていた。

 

「そう、おどおどするな。何もコアを狙えというわけでは無いのだから。」

「は、はい!」

 

 そう言いエントマは持っている剣をゼルエルに向かって素振りをする。

 

 

 ガキィィィン!

 

 

 A.Tフィールドが音をたてて、拒絶する。

 

「ふむ、では次はユリ、頼むぞ。」

「は、はい!」

 

 そういうとユリはガントレットを装着した拳を振るう。

 

 パリ、パリ、パリ、ガキィィン!

 

「ふむ、成る程な…」

 

 

 今、ゼルエルが行っているのは自分の主要スキル『A.Tフィールド』の実験だ。

 長年、使徒をやってきた(ゲームで)ゼルエルは大抵の攻撃を防ぐA.Tフィールドの枚数を熟知している。置いてあるアイテムの数字は、完全に拒絶するのに必要な枚数だ。

 それはこの世界でも変わらなかった、しかし…

 

(まさか、新劇場版みたいになるとは…)

 

 そう、この世界では魔法ダメージと物理ダメージに差があるのだ。エントマに振ってもらった剣は振ると、《スラッシュ/斬撃》の魔法が発動し、対象にダメージを与えるものだ。一方、ユリは普通に拳を振るってもらった。

 結果をいうならば、エントマの剣の魔法はA.Tフィールドが完全に拒絶したが、ユリの拳は3枚のA.Tフィールドを破壊し、4枚目で拒絶した。

 

(ユグドラシルとはかなり違うな…)

 

 ユグドラシルでは、A.Tフィールドで防御した場合、魔法・物理関係無く、一定枚数で拒絶する。もし、一枚でも少なければ、攻撃は貫通してしまう。しかし、この世界では魔法は今までと同じく一定枚数で拒絶するが、物理ダメージは拒絶する枚数まで、A.Tフィールドを破壊して進むことがわかった。しかも、破壊されたA.Tフィールドは"展開している"とみなされるようだ。

 つまり、新劇場版の弐号機のA.Tフィールド破壊と同じ感じというわけである。

 

「うむ、御苦労だった二人共、嫌な事をさせてすまなかったな。」

「いえ!至高の御方のお考えこそが、我々の最優先事項であります!ご実験に役立てた事は光栄の極みでございます。」

「そうですぅ〜、ゼルエル様のご実験にお付き合いできた事は至上の喜びでございます〜」

「お、おう。しかし嫌な事をさせてしまったのは事実。後で褒美をとらせよう。」

「「とんでもございません!」」

(えー)

 

 彼女らからしたら、至高の御方に剣を向け、拳を振るったのだ。いくら御方の命令とはいえ、そんな行為は褒められるものでは無い。

 ゼルエルは純粋に感謝しているのだが……

 

「うーん、わかった。この件は他言無用としておけ。後でモモンガさんと話し合って決めよう。」

「お、御身のご命令とあれば…」

 

 

 

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「疲れるなー」

 ゼルエルは一人、自室にいる。メイドや護衛は全員部屋の外に待機させている。

「忠誠心が高いのはありがたいんだけど、あそこまで高いとなー。」

 現実(リアル)ではもっぱらこき使われる側だったゼルエルは、上の人間の気持ちがわからず、混乱していた。

 

 

 

 

 

 

 

 〔ゼルエルさん、聞こえますか?〕

 〔モモンガさん?どうしました?〕

 〔いやー、ちょっと疲れたんで、外に出てみませんか?〕

 〔おっ、いいっすね。んじゃ第一階層で待ち合わせますか。〕

 〔オッケーです。すぐ行きますね。〕

 

 

 そう言って、指輪を起動して第一階層に転移する。しばらくしたら黒いフルプレートの戦士が現れた。

 

「だれだあんた。」

「ちょ、私ですよ。モモンガです。」

「なんで戦士の格好してるんですか?」

「だって誰かに見られたら止められるじゃないですか。こうやって隠してるんですよ。」

 

(そういえば部屋の外にいるユリになんも言ってないな...ま、いっか)

 

 怒りの雷が落ちるフラグである。

 

「んじゃ、私もちょっと細工しますか。」

 そう言いつつ、周りにA.Tフィールドを展開する。強力なA.Tフィールドは光をも歪める。第8の使徒ができたんだ。ゼルエルに出来ない道理はない!

 

 

 

 

 

 

 

「なにがしたいんですか?」

「A.Tフィールドで光を歪めてる...はず。」

「ガン見えですよ。」

 

 光学の勉強をしていないゼルエルにはできるはずもなかった

 そうこうしていると、上の方から足音が聞こえてくる。デミウルゴス率いる三魔将とデミウルゴス本人だ。

 

「これはモモンガ様とゼルエル様。近衛を連れずここにいらっしゃるとは。それにモモンガ様のそのお召し物。」

 

 〔な、なんでばれたんだ?〕

 〔いや、指輪使えんの私達だけでしょ。〕

 〔と、とりあえず何とかごまかします。〕

 

「うむ、色々と事情があってな」

 

「...なるほど、そういうことですか。」

 

((なにが!?))

 

「まさに、支配者たるに相応しいご配慮かと。しかし、共を連れずにとなりますと、私も見過ごすわけには参りません。」

 

「ふ、ふーん。...分かった。一人だけ共を許そう。いいですね、モモンガさん。」

「え、えぇ。ならばデミウルゴス。同行を許可しよう。」

「私の我が儘を受け入れて頂き、感謝致します。」

 

 

 

 

 

 

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 ナザリック地表付近

 

 空に広がるのは満点の星空だ。思わず「「おぉ...」」と声が漏れる。

 モモンガは《フライ/飛行》のペンダントを、ゼルエルは浮遊を、デミウルゴスは姿を変えて飛行する。

 

 

 

 

 

 

 

「なんか遅くてすいません。」

「き、気にしないで下さい。」

 ゼルエルだけが浮遊なので、必然的に三人ともゼルエルの速度に合わせることになる。最初はアイテムでスピードアップしようとしたが、「もったいない」とモモンガに止められてしまった。

 

 

 

 

 しかし、もう少しで雲の上だ。雲から出た途端、二人は思わず口を開く。

 

「キラキラと輝いて、宝石箱みたいだ。」

「本当に綺麗だ。みんなにも見せてあげたいなー」

「この世界が美しいのは御二人の身を飾るための宝石をやどしているからかと。」

「ふふ、うまいことをいうねぇ、デミウルゴス。」

「確かにそうかもな。だが、私達だけで独占するものでは無いな。ナザリックと我らの友達、アインズ・ウール・ゴウンを飾るものかもしれないな。」

「お望みとあれば、ナザリック全軍をもって手に入れて参ります。」

「ふふ、この世界にどんな存在がいるのか不明であるのにか?だが、そうだな...

 

 

 世界征服なんて、面白いかもしれないな。」

「そうだね...面白いかもね。」

 

 デミウルゴスは至高の御二方が世界征服が望みであると勘違いしていることなど、二人共知る由も無かった。

 

 〔だけど、他のプレイヤーは来ていないのかな?他のギルメンも来てくれているのかな?〕

 〔そうですね、どうなっているんですかね?伝言(メッセージ)は届かなかったんですけど、距離が遠かったり、魔法の効果が変わったからかもしれませんね。なら、アインズ・ウール・ゴウンの名が世界にとどろけば、他のみんなも気付いてくれる可能性もありますね。〕

 〔名案だね。〕

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 下の地面から轟音が聞こえる。どうやらマーレが《アース・サージ/大地の大波》をスキルを使用して範囲拡大して使っているようだ。

 

 〔がんばってますね、マーレになにか褒美をあげますか。〕

 〔あっ、そうだ。実は実験に付き合ってくれたユリとエントマに褒美をあげたいんですけど、二人は「至高の御方に刃を向けたのに、褒美などとんでもございません‼」って言うんですよ。〕

 〔あー、なるほど。とりあえずデミウルゴスにそれとなく聞いてみます。〕

 

「モモンガ様、ゼルエル様。これからのご予定をお聞きしてもよろしいでしょうか。」

「マーレの陣中見舞いに行く。なにが褒美として良いと思う?」

「モモンガ様がお声を掛けるだけで、十分かと。」

 

 〔いや、参考にならないんですけど。〕

 〔あはは...すいません。〕

 〔あやまることありませんよ。しかたないですね、二人で話をしてみますよ。〕

 

「デミウルゴス、少し話がしたい。モモンガさんは先に行ってて下さい。」

「かしこまりました、ゼルエル様。ではモモンガ様、失礼致します。」

「うむ、わかった。ではお先に。」

 

 

 

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「さて、デミウルゴスよ。実はな、ユリとエントマに実験として私に攻撃をしてもらったのだ。無論、私自身にダメージは無い。二人に褒美を与えたいのだが、何が相応しいと思う?」

「ふむ、なるほど。ゼルエル様は二人に褒美を授けたいのですが、二人はゼルエル様に刃を向けてしまったため、褒美を受け取りたがらない、というわけですか。」

「お、おう、さすがだなデミウルゴス。」

「いえ、モモンガ様やゼルエル様に比べれば私などまだまだでございます。それで二人への褒美でございますね。ふむ、アイテムなどの物品ならば見るたびにゼルエル様に刃を向けた事を思い出してしまいます。ここは一つ、ゼルエル様から御言葉や御行為を授ければ、十分な褒美になるかと存じます。」

「なるほど、ありがとう、デミウルゴス。参考になったよ。今後ともよろしくな。モモンガさんの護衛に戻ってくれ。私はナザリックに帰る。」

「っ‼ありがとうございます、ゼルエル様!では、失礼致します。」

「あぁ。あっ、そうだ。この事は他言するなよ。」

「了解致しました。では。」

 

 

 

 

(なるほど、何かを渡すんじゃなくて、自分で感謝を表せばいいのか。さすがだな、デミウルゴス)

 

 デミウルゴスの頭脳に舌を巻いていると、アルベドが飛んできた。

 

「っ‼これはゼルエル様。御一人でございますか?モモンガ様はどちらへ?」

「アルベドか。モモンガさんなら地上だ。私はこれからナザリックに帰る。護衛はいらないぞ。」

「はっ!了解致しました。お気を付けて。」

 

 言うが早いか、地上に飛んでいった。いや、落ちていったのか?早すぎだろ。

 

「帰るとするか。」

 指輪で転移してナザリックに帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰ったらプレアデスとメイドがバタバタしてたが、私を見つけるや否や「ゼルエル様!ご無事で...」とか言ってきて、すごい罪悪感がした。

 ユリにはこっぴどく叱られる羽目になった。とてもじゃないが褒美をあげる雰囲気じゃ無かったので、褒美はまた後日渡す事になった。後から聞いたらモモンガさんはマーレとアルベドにリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを渡したらしい。そして二人共、左手の薬指にはめているのはきっとモモンガさんの意図したことじゃないだろう...多分...

 




いかがでしたか?
この書き方でいこうと思います。何か不備があればご意見をください。基本、全ての感想を見ています。返せるものは返しますが、ご意見のコメントは前書き、後書きで一括で書くので、返信が無くても気にしないでください。
補足ですが、使徒はラミエルとあと一体しか出さないので、自分の好きな使徒は出ない可能性が高いです。ご了承ください。

ラミエルの簡単な設定
LV.100
特徴:新劇場版のように可変仕様です。

オリジナル魔法:《スラッシュ/斬撃》
第三位階魔法。斬撃を飛ばす魔法だが、威力は低く、斬撃耐性のある者には効果が薄く、不人気な魔法。《現断/リアリティ・スラッシュ》の完全下位互換。

簡単ですが、今はこれでお願いします。
では、ありがとうございました。

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