久しぶりの投稿で人物の言動が少々安定しませんが、どうかご了承ください。
これからは多少、ペースを上げていきます。
それではどうぞ!
カルネ村近くのトブの大森林
人間が容易に立ち入れない自然の場所。ここにンフィーレアと漆黒の剣、モモン一行が入ろうとしていた。
「モモンさん。お願いがあるのですが。」
「なんでしょうか?」
「森の賢王が来たら、殺さずに追い払ってほしいんです。」
「なぜでしょうか?」
「この辺りは森の賢王のナワバリなんです。だからモンスターもあまり出ず、比較的安全なんです。だから…」
「おいおい、いくらなんでもそりゃあ…」
「わかりました。」
「ええ!相手は伝説の魔獣だぞ!」
「強者にのみ許された態度であるな。」
モモンとしても森の賢王とは会ってみたいし、それを撃退したとなれば彼の名声は跳ね上がるだろう。そのためにいくつか布石を置いておく。
「しばらく、三人で辺りを警戒してもよろしいですか?すぐに戻りますよ。」
「かまいませんよ。できるだけ離れないで下さいね。」
モモン一行は森に入って、しばらく進む。
「さて、では頼むぞ!」
「はいはーい!」
モモンの声に応えるように、アウラが出てくる。
「森の賢王とかいう獣をアインズ様にけしかければいいんですね。」
「そうだ。できるな?」
「おまかせ下さい!多分、あいつの事だと思います。」
「アウラさん、ここには一人で?」
「ラミちゃん?そうだけど?」
「周辺にレベル80前後のモンスターが二体程確認できますが?」
「え?……ああ!フェン、クアドラシル!出ておいで」
そういうと、森の奥から黒い体毛の大狼とカメレオンのような魔獣が出てきた。
「まったくもう、ついてきちゃったの?これからアインズ様のご命令があるのに。」
「構わないぞ、アウラ。一緒にがんばってくれ。」
「は、はい!ありがとうございます!」
アウラはフェンとクアドラシルを連れて、森の奥に走り去っていった。
「アインズ様。どうなさるおつもりで?」
「森の賢王と戦う。より名声を高めるためにな。」
「しかし、アインズ様。大まかですが森の賢王のレベルはこの世界では非常に強力です。現状のアインズ様では少々危険では?」
「問題無い。スキルは使えるし、いざとなれば
「「かしこまりました」」
モモン達が戻ってしばらくすると、森の奥から大きな音か聞こえてきた。
「まずいぞこりゃあ…」
「大きいですね。」
ルクルットとユイ以外の者にも近づく存在の大きさがわかるようだ。
「あとは私達に任せて」
「わかりました」
「モモンさん…お気をつけて!」
漆黒の剣とンフィーレアは早急に森を出る。
「しかし、これでは森の賢王かどうか証明できないな…脚の一本でも取っていくか…」
「アインズ様、来ました」
奥の暗闇から放たれた一撃。
並の生物ならば無残な最期を迎える一撃だが、アインズは持ち前の身体能力で完全に相殺する。
「む⁉︎」
アインズの受け止めた一撃は異常な硬さを持つ鞭のようなもの。しかもよく見ると蛇のようなものだ。
「それがしの初撃を防ぐとは見事でござる。」
「ござる?」
「さて、先の見事な防御に免じて、それがしはこれ以上追わないでござるが?」
「愚問だな。そして姿を見せないのは勝つ自信が無いからか?それとも寂しがり屋さんかな?」
「いうではござらぬか。ではそれがしの偉容に瞠目し、畏怖するがよい!」
そういうと、奥の闇から大きな影が出現する。
影は胸の辺りに光る紋様を持ち、目は爛々と光る。
「こ、これは…」
「ふふふ、その
「ひ、ひとつ聞きたいのだが…お前の種族は…ジャンガリアン・ハムスターとか…言わないか?」
アインズは目の前の生物……でかいハムスターを見て、かつて仲間が喜々として言っていた名前を言った。
「もしかしてそれがしの種族を知っているでござるか?」
「あ、ああ…かつての仲間が、お前によく似た動物を飼っていてな…」
「なんと、もし同族がいるのであれば、教えてほしいでござる!子孫を残さねば生物として失格である故」
「いやー、それはサイズ的に無理だな…」
「そうでござるか…」
「すまんな…」
「いいでござるよ…それより、そろそろ無駄なあがきをやめて、それがしと命の奪い合いでござる!」
「森の賢王とかいうから…期待したのに…」
アインズは自分の剣を地面に叩きながら、ぶつくさと呟いていた。
「何をしているでござるか?まさか勝敗分からぬうちに降伏とはありえんでござろう?」
「もう、やめだ」
「スキル<絶望のオーラ>……レベルⅠ」
アインズのスキルによって『恐怖』のデバフを与える。相手が高レベルならば何も起きないが…
「ふわぁぁぁ!」
レベル30強程度の森の賢王には抜群に効いたようだ。
「所詮は獣か…」
「殺しちゃうんですか?」
アウラが木の上から森の賢王を見ながらアインズに質問する。
(この年頃だもんな~ペットに欲しいのかな?)
「だったら、皮を剥ぎたいんです。結構良い皮とれると思いますよ」
「そ、そんな~」
(…なんか違う!)
「これが森の賢王!?」
アインズことモモン一行が森を出た時、一緒に森の賢王を連れてきた。
モモンとは全く違う意見を述べるこの世界の価値観に頭を傾けていた。
「ナ、ナーベ、ユイ…お前達はどう思う?」
「姿はともかく、力を感じる瞳をしていますね。」
「大きいネズミに感じます。」
「ユイは使徒だから仕方ないとして、ナーベはそう思うのか…俺が違うのか?」
「あ、あのモモンさん。森の賢王を連れ出すと…」
「ああ、その事ですか…どうなんだ?」
「森の環境が変わる可能性はあるでござるな」
「そんな…だったらモモンさん!僕をあなたのチームに入れて下さい!」
「うん?」
ンフィーレアはエンリとカルネ村を守るための力が欲しく、そのためにモモンのチームに入って強くなりたいらしい。
「ふははは…いや、失敬。別に君の決意を笑った訳ではない。率直にいうと、君をチームに入れることはできないが、この村を守る点には私の友人の協力を仰ごう。もちろん、君の協力もね。」
「モ、モモンさんの御友人を⁉︎」
「それって、昨日の夜、話した人か⁉︎」
「ええ、彼なら大丈夫です。来るまでは私が協力しましょう。」
「あ、ありがとうございます!」
エ・ランテルに戻ってきた一行。
モモンは新しく引き連れた森の賢王を組合に登録するために漆黒の剣とンフィーレアと別れようとしていた。
「それでは私達はこれからンフィーレアさんの店に行きます。」
「わかりました。私達もすぐ行きますよ。」
モモンと漆黒の剣は暫しの別れとなった…
「モモンさん」
「ん?どうしたユイ?」
「ンフィーレアの店を感知したのですが、内部に強者の反応があります。」
「何⁉︎レベルは?」
「申し訳ありません。詳細は…ただ、この世界では異常な強さです。」
「いかがいたしますか?」
アインズは考慮する。
ンフィーレアの店にいる強者はどんな者なのか不明では危険だ。だが漆黒の剣とンフィーレアに危害が加われば今後のモモンの名声が轟きにくい。
「…森の賢王、いやお前の名前はハムスケだ。全員でンフィーレアの店に行くぞ。私が前衛でお前達が後衛だ。」
「お待ちください。それではアインズ様に危険が生じます。ここは私とユイの二人で十分かと」
「ナーベに賛成です。ゼルエル様から未知の敵と戦う時は、我々が前に出ろと仰せつかまっております。アインズ様のご無事が最優先です」
アインズは非常に悩んだ。この状態ではゼルエルの判断は正しい。
捨て駒となる味方を前に出して、相手の出方を見る。アインズもユグドラシルではデスナイト等のモンスターを召喚して、相手の情報を集めた事はあった。
だが、今は違う。彼らは自分の友が遺したかけがえのない存在。無闇に命を散らして欲しくない。
アインズは自分の中で考え抜き…
「わかった…だが私のアイテムを渡す。それがだめなら私がでるぞ」
最低限度の譲歩だった。
アインズとて死にたい訳ではない。だが彼らを捨て駒にする気は毛頭ない。ならば少しでも彼らを補助するため、自分のアイテムを与える。
渋っていた二人だがなんとか説得し、最大限のサポートアイテムを渡した。
そうこうしているとンフィーレアの店に着いた。
どうやら向こうも着いたばかりのようだ。
「おや?モモンさん、どうしましたか?」
「少しね…今、家には誰かいますか?」
「おばあちゃんが…今は留守ですかね」
「ちょっと失礼」
そういうとナーベとユイが家にあがる。
「ちょ、モモンさん!どうしたんですか⁉︎」
「ユイが感じたんです。この家に相当の手練れがいます」
「⁉︎」
ンフィーレアと漆黒の剣は驚いていると、部屋の奥の扉から女が出て来る。
「おんや〜バレちゃった〜魔法で妨害してるんだけどね〜」
「ンフィーレアさん、一応聞きますが知り合いで?」
「い、いえ知りません!」
「何者だ?」
モモンは戦闘態勢をとり、それにつられて漆黒の剣も戦闘態勢をとる。当然、ンフィーレアを守るようにだ。
「いや〜驚いたね。私はクレマンティーヌ、よろしくね。私が用があるのはそのンフィーレア・バレアレって子なんだけど、渡してくれないよね?」
「愚問だな」
「まぁ、いっか。あんた達をやって奪えばいいだけだしね〜」
そういうと不気味な笑みを浮かべ、スティレットを取り出す。
それに応じてナーベは剣を、ユイはボウガンを取り出した。
「あれ〜、あんたがやるんじゃないの?」
「それでもいいんだがな。二人で十分だとさ」
「…調子のってんじゃねえぞ!」
モモンが挑発じみた言葉を言うと、激怒したクレマンティーヌがスティレットで突進する。狙いはナーベだ。
「ッ!?」
ナーベはひらりとかわすと剣を振る。しかし、クレマンティーヌはすぐに後退してかわす。
…と思いきや、再度脚に力を溜めて先程より早い速度でユイに迫る。
ガキィン!
ユイに迫ったスティレットは
「なっ!?」
驚愕に一瞬固まるクレマンティーヌに矢を放つもすぐさまスティレットではじく。
「てめぇら何者だ」
「黙って死になさい、ウジ虫が」
「モモンさんの邪魔者は排除します」
「くそが!」
クレマンティーヌは今までにない戦闘にいいしれぬ不安を感じた。
(どうやら、取り越し苦労だったようだな)
アインズのアイテムを使わずともカモフラージュのステータスでも十分戦えている。
ナーベは
ユイは遠距離職だがLV.100基礎ステータスとA.Tフィールドによる防御で全ての攻撃を防いでいく。
なお、モモンは今は知り得ない事だが、場所も良かった。
クレマンティーヌはスピード重視の戦士職であり、スティレットでの一撃重視が基本である。
一定距離離れた場所から超スピードで敵の急所に一撃を見舞う戦法は狭い部屋では難しい。
距離を取ろうものならばナーベの魔法とユイの矢が飛んでくる。
ならば接近しようとするだろうが、A.Tフィールドがそれを許さない。
結果、接近できず距離も取れず中途半端な間合いでの戦闘となり、それはクレマンティーヌには苦手ではないが得意とは言えない分野であった。
(これなら時間の問題だな…)
アインズは目の前で起こる戦闘を見てほっと胸をなでおろした。
「しぶといわね」
「これ以上時間をかけてはいられません。早急に片付けましょう」
ナーベとユイは余裕の態度で戦闘をしている。
対するクレマンティーヌは疲労しているのか無言である。
二人が一気に距離を詰め、とどめをさそうとする。
同時にクレマンティーヌもそれを迎え撃たんとスティレットを突き出す。
ユイはこれまでの様にA.Tフィールドで防御した…
ボゴオオオン!
「!?」
突如、スティレットから
クレマンティーヌのスティレットは《魔法蓄積》された《火球》が込められており、A.Tフィールドを破るため、クレマンティーヌが使用したのだ。
この様な武器はユグドラシルには無かったため、二人は不意を突かれる結果となったのだ。
「どうした、二人共!」
モモンが何事かと部屋に入ってきた。
「ギャアアア‼︎」
瞬間、恐ろしい絶叫が辺りに響いた。
モモンが部屋に踏み込む時、周りにいた漆黒の剣とハムスケも突如部屋で起こった炎に驚き、何事かと注意を向けた。その一瞬を見逃さなかった男かいた。
カジット・デイル・バダンテールという男だ。
カジットはンフィーレア誘拐の際、店に情報妨害系の魔法をかけ、家の出口を塞ぐ算段だったが、店に接近するモモン一行に気付き、身を隠したのだ。
この時、ユイはカジットの存在に気付いていたが、カジット本人の強さがこの街のミスリル級冒険者と同格レベルな上、緊急のためユイは報告をしなかったのだ。
そのまま、成り行きを見ていたのだが、モモン達の一瞬の隙をつき、ンフィーレアに近づき…
彼の
ンフィーレアは思わず絶叫し、モモンは注意をンフィーレアに戻す。
「貴様!」
モモンは振り向きざま剣を振り抜こうとしたが、カジットがンフィーレアを盾にする様な位置にいるので、剣を抜くのが一瞬遅れる。
「モモン様!」
ナーベの声に思わず動きが止まる。同時に自分のそばを通り抜ける
クレマンティーヌだ。
ンフィーレアの絶叫が聞こえ、ナーベとユイの注意がモモンの方に向いた時、武技《疾風走破》と《能力超向上》を瞬時に使い、異常な速度でユイ達の傍を通過し、モモンを突破し、ンフィーレアに行き着いたのだ。
しかし、その場にいた強者は瞬時に二人を殺すべく動き出していた。その際、クレマンティーヌのとった行動は予想だにしなかった。
懐から一つのサークレットを取り出したのだ。
それをンフィーレアの頭にかけ、カジットが魔法を詠唱する。
「《
第六位階魔法、《
妨害されやすいが、そこそこの距離を瞬間移動できる転移魔法。
発動した瞬間、クレマンティーヌとカジット、ンフィーレアはその場から消える。
「しまった‼︎」
モモンから怒気を含む声が発せられた。
「申し訳ありません!この償いは何なりと!」
ユイが深々と頭を下げ、口調もいつもと違っている。
ここに部外者がいたら、ユイの変化に驚くところだが、幸い今は誰もいない。
ここはバレアレ氏のポーション屋の一室。ンフィーレアが連れ去られた後、戻ってきたリィジー・バレアレ氏に状況を話し、ンフィーレア捜索のためにこの部屋を借りたのだ。
「まぁ、失敗は誰にでもある。次にそれを生かすんだ」
「いえ、一歩間違えばアインズ様に被害が及んだやもしれませんでした。ここは何か罰が必要かと思われます」
アインズはラミエルの報告ミスに関しては、ンフィーレアが連れ去られただけの被害が出ただけで、彼を救い出せばそれでいいし、これを期にバレアレ氏の協力を得られる。さらに連れ去った敵の計画も潰せれば名声も轟いて一石二鳥と考えていた。
だが、ナーベラルとラミエルはナザリックに仕える者として、ミスは何かしらの罰で償わせる必要があると考えている。例え至高の御方が許しても、自分が許せないから何かしらの償いを求めるのだ。
「あー、罰は後で考えよう。それより今はンフィーレアの捜索だ。《ロケート・オブジェクト/物体発見》を使う。目標はあの女の武器だ」
「ンフィーレアの服や持ち物で良いのでは?」
「ンフィーレアの捜索はそれで済む。だが、敵は第六位階魔法をあの時使用した。ならば《ロケート・オブジェクト/物体発見》の存在も知っている可能性が高い。ンフィーレアの服で我々を撹乱するかもしれない。その点、武器ならば早々捨てたりはできんだろう。そこを突く」
「かしこまりました」
「うむ。
アインズは
ナーベラルが全て使用した後、敵の居場所が判明する。
「そこは墓地だな。では《クレヤボヤンス/千里眼》と《クリスタル・モニター/水晶の画面》を使え」
使用後、空中にその場の光景が映る。
「アンデットの軍勢だな。ここに奴らもいるだろう」
「ナザリックより軍を呼びますか?」
「馬鹿を言え。これはチャンスだ」
アインズは扉を開けるとそこにはリィジーと漆黒の剣が待っていた。
「どうでしたか?」
「見つかりました。ンフィーレアは墓地です。アンデットの軍勢のおまけ付きでね」
「なっ!?」
「漆黒の剣の皆さんはこの事を組合に報告してください。リィジーさんは少々お話があるのでよろしいですか?」
「わかりました。みんな行くぞ!」
漆黒の剣が組合に行き、店にはリィジーとモモン達だけとなる。
「さて、リィジー・バレアレ。私はこのまま、ンフィーレア救出に向かうが、何か見返りが欲しいんだ」
「なんじゃと。金か?」
「全てだ」
「何⁉︎」
「お前の持つポーション作成技術の全てと研究成果が欲しい。こちらもただとは言わん」
モモンは懐から
「このポーションをいくつかやろう。どうだ?」
「ま、孫は助けてくれるのか?」
「もちろん。救出の折にはバレアレの店は私達の下についてもらうぞ」
「…よかろう。孫を救ってくれ!」
「交渉成立だ」
「さすがでございます」
「何、大したことは無い。それよりすぐに行くぞ」
「もう少し、機をみてはいかがですか?多少なり良いタイミングで出た方が、名声も高まるかと」
「ふむ、そうだな…」
アインズは名声を高めるには、人々が事態の深刻さを知ってから解決した方が良いと考えたが、敵の目的がわからないならば、早くに解決した方が良いのでは、とも考えていた。
その時…
「ん?
頭に響く
〔もしもし?〕
〔モモンガさん!大変だ!!〕
風雲急を告げるゼルエルの声が響く…
閲覧、ありがとうございます。
漆黒の剣、生存ルートですね。そしてゼルエルの知らせ。どうなることやら
以下、近況報告(という名のいい訳)
ずっとモンハンやFGOやってました。いつか二つを題材にした小説とか書いてみたいです。
カマキリの装備と武器一式を最終強化するのに玉が9個必要とは…しばらくカマキリ尽くしだな…
FGOで槍アルトリア出ました。そして槍の種火がまるで出なくなった。これが幸運Cか…