オーバーロード 最強の拒絶タイプ   作:なと〜

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投稿です。
話が進むにつれて、だんだん書きたい事が増えると、投稿ペースがおちますね。贅沢な悩みですが頑張っていきたいです。
今回からラミエル登場です。ラミエルは一つだけ、オリジナル要素がありますが今回はでません。そういうのが嫌いな人は今後ご注意を

ではどうぞ


使徒、戦闘

 カルネ村

 

 カルネ村の周りには変わった格好をした人間が等間隔で包囲している。それぞれの傍らには天使がそれぞれ付き従っている。

 

「一体彼らは何者なのでしょう」

「これだけの魔法詠唱者(マジックキャスター)を揃えられるのはスレイン法国。その中でも神官長直轄の特殊工作部隊『六色聖典』のいずれかだろう。」

「なるほど。では先程の騎士達は...」

「装備は帝国の物だったが、どうやらスレイン法国の偽装だったようだな。」

「ふむ。しかし、この村にそんな価値があるのでしょうか?」

「ゴウン殿に心当たりが無い。ということは...」

「...憎まれているのですね。戦士長殿は。」

「本当に困ったものだ。まさかスレイン法国にまでねらわれているとは。」

 

 〔ゼルエルさん。あれって炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)ですよね。〕

 〔ええ、ユグドラシルと同じモンスターがなぜここにいるんでしょうか。〕

 〔わかりませんね。あの集団、話によればかなり強そうですけどね〕

 

「ゴウン殿、よければ雇われないか?報酬は望む額を約束する。」

「お断りします。」

「御付きの天使でもよければ貸していただけないかな?」

((⁉︎))

 

 アインズは驚き、怒りに震えた。ガゼフからすればゼルエルは換えがきくアインズの召喚モンスターと感じただろう。実際、向こうに天使を召喚している者達がいるのだから、そう感じたのも無理はない。しかし、アインズは違う。ゼルエルは換え難き友人であり、おいそれと捨て駒にできる存在では無い。それを死ぬかもしれない戦場に一人で送り込むのだ。許容できる筈もない。

 

「ふざけ「モモンガさん!ストップ!」ゼルエルさん⁉︎」

「戦士長殿。まず、いくつかの事を伝えていなかった事を詫びよう。」

「これは…ゼルエル殿は喋れたのか⁉︎」

 

 危うくアインズが戦士長を殺しかねなかったので、ゼルエルが仲裁に入る。ここで殺せば必然的に村を囲んでいる連中と戦わなければいけないし、最悪カルネ村も消滅させなければいけない。それでは良い事は一つも無いため、アインズを制止したのだ。

 

「戦士長殿。そうだ私は喋れるのだが、今まで黙っていたのは喋る必要が無かったからだが、すまなかった。それで一つ、戦士長殿に伝えていなかったのだが、私とアインズさんは召喚物と召喚主の関係だけでは無い。私達は特殊な召喚故に対等な関係なのだ。アインズさんが行かなければ私も行かないし、逆も同じだ。この事を伝えていなかったこちらに責任はある。どうか先の言葉は無かった事にしてくれないか?」

「そうだったのか…知らぬ事とはいえ、失礼をした。先の言葉は取り消そう。本当にすまなかった。」

「いえいえ、アインズさんもそれでいいですね。」

「…えぇ、すいません。こちらの不注意でした。」

「いや、こちらも失礼した。それではゴウン殿、この村を、救ってくれた事を本当に感謝する。」

 

 ガゼフはアインズのガントレットを着けた手を握りしめる。

 

「本当に、本当に感謝する。そして我が儘を言うようだが、どうか再びこの村を守って下さらないか。今差し出せる物は無いが、何卒…」

 

 ガゼフは頭を下げようとしたが、アインズに手で止められる。

 

「そこまでされる必要はありません。了解しました。村は必ずお守りします。このアインズ・ウール・ゴウンの名にかけて。」

「ならば後顧の憂い無し。私は前だけを見て進ませていただく。それではゴウン殿、ゼルエル殿、お元気で。」

「ご武運を。ではこれを」

 

 アインズは小さな木像を手渡す。

 

「君からの品だ。ありがたく頂戴しよう。」

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーー

 

 戦士長が部隊を率いて天使達と戦っているの光景をアインズの魔法で見ていたアインズ本人とゼルエルは、『武技』と呼ばれる技の存在、戦士長の強さ、そしてレベルの低さに驚いていた。

 

 〔以外とあっけ無いですね。王国最強でこれならこの世界のレベル低すぎませんか?〕

 〔だね。この武技っていうやつは要注意だけど、それでもそんなに強く無いしね。〕

 〔そうですね。そろそろ交代しますか?〕

 〔オッケー、んじゃ準備しますわ。〕

 

 転移魔法でガゼフと位置を入れ替える。村長の家から開けた平原に景色が移り変わる。

 

「…何者だ?」

「初めまして。私はアインズ・ウール・ゴウンと言います。あの村には少々縁がありましてね。」

「村人の命乞いにでもきたのか?」

「いえいえ…

 

 

 

 お前と戦士長の会話を聞いたのだがな、本当にいい度胸をしている。」

「?」

「お前は私達が手間をかけて救った村人を殺すと宣言している。これほど不快な事はない。」

「不快とは大きく出たなマジックキャスター。で!だからどうした?」

「抵抗する事なくその命を差し出せ。そうすれば痛みはない。だが拒絶するならば、愚劣さの対価として、絶望と苦痛の中で死に絶えるがいい!」

「!天使達を突撃させよ!」

 

 彼らの天使がアインズの体に炎の剣を突き立てる。

 

「ふっ。無様なものだ。くだらん挑発でけむにまこうと…⁉︎」

 

 天使達は剣が刺さったままのアインズに顔を掴まれ、動けずにいた。

 

「言っただろう?抵抗する事無く命を差し出せと。人の忠告は素直に聞いておくべきだぞ。」

「馬鹿な!」

「何かのトリックに決まっている!」

 ガゼフすら倒せる剣をまともにくらってピンピンしているのだ。驚くのは当然だろう。

 

「上位物理無効化。基本的なスキルだ。ゼルエルさんも持っているぞ。では後はどうぞ。」

「かしこまった。」

 

 アインズは天使から手を離すと、天使は何か(・・)に頭を殴られたように地面に激突し、光の粒子と化した。

 

「ふむ。3枚で即死、ユグドラシルの炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)と同じというわけか…」

「やっぱユグドラシルと同じ奴なんですかね?」

 

 ゼルエルは炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)にユグドラシルで即死するのと同じ枚数のA.Tフィールドの盾殴りで攻撃したのだ。結果、ユグドラシルと同じ様に消滅したのだ。

 

「ぜ、全天使で攻撃を仕掛けろ!急げ!」

 

 ニグンは隊員に全ての天使での攻撃を命じる。だが…

 

「アルベドは下がれ。ゼルエルさんは大丈夫ですね。」

「はっ!」

「問題無い。」

 

「《負の爆裂/ネガティブバースト》‼︎」

 

 アインズの広範囲魔法が発動する。アインズを中心に負のエネルギーが炸裂するが、ゼルエルはA.Tフィールドで自分だけを守る。

 結果、天使は全滅した。

 

「うっ、うわぁ!」

「化け物!」

 

 隊員が次々と魔法を放つが、アインズとゼルエルはスキルで防御する。

 

 〔ユグドラシルの魔法ばかりですね。〕

 〔ほんとそれ。しかも高くて第三位階とか軟弱すぎでしょ。〕

 

「うわぁぁ!」

 隊員がスリリングを放つ。魔法が効かないのに何をと思うかもしれないが、動揺していたのだろう。

 

 ドシャ!

 

「えっ?」

 

 スリリングを撃った隊員の頭が無くなったのだ。どうやらアルベドがスキルでスリリングを反射させたらしいが、彼らには見えていないだろう。

 

「アルベド、あの程度の飛び道具でこの身が傷つかないのは承知のはず。お前が力を使う事は…」

「お待ち下さいアインズ様。至高の御身と戦うのであれば、最低限度の攻撃というものがございます。あの様な下賤な飛びつぶてなど。」

(私の方にも飛んできてたんだけどなー)

 

 アルベドはアインズに飛んできた物だけを弾き飛ばしたのだが、ゼルエルには何もしていない。まぁ、ダメージは無いのだが…

 

「くははは。それを言ったらあいつら自体が失格ではないか。なぁ、お前。」

「くっ!監視の権天使(プリンシパリティ・オブザベイション)!かかれ!」

 

 ニグンは待機させていた監視の権天使(プリンシパリティー・オブザベイション)をアインズに向かわせる。天使はメイスをアインズに向けて振り下ろす…

 

 ガキィィィン!

 

 …ことはできなかった。ゼルエルがA.Tフィールドを発動させたのだ。

 

「おいおい、いきなりキングは無いだろう?まずは私だ。」

 そう言いつつ、A.Tフィールドを十枚程度発生させ、殴る。最初の炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)と同じように、地面と激突し消滅した。

 

「なっ、何をした⁉︎」

「お前達が知る必要はない。さぁ、もう終わりか?」

「くそ!最高位天使を召喚する!全員、時間を稼げ!」

 

 そういうと、ニグンは懐から水晶を取り出す。

 

 〔モモンガさん、あれって…〕

 〔ええ。超位魔法以外なら封じこめる、『魔封じの水晶』ですね。ユグドラシルのアイテムもあるのか。〕

 〔あいつ、最高位天使って言ってましたけど、まさか熾天使(セラフ)ですかね。〕

 〔だとしたらマズイですね、ゼルエルさん。最悪、超位魔法を撃ちます。盾役(タンク)お願いします。アルベドも動かします。〕

 〔了解。〕

「アルベド、スキルを使用して私を守れ。」

「はっ!」

 

 アルベドはスキルを発動させ、アインズは超位魔法の準備、ゼルエルは第三形態になる。

 

「見よ!最高位天使の尊き姿を!威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)だ‼︎」

 

 水晶から光が溢れ、天使が召喚される。天使によって夕暮れで薄暗い周囲は昼間の様に明るくなり、天使は神々しく降臨した。

 

「この天使が最高の切り札…」

「そうだ!お前達にはこの宝を使う価値があると判断した!」

「なんてことだ…」

「恐ろしいか?無理もない。」

 

 

 

「本気か…」

「何?」

 

 

 

「これが最高位天使?主天使(ドミニオン)だぞ…上から4番目の天使だぞ…最高位天使だっていうから熾天使(セラフ)かと思って、わざわざ小っ恥ずかしい第三形態になったのに…ふざけんなよ!」

「全く、こんな幼稚なお遊びに警戒していたとは…」

「お遊び?何を言っている⁉︎まさか…いや、ありえん!人類では勝てない存在を前に!ハッタリだ!《聖なる極撃/ホーリー・スマイト》を放て‼︎」

 

 威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)は持っている杖を砕き、魔法威力を上昇させ、《聖なる極撃/ホーリー・スマイト》を撃つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガギイイイイイン‼︎

 

 

 

 

 アインズ一団を中心に半透明な壁が空を覆う。

「流石ですね。やっぱ第七位階じゃあスキルで防げませんし、助かりましたよ。」

「全く、この世界で一番歯応えのある攻撃が第七位階とかしょぼいですよ。A.Tフィールドが軋みもしないとは。」

 

 ゼルエルがA.Tフィールドを展開し、《聖なる極撃/ホーリー・スマイト》を完全防御したのだ。その影響でA.Tフィールドは透明の効果が消え、視覚できる様になったのだ。

 

「さて、お前達。確かこいつが最高位天使だって言ってたよな。」

「ひっ、ひい、もう一撃だ!」

「質問に答えろよ。まあいいや。冥土の土産に『使徒』の力、見せてやんよ。」

 

 ゼルエルは自らの腕をベルトアームに戻し、収束させ、発射する。ベルトアームは威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)の翼に突き刺さり、巻きつく。

 

「な、何をする気だ!」

「言っただろ。最高位天使様に『使徒』の力を見せてやるって言ってんだよ。」

 

 そういうと、ベルトアームを巻き戻し、天使にぶつかる。天使とゼルエルの間にはゼルエルが発生させたA.Tフィールドが張ってある。そのままゼルエルは破壊光線を放つ。

 

 ドゴオオオン!

 

 威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)は破壊光線の直撃を受け、大爆発の後、消滅する。

 

「やっぱ主天使(ドミニオン)じゃあこんなもんか。ちょっと硬かったけどまぁいっか。」

「よくないです。あんたの破壊光線で貴重な情報源が何人か死んじゃいましたよ。」

「あっ…」

 

 ゼルエルの破壊光線の余波で近くにいた隊員が何人か消し飛んだのだ。

 

「き、貴様、伝説の魔神の生き残りか?」

「魔神?それがなんなのかは知らないが。私は一応天使。こいつらの完全上位種族だがな。」

「全く。使徒なのに魔神とか、よくわかりませんね。情報をしっかりと聞き出す必要がありますね。」

 

 ピキ

 大気が割れ、元に戻る。

 

「なんだ⁉︎」

「誰かが情報系魔法で覗いてきたようだな。私の攻性防壁が作動したので大して覗かれてはいないだろう。」

「あらー、情報対策をしないで覗くなんて無用心すぎでしょ。」

「あんたにだけは言われたくないでしょうね。情報対策どころか低位の対策もしていないから、『露出狂』って呼ばれてたでしょう。」

「ちょ、おま、それは内緒だろー!」

 

 余談だが、ゼルエルはその見た目とあまりに情報系対策に無関心なことから、そう呼ばれていた。

 

 

「さて、ではさよならだな。」

「おい、話はまだ終わってねーぞ。」

「うるさいですね。掲示板でそう呼ばれてましたよ。」

「マジで⁉︎」

 

 マジである。

 

「さぁ、たっぷり情報を吐いてもらおうか。」

「そんな…使徒が隠蔽するのは違うと思って何もしなかったのに…」

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーー

 ナザリック・玉座の間

 

 陽光聖典の生き残りを全員捕縛し、ナザリックに帰還したアインズ一行。

 途中で(精神的な)大ダメージを受けたゼルエルをなだめるのに一時間程掛かったが、なんとか持ち直したようだ。

 

「まずは私達が勝手に動いた事を詫びよう。何があったかはアルベドから聞くように。ただ、早急に伝えたい事が二つある。」

「まず一つ目。私とアインズさんが創造したシモベを二体、領域守護者の任と兼任させ、ナザリックの防衛、行政にあてる。出てきなさい。」

 

 そういうと突如、何もない筈の玉座の隣の空間が歪み、二つの影が現れる。

 一体はまるで卵のような顔を持ち、黄色の服を身に纏う人型。そしてもう一体は青色の正八面体の形をしたモノ。

 

「皆様、初めまして。アインズ様に創造されしシモベ。宝物殿領域守護者、パンドラズ・アクターで御座います。そしてこちらは、ゼルエル様に創造されしシモベ、ラミエル殿です。」

「……」

 

 シモベ達は困惑した。ある者は驚愕で唖然とし、ある者は怒りのオーラをかもしだし、ある者は嫌そうな顔をしている。

 それは全て正しい反応だ。なぜなら最初、二人が出てきたのは《ミラー・ワールド/鏡の世界》という、至高の41人の一人が使用した最高位幻術なのだ。これで至高の御方が帰還されたと勘違いしたシモベは多い。しかし出てきたのは至高の41人には似ても似つかない卵顔と青い物体。しかも青い物体は黙り込んでいる。至高の御方々の前で不敬極まりない行為をしているのだ。むしろ、跳びかからなかっただけマシだろう。

 

「あー、ラミエルは使徒故、話すのが困難だ。皆もわかってくれ。」

 

 怒りのオーラを出していたシモベはすぐにそのオーラを引っ込め、自分達の過ちを悔いる。

 

「ん、ん!では彼らの説明を始める。まず、私の創造したパンドラズ・アクターは宝物殿の領域守護者で、私達至高の41人の姿をコピーでき、その能力を使うことができる、ドッペルゲンガーだ。その頭脳はアルベドやデミウルゴスと同等だ。主にナザリックの行政に当てようと思う。」

「はい。わった〜くし、パンドラズ・アクターは、モモンガ様に創造されし忠実なシモベ。他の至高の御方と戦うことになろうとも!私はモモンガ様に忠義を捧げます!」

 

 アインズ自らが創造したシモベ。しかも至高の41人の能力を使えるという。このような存在に他のシモベは驚嘆の表情をする。

 また、アインズがパンドラのオーバーアクションで精神の沈静化が起きたのは別の話…

 

「あー、私の創造したラミエルは、第八階層の第九階層へと繋がる門の前を守護する領域守護者だ。事実上、第八階層の最終防衛ラインだ。一定条件下での戦闘ならば守護者各員を上回るだろう。是非、ナザリックの防衛に役立ててくれ。」

「…」

 

 シモベ達は更に驚愕する。この者はナザリック最終防衛ライン、第八階層の最終防衛ラインだ。さらに守護者を超える力を持っているという。それをナザリックの防衛に与えるというのだ。ゼルエルの心意気に感激の涙を流す者もいた。

 

「守護者達は二人と話し合い、ナザリックの行政と防衛に役立てるのだ。最後に最も重要な事だが…《上位道具破壊/グレーター・ブレイク・アイテム》!」

 

 玉座の間のモモンガ(・・・・)の旗が消滅する。

 

「私は名を変えた。これからは私の事は…

 

 

 

 

 

 

 

 アインズ・ウール・ゴウン!アインズと呼ぶがいい!」

 

 

 

 




いかがでしたか?
アルベドの出番が少ないと思いますが、これも意図があります。アルベドの今後の活動にご期待(?)下さい。
ラミエルのオリ設定は次回以降でます。これから原作から少しずつ離していきます。

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