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DMMORPG <ユグドラシル>
かつて一大ブームを巻き起こしたこのゲームも、もうすぐ終わりを迎えようとしていた…
「楽しかったんだ…」
弱々しい声で今までの事を思い返すのは、ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』のギルド長、モモンガだ。
『アインズ・ウール・ゴウン』はギルドメンバーが全て異業種で構成されており、その異業種の救済を目的として作られたギルドだ。全盛期はランキング9位までのし上がり、非公式ラスボスとまで言われたDQNギルドだった。
PM 11:57
「はぁ…あと、3分か…」
モモンガはため息をつきながら、迫り来るサービス終了の時を待っていた。
(最後はみんなで一緒に迎えたかったな…)
それは我が儘だと知りつつも、思わずにはいれなかった。
(せめて、一人くらい…)
モモンガが自分の我が儘を、尊敬するギルドメンバーに押し付けてはならないと、考えを否定しようとした瞬間、一つの通知が届いた
【ギルドメンバー「ゼルエル」がログインしました。】
「うおおおおお!間に合ったーー‼︎」
「えっ」
ログインと共に雄叫びをあげたギルドメンバーに対し、思わず変な声をあげてしまったモモンガ。
「あっ、モモンガさんお久しぶりです。遅くなり、申し訳ありません!」
「ゼ、ゼルエルさん!?」
かつてのギルドメンバーが共に最後を迎えてくれる。それはモモンガが思い描いた最高のラストだ。最後に自分の願いを叶えられて、思わず泣いてしまいそうになったが、ふと見た時計の数字に思わずギョッとする。
PM 11:59
「ゼルエルさん!もう時間がありません!私は今、玉座の間にいます!」
「マジか!やべえ、すぐそっち行きますから待っててください!」
思わず、数分前の自分の行動を後悔する。最後だからと玉座の間に移動したのは間違いだった。円卓の間で待っていれば最後に顔を見る事ができたのかもしれないのに。
「ゼルエルさん!こっちでも移動します!」
「大丈夫ですよ!今、アイテム使って、そっちに向かってますよ!」
……………5
……………4
……………3
……………2
「モモンガさーーん‼︎」
「ゼルエルさーん!」
玉座の間の大扉を勢いよく開けて、飛び込んで来たのは、まるで大きな繭に仮面を付けたような異業種、使徒「ゼルエル」だった。まるでハリウッドダイブさながらに飛び込んで来たゼルエル。このままいけば玉座の間の床と熱いキスを交わすだろう。しかし、時間がそれを許さない。
(ありがとうございます。ゼルエルさん。)
モモンガは最後に会うことができた友に感謝の気持ちで一杯だった。
……………1
……………0
強制ログアウトの為、目を閉じ、視界が真っ暗になった。
ドサッ
ん?何か物音がしたな?
モモンガは恐る恐る目を開けると、そこには……
最後に見た玉座の間、否
「えっ!?」
玉座の間に素っ頓狂な声がこだました。
如何でしたか?駄文かもしれませんが、ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
みなさんの意見が聞きたいです。感想、批評、アドバイスなど、どんな事でも構いません、教えて下さい。
それでは失礼致しました。閲覧ありがとうございます。