東方叛逆郷─スパルタクス幻想入り─   作:シフシフ

16 / 18
待たせたな(圧政)

正直すまない───などというつもりは無い!!

お腹いっぱいで眠い時に20分で書いたからもうめちゃくちゃだよ・・・・・・。

でも1ヶ月も待たせている(待っている人がいるのかは不明)から急ごうと思ったのさ、許してヒヤシンス。





閉幕

 レミリアは空を見上げた。もうすぐ日が昇るだろう。であればここにいては不味い。

 フィックス卿は太陽に負けず太陽を笑う男だった。その事実が彼の精神をより強大なものにしていたのやも知れない。結論からいえばフィックス卿が異常なだけで、ほかの吸血鬼は日に当たれば死ぬのだ。

 

「・・・・・・」

 

 レミリアが空から後ろのフランへと視線を下げる。そこには自分達を救った英雄、スパルタクスもいるはずなのだから。

 

「!」

「お、お姉様!!スパルタクスが!スパルタクスが!!」

 

 フランの焦った声に驚き、フランが抱きしめるようにしているスパルタクスを見る。その体が金の鱗粉のようなものを放出していた。その粒一つ一つが大量の魔力を含んでいることもレミリアは理解した。

 

「ど、どうなっているのパチェ!」

 

 しかしこれが彼にとって悪い事だとしてそれを解決する手段も知識も持ちえないレミリアはすぐさまパチュリーを頼る。

 

「─────死ぬのよ」

 

 一言。あまりにも冷たい一言が告げられる。

 

「え?」

 

 つい、聞き返す。

 

「いえ、少し違うわね。消えるのよ」

「消える?」

 

 消えるとはどういう事か、レミリアは問おうとしてその言葉を飲み込んだ。スパルタクスが真に何たるかを知り得ているのは、この場においてパチュリー・ノーレッジただ1人。

 無知な己が何かを問うた所で変わりはしない。だから結論だけを聞く。

 

「答えてパチェ、スパルタクスは助けられる?」

 

 その問にパチュリーはゆっくりと瞳を閉じ──レミリアが諦めかけた所で目を開いた。

 

「yes、だけどそれをすれば貴女が危険よ」

「助けられるのね!?」

 

 レミリアとフランの瞳がキラキラと輝く。助けられる。それだけで十分な程に希望が持てた。

 

「いったい代償は何?」

「それは────」

「それは・・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レミィ、貴女が【圧政者】になる事よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 パチュリーから告げられた言葉。レミリアは混乱する。

 だからこそパチュリーは続けた。

 

「貴女の背中には令呪と言われ ゴッホゴッホムッキュ るスパルタクスに対する絶対命令権が ゴッホゴッホムッキュ あるわ」

「絶対、命令権?どうしてそんな物が?それに使い魔って」

「スパルタクスはね、使い魔 ゴッホゴッホムッキュ なの、小悪魔とは違った形式による使い ゴッホゴッホムッキュ 魔なのだけどね。主人と使い魔で魔力のパスを通す事に違いは無いわ」

 

 咳き込みながら時間が惜しいとばかりに説明するパチュリー。しかし、何故か少しづつ後ろに下がっていく。

 

「使い魔に本来なら出来ないことをさせたり、やってもらいたいことをやらせたりするのがゴッホゴッホムッキュ令呪なの。使い魔一体につき令呪は3画用意される事が多いみたいゴッホゴッホムッキュよ、そしてね────」

 

 核心に至る一言なのだろう、少しタメを入れるパチュリー。レミリア達はその一言を聞き逃すまいと体を前に傾ける。

 

「ゴッホゴッホムッキュ!」

 

 少し咳をしてタメを入れるパチュリー。レミリア達はその一言を聞き逃すまいと体を前に傾ける。

 

「はぁ、はぁ、はぁ。そしてね────」

 

 息を整えるパチュリー。レミリア達はその一言を聞き逃すまいと体を前に傾ける。おっと、フランが耐えきれずに前に「あうっ!」と倒れた。

 

「─────何だったかしら・・・・・・」

「おい!!」

 

 ため過ぎて忘れたパチュリーに情け容赦のない演出的グングニルが飛来しパチュリーの頭をブチ抜いた様な幻覚を視聴者は見た。が、そんなネギトロめいた殺人的現場は訪れていない。

 

「あっ!」

「思い出したのよね!?」

「思い・・・・・・出した!」

 

 パチュリーが某剣をブンブンしながら歩くOPがありそうなアニメのセリフを口にしつつ、さらに後ろに下がって、待ちに待った答えを神妙な面持ちで言った。

 

「─────令呪を3画全て使う事で、パーティー全員が生き返るのよ」

「・・・・・・・・・・・・ちょっと何言ってるか分からないわ」

 

 意味不な事を言っているパチュリー。しかし、視聴者よ。彼女を許して欲しい。彼女が使った魔法はアカシックレコードに直接答えを聞くというもの。要するに物凄い魔力を使うのだ。魔女にとって魔力は血液の近いものだ、足りなくなれば多少なりとも支障が出る。人間で言うなら血流40%OFF位には頭が動いていない。

 

「ぉ、ぉ!あっ、せい、しゃ、よ・・・・・・!」

 

 さらに言えば、スパルタクスは先程からパチュリーを殺そうと「一生懸命」に立ち上がろうとしている。スパルタクスの純粋なまでの殺意は100%パチュリーに向けられているのだ、怖くて逃げたいけど親友の頼みだから逃げられない。ならばせめて距離を通ろうとパチュリーは必死だ。

 

 ちなみに、令呪によってスパルタクスが回復したら間違いなくパチュリーは殺される。

 

「えっと、よく分からないけど令呪って奴を使えばスパルタクスは消えないのね?でも代わりに私は絶対命令権を使うから圧政者と認識されてしまう」

「えぇ、それと令呪が無くなれば貴女という魔力タンクゴッホゴッホムッキュとスパルタクスとの繋がりはゴッホゴッホムッキュ無くなるわ。スパルタクスはどの道消えてしまうでしょうね」

「うそ!?どうやったらそれは防げるの?」

「私ならもう1度令呪を作れるけど、多分作る前にゴッホゴッホムッキュされちゃうわ」

「咳と伏字が紛らわしいんだけど」

 

 どれだけキツイ状況であれ、パチュリーの叡智は決して並以下にはならない(真顔)。

 

「スパルタクス、と言うよりも使い魔に詳しいのは私だけ・・・・・・つまり貴女は圧政者として狙われる中で私を守りつつ、私が令呪を完成させるまでスパルタクスを止めなければならないわ!」

 

 距離が離れて来たため大声を張り上げるパチュリー。顔が青ざめているのは恐怖、そして大声をあげたことによる酸欠だ。早い。

 

「くっ、この魔力でスパルタクスを止めきれる・・・・・・?」

「私達も協力しますお嬢様」

「みすず・・・・・」

「美鈴です・・・・・・!」

「私も頑張るよ!」

「フラン・・・・・・!」

 

 忠誠、家族愛。そんな美しい絆が、スパルタクスのために立ち上がろうとしていた。

 

「────パチェ、令呪の使い方を教えて」

「───────」

 

 ふっ、と微笑み。覚悟を決める。あとは令呪の使い方を聞きスパルタクスの消滅を防ぐだけ。レミリアはパチュリーの目をまっすぐと見つめ────ることは出来なかった。

 

 

 

 

 

 パチュリーは、もう限界だった。

 

 数々の無理が祟った、そうとしか言えない。

 

 思えば久々に動いて筋肉痛がやばい。

 

 喉をやられて魔法が使いにくくなって精神がやばい。

 

 腰いてぇ。

 

 スパルタクスが怖い。

 

 とにかく、パチュリーは限界だったのだ。

 

「あとは────任せる、わ───」

 

 薄れゆく意識、親友をのこして先に逝く事を悔やみながら、パチュリーは必死になってその一言を絞り出した。そこに込められた意味は如何程か。それを知るのはきっと、彼女だけだ。

 

「いやパチェぇええええええええ!?なんで倒れてるの!?なんで酸欠起こしてるの!?どうしてそこまで疲弊してるのぉおおおお!?」

 

 パチュリーの(気絶)を悼む悲鳴(ツッコミ)が谺響する。

 

 ────あぁ、なんだ。私は、そこそこ程度には、愛されていたんだな。

 

 頭を駆け巡る走馬灯、今までのレミリアとの軌跡を巡っていき・・・・・・そう言えばレミリアはこの間までオムツだったな、なんて思い出す。

 

 ────もう、私があーんする必要も無い、か。大きくなったわね、レミィ。

 

「何か知らないけど猛烈に馬鹿にされている気がするわよパチェええええ!とりあえず起きなさい!気絶すんな!!」

 

 ────あれ?この記憶、私とレミィ、場所逆じゃない?───そんな訳ないかっ☆

 

「ねぇ!?多分それ咲夜!咲夜だから!!その記憶絶対に全部咲夜と美鈴だから!!しっかりしなさいよパチェ!と言うか咲夜の能力なら万事解決じゃないの!?と言うかせめて私との記憶を正確に思い出しなさいよ!!なんで書き換えてんのよ!!」

 

 ────せやな。

 

「はっ!!私は、正気を、マモレナカッタ」

「いや守ってよ!?というか保って!」

 

 パチュリーは起き上がる、「え"」と濁った絶望の声を上げる親友を救えべく。

 その後ろ姿は正しく英雄に相応しい。風を肩で切り、スパルタクスへと歩み寄る。口元に小さく笑みを浮かべ、レミリアの方へちらりと視線だけを送った。

 

「私に名案があるわ」

「・・・・・・」

「─────咲夜よ」ドヤァ

「それ私が言ったわ今」

「咲夜の能力を使えば私が令呪を作る時間を稼げる」

「うん知ってる」

「さぁ、やるわよ」

「うん使い方を教えてパチェ」

「貴女の名と令呪をもって命じなさい」

「あっはい」

 

 とてつもない塩対応。だが割とよくある光景なので誰も気にしない。みんなが気にしているのはスパルタクスただ1人。はっきり言って相当消えてるのだ。金色の光を放出してキラキラなのだ。

 

「えっと、私、レミリア・スカーレットの名と令呪をもって命ずる」

「あ、3画使ってやるのよ」

「・・・・・・令呪を3画使って命じる。消えないでスパルタクス!!来て!咲夜!」

 

 紅い光がレミリアの背中から放たれる。そうすればスパルタクスの消滅は防がれ、その体が急速に回復して行った。そしてそれと同時にスパルタクスは駆け出していた。さらにそれと同時にレミリアは咲夜を呼びつける。

 

 タァン!と指を鳴らす様な音と共にロリ咲夜が現れる。レミリアよりも背が低い。

 

「はい、なんれしょうかおじょうしゃま」

「スパルタクスの時を止めなさい!」

「はい!」

 

 命令すれば即応じる。こんなに素晴らしい情報伝達が行えるなんて素敵。レミリアはパチュリーとの関係を見直さなければと思った。

 

「っ!っ!」

「えっちょっと咲夜?」

「ご、ごめんなしゃいおじょうしゃま、ゆびパッチンむずかしくて・・・・・・」

「えっとね、ここをー、こうしてね?」

「えいっ!────やりました!」

 

 レミリアが指パッチンを教えて、成功させると同時に咲夜はスパルタクスの後ろにいてスパルタクスの動きは止まっていた。

 憤怒(スマイル)の表情のまま、スパルタクスは彫刻と成り果てた。

 

「・・・・・・やった、のよね。助けられたのよね?聞いてるのパチェ」

「──────」

「パチェええええ!!咲夜!パチェをとりあえずベッドに!」

「はい!」

 

 英雄の反撃は、ここにて一旦その幕を閉じるのだった。

 





コメント、評価、お気に入り、好きなだけするがいい(圧政)


許して(懇願)。

パチュリーがキャラ崩壊してるのは最初からだしセーフのはずだ。
令呪で復活するのはFGO的な何か。

──────続け。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。