■■■■「人類滅ぼしたら私のところに戻ってきていいぞ(どうせ断るだろうけど。本気で帰って欲しかったら戦争なんてしてねえからこいつらも冗談だって分かってるよなww)」
アザゼル「マジかよやったー!」
■■■■「え?」
コカビエル「やっと俺たちが最高だって認めてくれたな!」
■■■■「え?」
バラキエル「これで妻にも顔向けできます」
■■■■「えー」
「は……?」
自分が突き出した槍が宙を突いて、アーチャーは呆けた声を上げた。
槍で貫いたはずの自分が、ぼやけて消えた。
「暁の魔神槍第三形態――」
背後から聞こえてきたのは、過去の自分の声。
「
「ちっ! 幻影か!」
背後に振り返ろうとして、
「ぐぅ!」
横っ腹を一突きされた。
攻撃された方向に棺桶を振り回せば、何かにかすった感触。見れば過去の自分がいた。
「っ! よくもそんな小細工を考えたものだ」
「おまえには思いつかなくて当然だ。この能力は、ゲオルグの発想だからな」
そして、槍と槍の突き合いが始まる。先ほどはアーチャーに分があったが、大きなダメージを負ったからか曹操に追いつかれてきた。
「流石はゲーティアが用意した槍! この俺の眼を惑わすとはな……!」
「ああ、まったくだ! 最初は聖槍の禁手――『極夜なる天輪聖王の輝廻槍』と同じ能力にしてもらおうとしたんだが、駄目出しされた!」
「何だと!?」
「『こんな適当な能力が切り札とか、ふざけているのか?』とさえ言われたな! 俺には戦う才能はあっても、戦い方を考える才能はなかったみたいだ!」
「そいつは聞きたくなかったな!」
不意に、曹操の槍捌きが速度が急激に遅くなる。
(フェイントか? 性懲りもなく幻影を重ねるか! ならば幻影ごと薙ぎ払うだけ!)
槍ではなく棺桶を曹操目掛けて振り回すが、幻影だと思っていた槍に触れた瞬間に爆発が起きた。
「何っ……!」
幻影だと思われた槍は実在していた。動きが鈍くなった理由は単純で、極めて物理的な意味で重量が増したからだ。
これが第四形態、
(ヘラクレスの拳を元にしたか……!)
これもまた、繊細な技量こそを自慢にしていた曹操にはなかった発想だ。折角の速度をわざわざ殺して、自分も衝撃を受けるような破壊力重視の攻撃など。
これこそ、過去の曹操と未来のアーチャーの違いだ。
彼には仲間がいて、自分にはいない。
棺桶には仲間の遺品が詰められているが、所詮道具は道具。使い手がアーチャーである以上、その使い道は彼の想像力によるものだ。
「はぁ!」
「がァ! 貴様ぁ!」
爆撃に怯んだ一瞬の隙を突いて、曹操はアーチャーの右肩を貫く。そのまま爆裂が起き、アーチャーの右腕は消滅した。必然的に、右手に持っていた槍が大地に落ちる。
「これで――終わりだ!」
「なめるなぁああああ!」
曹操の槍が通常の形態に戻り、アーチャーへと突き出される。天賦の才が宿りながらも未熟さが抜けきっていない猛攻を、アーチャーは避け続ける。過去の自分の攻撃だ。多少のダメージを負った程度で避けられないはずがない。
左手に持つ棺桶から新たな武器を取り出せないのは何故だ。この棺桶をぶつけてしまえば勝敗は決するはずなのに、どうしてそんな気になれない。
「『曹操』は先祖から盗んだ名前か。言い得て妙だな。だけど、俺はそれで終わらせるつもりはない!」
「何をっ!」
「『曹操』の名前は、俺の名前にする!」
確かに、自分のものではない名前を使い続けている。だが、これは決して先祖の栄光に縋っているわけではない。もう過去に憧れるだけの英雄ごっこはおしまいだ。
「三国志の英雄としての名前ではあるだろうが、俺個人の名前でもあるように変えてみせる! ああ、そうだ。奪ってやるのさ!」
「戯言を!」
「恥ずかし気もなく何度でも叫ぼう! 俺は英雄になってみせると! 俺たちは、神々さえ黙らせるくらいに、この星の人類の価値を示してみせると!」
精錬しているつもりでもまだ柔い。高速のつもりでもまだ遅い。疲労ならばあちらの方が溜まっているだろう。だが、そんな一撃にアーチャーは目が眩んだ。
「俺達は――やり抜いてみせると!」
(ああ、そうだ)
「誰かに負けるのはいい」
(こんな男がいて)
「でも自分には負けられない!」
(こんな男についてきてくれる奴らがいたんだったな)
「滾れ、我が魔槍。第二形態――
■
「俺の負けだ」
「ああ、俺の勝ちだ」
相手は歴戦の英霊。霊核は穿てなかったようだが、それでも勝敗は決した。
アーチャーが消滅するにはまだ猶予がありそうだが、彼にはもう戦意などない。戦う意志も、意味もない。この『曹操』は自分のようにはならないだろうから。
「間違えた馬鹿からの警告だ。聞いておけ」
深呼吸をしながら、アーチャーは守れなかった仲間達の姿を脳裏から引っ張り出す。
「ヘラクレスの馬鹿が師匠の後追いをしないように見張っておけ」
「ああ」
「ゲオルグはする必要もない徹夜で倒れることがあるから、その場合は気絶させてでも眠らせろ」
「あ、ああ」
「レオナルドが暴走した時、あいつは自分の作ったモンスターに自分の身体を食わせた」
「分かった。注意しておく」
「ジャンヌは、そうだ。あいつの料理がどんなにまずくても不満を漏らすな」
「え?」
確かにジャンヌの料理は塩分が効きすぎていたり生焼けだったりと微妙な出来のものが多いが、こんな状況で言うほどではないと思うが。
そんな風に曹操が怪訝に思っていると、背後から人の気配がした。
「ちょっとどうして私だけそういう方向性なのよ!」
「馬鹿、ジャンヌ隠れろ!」
「おまえも声がでかい!」
「ええ!?」
声のした方を見れば、ジャンヌやゲオルグ、ヘラクレスがいた。曹操にその姿を見られたことで開き直ったのか、ゼノヴィアやコンラを始めとする英雄派のメンバーがぞろぞろと出てきた。よくもこれだけの人数に気づかなかったものだ。アーシアがいないことにほっとしたのは内緒だ。
「いつからそこに!?」
「……おまえがナイチンゲール先生にえぐられたトラウマの話のあたりだ」
「一番聞いて欲しくない部分を!」
英雄派の登場にアーチャーは一瞬だけ驚いたが、話を続ける。
「いや本当頼む。特にアーシアの料理と比べるな。いや、アーシアだけに限定すべきじゃないな。死者の腕前と比較するな。あの時の空気のまずさはやばかった」
「やめろ。何があったか想像に難くない状況の説明」
「謝ることさえできなかった……。何であのタイミングで来るんだ、あの腐れ天使が」
「やめなさい。それ以上並行世界の私を辱めるんじゃないわよ。……こうなったらアーシアに料理を習うわ。いえ、いっそ先生に!」
「やめろ! オキシドールもエタノールも飽きた!」
「塩辛いパスタでも生焼けのピザでもいいから、そのままのジャンヌさんでいてくれ!」
「ゼノヴィアさんの怪奇クッキングよりはマシだから!」
「ああああああ! あんなのと比較されるなんて女のプライドが許さないわ! 意地でも習ってやる! 放しなさい!」
「止めろおおおお!」
「くっくっく、あ、あはははははははははははは!」
突然の哄笑に唖然とする英雄派一同。
「あー、畜生。めっちゃ羨ましいぞ、未熟者」
心底羨ましそうに、彼は涙とともに吐き出した。
守れなかった輝きがそこにあった。失った仲間がそこにいた。欲しかったものを手にしている自分がいる。
「本当、何が違ったのやら」
「……おまえは世界の終わりを見たわけじゃないんだろう? ひょっとしたらおまえが死んだ後に、誰かが――」
「そんなことは有り得ない。敵は聖書の神だけじゃない。外なる神の脅威は去っていないんだ」
無念と憤怒を思い出したのか、アーチャーは苛立ちのままに吐き捨てる。
「『門』は閉じたさ! ラウムが『真理』を参考に編み出した術式で、
かつて教授は世界を『円』に例えた。だが、ここでは『木』と『葉』と認識した方が理解しやすい。『C』という木にある一枚の葉からアーチャーのいた『D』の中の一枚の葉に蜘蛛の糸が続いている状態だと言える。この場合、蜘蛛は彼の世界の兵藤一誠になるわけだ。
「『C』から『D』への『道』は続いている。皮肉にも聖書の神の『檻』があの世界を外なる神から守っているという皮肉があるんだ。いや、そもそも神殺しは不可能だ。相手は『真理』の獣だ。ゲーティアさえ上回る」
人がイメージできる範囲内に、奴はいない。全知全能とはそういうことだ。唯一神とはそういう存在だ。人間とも、現象の一端を担う多神教の神々とも違う。
その脅威を少しでも認識するには、『真理』とはどういう原罪なのか、を考える必要がある。
「人は正しいものがなければ迷う。正しいものがなければ生きていけない。暗闇の中で光を求めるのは、光のある場所が正しいと思い込んでいるからだ。それが本当は間違っているのだとしても人は知識と常識に従う。どうして地動説が何百年も否定されてきたと思っている?」
大地が動いているという感覚がないだの、星の引力が証明されていないだの、天動説の方が説得力があるだの、理由は色々あるだろう。だが一番の理由は即ち、『地動説は間違っていると思われていた』から否定されたのだ。どんなに白くても、黒いと思われたものは黒なのだ。
勝ち方が用意されていない人類悪。他の人類悪さえ滅ぼす人類悪。それこそが『真理』の獣。
「『聖書の神には勝てない』。そういう想いがある限り、あれは決して倒せない。あの獣が顕現した時点で、あの世界は終わったんだ。後はすべて、悪あがきの時間だったのさ」
「そんなことはありませんよ」
自嘲するアーチャーを遮るように、第三者の声がした。
「――ようやく会えましたね」
■
「どーも、曹操さん。お久しぶりです。すみません、あっちこっちに挨拶した後、貴方がソロモンに召喚されたみたいな痕跡が先日見つかったので必死に探したんですけど……ギリギリになっちゃったみたいですね」
「どうしておまえが……」
とぼけた挨拶をする少年だった。年齢は十代後半といったところだろうか。古びた外套を着て、背中にはアーチャーと同じ棺桶を背負っている。
彼を見た英雄派は同じ想いを抱いていた。
誰だこいつ。
アーチャーの態度からすれば彼の世界線の知り合いなのだろうが、英雄派の誰も彼の顔を知らない。曹操の年齢の変化から逆算して現在の年齢を考えても、それらしい人物に心当たりがない。一番歳が近いのはレオナルドになるのかもしれないが、彼とは人種が違うように見える。
「おまえたちが知らないのも無理はない。こいつと会ったのはゲーティアが倒されて、アーシアが死んで、外宇宙の神が来る少し前だからな」
「どーも、俺が知らなくて、俺を知らない英雄派の皆さん。日付的には、半年くらい後になりますかね。ラフムの群れに襲われている俺を、曹操さんが助けてくれたんですよ」
「……あの時、俺はおまえしか助けられなかったよ」
「ええ。だから俺はこうして生きています」
はっはっはと笑った後、少年は真顔でアーチャーと目を合わせる。
「それで、どうしておまえが此処にいる? まさかこっちの世界に避難して来たわけないだろうが、聖書の神が作った『檻』はどうした?」
「んー、ちょっとした事後処理が終わって、その寄り道です」
「事後処理?」
「『道』の破壊です。『檻』からの脱出はあちらの方々にご協力いただいて」
名も分からぬ少年が手で示した先には、スーツ姿の中年と蜂蜜色の髪の少女がいた。
「『門』は完全に閉鎖したし、『檻』もこれから戻って完全に開放しますので」
「ちょっと、待て……。じゃ、じゃあ、何だ。それができるってことは、だ。つまり――」
にっ、と少年はしたり顔で笑った。
「改めて、曹操さん。ご報告を」
「……その名前は捨てたよ。それに、俺のじゃない。魏の武帝様の名前だ」
「いやー、俺にとって曹操は三国志の英雄じゃなくて貴方の名前なので」
それを聞いたヘラクレスが曹操を小突く。
「だってさ」
「……どうした?」
「いや思ったより恥ずかしいな」
意外すぎる反応に失笑する英雄派を他所に、アーチャーと少年の会話は続く。栄光の戦果報告が始まる。
「俺達は勝ちました」
「そ、うか」
「俺達人類は、生き残りました。いま、生き残った神様やら魔王様やらと協力して世界を立て直しているところです。人口を正確に把握できてはいないんですが、まあ、五万は切ってないはずです」
「そう、なのか」
「まあ、あっちこっちでちょっとした衝突やら問題やらは起きているんですけど。平和になるのは当分先ですけど」
余程予想外だったのか、表情が固まるアーチャー。心底驚いている様子だ。
「でも、貴方の死後は大変だったんですよ。メタトロンとサンダルフォンが実はサマエルの手先で冥府からサマエルを解放したかと思ったらサタナキアとネビロスとアガリアレプスの残党が初代ルシファーを復活させて、更にソロモンのクソ野郎がまた蘇ってサマエルとルシファーと聖書の神と悪魔合体したんですからね」
「それは大変だったな。まあ、サマエルとルシファーは聖書の神の分霊だからな。あれほど嫌悪しながら神になろうとするとは、あの糞野郎らしい」
「今さらっとすごい情報が流れていったぞ!」
詳しい話を聞きたいところだが、この二人の会話に口出しをするのは無粋が過ぎるので待っておく。
アーチャーは少年が担いでいる棺桶に目をやる。自分が持っているそれと同じものを。
「おまえが、受け継いだのか」
「ええ。貴方の死後、皆で話し合いまして。英雄派の皆さんはほとんどいなくなったし、テオドロが良いかと思ったんですけどね。……レオナルドが生きていれば、満場一致で彼だったでしょうに」
「それは、どうだろうな。あいつは『魔獣創造』に拘っただろうさ」
「神崎光也さんも、俺が良いだろうとか言ってきましたからね」
神崎光也。『始まりの闇』。神滅具『蒼き革新の箱庭』と『究極の磨羯』の力を持つ男。人類最強の候補に数えられるほどのバグ。
それほどのビックネームが掘り下げられることもなく流されるあたり、このふたりの会話のスケールは常軌を逸していた。
「それで聖書の神――いや、おまえの話の通りならややこしいから『真理』の獣と言うべきか――を倒せたのならば、皆の判断は間違っていなかったんだろう。すごいよ、おまえは。神殺しで獣殺しなんて、大偉業じゃないか」
「その大偉業は、貴方の功績でもあるんですって」
「おまえの功績だ。この役立たずの代わりによくやってくれた。すごいよ、おまえは。俺なんかよりおまえの方がずっと英雄だ」
「いやいや。曹操さんのおかげですよ。貴方という英雄がいたからこそ、俺たちは勝てたんだ」
「馬鹿を言え。俺は偽物だよ。所詮負け犬さ――」
「いい加減にしてくださいよ!」
アーチャーの態度の何が気に入らなかったのか、激昂する少年。
「偽物だの、負け犬だの。じゃあ何か、俺達が貴方に抱いているこの感謝は、憧れは全部偽物かよ! アンタの前にこうして立っている俺は、死体だってのか!? アンタのやった偉業の価値を、勝手に決めるんじゃねえよ。思いあがるのも大概にしとけよこの中二病が!」
権利がないと言うのなら、貴方には自分を貶める権利などない。貴方が行った偉業は、貴方が思うほど軽いものではないんだ。
「あんたがいなかったら俺はとっくに死んでたよ! もっと大勢死んでた! 世界なんて救えなかった。人類は滅んでいた。胸を張れよ! うじうじすんなよ、うざってえ! いいか、よく聞け。あんたが後悔していようがあんたが自分を無力だと思っていようが、十の中から一しか救えなかったとしても、仲間を守れなかったんだとしても、魔王を殺して終わったんだとしても、偽物でも負け犬でも――」
「――俺達は、貴方のおかげで、生きているんだよ!」
貴方の世界は救われたんだ。
貴方が俺を救ってくれたんだ。
貴方が守った世界で、私達は生きている。
「――ああ、そうか」
それを聞いて、掃除屋は憑き物が落ちたように笑った。
「俺は、ちゃんとすごいことをやったのか」
「そうですよ」
「俺は英雄になれたのか」
「当たり前ですよ」
「俺は世界を守れたのか」
「何回も言わせないでください」
無茶だった。無理だった。だが、無駄ではなかった。無為ではなかった。自分たちの戦いは決して無駄ではなかったのだ。ちゃんと何かを残せて、何かを守れて、何かを繋げられたのだ。ゲーティアの、英雄派の、人類の戦いは決して無意味でも無価値でもなかったのだ。
「答えは得た」
欲しかったものは手放してしまったのかもしれないが、続くものは出来た。託されたものは守れなかったが、守りたかったものを託せる誰かがいてくれた。
「じゃあな、皆。俺を頼む。どうしようもない奴だが、支えてやってくれ」
「どうしようもない奴なのは知っている」
「俺達が支えてやらないといけないのも重々理解した」
「まあ、思っていた以上にどうしようもないっぽいけど」
「まったく、リーダーは私達がいないと更にダメになるみたいね」
「誰かフォローしてくれ」
そんなやり取りを見て羨望と寂寥に浸るアーチャーだったが、自らの棺桶を勝手に引き継いだ少年を見る。自分が残せていた希望を見る。
「俺達の世界を、頼んだぞ」
「ええ、任せてください。貴方の方こそ大丈夫ですか?」
抑止力の尖兵として使い続けられることに耐えられるのか。
その問いに、アーチャーは朗らかに答えた。
「大丈夫だ、俺もこれから頑張っていくさ」
「そうですか」
「お互い先は長そうだが、やれることをやろう」
もはや言葉は不要と、英雄になりたかった男と救世主になった男はお互いの拳をぶつけた。
そして、アーチャー――否、曹操は笑顔でエーテル体と消え去り、少年は無理やり笑顔で見送った。
真名 (不明)
クラス ※セイヴァー
ステータス 筋力:D 耐久:B 敏捷:B+ 魔力:C 幸運:A- 宝具:A++
スキル 対魔力:B カリスマ:? 戦闘続行:A 星の改変:C 神滅具:EX
宝具 覆すべき終末のⅠ 再編の時来たれり、我らは星を歩むもの
※クラスは疑似的に当てはめたもの。通常の七クラス全てに適性がある。実はアヴェンジャーの適性はあるが、ルーラーの適性はない。
備考 曹操の棺桶を受け継いだ人間。星の救世主に名を連ねた者。再現されたラフムの群れが最初に襲撃した都市で生き残った誰か。
英雄の末裔でも勇者の転生体でも魔術師の家系でも異形の混血でもなく、神器も生まれ持っておらず、人類最高峰の頭脳や天賦の才があるわけでもなく、聖剣や魔剣の適性さえ自前ではない。獣殺しの素質があっただけの、純粋な『人間』。よって、聖書の神が復活しない世界線では普通の人間として生涯を全うするだろう。
『真理の獣』打倒後の世界では、事実上人類のリーダー。というか、神魔と人間の中間管理職。自分の世界に戻れば賢王が苦笑いする量の仕事が待っている。頑張れ。
棺桶の後継者は原作に登場した誰かにしようかとも思ったが、それじゃ『意味がない』と感じてこのようにした次第。英雄派や教会の戦士、XxXのメンバーだけがこの世界の人間じゃないと主張したいのだ。
さて、しばらくシリアスだったら次の話ははっちゃけてもいいよね?